[3556]5月20日、ウクライナ東部の バフムートの陥落を中心に、集めた記事を載せる。

副島隆彦 投稿日:2023/05/25 12:00

副島隆彦です。今日は、2023年5月25日(木)です。

 以下に、ウクライナ戦争の 最新の、この5月20日からの、記事を集めてものを大量に載せる。


 5月5日に、激怒するワグネルの創設者プリゴージン 「砲弾をもっと送れ」と。その背後に、戦死した自軍ワグネルの、兵士たちの死体袋(ボディ・バッグ)が山積みしてあった。

 副島隆彦です。私が、このバフムートでの戦闘の報道で、唯一、笑ったのは、プリゴージンが、「ゼレンスキーよ。(5月21日に)広島に行って、バイデンから(よくやった。かわいいやつだと、おまえの、そのチビの体躯の)おでこ にキスをしてもらえ」と、語ったときだ。

 それを、日本のニューズ報道では、故意に、ねじ曲げて、「ゼレンスキーよ、(広島で)バイデンのおでこ にキスをしろ」と、逆に翻訳していた。チビのゼレンスキー(160センチぐらいだ)が、長身(190センチぐらいある)のバイデンの額(ひたい)にキスするには椅子の上に乗ってからでないと出来ない。

 こういう姑息(こそく)なことを、日本のテレビ局は、あれこれやる。日本語に翻訳して報じるから、世界中にバレないと思って。バカなんだ、こいつら。いつもいつも、アメリカの手先、子分で、本当に卑屈(ひくつ)なやつらだ。

 あとは、ゼレンスキーを、5月21日に、広島空港(北の山の中になって、広島市内まで1時間ぐらい書か有る)で、出迎えたのは、木原誠二(きはらせいじ)官房副長官だけ、たったひとり、だった。木原は、財務省上がりで、今の政府で、おカネを払う責任者だ。
 木原は、ゼレンスキーを、激しく睨みつけながら、「このヤロー。よくも、日本から、ウクラナイ支援金として5兆円もふんだくったな」と、ブルブルと、怒りに満ちた表情をして、ゼレンスキーの手を握り潰しそうなキツイ握手をしていた。

 すでに、5月19日に、隣りの山口県の岩国(いわくに)の米軍基地に、降り立った、バイデンと、岸田は、すぐに日米首脳会談をした。 親分のバイデンが実際に来ないと、属国からのカネの奪い取り、巻き上げ、徴収はできない。現実の世界政治でやっていることは、こういう朝貢(ちょうこう)だ。暴力団の世界と変わらない。 

 アメリカにカネを払う担当の、秋葉剛男(あきばたけお)国家安全保障局長(こっかあんぜんほしょうきょくちょう。前の外務省事務次官、3年やった )と、木原誠二のふたりは、この日米会談の時に、本当にイヤそうな顔をして、ぐったりしていた。

この時、バイデンに、10兆円、日本は払ったのだ。 そのうちの5兆円(400億ドル)は、アメリカの財政赤字が火の車( 今、債務上限=さいむじょうげん= debt ceiling デット・シーリング で騒がれている。31.4兆ドルを越した ) だから、それを穴埋めする資金の一部としての5兆円だ。

 残りの5兆円(400億ドル)は、ゼレンスキーに、直接払うのではないが、ウクライナ軍に、米軍と、英軍が、ただで与え続けている、兵器、弾薬の代金だ。それを、アメリカの軍需産業(マグダネル・ダグラス、レイセオン、ロッキード・マーティン・マリエッタ、ボーイングたち。多連装ミサイルとか榴弾砲のロケット砲などだ。それと戦闘機。 戦車ならクライスラー社だ )に、払う。英国からは、例の”聖(セイント)・ジャベリン”やNLAR(エヌラー)と呼ばれる、携行、肩掛け式の小型の対(たい)戦車ミサイルだ。

 それで、英米の最新兵器が、ウクライナに、どんどん運び込まれる。アメリカの軍需産業に、払っているカネの、半分以上は日本からの資金だ。

 だから、この5月19日の日米会談の場で、「日本が、新たに10兆円を払う」ことが決まった。だから、次の日の、ドル円の 為替相場が、びゅーんと急に、3円、動いた。それまでの、1ドル=135円が、急に138円に、円安・ドル高になった。今日(25日は、さらに139円だ)。

 これぐらいの巨額の政府のカネが動ないと、一気に4円の円安(えんやす)は、起きない。このことを、はっきりと知っている、日本の知識層の人間たちは、あまりいない。為替の現場の 専門家たちで、この真実を口にしたら、殺される。日本は、世界政治の中で、こんな目に遭(あ)っている。

 日本のメディア(テレビ、新聞、週刊誌、ネット情報誌)は、一切、まったくこの真実の報道をしない。 それで、日本人の中の、勘の鋭い国民が、「バイデンも、ゼレンスキーも、どうせ、カネ取りに来たんだろ」と、ぶつぶつ言っている。これが、真実の日米関係だ。

 だから、へいこらと、アメリカの手先を、何十年もやっている者たちでも、このアメリカからの、日本資金の、毎回、毎回の、ふんだくりに、そろそろ、業(ごう)を煮(にや)やして、 「アメリカ、このヤロー」と、言い出している。

 だが、それでも、日本国内は、統一教会(ムーニー Moonies 。殺された安倍勢力 )を中心に結集している、愚劣な、狂った頭をしている連中が、反(はん)共産主義の、反ロシア、反(はん)中国の、デープステイトの、燃えるような、信念で、出来上がっているものだから、すべてはそれに押し流される。 私、副島隆彦が、この大きな見方(概観。アウトルック)で、一番、大きな所から、私たちの日本国を見ている筈(はず)である。

 ひとり、岸田文雄だけが、首相だから、体を張って意気揚々と、元気よくふるまって、自分の、この「 2023 広島G7 」の晴れの舞台を、ボロボロになりながら、必死で演じていた。 哀(あわ)れなものだ。

