[604]放射能こわいこわいの心理を考える。

衛藤康一 投稿日:2011/06/25 12:59

会員の衛藤です。初めて投稿します。
私は原発事故以来、参議院議員の森ゆう子氏のブログに何度か投稿しました。森議員の「年間1ミリシーベルトを超える学校は除染しろ、できないのなら子供たちを疎開させろ」という主張を批判しました。数千円のサポーター登録料で偉そうなことを言うつもりはないのですが、黙っていることもできない。

私の言いたいことは、「子供たちの恐怖心をあおるのはやめてほしい。放射能そのものよりも恐怖で病気になる可能性のほうが高い。」です。

私の投稿に対する批判が何通かありました。性別も住んでいる場所もわからないので私の想像に過ぎませんが、私の感じたことを書きます。
放射能こわいこわいの人達にも2種類いて、もう癌になるんだ、白血病になるんだと信じている人、もうひとつは良く分からない以上どんなに費用がかかっても子供たちを放射能から守れ、という人達です。
前者はもう放っておきます。私が関心を持ったのは後者です。
彼らは100ミリまでは健康被害はないとする説と、1ミリを超えたら健康被害がでる、直線的に増えるという説を知った上で、判断がつかなくて放りだしているようです。したがって、将来どんな被害が出てくるのか分からないから、今どんなに経済的損失があっても子供を避難させるべき、汚染された野菜等は出荷停止にすべきと言います。この人たちの文章から察すると、自分で福島の学校やホットスポットにいって除染作業をする気はないようです。森議員に訴えているだけです。私が「避難したければ自分の判断ですればよい」というと「自分には妻子がいて仕事を失うわけにはいかないから避難できない。」と言う。経済的損失は仕方ない、子供を救う為には(政府は)何でもしろという人が、自分の仕事は失いたくないという。勝手すぎる。

私は福島の事務所開きのときに副島先生から聞いた話を思い出しました。
「嘘でもいいから安全だと言ってくれてうれしい、と言われるんだ。」私はこれを聞いた時笑った。判断のつかない人をバカにしていました。しかし、遠くから危ない、危ない、政治家は早く除染しろ、避難させろ、と訴える人達にくらべると、現地で苦悩しながらも生きていく人間の本音、誠実さを感じ、尊敬します。

さて、この放射能こわいこわいの人達が、なぜこんなにバカになったのか。これが疑問でした。まず、その神経質さから神経症を疑いました。しかし、文面から察する限り精神の病は感じられません。では知性に問題があるのか。森議員のブログに投稿するぐらいだから政治的関心は高い。司法の問題も理解している。知的レベルが低いとは到底言えない。
ではなにゆえにこんなにバカになったのか?

下記の動画を見てください。

http://www.ustream.tv/recorded/14451458

脳機能学者、苫米地英人氏がPsychology of a Crisisについて解説しています。以下に私が理解できる範ちゅうで要約します。

「米国CDC(疾病管理センター)は災害の際に政府がやるべきことを明確に書いている。
1 最悪の場合どうなるかを言う。
2 将来のことはわからないからpromiseはしない。その代り今どう対処しているか、processをはっきり言う。
3 恐怖があることを認める。
4 抽象的な文脈情報を出す。

4の抽象的文脈情報を出すことによって、恐怖を感じる進化の過程では古い部分の脳に前頭前野が介入できる。これによって恐怖が治まる。

この対処をしないと説明のできない身体症状が出てくる。

たとえばトラウマがあった場合、物理的に脳が傷つき、相関関係のある身体の部分に癌が発生する可能性があるとするイタリアの文献がある。

さらにarmchair victimという症状がでる。被害地にいないのに被害者であるかのように感じてしまう。日本でまさにこれが起こっている。」

苫米地氏のブログをみると、原発事故の直後から日本人がバカになったと指摘しています。興味のある方は見てください。