[647]Re:フフホト通信
石井さんの現地情報は興味深く拝読しています。
当方も中国で委託生産をしているので、肌身で感じます。まず中国の一番の関心はすごいインフレですね。円高で傾向は緩やかですが、年々納品価格が上がっている感覚があります。5年程度前では国内の1/5だったのが今では1/4からひどい場合1/3という感覚です。それでもまだまだ安いのですが、円安へ振れると一気に半分程度に行ってしまうかもしれません。
それと10年前、5年前と比べると品質の向上がすごいのです。いまではここまでできるのか・・・と思うような場面も少なくありません。とある工場では「日式(日本式?)」(日本の品質基準)という言葉が随所に現れます。要するに日本企業の品質要求が高い(高すぎる場合もありますが)ので、返品を減らすために工夫せよという啓蒙で使われているようです。品質改善に日本の注文は多大な影響がありますし、要求の高さをどん欲に消化して競争力を高めようという意欲があります。
それと設備、生産設備がどんどん新しくなっているのです。この流れは簡単には止らないでしょう。かつて韓国製品が粗悪な模造品と言っていたことと同じ流れです。
やがて中国製でも価格は上昇して物としての価値が生まれてくるだろうと副島先生がおっしゃっていました。金や銀といった実物資産だけではなく、中国の民芸品や磁器陶器もやがて日本で価格はあがるだろうとも。
伝聞ですが、中国の大資産家が何億円分も石を買ったそうです。建材用の石を土地に積み上げて毎日眺めていたそうです。当時「たんなる石」が年3割で価格が上昇して、すでに購入時の数倍になっているそうです。インフレには貴金属と信じている人が多いと思いますが、金を上回る上昇率で高騰している資材もあるのです。
「単なる石ころ」と我々は思っているうちに金持ちは裏山の花畑を散策しているのだなと感心しました。ちなみにその積み上げた石材で日本向けは墓石なのだそうです。