 ウクライナ戦争の話に戻る。 東部ドネツク州の 最激戦地であった、ウクライナ軍の要衝(ようしょう)だったバフムートは、この5月20日に陥落した。

(ここに、ワグネルの幹部たちと並んでいる、バフムート制圧の日の写真を貼る)

 本当に、ロシアの民間軍事会社(PMC)の ワグネルが、市内を完全に制圧したようだ。
ロシア側の大勝利である。 このバフムートの戦いで、ワグネルは、自軍の 5万人の兵力のうち、2万人が戦死し(このうち囚人兵が1万人)、1万人が負傷した。

 そのように、プリゴージン本人が、5月24日に「テレグラフ」で語った。後ろの方の記事に有る。そしてウクラナイ軍の側の死傷者のおおよその数字も語っている。5万人が死に、7万人が負傷した、と。
 この戦争で、一番、正直なのはプリゴージンだ。ウクライナ政府や軍のトップたちは、どうも自分の主観、希望、願望が入って、ウソつきが多い。アメリカ政府の軍事部門(ホワイトハウスのNSC)や、英国の参謀本部の発表も、誇張された、ウソが多い。故意に、ロシア軍を中傷している。

 このバフムート戦では、市内はワグネル軍が死者を多くだしながら、突撃して前進した。ロシア軍の空挺部隊(VDV 。パラトルーパーズ) が、市の南北の両側面を支援しながら、バフムート戦線で、もう10か月(去年の7月から)、ずっと戦ってきた。

 今度のバフムート戦で、プリゴージンは、ロシアの英雄になった。それは、ナポレオンのモスクワ侵攻(1812年)の時、それと戦う、劣勢のロシア軍の中から、百姓上がりのクトゥーゾフ将軍が、英雄となった。 雪の中を敗走するナポレオン軍を、タイガの森の中から、クトゥーゾフの軍隊が、じっと見守っていた。祖国の危機の時に、真の英雄が、民衆の中から生まれて来る。さすがにロシアは、鷹揚(おうよう)に構える大国だ。

プリゴージンは、5月5日に、「もっと、砲弾を送れ」と、ロシア軍の幹部たちに、向かって、鬼のような形相で怒鳴っていた。彼の背後には、死んだ自分の部下のワグネルの兵士たちの戦死した死体を詰めたボディ・バッグが山積みになっていた。こういうことが出来て、初めて真の国民の英雄が生まれる。ロシア国民は、みんなで泣きながら、この映像を見ていただろう。

 すぐに、ロシア側は内部で分裂している、と、西側報道は、作り話をする。何の根拠もなく、こういうウソの報道をする。生きている組織、団体は、必ず、内部で路線を巡って、対立が起きる。それはどんな勢力の中でも起きることだ。ロシア側だけの話ではない。愚劣な
西側の国民戦争メディアは、自分たち自身の、その狂ったような、反ロシアの、偏向(へんこう)報道を、内部で冷静に見直すべきだ。それが出来なければ、国民に見放されて自滅する。
  
 この欧米(デープ・ステイト)に唆(そそのか)されて出来ている、今のウクライナ政府と、それを支援する者たちは、世界中で、まだ、苦し紛(まぎ)れの、負け惜しみで、「もうすぐウクライナ軍の大(だい)反撃が、始まる」とずっと言い続けている。 反撃に出て突撃する方が、陣地を固めて防御する側よりも、最低で3倍の兵力を損耗(そんもう)する。

 このあと、彼らは、どういう風に、自分たちのこれまでの発言を、捻じ曲げて、自分たちに都合のいい方向に、作り変えてゆくのだろうか。 人間というのは、本当に、浅(あさ)ましい生き物だ。  

 この戦争は、まだまだ、続く。だが、そのうち、この冬か来年の始めに、中国が、仲裁(mediation ミーディエイション)する形で、停戦(ていせん。 cease – fire シース・ファイア) すなわち、最前線(フロント・ライン)での「撃ち方ヤメ」 となるだろう。

 それがその後、何回か破られる。が、それでも、やがて休戦(きゅうせん。truce トルース )となる。 この休戦は、そのまま、和平交渉(わへいこうしょう。 peace talks ピース・トークス)の始まりとなる。 その和平交渉の会談の場所は、おそらく 中央アジアの カザフスタン国 (カリモフ大統領)の首都のアスタナ となるだろう。 
副島隆彦注記終わり。

(ここに、画像を貼る)

ウクライナ東部ドネツク州バフムートでロシア国旗を掲げる民間軍事会社ワグネル戦闘員と創設者プリゴジン氏(中央)=5月20日に通信アプリ「テレグラム」に投稿された動画より(AFP時事)

〇 「 ワグネル、バフムートを完全制圧と主張 プーチン氏も「称賛」 」
2023年5/21(日) 10:34   AFP

(ここに画像を貼る)

 ウクライナ・バフムートの損壊された建物の屋上でロシア国旗と民間軍事会社ワグネルの旗を振るワグネルの戦闘員。ワグネルの関連会社コンコルドがテレグラムに投稿した。

【AFP=時事】 ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は20日、ワグネル部隊がウクライナ東部のバフムート(Bakhmut)を制圧と主張した。
 ワグネル、バフムート制圧と主張 ロシア国旗を手にする創設者プリゴジン氏  ロシア国防省も、「(ロシア軍の)南部軍管区部隊の砲撃・航空支援を受け、ワグネルが進軍した結果、アルチョモフスク(バフムートの旧ソ連時代の呼び名、Artemovsk)の解放は完了した」と発表した。  

  ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がワグネル、正規軍双方を「称賛した」とする声明を公表した。国営タス通信(TASS)が報じた。

〇 「プリゴジン氏がバフムト「完全制圧」を主張 ワグネル撤収か 」
2023年5/21(日) 2:56

 ”プリゴジン氏がバフムト「完全制圧」を主張 ワグネル撤収か”
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を率いるプリゴジン氏がバフムトの完全制圧を主張し、部隊を撤収させると述べた。ウクライナ側は否定している。
  プリゴジン氏は5月20日、廃虚の街の中でロシア国旗を掲げたビデオをSNSに投稿し、ウクライナ東部の激戦地バフムトを完全に制圧したと主張した。 そのうえで、休息と再訓練のために5月25日からワグネルの部隊を撤収させる。  

