[542]「がんばろう日本」と言って思考停止させる

川端優美子 投稿日:2011/05/26 21:45

群馬のゆみこ(川端優美子)です。

3.11以降、世間では「がんばろう日本」という言葉が流行(はや)っています(または、マスコミが流行らせようとしている)。わたしは、この言葉を「思考を停止させるスイッチだ」と考えました。

「がんばって」というのは、一種の挨拶として遣われています。挨拶というのは、その言葉の意味を深く考えずに遣います。例えば、「今日テストなんだ~。」「ああ、そうなんだ・・・がんばって。」のように遣われます。もしくは「付き合ってる彼の連帯保証人になったら、そのうち彼が失踪(しっそう)しちゃってぇ、結局わたしがすごい借金抱えちゃってさぁ、しかも最近体調悪くて、もう最悪。」「へぇ・・・大変だね・・・がんばって」のようにも遣われます。
つまり、相手が大変な目に遭っているとき、気の毒だなあと思うときに、これさえ言っておけば良いという言葉が「がんばって」です。これさえ言えば、その相手の大変な境遇についてもうこれ以上考えなくていい。その切り替えスイッチが「がんばって」です。

「がんばろう日本」というのは「がんばって東北」ではないので、一応「東北から離れたところに住んでいるわたしたちも他人事(ひとごと)としてではなく、自分のこととして3.11を捉(とら)えていますよ」というニュアンスが入っています。でも、津波にも地震の被害にも遭わずに自分の家に住んでいられて、原発からも遠く離れていれば、みんな日常に追われていつもと変わらずに過ごしている。でも、それでは人として冷たいような気がするから、とりあえず「がんばろう日本」と言って、日本赤十字社にいくらか寄付をすれば、それ以上福島のことはしばらく忘れていてもいい、考えなくてもいい。
そうして日本人を思考停止させて、アメリカは再占領しにくるんだ。

原発のことを身近に考えるには、とりあえず原発の近くに行けばいい。みんなで学問道場の福島復興活動本部の事務所開きに行こう。ね。