[557]放射能の影響について、続き
続きです。
私の手元に一冊の本があります。
1995年11月発行の「悪化するがんの治療百科」(三省堂)
という、何名かのがん専門医によって執筆された、
病気を知って治療に臨むための、がん患者向けの本です。
これは、私の友人の遺品でもあるのですが、
その友人は、ちょうどこの時期に乳がんが骨転移し、
中川医師の放射線治療を受けています。
乳腺の主治医始め、放射線の中川医師も執筆にしていた関係で、この本を持っていました。
友人の中川医師評は「とてもいいドクターである」でした。
がん患者はまさに命をかけて治療に臨みますから、その医師については、
心の中では相当吟味します。
がん治療において、いい医師と呼ばれるのは、ほとんどが技術だけでなく、
人格面も優れているものです。
但しこれは、ただの友人間の噂話であり、何の説得力もないでしょう。
この本の中で、中川医師だけが放射線科医として執筆している訳ではありませんが、
文責という意味では、当然合意されているものとして、ご紹介いたします。
「放射線治療をした後に、その部分(注。その「部分」です)にがんができることは確かにあります。がんの再発と区別することは難しいのですが、放射線をかけた場所に、もとのがんと違ったタイプのがんが、5年以上たってからできた場合は放射線による発がんと考えています。こう言いますと、放射線治療など御免だという方が出てくるかもしれませんが、放射線によるがんは学会で発表できるくらい珍しいのです。~中略~放射線をかけた後、万が一発がんがあったとしても、10年以上も後になってからのことが多いので、このことは中年以下の方の問題といえるでしょう。実際には発がんを恐れる必要はありません」(転載終わり)
放射線の被爆の蓄積ばかりを取り上げる学者の先生もいらっしゃいますが、
蓄積=溜まりに溜まって排出しない、ようなイメージがありませんか?
放射能は排出されるのですよ。これは、骨シンチグラフィーという検査で、放射性物質を点滴し、骨へのがんの集積を調べる時にもあることですが、
その後、点滴した物は、「どんどんお水飲んで排出してね~」で終わりです。
この被爆量は大した量ではないはずですが、
これを書くのは本当は嫌だったのですが、
「検査直後は、妊婦さんとか赤ちゃんにあまり近づかないでね~」とも言われるのです。
つまり患者自身が一時的に放射能を発してしまうのです。
しかしこの検査は、骨転移を疑われるがん患者には普通に行われる検査なのです。
もうひとつ転載します。
以下、
「放射線ががん治療に使われる理由としてもう一つ大事なことは、がん細胞と違って、正常細胞が、放射線によるダメージから回復する力を持っていることです。正常の細胞の染色体は放射線によってダメージを受けても、そこから回復することができます。この能力はがん細胞にはほとんどありません。このため、結果的には、がん細胞だけが消滅してその周りにある正常細胞の組織はもとのままでいられるのです。」
(転載終わり)
中川医師が御用学者だから、国民をごまかすために、
放射能は怖くない発言をしたのではなく、
放射線の専門医だからこそ、「そうとしか言えなかった」のではないでしょうか。
以上です。
大変な長文失礼いたしました。
明日の事務所開きには、参加させていただく予定ですので、
この本も持って行こうと思っています。
ご参加のみなさまどうぞよろしくお願いいたします。