 一方、ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官はロイター通信に対して「真実ではない。我々の部隊はバフムトで戦闘を続けている」と述べ、プリゴジン氏の主張を否定した。

(副島隆彦注記。 下↓の記事は、負け惜しみだ。両軍はどちらもバフムートの戦闘(攻防戦)を、ギリギリでずっとやって来たのだから、こんな自分たちの夢、願望、主観だけの、元気づけの記事(さすがに産経新聞だ)を書いても、情勢は変わらない。 
  去年の7月から、もう10か月、バフムート市で激しい戦闘があった。ただし、現在も、バフムート市 の郊外の 北側と南側に、ウクライナ軍が、前進し侵攻して来ているのは事実のようだ。 そのウクライナ軍の真つ正面の反対側に、ロシアの精鋭の空挺部隊(VDV)が、陣地を作って対峙している。

 そして、その背後にロシア軍の野戦砲の部隊と、長距離ロケット部隊もいるだろう。両軍が、睨み合って戦線が出来ている。だからそう簡単には最前線は、変更できない。 
副島隆彦記)

〇 毎日新聞・・・・ プリゴジン氏は、ロシア国旗を掲げたワグネル部隊とともに動画に登場し「バフムトの制圧に224日間かかった」と主張。ショイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長のこれまでの戦略を批判した上で、プーチン露大統領に対し「我々に母国を守る偉大な名誉を与えてくれた」と感謝を示した。  
 ワグネルは今後、バフムトをロシア軍に引き継ぐという。ロシアの報道によると、プーチン氏もバフムトを掌握した部隊を祝福した。

〇 「 ウクライナ軍報道官「ワグネルを包囲し全滅させるだろう」 バフムト陥落を改めて否定 」
2023年5/22(月) 8:28   ・・・・
  ロシアによるウクライナ侵略で、露国防省が制圧したと主張した最激戦地の東部ドネツク州バフムトに関し、ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は21日、市内の南西部をなおウクライナ軍が保持しているとし、バフムトの陥落を改めて否定した。ウクライナ軍のシルスキー陸軍司令官は5月21日、「バフムト郊外でウクライナ軍が前進している」と述べた。ウクライナメディアが伝えた。

 チェレバティ氏は、バフムト市内には露民間軍事会社「ワグネル」の部隊が展開しているが、同市郊外で前進しているウクライナ軍が「ワグネルを遅かれ早かれ包囲し、全滅させるだろう」とも述べた。

 一方、ワグネルトップのプリゴジン氏は、5月21日、「バフムト制圧の任務は完了した。5月25日 にワグネルは戦闘地域を離れる」と改めて表明。「今後、ワグネルは確保した陣地を露正規軍に引き渡した上で撤退し、部隊の再編成に着手するとし、今後2カ月間は戦闘に参加しない予定だ」と主張した。 ただ、米シンクタンク「戦争研究所」は、「バフムト郊外にウクライナ軍が展開する中、ワグネルが無傷で撤退できる可能性は低い」との見方を示している。

〇 (この下 ↓ のBBCのニューズ動画を私も見た。「バフムートは陥落したとロシアが言っているが 」と、記者が質問して、それにゼレンスキーが、英語で 「バフムートには、もう、ウクライナ軍はいない。ロシア軍の兵士の死体だけだ」と、認めた。バイデンが厳しい表情で横にいた。この発言は決定的だ。
 このゼレンスキーの発言を、ウクライナの大統領室の報道官が、慌てて、急いで必死に否定し始めた。だがもう遅い。この様子がおもしろかった。副島隆彦記)

(ここにふたりの画像を貼る)

 米国のバイデン大統領(右)と会談するウクライナのゼレンスキー大統領=広島市内で2023年5月21日、AP

〇 「 バフムートは完全に破壊され「何もない、死んだロシア人しかいない」とゼレンスキー氏 」
2023年 5/21(日) 21:02   © BBC News
  ウクライナとロシアの間で昨年から激しい攻防戦が続く東部バフムートについて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5月21日、ロシアによって完全に破壊されてしまったと述べた。ただし、ロシアに制圧されたわけではないという。

  広島で開かれている主要7カ国首脳会議(G7サミット)のため来日中のゼレンスキー氏は、ウクライナはバフムートを掌握しているのか記者団に質問されると、「残念なことで、悲劇だが、今日のところはバフムートは私たちの心の中にだけある」と英語で答えた。G7閉幕後、ジョー・バイデン米大統領との首脳会談に臨む冒頭でのことだった。

 「もうあそこには何もない。地面と、大勢の死んだロシア人しかいない」のだとも説明。 「我々の防衛者たちは、強力に働いた。もちろんその見事な働きを、私たちはありがたく思っている」と述べた。
 こうした発言を受けて一時、大統領が陥落を認めたとの報道が出たものの、ウクライナ大統領府はすかさずこれを否定。バフムートは都市として完全に破壊されたと大統領は答えたが、ロシアに制圧されたと認めたわけではないと説明した。

 ウクライナのハナ・マリャル国防次官は、21日に通信アプリ「テレグラム」で、ロシアはバフムートを包囲できず、逆にウクライナ軍が「半分」街を取り囲んだのだと書いた。 「郊外の側面で私たちの部隊は前進を続けている。そのため、敵がバフムートにいるのは非常に難しい」とマリャル次官は述べている。 ゼレンスキー大統領の発言は、ジョー・バイデン米大統領との首脳会談に際して、記者の質問に答えてのもの。

 その場でバイデン氏は、アメリカ政府がウクライナに3億7500万ドル(約517億円)規模となる追加の軍事支援を提供すると発表。ゼレンスキー氏はこれに感謝した。
 国務省発表によると、38回目となる追加支援には、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」の砲弾や対戦車兵器の補充、医療用装甲車両やトレーラー、トラック、部品などの提供が含まれるという。© BBC News

