[45]国民的現実

近江太郎(おうみ たろう) 投稿日:2010/07/07 23:55

近江太郎(おうみ たろう)です。本日は2010年7月7日です。重掲2本目の投稿をさせていただきます。

本年6月2日の鳩山退陣後、鳩山、小沢ダブル退陣の意味について様々な意見、解説が試みられていました。

私は主にネット上に現れた意見を追っていましたが、初期において最も楽観的で素晴らしいとさえ思えた解説は鳩山、小沢、菅の3氏による共同謀議説でした。
つまり、民主党の支持率が低下し、参議院選挙に重大な影響が出そうな状況下、鳩山、小沢の二人が退陣し、小沢色を完全に消し去り、その上で菅代表で参議院選を戦おうというものです。

そのために菅氏は、「小沢さんはしばらく静かにしていただいたほうがいい」というような発言まであえて行い、世間を欺こうとしているのだという解釈です。

投稿サイト阿修羅のコメントを見ていても、この芝居説が3~4割を占めていた時がありました。
私自身もそうであってほしいという希望をいだきながら記事を読んでいました。その後代表選挙、執行部の人選、組閣と日時が進むに従い、この希望的解説は消えて行きました。

6月8日重掲NO7における副島先生の「反小沢クーデター」という一文が出てからはネット上ではクーデター説が多数を占めています。
しかし、一般的にはこのことは知られてはいません。この事実は大変重大です。

かって、中南米のラテン諸国においては軍事クーデターといわれるものが頻繁に起こっていました。
選挙によって選ばれた政権が、戦闘機と戦車によってつぶされるということが繰り返し行われてきました。その裏にはアメリカの意思が働いていたのでしょう。

日本では、さすがにそのような乱暴であからさまなクーデターはできません。
しかし、もっと巧妙で一見合法的なやり方でこのクーデターが行われたのです。

政権発足以前から執拗に行われた、検察とマスメディアを使った圧力で小沢、鳩山を痛めつけ、最終段階ではアメリカの意図を汲む官僚と政治家を動かしてこのクーデターは静かに、巧妙に、かつ合法的に行われたのです。

ラテン諸国の軍事クーデターの様なことが行われたのであれば、日本国中大騒ぎとなり、おとなしい日本国民も黙ってはいないでしょうが、余りにも巧妙に行われたため、大半の国民は気が付いていません。

試しに自分の周りにいる人で余り政治に関心を持たない人に、このクーデターについて話して御覧なさい。「クーデター?」「 ? 」という反応が返ってくるでしょう。

次に小沢と検察の対立についてです。

この一年以上にわたる小沢一郎と検察、官僚との対立構造について、私が最初に納得のいく解説に出会ったのは、ライブドアニュースの佐藤優の解説でした。
(http://news.livedoor.com/article/detail/4466372/)

「特捜検察と小沢一郎」というタイトルの記事の中で「誰が日本国家を支配するか」ということについて佐藤はこう述べている。

(貼り付け始め)

 特捜検察は、資格試験(国家公務員試験、司法試験)などの資格試験に合格した官僚が国家を支配すべきと考えている。明治憲法下の「天皇の官吏」という発想の延長線上の権力観を検察官僚は(恐らく無自覚的に)もっている。

 これに対して、小沢氏は、国民の選挙によって選ばれた政治家が国家を支配すべきと考えている。その意味で、小沢氏は、現行憲法の民主主義をより徹底することを考えている。民主主義は最終的に数の多い者の意思が採択される。そうなると8月30日の衆議院議員選挙(総選挙)で圧勝した民主党に権力の実体があるいうことになる。

(貼り付け終了)

つまり、選挙によって選ばれた政治家が国の代表であるべきか、それとも難しい国家試験によって選ばれた官僚が国の代表であるべきかという争いを延々と続けているのだというのです。
そのつばぜり合いが時々国民の目にも見えるのですが、例えばそれは小沢に対する強制捜査や小沢の秘書の逮捕や一か月ルールをめぐる小沢と羽毛田宮内庁長官との対立という形で我々国民の気がつくこととなるのです。

