[652]私たちの夏合宿(研究発表会)が終わりました。そして現状の政治・経済の緊迫と急展開のこと。

副島隆彦 投稿日:2011/08/11 08:13

副島隆彦です。 今日は、2011年8月11日です。

 私たち学問道場は、9日までの5日間の福島県田村市の都路(みやこじ)町(まち)にある 活動本部での夏合宿を終え、15人が研究発表をした。これは、「SNSI(学問道場)の第6論文集 原発・放射能特集」(仮題。これでは本として売れない)となって秋には結実する。

 福島の人たち(200万人)は、子供も赤ちゃんも含めて、みな元気だ。ひとりの放射能による病人もいない。5年後にもいない。私は重ねて断言する。放射能コワイコワイ派の人々の騒ぎすぎた己に向かって、恥じ入り鬱屈(うっくつ)するのがよく分かる。

 以下に私が、急いでポイントフォームで書いてゆくのは、私が既に書き始めた新しい 会員ページ用 の 論文 の骨子です。 急いで書いて載せます。お待ちください。

1.次の日本の首相はだれか。私は7月17日と、31日のふたつの講演会で、次の首相は、細野豪志(ほそのごうし)原発担当大臣だろう。丁度この8月で40歳になる。今の菅直人が居座りに居座って来年の3月ぐらいまでやって、それで 若い細野豪志に譲るだろう、と思っていた。この考えに変わりはない。 ところが昨日10日の日本のメディアでは、菅直人が辞任を表明したのに細野豪志の名前が全く出ていない。不可解だ。

2.アメリカのバイデン副大統領が、「日本の次の首相は細野でいい」と首実検(くびじっけん)したあと決めたはずなのだ。 中国も、「細野なら呑む」と合意したはずなのだ。米中が合意すれば日本の運命は決められる。
40歳では日本人の感覚ではあまりに若すぎるのか。そんなことはあるまい。世界基準では、たしか38歳でフランスの首相になったファビウスがいる。細野の出番は、次の順番である、来年の9月からということになりそうだ。自分より歳の若い人間の下につくのは他の政治家たちにとっては屈辱となるということだろう。

3.小沢一郎は、10日、自分が育てて150人の議員を集めて勢力を誇示した。実質の日本の最高指導者である小沢一郎が、「細野なら私もよく知っているから支持しよう」と言うと、私は思う。2009年8月の国民との約束であるマニフェストを見直し(約束の廃止)を許すべきでない。

4.アメリカの大統領には、今のオバマでは、もう保(も)たない。彼は、私の予想(予言)では、来年の3月に、財政政策に完全に失敗して「国家財政の不履行(デフォールト)とドルの暴落の容認(すなわち、ドルの基軸通貨であることからの脱落)」を宣言して、辞任してゆくだろう。

5.そのあとには、頑固爺(がんこじじい)で「なかなか、厳しいところも切り抜ける」と評価されているバイデン副大統領が、ヒラリーをランニング・メイトである副大統領に指名して、2012年11月投票の米大統領選を戦うだろう。そしてそのあと・・・・。 あるいは、オバマがボロボロのまま次の4年に再選されたとしてもそのすぐ後に彼はステップダウンするだろう。何を理由とするかは分からない。  

6.そのバイデンが 私が承認した細野でなぜいけないのか、と、22日に来日するのだろう。私、副島隆彦の予測を甘く見ないでいただきない。自民党の裏側の一番、力のある勢力の支持も細野なら取り付けることがでいる。そのように着々と大きな政治は動いている。あとは論文の方で書く。

7.NYダウ平均株価は、再度11000ドルを割ってきた。この下降トレンドは変えられない。為替は1ドル76円に再度なった。もう一度、政府による介入(これは違法行為だ。相場操縦罪の犯罪だ)があっても、もう次の72円は避けられない。そして60円台に向かってゆく。私、副島隆彦がずっと書いてきたとおりだ。

8.7月末の円高阻止介入では、2.2兆円使った。8月4日の介入では、4兆円を使った。野田佳彦(のだよしひこ)財務大臣という男は、財務省とアメリカの言いなりの手先で、許しがたい男だ。脳タリンのバカだ。4兆円も突っ込んでアメリカに差し出して、それらはすべて米国債買いになる。そうやって、瀕死(ひんし)の状態のアメリカを助け続けて、湯水のごとく日本国民の大事な資金を、惜しげもなくアメリカに貢いだ。

9. こんなひどいこをやって、それで何が起きるか。それは、日本の若者たちに暮らしが、さらにますます貧しくなって、彼らが1日の食費が1000円とかの極貧状態になっているのだ。ここに真の貸借(たいしゃく、バランス)があるのだ。 政治の貧困が、国民生活の貧困と直結している。まさしく、「日米・地獄へ道連れ経済 」であり、日米抱きつかれ心中(しんじゅう)」だ。私のこれまでの本の書名のとおりだ。