〇 「 プーチンの焦りでロシア特殊部隊が”ほぼ全滅”…米紙が報じた「ソ連のターミネーター」の末路 」
2023年5/22(月)   時事通信 
 2023年5月9日、モスクワの赤の広場で行われた軍事パレードに出席したプーチン大統領 – 写真=dpa/時事通信フォト
■無謀な作戦の犠牲になったロシアの特殊部隊  
  ロシアの特殊部隊「スペツナズ」が、ウクライナ侵攻後の1年間でほぼ壊滅状態に追い込まれている。 米ワシントン・ポスト紙はインターネット上に流出した米国防総省の機密文書をもとに、旅団によっては兵員の90~95%が失われたと報じている。

 2022年夏にウクライナから帰還した5つのスペツナズ旅団は、「1旅団を除くすべてが大きな損失を被っている」ことが判明したという。 スペツナズはロシアの特殊部隊の総称だ。なかには暗殺など秘匿性の高い任務を担う部隊もある。米ワシントン・ポスト紙によると機密文書は、「スペツナズ第346旅団は兵士900人中775人が死傷し、「旅団全体をほぼ失った」状態にある。 スペツナズが大きな打撃を被った原因は、高難度のミッションに投じるべき高スキルの人材を前線に投入した。

■東部ドンバス地方から生還できたのは7人に1  
  軍事・防衛産業関連のニュースサイトである 米タスク&パーパスは、「スペツナズは「ロシア連邦が擁する最高のエリート部隊」だ。この部隊がウクライナで破壊されスペツナズはウクライナで全滅しつつある。 

  スペツナズの戦闘員は昨年来、マリウポリやヴュレダル、そして東部ドンバス地方の作戦に投入。スペツナズ第346旅団は900人のコマンドウ(特別奇襲隊員)が所属。戦闘から帰還したのは125人だけだったという。7人に1人(14パーセント)。
  ロシア南部の第22スペツナズ旅団が使用する基地、侵攻の前後を写した衛星写真が含まれていた。侵攻数カ月前の2021年11月と、その1年後に撮影されたもの。

■衛星写真で明らかになった“全滅”の実態  
 前者には「ひしめく車両で賑わう車両保管所」が写っていた。一方、ウクライナからの帰還後にあたる後者では、参戦前に保有していたティグル小型戦術車両の数が半分以下に減った。車両が「極度の枯渇状態」にある。  兵員の損耗はさらに激しい。この第22旅団を含む3つのスペツナズ旅団について、兵員の90~95%が死傷した。2月に東部ドネツク州ヴエレダルの町で、スペツナズ旅団長の死亡。
 
■「ソ連のターミネーター」という残虐なイメージ  
 スペツナズは1957年、冷戦下のソ連時代にロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)内に創設された。戦場の偵察や破壊工作を担うほか、暗殺や諜報(ちょうほう)活動を担う専門性の高い部隊も。米インサイダーは、その秘匿性の高さやソ連亡命者が記した書籍の影響から「ソ連のターミネーター」との残虐なイメージを帯びた部隊であると紹介。  

 暗殺部隊と位置づけられる参謀本部・特殊作戦指揮部の特殊作戦部隊(KSSO)を筆頭。陸軍スペツナズとして8旅団と1独立連隊、および海軍スペツナズとして4艦隊など、約1万7000人がいる。  FSB(ロシア連邦保安庁)特別指定センターのまさにエリートの対テロ部隊から、連邦林業局のそれほど手ごわくない即応部隊までの部隊が存在する。

・・・ロシアにとって陸軍の兵士の能力も心許なかったと指摘している。自動車化狙撃団の歩兵らが十分な成果を上げなかった。キーウ攻略や東部と南部での作戦が不調に終わった。エリート空挺(くうてい)部隊やスペツナズなどを前線に出す方針に転換した。  

  高度なボディーアーマーや暗視ゴーグル、熱検知機器など最新の装備と共に戦場に投入された。スペツナズの活躍の機会はなく。その多くが殺されたり、捕虜になったりした。彼らの特殊車両は破壊された。

〇 「 ウクライナ、次はない反転攻勢が間近か 」
2023年5/22(月)   ・・・・
   西谷 公明(エコノミスト 元在ウクライナ日本大使館専門調査員) 1953年生 
(副島隆彦注記。こいつは、かなり冷静。冷ややかに見ている。 元在ウクライナ日本大使館専門調査員だったのだ。私と同年生)

【ロシア・ウクライナ戦争】 国内産業はほぼ麻痺、欧米の年300億ドル超える巨額支援はいつまで
  この春、ウクライナ国民は生活防衛のため、郊外の畑で春の種まきに忙しい。  幸いにも現在、都市部の停電はおおかた復旧し、お湯の供給も再開されているそうだ。  
しかし、ロシア軍によるミサイル・ドローン攻撃は全土に広がって、経済がほとんど崩壊状態。  2022年のGDP(国内総生産)は前年比マイナス30.4%。

  保たれているのは公共輸送機関やライフラインと、食料品店やレストラン、カフェなどの生活まわりのサービス分野ぐらい。その他は農業を除いてほぼ麻痺状態。  被占領地域は国土の18%、面積にして約20万平方キロ。なんと日本の本州の広さ。 機械や鉄鋼、非鉄、石炭はじめ鉱工業の大半は、ロシアと縁の深い東部と南部のこの一帯とドニエプル河流域。多くはすでに廃墟と化している。マリウポリの製鉄所は破壊され、国内最大のクレメンチュク製油所も損壊した。

 ウクライナは天然ガスの生産国だ(バイデン大統領の子息ハンター氏がマイダン革命後の2014年4月から5年間、取締役を務めていたブリスマ社が開発・生産)。
 国内需要を満たすほどではない。戦渦で産業需要が落ち込んで、いまは自国産だけで間に合っている。 原油と軽油、重油などの石油製品(つまり、戦車やトラクターの燃料)は、ほぼ全量を欧州や中東からの輸入に依存。  

