[3519]谷崎潤一郎の亡霊に、私は神戸まで連れて行かれた。

副島隆彦 投稿日:2023/02/17 08:37

副島隆彦です。今日は、2023年2月17日(金)です。

 私は、今も、霊魂に導かれて、自分が出会った、ギリシア彫刻の女神像(3美神像とか)の100体ぐらいある、本物の大理石で出来ている彫像(トルソtorso 。ただし中国製の精緻で優美な模造 )の亡霊、怨霊に憑りつかれている。

 この美神(びしん)たちの霊から囁(ささや)かれて、私は、先週、神戸市の東灘区(ひがしなだく)で、芦屋(あしや)の隣りの一帯の、文学者、谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう)の旧宅たちを探して、その辺りを見て回った。私は、谷崎の亡霊とも対話した。

倚松庵(いしょうあん)

 谷崎は、昭和の始めに、日本が戦争にのめり込んでゆく、その頃もずっと、自分の文学の信念である、耽美(たんび)と女性崇拝と女体の窃視(せっし)のエロスの世界を描き続けた。谷崎は、戦争中もずっと、「細雪(ささめゆき)」を書き続けて、自分の奥さまの松子(まつこ)夫人への愛と、さらにその実の妹たちへの愛を作品にし続けた。

谷崎と松子夫人

 谷崎には敗戦後の日本が分かっていた。戦争肯定、皇国への賛美と、戦争への追随と、ひたすら八紘一宇(はっこういちう)の思想にのめり込んだ、他の知識人や文学者とは異なった。

 女流文学者たちで、ずっと虐(しいた)げられた女たちのために言論で闘っていた、与謝野晶子(よさのあきこ)でも、平塚雷鳥(らいてふ)でも、市川房江(いちかわふさえ)でも、翼賛(よくさん)体制を支持した。
 女たちの銃後(じゅうご)の守りで、切実な愛国と、兵士たちへの慰問の活動を続けた。国民も、自分たちも兵隊さんたちのあとに、日本本土での戦いで死ぬのだ、と、脅えながら覚悟していた。

 そしてやって来た無残な敗戦後に、戦争を扇動した指導者たちと、さらには言論人たちまでもが、指弾(しだん)され、文学者の戦争責任も問われた。かつ責任を感じて、女流文学者たちも自分たち自身で鬱屈(うっくつ)した。

 高村光太郎のように、己の戦争翼賛 を自己処罰をして、岩手の 花巻(はなまき)の山荘のあばら家で生きて、死んでいった誠実な者もいた。だが、恥知らずのまま、戦後は反共右翼(はんきょううよく)となって、今度は、敵であったアメリカの忠実な、手先、子分になって、変節し尽くした、厚顔無恥な者たちも大勢いる。

 それに較(くら)べて、谷崎は、戦争反対も言わず、だた、ひたすら、英人オスカー・ワイルド張りの、人間の女性の美と、男女の愛の世界を肯定して、そのことのための文学作品を黙々と書き続けた。この態度が偉くて素晴らしい。 
そして敗戦後に、「細雪」を始めとして、谷崎の作品は、日本国民に改めて高く評価される。
 
 私は、谷崎が、太平洋戦争(昭和16年、1941年)の前(昭和11年)から昭和18年(戦争の待っただ中も)ずっと住んだ、倚松庵(いしょうあん。神戸市が、移築、復元している)に行って、本当に谷崎の霊魂と話してきた。 私が、昔から予想していた以上に、谷崎はこの家で、7年間、松子夫人(細雪の、主人公。御寮人=ごりょん=さん、2女の幸子)と。

 妹の3女の重子(しげこ。細雪のヒロイン、雪子。きあんちゃん)と、4女の信子(細雪の妙子。恋さん)と、さらには松子の連れ子の、恵美子(えみこ。松子と前夫の根津清太郎=ねずせいたろう=の娘)と、それから女中たちと、この倚松庵のお屋敷(と言っても、今では小ぶりの和洋折衷の家。住吉川河畔)をハーレムにして、びったりと女たちと寄り添うように暮らしている。

 

 美しい日本女性の、上流商家の4姉妹(英語のタイトルは、槇岡家の Makioka sisters )の娘たちとの恐ろしいぐらいに密着していた、半裸体の暮らしぶりだ。私は、谷崎潤一郎という、非政治的(エイポリティカル apolitical 、政治無関心)を装っていた、真の政治的な日本の知識人の生き方に死ぬほど感動した。
今の
 戦争と、大震災と、経済恐慌(きょうこう)の予兆で、不安に打ちひしがれ、揺れ動く、今の日本民衆の気持ちを、あの時の、谷崎の遺志を継いで、一体、誰が、今、描くことが出来るだろうか。私は、すでに、自分の谷崎追慕の評論文を書く準備に入った。

 谷崎は、戦争前も、戦争中もそして、戦後も寒い冬には、必ず毎冬、熱海にいた。大金持ちと文学者は、熱海にいる。今も、おそらく往年の大女優たちが、老婆になり果てて、その半数は、熱海に隠れ住んでいる。だから、私、副島隆彦は、熱海にずっと、もう18年も棲んでいる。そして東京と行ったり来たりしている。自分でも何故だか分からなかったが、ようやく彼ら先人の知識人たちの霊魂、亡霊が、たくさんここに居るからだと分かった。

 さて。 ウクライナ戦争での、ロシア軍が開始した、大攻勢(グランド・オフェンシヴ)は本当のようだ。プーチンが、3月までに、ウクライナ東部の2州と南部の2州の合計4州 を完全に制圧するようにと命令を出している。

 このことは、ロシア国内だけでなく、西側(欧米、デープステイト=カバール側)の諸国でも、当然の成り行きだ、と、自然に受けとめている。ロシアはこの目標を達成するだろう。だから、東部のルハンスク、ドネツクの2州で、今も激しい戦闘が続いている。

 ロシア軍の大攻勢で、ウクライナ軍の兵士と、突撃を繰り返すロシア軍の双方の兵士が、合計で毎日、800人ぐらいが戦死している。この数字は、この戦争の情勢に注目している専門家たちが誰も否定しない。

 ロシア軍の 地上軍の 歩兵部隊(グラウンド・インファントリー。英語ならGI=ジーアイ=)が、人海戦術で、突撃を繰り返している。どれだけ死んでも突撃をやめない。その真上を、ウクライナ軍の砲兵部隊の、155ミリ榴弾砲とハイマースHIMARS (高機動(こうきどう)多連装(たれんそう)ロケット砲システム)の誘導ミサイル(ロケット弾に目が付いているようなもの。正確に目標に当たる)が、激しく飛び交っている。 

 ロシア軍は、ウクライナ軍に英米から供給されている、肩掛け式(携行式)の「聖(セイント)ジャベリン」の対戦車の誘導ミサイルからの攻撃を避けるために、その攻撃範囲の外から、戦車砲の 直劇弾で、このジャベリン と ドローンの上空からの正確な爆弾投下の精密攻撃から、何とか身を守りながら、一歩ずつ前進している。

 文字通り、1日に1キロメートルとかの前進をしている。大量の死者を出しながら。死ぬのは、ほとんどが、最前線に駆り出される、戦闘経験のない新兵と囚人兵たちだ。「古参兵(ヴェテランズ)は死なず。ただ、(戦争が終わったあと)消えゆくのみ」と、マッカーサー大将が、ウエストポイント(米陸軍士官学校)での自分の引退演説でしたとおりだ。

 18歳から20歳ぐらいの新兵の部隊が攻撃を受けてたくさん死ぬ。その瞬間に、攻撃してきた敵のウクライナ軍の陣地を正確に計測して、そこに向かって、ロシア軍の誘導ミサイルの野戦砲が飛んで行く。 古参兵(ヴェテランズ veterans  )である、ワグネルのPMC(ピー・エム・シー、民間軍事会社)に再雇用されている30代、40代の強兵たちだ。それと、ロシア正規軍の中でも、最強の空軍空挺部隊(パラトルーパーズ)が、混成旅団を作って戦っている。今、まさに、激戦地で天王山となりつつある ウクライナ軍が死守している、要衝(ようしょう)バフムートの攻略、包囲戦を やっている。

 ネオナチ思想で狂っている(英と米に狂わされている)前線のウクライナ兵も、もう死ぬ気だから、勇敢だ。だが、ロシアも、今やロシア国民の多くが、自分も死ぬ気になって、

 一致団結して、銃後の守りをしている。息子たちが前線に行くことを、ロシアの母親たちは、「それが、ロシア人として、一人前の男になることだ」と送り出している。日本の愛国の母たちもそうだったのだ。

 私、副島隆彦の母親は、戦中派で、モンペを履いた女学校の生徒だったから、女子挺身隊(じょしていしんたい)になって、防空訓練や、「エイ、ヤー」と、竹やり訓練をしている。私の母は、私に、「愛国の花」という昭和18年頃の歌を、教えてくれた。
「真白き 富士の気高さを、心の強い盾)たて)として、・・・銃後(じゅうご)に映(は)える女(おみな)らは、地に咲き匂う、国の花」という 歌だ。あの時の、日本人は、皆で狂っていた。

 それが人類(人間)という愚かな生き物の、することだ。
人間は、共同幻想( きょうどうげんそう。mass illusion マス・イルージョン)に狂う生き物だ。宗教とか、国家とか、芸能、スポーツとか。私の先生の吉本隆明(よしもと りゅうめい)が提唱して論究した。

これをヨーロッパ最高の精神医学者(psychiatrist サイカイアトリス))だった、ジークムント・フロイトが、解明した。
 フロイトは、何千人もの精神病の患者を見続けた。だが、フロイトが、真に偉大だったのは、個々の精神病者の治療と症状の改善のために、精神分析学(psycho-anarysis サイコ・アナリシス)という、精神病の臨床医学を築いたことではなく( 治療はうまく行かなかった)、それよりも、 人間という生き物は、集団で発狂する、ということを発見したことだ。

 人間(人類)は、個々の遺伝子性の精神病だけでなく、集団で発狂するということを解明した。このことフロイトは、「モーセと一神教」( 年刊)という本で書き始めた。
このことで、ジークムント・フロイトは、ただの精神医学者(サイカイアトリスト。大学の精神科の医師)ではなく、世界レベルの 思想家(スインカー thinker ) になったのだ。
日本の知識人たちは、このことが分かっていない。なぜ、フロイトがこれほどに、いまも重要視されているのか。人間の本性の一部のエロス、やエゴ の研究ではない。

フロイトが真に偉大なのは、人間は個々人だけでなく、集団で発狂する生き物だ、ということを分かったからだ。そして、まさしく、1930年代の、ナチス・ドイツ政権という、集団発狂のさ中(なか)に、ウイーン大学のフロイトの研究所が、ナチスの突撃隊に襲撃を受けて、研究所ごと荒らされ、フロイトの著作をまとめて燃やされる、という、学問弾圧を受けながら、フロイトは生きた。それでもフロイトは国外に脱出しなかった。

 人間は、個々の精神病者(psyhopath サイコパス )だけでなく、民族や部族や国民国家 が丸ごと、集団で妄想(もうそう)を起こし発狂する生き物だ。 
 強度の被害妄想(ひがいもうそう。パーセシューション・マニアック)に陥って、集団で精神病に罹(かか)る生き物だ。この大きな事実を解明したがゆえに、フロイトは、人類の20世紀の大思想家のひとりになったのである。

 日本では、フロイトの全集の翻訳をしているフロイト学を専攻していると、自分では思い込んでいる学者たち自身が、このことに自覚がない。日本と言う国は、今も、その程度の知能の国だ。 日本人の精神医学者は、今も、誰も、このことで重要な研究をしている、イギリスのタヴィストック精神医学研究所(Tavistock clinic ) の存在を知らない。日本人には、教えないことになっている。

 人類(人間)が、集団で陥る、幻想 の病状が進行して、さらに症状が高(こう)じると、それは、集団発狂状態(しゅうだんはっきょうじょうたい)となる。今のウクライナ国民の400万人ぐらいがそうだ。 英と米によって計画的に、狂わされた。
 
 今、ウクライナには、もう半分の2400万人の国民(以前は4400万人の人口)しかいない。いなくなった半分のうちの、1000万人は、隣りのポーランドと西側諸国に。そして1000万人ぐらいの、ロシア語をしゃべる者(ロシア系ウクライナ人)たちは、ロシア側に国境線を越えて脱出し避難している。

 以下に載せる、ユーチューブの動画は、おそらく、自衛隊関係者たちが、広く全国の自衛隊の基地で、毎日、食い入るように見ているものだ。

「 真・防衛研究チャンネル チャンネル登録者数 15.1万人 」

と言う。軍事もの、兵器ものが、大好きな人々にとっての、毎日、定番のウエブサイトだ。

https://www.youtube.com/watch?v=01M2xXs9u10
【ウクライナ戦況】2月15日。バクムット方面ロシア軍の攻撃が弱る、損害が激しく戦力不足か! – YouTube

 この「真・防衛研究チャンネル」の 情報源は、明らかに、アメリカのワシントンから毎日発信されている、 今や、ムーニー Moonies 統一教会のアメリカの、公然と表面に出ている キンバリー・ケイガン(ケーガン)という、まだ30代の凶悪な、若い女が代表である、「戦争研究所」 ISW (アイ・エス・ダヴュリュ 。インスティチュート・オブ・スタディ・オブ・ウォー )からの情報提供だ。

(ここにキンバリーの顔写真を貼る)

キンバリーの兄は、ワシントンのムーニーの大幹部で、第3次ネオコンに潜り込んでいる凶悪な高官のロバート・ケイガン(ケーガン)である。そして、その奥さんが、まさしくこの世に生きている悪魔女でビクトリア・ヌーランド(ニューランド)だ。

 今では、私、副島隆彦の本、その他で、知らぬ者はいない、最強のキチガイ女だ。今も米国務省のアンダー・セクレタリ―(国務次官)という、国務長官(ステイト・セクレタリー)に次ぐ権力者だ。

(ここにロバートと ヌーランドの顔写真を貼る)

ヌーランド

ロバート・ケーガン

 このケーガン一家が運営している、NGOの組織であるISW「戦争研究所」は、ワシントンのムーニー(統一教会)の非営利組織のふりをしながら、ペンタゴン(米国防総省)から、公然たる支援を受けている。米軍の軍事スパイ衛星を、管理している米宇宙軍(スペイス・フォース。今も空軍の一部でありながら、今や米第5軍)のサイバー通信情報部の、全面協力を受けている。

 そして、毎日、毎日、世界中に、その画像を垂れ流している この凶悪な「戦争研究所」からの公開情報を、そのまま鵜呑みにして、そのまま日本語に翻訳して、日本のメディア、テレビ各局、そして自衛隊関係者 および、ウクライナ戦争ウオッチャー たち(だから、この真・防衛チャンネルにチャンネル登録をしている15万人と、その倍ぐらい)が、毎日見ている。

 テレビに、この1年間、出まくりの、防衛研究所の 高橋杉雄も、・・・も、・・・も、 ・・・小泉悠(こいずみゆう)ちゃん(奥さんはロシア人)も、慶應大学の今や公然とムーニーである広瀬陽子(ひろせようこ)も、・・・筑波大学=ムーニー大学の、ミルからの目が飛んでいる、キチガイの中村逸郎も・・・

 みんな、みーんな、このISW「戦争研究所」からの公開の戦争報道の、米軍事スパイ衛星からの動画配信に頼って、偉そうにテレビで発言している。 

 ・・・・そろそろウクラナイナ軍が、押されて、ボロボロになって来ましたが、皆さん、お元気ですか。まだ強気で、「ウクライナ軍が勝つ。反攻を開始してロシア軍を国境線の外まで追い落とす」と、言い続けるのですか。 ・・・このことに関心のある国民が皆さんの顔を、じーとテレビの画面で見ていますよ。このテレビ政治報道番組を飽きずに見ている国民というのも、かなりおかしな人たちだ。

 大半の国民は、もう、あまりテレビのウクライナ戦争報道を見なくなっている。ただ、時々、ニューズ報道が有ると、不安そうに聞いている。民衆と言うのは、いつの時代も、こういうものだ。
 だから、皆さんも、たまには、この戦争報道の、今では、こんなに便利な、宇宙衛星からの画像を使った戦況(せんきょう)報告の、ユーチューブ を見て下さい。これが、今、私たちの世界で、毎日、起きていることだ。 実際に毎日800人ぐらいの兵士、軍人(下士官から上)が死んでいる。

 地球のほぼ反対側(ウクライナから8000キロぐらい離れている)私たちの日本の、今の平穏無事な平和な暮らしがある。それでも、やはり、ふわふわした奇妙な感じが、私たちの日常にも、どこかから伝わってきて付きまとう。 今、世界は戦争をしているのである。
そして、ますます、大きな戦争に繋(つな)がって行きそうなのである。

 だから、私は、自分が、戦争に向かう時の知識人としての心構えを習う(倣う)ために、谷崎潤一郎の霊魂、すなわち、魂(スピリット)と霊(ソウル)に、誘(いざな)われて、神戸の彼の旧宅の辺りをさ迷った。

 「死ぬのが いいわ」 という 若者の世界で、大ヒットした歌が有る。
 年末のNHKの紅白歌合戦に、NHKの決断で、急に出場が決まって、藤井風(ふじいかぜ)という、まだ20代のロック歌手(だろ?)の若者が、この「死ぬのが いいわ」を歌った。最後は、ステージに倒れて動かなくなった芸をやった。驚いた視聴者たちから、

「こんな気持ちの悪いのを紅白に出すな」の抗議の電話がNHKに殺到したらしい。だが、多くの国民は、「なんだ、これは。でも、若い人たちの中から、こんなやつが出て来て人気を取るのだろう」と受け入れた。

( ここに、「死ぬのが いいわ 」の ユーチューブを貼り付ける)
https://www.youtube.com/watch?v=6ZxsuFajQDo

藤井 風 – 死ぬのがいいわ(Visual) – YouTube

が、今の日本人の気持ちをよく表している。

「死ぬのがいいーわ、死ぬのがいいーわ」 
「あんたと このまま おさらばする よか(よりも) 死ぬのが いいーわ」

と歌っている。この歌は、一昨年から、東南アジア諸国にも広がって、ヒットしている。特にタイ国で大ヒットしている。東アジアで、2億人が見ている、と。 

 この曲と歌の感じが、今の地球(=世界)を覆(おお)っている。明らかにこれから、「ロシアと中国 対(たい) アメリカおよびヨーロッパ諸国」とで、始まりそうになってきた、第3次世界大戦への突入を予感している。そして、そこに向かって、人類の一挙の大量死(すなわち核戦争 ニュークレア・ウォーフェア nuclear warfare  )の恐怖を感じ取り、戦争を予感して、この世界から吹いている風を、皆が肌で感じている。

 
 特に、若い人たちほど、敏感にこの戦争の予感を感じている。若い人たちほど、死にたくない。だが、戦争になれば、どうしても若い人たちから先に大量に戦場で死んでