[715]LNT仮説を徹底的に検証すべき

大川晴美 投稿日:2011/09/15 06:48

大川です。日本を含む世界各国で、放射線はどんなに微量でも危険だ、という考えに基づいて、放射線防護政策が実施されています。この考えはLNT(Linear No-Threshold; 直線しきい値なし)仮説と呼ばれ、1950年代のアメリカで提唱されて以来、半世紀以上が経過した現在でも実証的に検証されず、単なる仮説にとどまっているのです。そして、この単なる仮説にすぎないものによって、放射線被ばく線量の上限が定められ、福島の人々に、必要のない苦しみと不安をもたらしています。

LNT仮説については、1995年にスウェーデンの放射線学者グンナー・ワリンデールが、「LNT仮説は20世紀の科学における最大のスキャンダルである」と批判し、大阪大学の近藤宗平名誉教授も「この意見に賛成せざるをえない」とのことです。(近藤宗平「人は放射線になぜ弱いか 第3版」1998年、講談社ブルーバックス p.77, p.257)ほかにも世界中で数多くの科学者が批判しているようです。

これほど批判の多い“仮説”なのだから、放射線専門の科学者にぜひお願いしたい。LNT仮説と放射線防護のあり方について、賛成派と反対派が徹底的に議論して検証していただきたいと思います。

大川晴美