 他方、侵攻以来、政府は全土に戒厳令を布告し、「平時の国家予算のほぼ全額を軍関連に充ててきた」(シュミハリ首相談)。穀物輸出は毎月せいぜい10億ドル。
財政赤字は毎月30億ドルから35億ドル。  22年、西側は合計310億ドルを送金(国際機関と二国間の融資)して財政を支援した。23年も、これとほぼ同額の金融支援を続けている。 これには巨額の軍事支援は含まれない。  

  ドイツの「キール世界経済研究所」の試算は、軍事や医療・人道を含めた国際社会による支援 (22年1月24日から23年1月15日までに表明されたもの)は総額1600億ドル近く(参考ながら、21年のウクライナの名目GDPは2000億ドルだった)。

 西側としても、これだけの支援をいつまでも続けるわけにはいかない。  最大のドナーである米国は来年秋に大統領選挙を控えて、バイデン政権によるウクライナ支援の是非が問われる。欧州有力国も国内の物価高への対応に追われる。グローバルな金融不安も燻ぶりつづける。  勝算はあるか?停戦に応じるつもりはないか?  

 西側首脳はゼレンスキー大統領に対し、折々に打診してきた。  だが、戦時のリーダーに、もはや他の選択肢はない。  ウクライナにとり、後のない戦いが始まる。

■西谷 公明(元在ウクライナ日本大使館専門調査員) 1953年生、長銀総研を経て1996年在ウクライナ日本大使館専門調査員。2004ー09年トヨタロシア社長。2018年N&Rアソシエイツ設立し、代表。著書に『ユーラシア・ダイナミズム』『ロシアトヨタ戦記』など。岩波書店の月刊世界の臨時増刊「ウクライナ侵略戦争」で「続・誰にウクライナが救えるか」(2022年4月14日刊)を執筆。2023年1月に『ウクライナ 通貨誕生-独立の命運をかけた闘い』(岩波現代文庫)を復刻。

〇 「 ロシア軍、バフムートで地雷除去開始 親ロシア派の当局者が明かす 」
2023年5/23(火) 13:11  CNN
 (CNN) ウクライナ東部の要衝バフムートで、ロシア軍が地雷の除去を開始している。東部ドネツク州で親ロシア派勢力が名乗る「ドネツク人民共和国」の幹部、デニス・プシリン氏が明らかにした。 プシリン氏は5月22日、ロシアのテレビで「予備的段階の地雷除去作業が進行している」と述べた。

 ロシア国営タス通信がコメントを報じた。 「同市を解放したロシア軍は、建物に爆発物が仕掛けられていないか調べている。地雷除去の完遂は我々にとって重要だ。非常に骨が折れる、困難な作業だが、現地の戦闘がそれだけの規模だったということだ」(プシリン氏)
ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏も、自身のSNSテレグラムで地雷除去作業が始まったことを確認した。

 同氏は5月20日、数カ月にわたる過酷な攻勢を経てバフムートを完全掌握したと主張。翌日には、ワグネルの部隊がウクライナ東部の前線から全面撤退すると明らかにしていた。「奪取を約束した土地は最後の数平方センチまで制圧した」としている。 ワグネル撤退後の自分たちの陣地は、ロシア国防省に引き渡すとした。

  一方ウクライナは、バフムート西部の狭い区域を保持していると主張。同市を囲む地域では前進しており、有利な立場にあると強調している。

〇 「 ウクライナ軍総司令官「負傷」か ロシア報道、ウクライナは反論 」
2023年5/24(水) 22:11   ロイター

ウクライナ軍のザルジニー総司令官(ロイター=共同)

  国営ロシア通信は、5月24日、ウクライナ軍のザルジニー総司令官が今月初めに前線で負傷して開頭手術を受け、今後の任務継続が困難な見通しだとのロシア治安当局筋の話を報じた。一方、ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は24日、ザルジニー氏が同日ゼレンスキー大統領に報告を行ったと表明し、事実上反論した。

 ロシア通信の報道によると、ザルジニー氏は5月初め、ロシア軍との交戦が続いているウクライナ南部ヘルソン州内の陣地でロシア軍のミサイル攻撃を受け、破片で頭蓋骨に多数の傷を負ったため首都キーウ(キエフ)の病院で手術を受けた。ウクライナ軍内の複数の消息筋から得た情報という。(共同)

〇 「 ロシアの守備、衛星画像で明らかに ウクライナによる反撃を前に 」
  Satellites reveal Russian defences before major assault
2023年5/23(火)   BBC 追加取材:トム・スペンサー

 ロシアの守備、衛星画像で明らかに ウクライナによる反撃を前に BBCヴェリファイ(検証チーム)

 要塞が並ぶビーチリゾート、対戦車用の溝が掘られた幹線道路――。BBCヴェリファイ(検証チーム)による衛星写真の分析で、ウクライナの大規模な反撃に備えるロシアの守備の一端が明らかになった。 ウクライナでは数カ月にわたって膠着(こうちゃく)状態が続いている。

 西側から供与された兵器があれば大きな戦果を上げられると証明したいウクライナにとって、近く始まるとされる反撃は重要な試練になるとみられる。 BBCは今回、数百枚の衛星画像を分析。ロシアが昨年10月以降にウクライナ南部で大幅に増強している塹壕や要塞の重要地点をいくつか特定した。 以下の四つの地点からは、ロシアが反撃に関してどんな予測をしているのか、ウクライナ軍はどんな守備に遭遇する可能性があるのかがうかがえる。

 1. クリミア半島西海岸
2014年にロシアに併合されたクリミア半島は、かつてビーチリゾートとして知られた。 25キロメートルにわたる海岸線にはいま、折り畳み椅子やパラソルではなく、ロシア軍が設置した防衛施設が散らばっている。 下の画像は西海岸で唯一、崖や丘などの自然の防御物がない、開けた砂浜地帯の状況を示している。

 まず、海岸沿いに「竜の歯」と呼ばれるピラミッド形のコンクリートブロックがあるのが分かる。戦車などの軍用車両の前進を阻むのが狙いだ。 その背後には塹壕が連なっており、迫りくる攻撃から身を守るのに使われる。塹壕沿いに、いくつかの格納施設も確認できる。 海岸に沿って、木材の山、掘削機、「竜の歯」の予備などがある。画像が撮影された3月には、建設作業がまだ行われていたことがうかがえる。

 軍事専門家の一部はロシアのこうした守備について、海からの攻撃を想定したものではなく、どちらかというと念のための措置である可能性が高いと指摘する。ウクライナは海軍力が低いからだ。 情報アナリストのレイラ・ゲスト氏は、「ウクライナが陸ではなく大胆にも海からクリミアを攻撃してきた場合に、それを阻止するために要塞が置かれているとみられる」と話す。 この浜辺の要塞は、広い範囲に張り巡らされた塹壕の一例に過ぎない。

  オープンソースアナリストのブレイディ・アフリック氏の調査を基に作成した下の地図には、要塞を示す小さな丸印が無数に存在している。 BBCはソーシャルメディア上の動画から個々の塹壕の位置を特定することで、他の重要な要塞の場所を特定した。 正確な位置が分かったあとは、衛星画像を用いて塹壕の連なり全体を追うことができた。

  2. トクマク
 トクマクは、ウクライナ南東部の主要道路が通る小さな街だ。ウクライナ軍にとっては、クリミアと他のロシア支配地域を分断させるうえで有用な場所だろう。 この街に関しては、軍事要塞にするためにウクライナ人住民らを追い出していると報じられている。そうすることで、ロシア兵は物資と退却基地を得ることができる。

 上の衛星画像では、トクマクの北側に塹壕が2本の線状に掘られているのが分かる。ウクライナの攻撃が予想される方向だ。 これらの塹壕の背後では、街を囲むように要塞が配置されている。下の拡大した衛星画像では、守備が3層になっているのがはっきりと見て取れる。 画像の最上部には、対戦車用の溝が確認できる。深さは通常2.5メートル以上あり、敵の戦車を動けなくするために掘られている。

 その後ろには「竜の歯」が数列並ぶ。さらにその背後にも、また塹壕が張り巡らされている。 ウクライナ軍は、これ以外のわなにも直面することになりそうだ。 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のマーク・カンシアン氏は、トクマクの3層の防衛線の間には地雷が隠されている可能性が高いと言う。 「地雷原はすべての防衛で標準となっている。

 ロシアはこの戦争で、広い範囲で地雷を使っている」 「ここでは地雷原は広く、よりわかりにくくなっている。ウクライナの攻撃を遅らせ、砲兵や歩兵などが敵を攻撃できるようにしてある」 BBCはトクマク近郊の他の三つの町についても、同様に要塞化されていることを発見した。

3. 幹線道路E105号線
  トクマクの西では35キロメートルにわたって続く幹線道路E105号線に沿って、対戦車の溝と塹壕が延びている。 E105号線は、ロシアが掌握している南部メリトポリと、ウクライナが保持している北部ハリコフを結ぶ、戦略的に重要な道路だ。これを押さえた側は、一帯で部隊を容易に移動できる。

 もしウクライナ軍がこの道路を使おうとすれば、ロシアは防衛線の後ろから重砲で狙ってくる可能性が高い。ロシアの砲撃拠点は、近くの別の道路(T401号線)も射程内に収めており、こちらも狙ってくる可能性がある。 「ロシアは、最近作られたウクライナの装甲部隊を気にかけている。もしそれらの部隊が幹線道路を走ることができれば、非常に迅速に移動できる」とCSISのカンシアン氏は言う。 「ロシアは、それらの部隊を道路から追い出し、動きを遅らせようと思っている」

  4. マリウポリの北のリヴノピリ
 港湾都市マリウポリは、東部のロシア占領地域と南部のクリミアを結ぶ戦略的な位置にある。また、街が包囲され、頑強な兵士らが数カ月間持ちこたえた時には、侵攻に対する抵抗の象徴になった。 ロシアは、ウクライナがこの都市の奪還を試みるだろうと想定している。

 そこでBBCは、マリウポリの周辺地域を調査。その結果、円を描くように掘られた塹壕がいくつもあるのを発見した。 マリウポリの北55キロメートルにあるリヴノピリという小さな村の付近では、円形の塹壕の真ん中に土が盛られている。これは、迫撃砲を守るためか、銃を安定させるためのものとみられる。
 
 一方、円形の塹壕は、兵士が身を隠すとともに、迫撃砲を移動させてどの方向に対しても狙いを定めるのを可能にしている。 このことからは、丘や川など自然の防御物がない開けた地域を、他の塹壕の連なりも使いながら、ロシアが守ろうとしていることが分かる。 しかし、一部のアナリストらは、ウクライナ軍が同様の衛星画像やドローンによる監視を活用することで、これらの守備隊の多くを特定し回避できると指摘している。

 英セキュリティー・コンサルタント「シビリン」のアレクサンダー・ロード氏は、「ロシア側はウクライナ軍を、多数の地雷が設置され、ロシアの迫撃砲がすでに狙いをつけている特定のルートに誘導しようとするだろう」とする。 衛星画像からは守備の状況が一目瞭然だが、それもロシアの計画の一部なのかもしれない。

〇・・・・プリゴジンはショイグとゲラシモフは不必要に殺され負傷した何万人について、「彼らの素人っぽいやり方が何万人ものロシア人を破壊した」と述べた。  
西側情報機関の推定で、ワグネルは5万の戦闘員をウクライナで展開した。米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は、「 12月以来、死んだ2万人のうちほぼ半分がバフムトを攻略しようとしたワグネル戦闘員である」と。

(副島隆彦注記。ワグネルは、総兵員 5万人で、バフムートに攻勢をかけ(攻撃し)、(去年の7月から、10か月かけて)3万人の死傷者を出した、というのが、大きな真実の数字だろう。そして、2023年5月20日に、バフムートの市街をすべて制圧した。これで、目出度(めでた)く バフムート陥落となった。  下 ↓ の 朝日新聞の 5月25日続報でも、 プリゴージンの発言が、正確で正しい。 )

