[391]「原発10km圏内動画(4/5撮影)」紹介

原 正寛 投稿日:2011/04/07 09:11

 東京在住の28歳です。副島先生の投稿のあとで大変恐縮ではございますが、せっかく撮ってきた映像ですのでこの場をお借りして紹介させていただきます。
 私も副島先生のように富岡町で「ゴールデンレトリバー」を発見しました。本当はいったん連れて帰り、持ち主がみつかり次第渡すことをしたかったのですが、大型犬であり車にスペースもなかったので、泣く泣く置いて去りました。
「20kmの住民も11日を目処に一時帰宅できる」というニュースを発見し、少しほっとしております。
 自分の所在を明らかにし、堂々と意見交換をできる人がひとりでも増えればと、少なくとも私自身はそうでなくてはいけないと改めて感じました。
 you tube  http://www.youtube.com/watch?v=sKY2QCHmaKs

 私のブログより転載
 去る4月5日(火)、南相馬市に物資を届けるため、いわきグリーンホテルをでた。国道6号線を北上するも、四ツ倉ですぐ通行止め。県道35号線を北上し、また国道6号線に戻る。原発より30kmあたりで検問をしていたが、事情を話すと普通に通してくれた。物資を急いで届けねばと思ったが、しかし「モノ」と同等それ以上に「情報」が不足していると思い「原発周辺」のレポートもできるかぎりしようと撮影した。途中何匹か犬を発見した。
 最初に見つけたワンちゃんはとても賢く、「待て」をすることができた。立派な犬だ。おそらく今日までに何人かボランティアが入ったのだろう。人懐っこくついてきた。福島第二原発は、ぐるぐるしている間に敷地内に入ってしまい、警備員さんたちがくることに。簡単な装備しかしていなかった。さらに6号を北上。双葉町では役場の前をぐるり。誰もいなかった。途中何度か「地元の方」と思われる車、あと「公務員さん」と思われる車とすれ違う。公務員さんたちは、バイオハザードみたいな格好(斜め2方向に丸いのがついてるマスク)をしていた。地元の方と思われる人たちは、市販のマスクをしているように見えた。
 
 街中は、見事なまでに誰もいなかった。(厳密に言えば一軒一軒訪ねたわけではないので、屋内退避している人もいたのだろうが)。なにか夢のなかにいるような光景であった。「言葉にならない」とは、おそらくこのような心境の際使っていいのだろう。。。
 
 コンビニ、パチンコ、コミュニティセンター、路肩などに「乗り捨てた」ようにある自動車がたくさんあった。きっと「緊急避難指示」がでて、とにかく目につくものだけ持って、着の身着のままで避難先へ行った方も多いのだと感じた。第一原発は東電敷地前の一般道まで接近した。今度は猫ちゃんを発見警戒心が強かったので、ちかくに餌をおいといた。道は寸断されたまま、木が落ちたままなどの場所も何箇所かあり、迂回したり、Uターンせざるを得ない場所がたくさんあった。

 震災以降何日間かは「復旧作業」をしていたのであろう。道路のひびに土豪が積めてあったり、棒がかけられたりしていた。福島第一原発をあとにし、さらに6号をいくと途中ガイガーカウンターで計測しているであろう防護服集団5名とすれ違った。ゆっくり追い抜くと、そのあとその車に呼び止められた。福島県警らしい。「富士山ナンバーで地元の方ではないようなので、職質です。免許証を見せてください」と言われた。震災後、「空き巣」や「強盗事件」が多発しているらしいから、当然の行動といえばそうかもしれないが。。。
 事情を説明すると「この先6号線はすすめません。別のルートを使ってください」と教えてくれた。なんどか行ったりきたり、Uターンしたりを繰り返し、どうにか南相馬までたどり着いた。みな他の車も、「行ける道を行く。行けなかったら引き返す」という感じで道を選んでいた。

 南相馬からいわきに戻ろうと思ったら、朝のときと違って6号も県道34号も県道49号も、すべて「完全封鎖」されて帰れなくなってしまった。バリケードの警察官に「いわきに帰るにはどうしたらいいか」と聞くと「ちょっと遠回りだけど62号線を使うと帰れますよ」と軽く教えてくれた。しかし、この62号線がまじで「ケモノ道」だった。対向車あったら絶対すれ違えないような「林業の人専門の道」って感じ。62号線をぬけて国道399にでるも、これまた超ハードなダウンヒル。「これじゃ南から物資を運ぶのは厳しすぎる」と心からそう思った。

 ガイガーカウンターを持っていなかったので「正確なこと」は言えないが、副島先生のいうように「1次避難」であれば全く問題ないし、10km圏内の地元の方と思われる人たちも帰ってきているようだった。問題は「家に帰る手段がなく、代わりにいく人もいない」という人々への支援だと感じた。家がそのままの形で残っているだけに、不安も募るのではないだろうか。「百聞は一見に如かず」。そう感じる体験ができた
※)転載終了