[714]2つの重要な出来事

平田裕子 投稿日:2011/09/14 14:21

会員の平田裕子です。
私が、重要だと思った記事を2つ載せます。

(引用はじめ)
●「内部被曝、生涯で最高2ミリシーベルト 福島県住民検査
2011年9月12日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY201109120327.html

 福島県は12日、東京電力福島第一原発事故による放射線量が高い地域で6月から続けていた住民の内部被曝(ひばく)検査の結果を発表した。8月末までに検査した3373人のうち、生涯に浴びる内部被曝量が1ミリシーベルトを超えると推計されたのは7人。最高は2ミリシーベルトだった。県が進める内部被曝検査の全容が明らかになるのは初めて。

 日本原子力研究開発機構と放射線医学総合研究所で、ホールボディーカウンターで検査し、セシウムによる被曝量を評価した。対象は浪江町2483人、飯舘村625人、川俣町山木屋地区213人など。4~19歳が約2600人と大半を占めた。

 評価結果は、浪江町の7歳男児と5歳女児が2ミリシーベルト、浪江町の5~7歳児5人が1ミリシーベルトで、ほかは1ミリシーベルト未満だった。県によると、家族には専門家の判断で「健康に影響が及ぶ数値ではない」と説明しているという。

 国際放射線防護委員会(ICRP)専門委員を務める甲斐倫明・大分県立看護科学大教授は「2ミリシーベルトなら将来のがん発症など健康への影響は心配ない。3千人を超える調査で最大2ミリというのは大きな安心材料。さらなる住民の安心のため、なぜ高めの数値が出た人がいるのか、詳しく調べて説明していく必要がある」としている。

(引用おわり)

 このように、内部被曝検査の結果が発表されました。「最高でも生涯で2ミリシーベルト」だそうです。
日本政府が定めた放射線量の許容限度は、年間20ミリシーベルです。
やはり、私たちは専門家である放射線医たちの判断にまかせ、不安がらず心配しないで、毎日を元気に生きていくことが大切です。

(引用はじめ)

● 「[FT]欧州危機「リーマンよりも深刻になる可能性」」
2011年9月14日 日経新聞
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E1E2E6E58DE3E1E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=ALL

2011年9月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 今週は「9.11」(米同時テロ)から10年という節目を迎えただけではない。リーマン・ブラザーズが破綻した「9.15」から丸3年を記念する週でもある。国際政治の議論はもはや「対テロ戦争」一色ではなく、テロとは異なる恐怖が世界の金融市場に忍び寄っている。

■保護主義と通貨戦争が迫る
 金融界の有力者(かつて世界の覇者と呼ばれた人々)の間に広がるムードは今、金融危機がぼっ発して以来、最も恐怖に満ちている。ソロス氏は先週、欧州の債務問題は「リーマン・ブラザーズよりはるかに深刻になる可能性がある」と警告した。一流バンカーらも数カ月前から、内々に同じようなことを口にしていた。
 欧州の政治家も励みを与えてくれない。先週は、ユーロ問題の解決を担うある高官から「新たな大恐慌とナショナリズムの復活」を想定する発言が聞かれた。
 こうした悲観論がとりわけ心配になるのは、国際経済に対する懸念の高まりに対処する効果的な国際協調や世界的なリーダーシップの兆候がほとんど見られないからだ。そうした指導力がないため、世界が保護主義と「通貨戦争」に陥る危険が高まっている。

■「ギリシャの隔離」は手遅れか
 ほとんどあからさまなヒステリーと言える雰囲気が広がり始めたのは、今夏、欧州の債務危機がスペインとイタリアに波及した時のことだ。欧州中央銀行(ECB)はイタリア国債とスペイン国債の大口購入者として市場に介入せざるを得なくなった。この政策は大きな物議を醸し、つい先日は、ECBの役員会に名を連ねるドイツ出身のシュタルク専務理事の辞任を招くことになった。
 欧州の政治家は必死に、放たれてしまった魔物を瓶に戻そうとしている。ある財務相は「ギリシャの隔離」が不可欠だと言う。だが、それにはもう手遅れかもしれない。懸念されているのは、ギリシャの状況が大幅に悪化し、それが欧州各地の銀行破綻を招くと同時に、市場がイタリアやスペインなどに資金を貸すのを拒み、さらなるソブリン債務危機に発展する事態だ。

