[954]小沢無罪 の 判決を受けて

副島隆彦 投稿日:2012/04/27 11:35

副島隆彦です。 昨日(26日)は私も、小沢一郎に対する東京地裁の無罪判決をテレビで見ていた。NHK以外は、ほとんど現場からの実況の報道をしなかった。日本のテレビ、新聞は、いよいよ腐りきっている。

それでも、まだ社会部(サツ回りを中心とする実社会の事件を追いかける)には、まともな判断力のある記者たちが残っているだろう。それに期待するしかない。

 小沢一郎への政治裁判、政治弾圧、裁判所・検察庁まで使った違法裁判への、かろうじての無罪の判断があって本当に良かった。 これで、まともな神経をしている小沢派の政治家(国会議員)たちを中心にして、それを支える私たち日本国民の努力が、少しは報われた。私も言論人の端(はし)くれとして、これまで3年間、ずっと、小沢無罪を主張してたくさんのことを書いてきて嬉しく思う。
 
 
(転載貼り付け始め)

「 小沢被告に無罪判決 陸山会事件」

産経新聞 2012年4月26日 10:14  

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の判決公判が26日、東京地裁で開かれ、大善文男(だいぜんふみお)裁判長は無罪を言い渡した。求刑は禁錮3年。平成21年5月に導入された強制起訴制度による判決は2例目で、いずれも無罪となった。

 無罪判決が相次いだことで、検察審査会や強制起訴をめぐる議論に影響を与えそうだ。小沢被告は、元秘書らと共謀し、陸山会が平成16年10月に支払った土地取得費計約3億5200万円を、16年分ではなく17年分の政治資金収支報告書に支出として記載した、などとして強制起訴されていた。

 小沢被告は「検察が違法な捜査を行い、検察審査会を誘導した」と無罪を主張。(1)検審の起訴議決に基づく起訴の適法性(2)虚偽記載の有無(3)元秘書との共謀の有無-が争点となった。

 小沢被告に「収支報告書の内容を報告し、了承を得た」とする元秘書らの供述調書がほぼ唯一の直接証拠だったが、東京地裁は2月、取り調べに「利益誘導や圧力があった」として大部分を退けた。

 「 全面戦争で検察完敗…小沢氏に軍配 強制起訴は「適法」 」

産経新聞 2012年4月26日

 小沢一郎民主党元代表は初公判から一貫して、起訴議決を出した検察審査会ではなく、捜査を担った検察への批判を繰り広げた。「検察VS小沢氏」の構図となった法廷。裁判所は審理の末、今回の起訴議決に基づく強制起訴を「適法で有効」とし、強制起訴の効力に関して初めてとなる司法判断を提示。一方で、捜査を「謀略」と指弾した小沢氏側に軍配を上げて無罪とし、検察当局には衝撃が広がった。

 「今回の事件は民主党の政権交代が現実味を帯びた状況下で、小沢つぶしを画策した検察の謀略だ」 昨年10月6日の初公判の意見陳述。小沢氏は冒頭からこう切り出し、検察との対決姿勢を鮮明にした。

 小沢氏は政治資金収支報告書の処理には関与していないことを強調し、東京地検特捜部について「国民から何の負託も受けていない一捜査機関が、議会制民主政治を踏みにじった。憲政史の汚点として後世に残る」と強く非難した。

 法廷での検察批判は続き、先月19日の最終意見陳述でも「不当捜査で得た調書を提供して検察審査会の議決を誘導した。私はいかなる点でも罪に問われる理由はない」と主張。弁護側も最終弁論で「立件に失敗した検察が、検審を欺いてまで小沢氏を起訴しようとした」と、裁判長に公訴棄却を求めた

(転載貼り付け終わり)
 
