[574]年間の被ばく放射線量について

大川晴美 投稿日:2011/06/13 22:19

会員の大川です。平田さんの投稿「人が、がんや病気になる本当の理由」に同感です。
この1カ月ほど、放射線の健康への影響に関する本を読んだり、研究者が一般向けに解説しているウェブサイトを調べたり、一般公開の講演会に参加してきましたが、研究者の間では「年間の被ばく放射線積算量が100ミリシーベルト以下の場合、がんの発症を含めて統計的に有意な健康への影響は見られない」という研究結果が、概ね共有されているのだとわかりました。

ところが、ある講演会の終了後、「テレビでこの話をすると、視聴者から抗議の電話やメールが殺到するので困っている。本当は危ないくせに安全とは何事か、お前は御用学者かと言われる」、と、その研究者は嘆いていました。

1つの理由は、平常時の基準が年間1ミリシーベルトまでで、1と100の違いがあまりにも大きいので、感覚的に「100ミリシーベルトなどとんでもない」という印象を抱いてしまうのでしょう。けれども、以前もこの掲示板で会員の方々が書いていたように、よく調べれば、1という数値は研究結果に基づく数値ではなく「平常時に安全の側に立つ」考え方であることがわかります。

専門家ではない一般の者がやるべきことは、自分で本を何冊か読み、学会や研究者のウェブサイトを調べ、講演会に参加し、情報を主体的に集め、最後は自分の頭で判断することだと思います。