 欧州連合(EU)全体の経済規模は中国経済や米国経済より大きい。このため、欧州の経済、銀行システム、債務の発作は、必然的に世界に悪影響を及ぼす。米国経済がこれほど弱い時にはなおさらだ。

■国際協調の意欲が後退
 ただ、現在の危険を雄弁に語れる政治家は大勢いても、世界的な対応が打ち出される兆候はほとんどない。これはリーマン・ブラザーズ破綻への反応とは全く対照的だ。2009年には、主要20カ国・地域(G20)首脳会議に集まった世界の指導者たちが協調的な景気刺激策に合意し、市場の信頼回復を後押しした。

 同じくらい重要なのは、彼らがしなかったことだ。1930年代のような関税戦争に陥るという予想が広まる中で、主要国は保護主義の抑止を確約した。
 これを今のムードと比べてみるといい。国際協調に対する意欲は大きく減退した。要となる政治指導者は内向きになっている。
 EU諸国の指導者はよろめくように緊急首脳会議を重ねている。ドイツのメルケル首相は、次第に緊迫を増し、シュタルク氏の辞任で新たな展開を迎えた国内議論への対処に大半の時間を割いている。
 英国のキャメロン首相はユーロ圏の混乱のツケを払う事態を避けたいと考えており、傍観していることに満足している。
 一方、フランスのサルコジ大統領は明らかに、G20議長国の立場を利用して大統領再選を目指す自身の選挙運動に磨きをかけたいと考えている。ただこのことは、サルコジ大統領が提案する構想はすべて市場ではなくメディアに合わせたものである可能性が高いことを意味している。
 かつて国連に代わる、より効果的な組織とうたわれたG20は苦境に陥っている。バラク・オバマ大統領は米国自身が抱える手ごわい経済問題に気を取られ、共和党と果てしない殴り合いを続けている。中国政府はいつもと変わらず自分勝手なままだ。

■米国やブラジルで保護主義の兆し
 国際政治が漂流している今、世界が遅ればせながら保護主義に陥る明白な危険がある。
 米大統領選に向けた共和党指名争いの有力候補で、一般に自由市場主義者と見なされているミット・ロムニー氏は先週、中国が人民元を変動相場制に移行しないようであれば、中国製品に関税を課すべきだと訴えた。

ブラジルは先週行動を起こし、政府が中国からの鋼管輸入に「反ダンピング」税を課した。ルセフ大統領の声明は、経済危機がいかに保護主義に発展し得るかを示す典型例だった。「現在の国際的な危機下では、我々の主たる武器は、国内市場を拡大して守ることだ」と大統領は述べている。
 不振にあえぐ経済が自国の輸出促進を図るために競争的な通貨切り下げを繰り広げるプロセスを指し、「通貨戦争」という表現を世界に与えたのはブラジルのマンテガ財務相だった。先週は通貨戦争でも新展開があり、市場がスイスフラン相場を未踏の領域に押し上げるのをもはや容認できないとスイスが決断を下した。

■大恐慌の再来防ぐ行動を
 ほかの国々がブラジルとスイスの例にならって自国通貨を管理する大胆な措置を講じれば、自由な資本移動の原則というグローバル化の支柱の1つが弱まる。また、ユーロ圏の解体を考えた場合、一定期間だけにせよ、資本規制の再導入を伴わないシナリオは存在しない。
 歴史上の共通点は正確だったためしがない。それでも1930年代の歴史を振り返れば、政治家はもっと素早い対策に突き動かされるかもしれない。当時、ウォール街の金融危機として始まった問題が大恐慌に発展したのは、保護主義の台頭と欧州の銀行危機を経てからだった。
By Gideon Rachman
(翻訳協力 JBpress)

(引用おわり)

もうすぐ、世界の金融と経済は、大変なことになりそうですね。
各国の財政危機が深刻になっています。