ここで特記すべき事は一般国民(つまり官僚でもなくエリートでもないごくごく平凡な人)の中にも小沢よりも羽毛田長官を、政治家よりも官僚を支持する人がかなりの割合で存在しているのではないかと感じられることです。

もうひとつ思い出したのは、確か小泉政権の時代だったでしょうか、岡崎久彦(元外務官僚)という人がサンデープロジェクトに出て田原総一郎を相手に、こう言いました。
「日本は欧米の意見とくにアングロサクソンの言うことに黙って従っていればいいのです。それが日本の安全と経済発展にとって最善の道であり、国益に最もかなうことです。」と言い切りました。
これを聞いて私は唖然としたことを思い出しますが、このような意見は一般にもかなり有って、かっての私の友人にも「日本はアメリカの51番目の州になったほうが安全で楽でいい」と平気で言う人がいます。

昨年の2月ヒラリー・クリントンが来日した折、小沢一郎民主党代表(当時)に会見を申し込みました。この時小沢は「極東におけるアメリカ軍のプレゼンスは第七艦隊だけでいい」と言いました。

つまり、横須賀の海軍基地以外の基地は沖縄も含めていらないのだということに繋がるわけですが、小沢に代表されるような日本のことは日本でやるという自主独立の主張とアメリカの言いなりでいるのが安全で楽だ(自分にとって経済的利益になる)とうい対米隷属的な考えをよしとする岡崎久彦的な日本人が国民の中に曖昧模糊な形で多数存在しています。

以上述べた3つの事柄をもう一度繰り返します。

①6.2反小沢クーデターを知る国民は少ない
 
②普通の国民の中には小沢よりも羽毛田長官を、つまり政治家よりも官僚を支持する人がかなり多く存在する 

③自主独立路線を危険な道と考え、対米従属で十分と考える国民がかなりの割合で存在する

これらの現実を認め受け入れた上で、私たちは何をすべきなのかを問いたいと思います。
 


近江太郎(おうみ たろう)です。本日は2010年7月7日です。重掲2本目の投稿をさせていただきます。

本年6月2日の鳩山退陣後、鳩山、小沢ダブル退陣の意味について様々な意見、解説が試みられていました。

私は主にネット上に現れた意見を追っていましたが、初期において最も楽観的で素晴らしいとさえ思えた解説は

鳩山、小沢、菅の3氏による共同謀議説でした。つまり、民主党の支持率が低下し、参議院選挙に重大な影響が

出そうな状況下、鳩山、小沢の二人が退陣し、小沢色を完全に消し去り、その上で菅代表で参議院選を戦おうというものです。

そのために菅氏は、「小沢さんはしばらく静かにしていただいたほうがいい」というような発言まであえて行い、世間を欺こうとしているのだという解釈です。投稿サイト阿修羅のコメントを見ていても、この芝居説が3~4割を占めていた時がありました。私自身もそうであってほしいという希望をいだきながら記事を読んでいました。その後代表選挙、執行部の人選、組閣と日時が進むに従い、この希望的解説は消えて行きました。

6月8日重掲NO7における副島先生の「反小沢クーデター」という一文が出てからはネット上ではクーデター説が多数を占めています。
しかし、一般的にはこのことは知られてはいません。この事実は大変重大です。

かって、中南米のラテン諸国においては軍事クーデターといわれるものが頻繁に起こっていました。選挙によって
選ばれた政権が、戦闘機と戦車によってつぶされるということが繰り返し行われてきました。その裏にはアメリカの意思が働いていたのでしょう。
日本では、さすがにそのような乱暴であからさまなクーデターはできません。しかし、もっと巧妙で一見合法的なやり方でこのクーデターが行われたのです。
政権発足以前から執拗に行われた、検察とマスメディアを使った圧力で小沢、鳩山を痛めつけ、最終段階ではアメリカの意図を汲む官僚と政治家を動かしてこのクーデターは静かに、巧妙に、かつ合法的に行われたのです。
ラテン諸国の軍事クーデターの様なことが行われたのであれば、日本国中大騒ぎとなり、おとなしい日本国民も黙ってはいないでしょうが、余りにも巧妙に行われたため、大半の国民は気が付いていません。