 
副島隆彦です。 問題はこのあとだ。さあ、これからどうするかだ。 奇妙な静けさが日本全体を包んでいる。小沢一郎への憎しみを込めて、蠢(うごめ)いてきた官僚どもと、テレビ・新聞を支配している人間たちと、さらにその上にいる首謀者たち( 法務省・警察庁・裁判所・検察庁までも人事面からあやつって来た者たち)は、きっと一様(いちよう)に白けて、言葉を失っているはずである。あれほど強引な、筋の通らないことをテレビで喚(わめ)き続けて、それで自分たちの違法言動のかずかずを国民から見抜かれているのだから。

 私たち小沢一郎の政治改革を強く支持してきた国民は、総大将の小沢一郎のこれからの動きを注視して、政治勢力としての結集を作って、再度の巻き返しを行なってゆくべきだ。あの三年前の2009年8月末の「民主党マニフェスト革命」の大勝利にまで、日本国を引き戻さなければいけない。 

 しかし今の日本国内に広がっているのは奇妙な静けさだ。国民は皆黙ってうつむいている。私たちは、200万人、300万人の渦を作って日比谷公園に結集して、日本の改革を予定通り進めてゆくだけの気力と熱気を奪われている。この奇妙な政治的な、膠着(こうちゃく)状態、対峙拮抗線での静けさと空虚感をこそ警戒しなければいけない。

 見苦しく登場した野田佳彦首相は、このあともまさしく自分の政治生命である消費税増税の国会審議に向けて突進しようとしている。せめて、「(小沢無罪に対して)厳正な司法(部)の判断を尊重する」というぐらいの首相声明ぐらいは発表できなかったのか。それぐらいの事もできない、小兵(こひょう)の男を、アメリカにあやつられたままに、私たちは自分たちの首相として上に置いている。

 敗戦以来、67年にもなるのに情けない被占領国の属国の国民だ。 戦争に負けると、それでおしまいなのではなく、さらに支配・占領が何十年も続くのだ、と、私たちは自分自身の人生にまで影響を与える外側の大きな枠組みというものを否応(いやおう)なく知らされる。 

 野田佳彦は、この4月21日に、ホテル・オークラで開かれた「米欧日三極(さんきょく)委員会、トライラテラル・コミッション」という 日本を政治、経済の両面であやつるための非公式会議で、首相として演説していた。前の菅直人だけでなく、彼までもジェラルド・カーティスがあやつって育てて、日本の首相にするという、アメリカの裏指導者たちの根回しで、10年前から(いや20年前から)計画的に実行されてきたことだったのだな、とよく分かる。

 消費税の増税も出来ず、TPPへの日本の参加表明も出来ない(30日の日米首脳会議で、そう日本側は打ち出すらしい。オバマは、即座に野田を見捨てるだろう)ということになると野田政権の先はもうない。 だが、消費税増税の法律は通せなくても それを「既定路線にする」ことまではやらされて、アホの野田たちは使い捨てにされる。日本国民にこれだけ嫌われたままのお払い箱である。もう少し自分の頭の使いようはないのか。

 私たちは、法務省・検察庁”赤レンガ組”(東大法卒のアメリカが育てた法律官僚たち)と私大出だが宗教団体が動かす検察官・裁判官たち を 道具として使った、アメリカによる 小沢一郎への政治弾圧で、私たち日本国民の貴重な3年間(民主党政権になって、2年10ヶ月だ)を空費させられた。

その間に、新興5大国(ブリックス)を中心にする新興国がどんどん国力を付けてきている。 欧と米の先進国の金融システム崩れのだらしなさ(金融バクチをやり過ぎての自壊現象)に引きづられて、かつアメリカにあまりに国民の資金を強制的に差し出させられ奪われるものだから、私たちの日本も疲弊しきっている。 

 2010年の9月14日の民主党代表選挙で、計画的な不正選挙が行われて、小沢一郎 200票 に対して、菅直人 206票 という クーデターで菅直人という愚劣な男が居座った。 あのときの勢力伯仲で分かったことだが、小沢一郎と鳩山由紀夫を支える民主党の国会議員は、200人弱にまで切り崩されている。70人ぐらいの衆参の議員が反改革の方に回ってしまった。