〇 「 バフムートの戦闘で「戦闘員2万人死亡」 ワグネル創設者が明かす 」
5/25(木) 0:05  朝日新聞 

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏は5月24日、「激戦地となったウクライナ東部ドネツク州バフムートでの戦闘で、戦闘員2万人以上を失った」と親プーチン派の政治家ドルゴフ氏によるインタビューで明らかにした。ロシアの独立系メディア「アストラ」が報じた。

  プリゴジン氏によると、「 受刑者約5万人を戦闘員として採用し、うち約2割が戦闘で死亡。ほかの形で契約した戦闘員もほぼ同数が死亡した。負傷者も他に1万人程度いる」と語った。  また、プリゴジン氏は、「ウクライナ軍側の死者を5万人、負傷者を5万~7万人」と見積もった。 バイデン米大統領は、5月21日、「ロシアはバフムートの戦闘で10万人を失った」としていた。  朝日新聞社

〇 「 バフムートの名称を「アルチェモフスク」に変更へ 親ロシア派当局者 」
2023年5/24(水) 7:46   CNN
(ここにシプーリンの写真を貼る)

  バフムートの名称変更に言及した「ドネツク人民共和国」の幹部、デニス・プシリン氏
(CNN)  ウクライナ東部ドネツク州で親ロシア派勢力が名乗る「ドネツク人民共和国(DPR)」の幹部、デニス・プシリン氏は5月23日、同州の都市バフムートを訪れ、今後、同市がソ連時代に呼ばれていた「アルチェモフスク」という名称で認識されるようになると述べた。

 同氏は、SNSテレグラムに投稿した動画で「バフムートは不運にもウクライナだったが、今は違う。ロシアだ。だから名称もバフムートではなく、アルチェモフスクになる」と語った。 動画には、プシリン氏が激しく破壊された都市の街路を軍服姿で歩き、ⅮPRの旗を建物に立てる様子が映っている。 同氏はまた「バフムートを奪取したことにより、ロシア軍にはウクライナ国内でさらに領土を獲得する経路が開けた」とも主張した。 その上で、「この街は新たに生まれ変わる。新しい住宅や職場、学校を建設する」と約束した。

(副島隆彦注記。 こら、テレ朝。 下 ↓の 記事で、ウソを書くな。プリゴージンは、まず、自分の軍隊である「ワグネルが、世界で最強だ」と言った。その次に、「 自分たちと戦ったウクライナ軍を、世界で2番目の軍隊だ」とエール yell を送った。 

 こういうことを、勝手に以下のように捻じ曲げて報道するのが、負け惜しみに満ちている、日本の 反ロシア報道だ。バフムートの戦いで自分たちが必死で応援するウクライナ軍が敗北して、相当に残念無念で、口惜しいのだろう。防衛研究所の高橋杉雄や、東大先端研の 小泉悠たちは、あれほど、ウクライナ軍が反撃して勝利する、というようなことを、日本のテレビ局の各社で、毎日のように、ずっとしゃべっていた。 

 この者たちは、今週から後のテレビ番組で、どうやって、自分たちの予測の間違い、失敗を、言い包(くる)めて、取り繕(つくろ)うのか。彼らの顔が歪(ゆが)んで、引き攣(つ)る、その表情を、多くの人が、じっと見守るだろう。

 テレビで政治報道の番組を見るのが好きなインテリたち、200万人ぐらいは、一体、どういう気持ちで、この  ” 御用(ごよう)足し コメンテイター ” たちが、このあとも、自信たっぷりに、ペラペラと、テレビで話すのを、我慢して見続けるのか。 テレビを見ている人も、いろいろだろうから、ということだろう。 副島隆彦注記、おわり)

〇 「ワグネル 創設者プリゴジン氏「世界最強の軍隊」とウクライナ軍を称賛 」
2023年5/24(水) 23:05

 ”「ワグネル」創設者プリゴジン氏「世界最強の軍隊」とウクライナ軍を称賛”
 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者・プリゴジン氏はウクライナ軍を「世界最強の軍隊になった」と称賛する一方で、ウクライナ侵攻については「同族の戦いで目的がない」と批判しました。  プリゴジン氏は5月23日に公開されたインタビューで、敵対するウクライナ軍について「ロシアが非武装化しようとした結果、世界最強の軍隊の一つになった」と称賛した。  

 一方で、ウクライナへの侵攻については「同族同士の戦いで具体的な目的がない」と侵攻自体を批判しました。  ただ、プーチン大統領の責任には言及せず、国防省やエリート層の責任だとしています。  また、プリゴジン氏はウクライナが準備を進める大規模な反転攻勢を念頭に、戒厳令の導入と新たな動員が必要だと主張しました。

〇 時事通信。5月24日。・・・・  ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジーン氏は、「ロシアは、ウクライナでの軍事行動で目標とした「ウクライナの非武装化」に失敗した。ウクライナ軍は今や世界最強の軍隊の一つになったと述べた。  

 親(しん)ロシア政権の政治学者が、プリゴージン氏へのインタビュー動画を、5月23日に公開した中で語った。長期戦を見据えて国内の楽観論を戒めたとみられる。  
 プリゴージン氏は、ロシアが主張するウクライナ東部ドネツク州バフムト制圧 を機に、ワグネルを撤収させる方針。 ロシア国防省との対立に続き、今回の発言もプーチン政権批判と受け取られかねない。注目を集めることで影響力を保持する狙いもありそうだ。  

 インタビューでは、根拠不明な数字ながら「開戦前は、ウクライナ保有の戦車が500両 だったが、今は、5000両ある。実戦で戦える兵士が2万人だったが、今は40万人だ」と、非武装化と逆の結果になっているという認識を示した。 バフムートの戦場での経験を踏まえ、プリゴジーン氏は「ウクライナ軍は今日、最強の軍隊の一つになった」と評価。「高度な組織力、準備、情報を有している」と分析した。 

〇 「 ウクライナは戦争に勝てないとハンガリー首相、追加支援反対崩さず 」
 Orban Says Ukraine Can’t Win War as He Justifies Veto on Aid

2023年5/24(水)   ブルームバーグ
(ここにオルバン首相の写真を貼る)

 Viktor Orban
(ブルームバーグ) ハンガリーのオルバン首相は、隣国であるウクライナに同情を示しつつも、ロシア撃退でこれ以上支援できることはないと述べ、欧州連合(EU)のウクライナ向け支援を巡る自身の考えを崩さなかった。

 カタール経済フォーラムに際して 5月23日行われたブルームバーグ・ニュースのジョン・ミクルスウェイト編集主幹とのとのインタビューで、「ウクライナの軍事的な抵抗は失敗する運命にある。さらなる支援の実施は犠牲者を増やすだけだ」と論じた。

 「感情的には悲劇だ。われわれ全員の心はウクライナ人とともにある。だが、人命を救うことが責務である政治家として、自分は発言している。この戦争に勝利できる見込みはない」と続けた。ハンガリーはEU加盟国の中でロシアのプーチン大統領と最も緊密な関係を持ち、EUのウクライナ向け金融支援のうちの5億ユーロ(約750億円)分の実施を阻止。ロシアへの追加制裁にも反対している。

 オルバン氏の見解は、春に開始が見込まれていた反転攻勢を前にウクライナに兵器供給を続けた支援国の分析と食い違う。この反攻が劇的な急展開をもたらす可能性には慎重な見方をしているが、ロシア軍を撃退し、領土を回復するゼレンスキー大統領の計画を支援国は後押ししている。

 オルバン氏の発言に対して北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長はブリュッセルで、「ウクライナは既に、領土を解放しロシアを撃退する能力があることを証明した。NATO諸国からの支援が重要であることは明らかだ」と指摘。プーチン大統領がこの戦争に勝利しないようウクライナが確実に阻むことに確信があるとも語った。

 オルバン氏はあらためて、即時停戦を呼び掛けた。ただ、現時点での停戦呼び掛けはウクライナに対する降伏の要求に等しいとの批判もある。 オルバン氏はまた、ロシアのウクライナ侵攻を米ロの代理戦争と位置づけるロシア政府の公式見解と一致する主張も繰り返し、米ロ間で合意が成立する場合のみ戦闘は終わると語った。米政府は、和平の形態や時期を決定するのはウクライナだとの姿勢を維持している。

 オルバン氏の発言について、ウクライナ外務省は「ロシアの侵攻責任」を見逃しているとして非難。「ウクライナはロシアの占領から領土を完全に解放するまで戦いを継続する。ウクライナの平和回復だけでなく、欧州全体の安全保障を確保するにはそれが唯一の方法だ」と、同省のニコレンコ報道官がフェイスブックに投稿した。

 来年の米大統領選にもオルバン氏は触れ、トランプ前大統領の再選を望んでいると表明。バイデン大統領とはそりが合わないが、米国を批判するのはビジネスにとって良くないと述べた。

〇 「 ベルゴロド州の戦闘2日目、襲撃グループがロ軍の兵員輸送車を奪取か 映像公開」
2023年5/24(水) 9:50   ・・・・

 ロシア義勇軍は5月22日、ロシアのベルゴロド州コジンカで、ロシア軍の装甲兵員輸送車を奪取したとして映像を公開した。ベルゴロド地方での戦闘は2日目に入った。ロシア当局は、ウクライナから武装した戦闘員が侵入したとしている。

 22日の襲撃には装甲車が使用されたとみられ、ウクライナ戦争開始以来、ロシア国内で起きた襲撃としては最大規模のものとなった。ただ、襲撃に加わった戦闘員の数や所属、衝突の規模など詳細は独自に確認することはできなかった。 襲撃グループは、国境の町コジンカと複数の町を占拠したと主張。

 その後、ロシア当局は同州グライヴォロン地区から住民を避難させた。 ロシア政府は「この攻撃はウクライナ軍によるものだと非難。攻撃を撃退して、70人を殺害した。ロシアによるバフムート掌握から関心をそらすために、工作員が破壊活動を行っている」と主張した。

 ロシア義勇軍は、昨年8月に極右のロシア人によって設立され、ウクライナ戦争でロシア軍を相手に戦ってきた。ベルゴロド州の戦闘について、ウクライナは関与を公式に否定。ポドリャク大統領顧問は「ウクライナは関与していない」とツイッターに投稿した。「周知の通り、戦車はロシアの軍需店で売られているし、地下組織のゲリラ集団はロシア国民で構成されている」と皮肉った。

〇 「 露民間軍事会社ワグネル、ウクライナ東部激戦地・バフムトから引き揚げへ 創設者、国防相と参謀総長をののしる 」
2023年5/5(金) 19:13  日テレNEWS

  ロシア国防省を批判していた民間軍事会社ワグネルの創設者が新たな動画を公開し、ウクライナ東部の激戦地バフムトから10日に引き揚げると述べた。 プリゴジン氏は、5日に公開した新たな動画で、激戦地のバフムトについて、「 ロシアの戦勝記念日の9日までに制圧するつもりだったが、国防省が意図的に妨害し、1日から砲弾の供給がなくなった」と批判した。
  そのうえで「5月9日まではバフムトで戦うが、10日に国防省に引き渡す」と述べました。 これに先立ち公開した動画でも、プリゴジン氏はショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長を名指ししてののしり、戦闘員の遺体を指さしながら、被害が拡大していることについて批判していました。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝 

(副島隆彦注記。以下の3枚の画像を、あとで適宜の場所に移して貼る)
 
 ロシアの民間軍事企業「ワグネル」創設者のエフゲニー・プリゴジン氏

 激戦が続くウクライナ東部ドネツク州バフムートで 2023年4月26日

 ロシアがバフムートで白リン弾使用か ウクライナが映像公開

副島隆彦拝