試しに自分の周りにいる人で余り政治に関心を持たない人に、このクーデターについて話して御覧なさい。「クーデター?」「 ? 」

という反応が返ってくるでしょう。

次に小沢と検察の対立についてです。

この一年以上にわたる小沢一郎と検察、官僚との対立構造について、私が最初に納得のいく解説に出会ったのは、ライブドアニュースの佐藤優の解説でした。
http://news.livedoor.com/article/detail/4466372/

「特捜検察と小沢一郎」というタイトルの記事の中で「誰が日本国家を支配するか」ということについて佐藤はこう述べている。

(貼り付け始め)

 特捜検察は、資格試験(国家公務員試験、司法試験)などの資格試験に合格した官僚が国家を支配すべきと考えている。明治憲法下の「天皇の官吏」という発想の延長線上の権力観を検察官僚は(恐らく無自覚的に)もっている。

 これに対して、小沢氏は、国民の選挙によって選ばれた政治家が国家を支配すべきと考えている。その意味で、小沢氏は、現行憲法の民主主義をより徹底することを考えている。民主主義は最終的に数の多い者の意思が採択される。そうなると8月30日の衆議院議員選挙(総選挙)で圧勝した民主党に権力の実体があるいうことになる。

(貼り付け終了)

つまり、選挙によって選ばれた政治家が国の代表であるべきか、それとも難しい国家試験によって選ばれた官僚が国の代表であるべきかという争いを延々と続けているのだというのです。そのつばぜり合いが時々国民の目にも見えるのですが、例えばそれは小沢に対する強制捜査や小沢の秘書の逮捕や一か月ルールをめぐる小沢と羽毛田宮内庁長官との対立という形で我々国民の気がつくこととなるのです。ここで特記すべき事は一般国民(つまり官僚でもなくエリートでもないごくごく平凡な人)の中にも小沢よりも羽毛田長官を、政治家よりも官僚を支持する人がかなりの割合で存在しているのではないかと感じられることです。

もうひとつ思い出したのは、確か小泉政権の時代だったでしょうか、岡崎久彦(元外務官僚)という人がサンデープロジェクトに出て田原総一郎を相手に、こう言いました。「日本は欧米の意見とくにアングロサクソンの言うことに黙って従っていればいいのです。それが日本の安全と経済発展にとって最善の道であり、国益に最もかなうことです。」と言い切りました。これを聞いて私は唖然としたことを思い出しますが、このような意見は一般にもかなり有って、かっての私の友人にも「日本はアメリカの51番目の州になったほうが安全で楽でいい」と平気で言う人がいます。
昨年の2月ヒラリー・クリントンが来日した折、小沢一郎民主党代表(当時)に会見を申し込みました。この時小沢は「極東におけるアメリカ軍のプレゼンスは第七艦隊だけでいい」と言いました。つまり、横須賀の海軍基地以外の基地は沖縄も含めていらないのだということに繋がるわけですが、小沢に代表されるような日本のことは日本でやるという自主独立の主張とアメリカの言いなりでいるのが安全で楽だ(自分にとって経済的利益になる)とうい対米隷属的な考えをよしとする岡崎久彦的な日本人が国民の中に曖昧模糊な形で多数存在しています。

以上述べた3つの事柄をもう一度繰り返します。

①6.2反小沢クーデターを知る国民は少ない
 
②普通の国民の中には小沢よりも羽毛田長官を、つまり政治家よりも官僚を支持する人がかなり多く存在する 

③自主独立路線を危険な道と考え、対米従属で十分と考える国民がかなりの割合で存在する

これらの現実を認め受け入れた上で、私たちは何をすべきなのかを問いたいと思います。