10.金(きん)の地金(じがね)の価格が、1オンス(31グラム)ついに1800ドルを越した。日本国内の卸値の価格では1グラム4430円までなった。これほどの急騰(きゅうとう)になると、政府の規制、統制(コントロール)が始まる。それは、マーケット・クローズ(市場の閉鎖、market close )という強制措置につながる。 それを柔らかく言うと、バンク・ホリディ( 銀行取引の停止、 bank holidays ) という。 銀行が、土、日、月などの休日を利用して、政府の強権発動の、緊急声明で各種の規制が一斉に実施される。そういう事態に、アメリカの信用不安、デフォールトを中心にして、世界は突入してゆく。

11.この9月14日から18日が一番手前では、危ない。
 ここで、アメリカ国内での 金(きん)の個人取引と、OTC(オーヴァー・ザ・カウンター)取引という相対)(あいたい)取引あるいは、店頭(てんとう)取引が、その次にどんどん禁止措置が取られてゆく。

12.公明党だけでなく自民党までが一気に、民主党政権と合意して、赤字国債(なぜか特例公債とも言った)法案通過に合意した。そして再生エネルギー(太陽光発電や風力発電など)法案にも合意した。 それで菅直人が急に辞任に追い込まれた。

13.それほどに、アメリカは血相を変えて、日本からの資金を宛てにして、日本からの資金供給で、目下の財政危機の急場をしのいでる。ものすごいアメリカからの強い圧力が日本にかかっている。問答無用で上から殴りつけてくるような力だ。それで、この22日にバイデン副大統領が来日するのだ。 私たちは、この真夏の炎天下での世界政治ドラマを注視しなければいけない。 

 副島隆彦です。このあとは、私の 会員専用ページに載せますから、数日、お待ちください。以下は、新聞記事です。 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

●「 民主党代表選 8月28日にも…執行部調整、月内に新首相 」

毎日新聞 8月11日(木)

 菅直人首相は10日の衆院財務金融委員会で、特例公債法案と再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の成立後に「まず民主党代表選を速やかに行い、新代表が選ばれた時には私の首相という職務を辞する」と述べ、「退陣3条件」の残り2法案成立後、できるだけ早く代表選を実施する考えを示した。

 2法案は26日までに成立する見通しで、民主党執行部は28日に代表選を行う方向で調整に入った。31日までの今国会中に衆参両院で首相指名選挙を行い、早ければ8月中に新首相が誕生する。

 ◇特例公債法案は11日に衆院通過

 衆院財金委は10日、今年度予算の財源となる赤字国債の発行に必要な特例公債法案を、共産党を除く民主、自民、公明3党の賛成多数で可決した。同法案は11日に衆院を通過し、24日の参院本会議で成立する見込みだ。

 再生エネルギー法案の修正を巡っては、民主、自民、公明3党の政調会長が10日会談し、12日の衆院通過を目指すことで一致。修正協議は「方向性に相違はない」(自民党の石破茂政調会長)ことから、11日にも合意するとみられる。自民党の脇雅史参院国対委員長と民主党の羽田雄一郎参院国対委員長は10日の会談で、同法案の19日以降の審議入り、26日の成立で一致した。

 首相の退陣3条件が整い、民主党執行部は28日に代表選を行うことで調整している。党員・サポーター投票は行わず、国会議員のみの投票にする。首相の正式な退陣表明はバイデン米副大統領が来日する22~24日は避け、再生エネルギー法案が成立する26日が有力だ。同党の岡田克也幹事長は31日までに衆参両院で首相指名選挙を行い、新政権で11年度第3次補正予算案の編成作業を本格化させたい方針だ。

●「 民主党代表選:党内、駆け引き激化 「候補」さや当て 」

毎日新聞 2011年8月11日

 菅直人首相が10日、退陣を明言したことで後継を決める民主党代表選の駆け引きも激化した。野田佳彦財務相は「職責を果たすことが使命」と繰り返し、表での動きを控えつつ、野党との協力関係構築に意欲を示した。馬淵澄夫前国土交通相もインターネット番組に出演し「今、増税すべきでない」と、財政健全化を訴える野田氏との違いを強調した。一方、小沢一郎元代表は、国会内でグループ議員ら約150人を集めて講演し、勢力を誇示した。

 菅首相が代わっても衆参の多数派が異なる「ねじれ国会」は続く。野党の協力がなければ、11年度第3次補正予算案に絡む復興債発行などの関連法案成立のめどが立たなくなり、政権は窮地に陥る。マニフェスト重視を掲げる小沢元代表への自公両党の警戒感が根強い中、野田氏は「マニフェスト見直しで自公と協力してきた現執行部路線を継承することで、安定的な政権運営ができる」とアピールする戦略を描く。

 これに対し、野田氏のグループに在籍していたこともある馬淵氏はネット番組で、菅首相を「増税路線」と批判した上で「(菅)路線継承者として、(野田氏が)立たれるのでは」と対抗意識を隠さなかった。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