[974]フフホト通信(山東省青島市から)

石井裕之 投稿日:2012/06/07 02:13

中国の内蒙古自治区から、石井がフフホト通信をお伝えします。
この間から繰り返しお伝えしていますが、今少しづつ山東省の青島市に引越しを行っています。今月中には家族も全て合流出来る段取りになっております。

さて、本日は石炭のお話です。
日本に居る皆さんにとって、石炭は馴染みの薄いものではないでしょうか。
しかし、世界では実に多くの石炭が今でも沢山掘られ、消費されています。
中国も例外ではありません。火力発電のほとんどは今でも石炭に頼っています。
その強大な石炭需要を支えている巨大な炭鉱が内蒙古には沢山あります。私は先日来、青島と内蒙古のフフホトをよく自動車で往復しています(1200kmの行程)が、時間帯や曜日に関係なく、フフホトから北京までの500kmほどが一番渋滞しています。石炭を満載したトレーターが文字通り数珠繋ぎ状態なんですね。

では、石炭の値段は如何程だと思われますか?
実は、今では輸送コストの方が高くなっています。
例えば、日本が15000円/トンという単価で海外から仕入れをしている石炭の、炭鉱出し価格は、5000円/トンほどです。
ただ、露天掘りといって所謂普通の掘削機械で簡単に採取出来るものですから、採取に掛かるコストはほとんど無視出来るほど低いでしょう。
日本の炭鉱は、トンネルを掘っていって目的の石炭を採取しなければならなかったものですから、コストが高くついた訳ですね。
要するに、5000円/トンのほとんど全てが儲けという訳です。

石炭の炭鉱を買うのにどの程度のお金を用意すれば良いでしょう。
これは地域によっても違いがあると思いますし、お願いする相手にもよりますから一概には言えませんが、想定埋蔵量が1億トンの炭鉱で200億円前後でしょう(あくまで参考価格です。勿論日本人が買える筈もありません)。
5000億円の資産価値のある炭鉱が200億円で買える、という訳です。

今、中国では不動産関連事業が足踏み状態になっています。
本来なら不動産開発に注ぎ込まれていたお金が、石炭に代表される資源開発にどっと向かっています。ですから、内蒙古や新疆ウイグルに温州や福建省の金持ちが引切り無しに訪れているのです。また、それが為に炭鉱の購入価格がどんどん上がってきています。
そうです。ちょっと前までもっと安かったのです。

こういった状況を鑑みて思うのは、本当のお金持ちになるのに頭の良し悪しは関係ない、ということです。何故なら中学校しか卒業していないような普通のオジサンが、ベンツやレクサスといった高級車を日替わりで利用出来るような環境が今の中国なら作られているのですから。
考えてもみて下さい。資産総額で数百億円というお金持ちが至るところに居るような国に中国がなるなど、つい20年ほど前までは想像も出来なかった訳です。
と、するとお金持ちになるための方程式は次のようになりますね。
適切な時期に、適切な場所で、適切な行動をすること。

クソ坊主の作ったどうでも良い習慣に縛られ(法事や装飾過多な葬式など)、腐れ外道の官僚どもに自由を奪われている日本に適切な場所があるのかどうか、甚だ疑問ですね。