「次の選挙で落ちたくなかったら、言うことを聞け」消費税増税派の方に、つぎつぎと転向していっている。 だから、今の民主党を内部から立て直すことは至難の技だ。 

 私たちは、あんなに愚劣な菅直人や仙谷由人や前原誠司(それから、すべての松下政経塾出の政治家たち)や野田佳彦を 見てしまった。国民の多くが、自分たちの期待を裏切った者たちに二度と投票することはない。 それで、つぎの政局(せいきょく)が表れた。

その予想は、今日から全国の本屋に並ぶ私の新刊書の「欧米日 やらせの景気回復」(徳間書店刊)に書いたので読んでください。

私たちはしぶとく次の闘いに挑まなければいけない。こんなに国民と共に歩むことを知っている指導者がいるのだから、彼らを支えて困難の中を生きてゆくしかない。若者たちに職を与えなければいけない。夢を与えなければいけない。国民の失業率を減らすことこそは政治が一番大事にすべきことだ。そのためには、本物の正しいケインズ主義の成長経済の政策を実行しなければいけない。

 私は、次の局面で、橋下徹=竹中平蔵 の 恐ろしい 本物の 日本にも遂に出現したファシズムの政治勢力が台頭することを一番警戒している。今、このように書くことはまだ時期早尚であり、なかなか理解を得られないだろうが、私としてはやはりこのように書いておくしかない。

 私は、2009年8月のあの民主党マニフェスト選挙に勝利した時の、あのときの国民の正しい熱気と期待に戻るべきだと、それこそが、私たちの今の指針だ、と強く思う。

 私が、今でも念じるように 覚えているのは、若い民主党の政治家たちが、自分のネットに一様に書いた、以下の政治改革、公務員制度の改革の 大きな方針だった。

  「今、多くの国民は、官益を断ち民主党の改革を信頼してくれてい る。 現 在4800の公益法人に28000人の官僚が天下っている。そしてここに総額5兆9000億円の税金が毎年投入されている。この数字は年々自己増殖ばかりであり、中央省庁所管の独立行政法人(独法、どっぽう)の101法人は、官僚による天下り先の温床だ。ここに毎年12兆5000億円の税金が投入されている」

上記と同じ内容の文章を、細野豪志(ほそのごうし)だけでなく、若手の民主党の政治家たちは書いて表明していた。 そして今は見難く変質し尽くした野田佳彦も言っていたことなのだ。それを 最近は「野田の過去のシロアリ退治」として、植草一秀氏が証拠を掴んで言っているのである。

 人間は恥知らずに変節できるし、言っていたことをコロリと変えて、どんどん豹変することこそ、政治家の常であると、諦(あきら)めきった民衆はいつも、がっかりして遠くから眺めるように見ている。 

 アメリカに命令されてやらされる、日本国民は誰も望まない増税などよりも、上記のシロアリ退治(官僚天下り退治)の政治を、私たちはもう一度、今の民主党にやってもらわなければいけない。 それには、政権の大臣(デージン)さまになった途端に、見苦しく変節した者たちを厳しく公然と叱責して、3年前の「2009年8月民主党マニフェスト」の「国民の生活が第一」の原点に戻って、日本改革を日本国民の手に取り戻さねばならない。 

 最後に、以下に載せるのは、森ゆうこ議員が、「(ジェラルド・カーティスは呼ばれて)どうして自分たちの記者会見は出来ないのだ」として書いた「日本外国特派員協会へ要請文」である。 外国人記者クラブの記者たちは、白けたような顔をしていただろう。

 自分たちが所属する世界各国からの報道機関(その実態は、アメリカのグローバリスト=地球支配主義者=のメディアが大半である)への記事の書き方を気にしていただろう。自分の上司や経営陣であるグローバリストたちに逆らえるほどの、本物のジャーナリスト魂をしている人間は、ここの白人記者たちにはもう残って居ないだろう。
 
 
(転載貼り付け始め)

参議院議員 森ゆうこ

2012/04/25

 外国人特派員協会の記者会見は実現しなかったが、下記の文書と衆参両院議長に提出した要請文を、特派員全員に配布して頂けることになった。

日本外国人特派員協会 会員各位

議会制民主主義の危機 「小沢裁判の違法性について」

 東京第五検察審査会の「起訴議決」による「小沢裁判」が明日4月26日、判決を迎える。一昨日我々は、別紙のとおり、衆参両院議長に対して「検察審査会の実態調査を目的とする法務委員会秘密会の開催について」の要請を行った。2日間で集まった136名の国会議員の署名を添付したところである。

 密室で行われた11人のくじで選ばれた国民による「起訴議決」の違法性については、別紙要請文に述べたとおりであるが、その審査の資料は東京地検特捜部が作成した「捜査報告書」である。昨日発売された週刊誌「週刊朝日」に、その一部が暴露されたが、検察は証拠がなくて小沢氏を起訴出来なかったにも関わらず、犯罪事実が確定されたと記載している。これは、捜査当局による「有印公文書偽造」であり、明らかに犯罪である。

 一人の政治家を有罪にするために、密室で、しかもいわば法律には素人の審査員を「起訴議決」に導くために、ねつ造された報告書が提出されたことが判明した以上、この裁判はただちに取りやめるべきであり、「捜査報告書」のねつ造に関わった関係者は厳正な処分を受けるべきである。またこれは組織的でなければ行い得ないことである。

 そうであるとすれば、日本国憲法に規定された正当な選挙で選ばれた国民の代表であり、国権の最高機関の一員である国会議員、しかも、そのような謀略がなければ総理大臣になったであろう人物を、捜査当局が不当に弾圧できることになり、これは、我が国の民主主義の根幹を揺るがすものである。

 日本のマスメディアは、このような事実を正しく報道しないばかりでなく、メディアスクラムによってその謀略に加担してきた。私は、真実を国民や世界に知らせるために、日本外国人特派員協会会員各位のご協力を切にお願いするものである。

2012年4月25日

前文部科学副大臣参議院議員 森ゆうこ

(転載貼り付け終わり)
 
 
副島隆彦です。上記の森議員の 文の中の、「 「起訴議決」の違法性については、別紙要請文に述べたとおりであるが、その審査の資料は東京地検特捜部が作成した「捜査報告書」である。・・・・「捜査報告書」のねつ造に関わった関係者は厳正な処分を受けるべきである」 が、重要な箇所である。

 昨日の小沢無罪の判決では、この 検察庁の取り調べ検察官が、上司と上層部に書いて上げた「捜査報告書」という内部文書(当然、公文書である)が、捏造によるものであることを裁判所が認めた。その捏造文書を作成した田代政弘(たしろまさひろ)特捜部検事だけでなく、それを共同で作成したと推測がつく、東京地検特捜部の部長だった 佐久間達哉や、上田主任検事や、大鶴基成(おおつるもとなり)高検検事までを逮捕して刑事裁判に掛けなければいけないということである。

 さらにはその文書があがって来ていたわけだから、その内容を了解していた 伊藤鉄男最高検次長、岩村修二・東京地検検事正(地検のトップ)そして樋渡利秋(ひわたりとしあき)検事総長たち が、知っており、かつ証拠隠滅していないかが、これから犯罪捜査されなければいけない。 

 小沢無罪でボロボロになっている検察庁内部 と 法務省”赤レンガ組”の 犯罪を、ここで隠蔽(いんぺい)され押しつぶされることなく、すべてを表に出して彼ら法律官僚たちを裁判に掛けることである。

 同じく「検察審査会」なる 最高裁に所属する 奇っ怪になってしまった国家機関を違法に動かした裁判官たちも取り調べを受けて、処罰されなければいけない。

副島隆彦拝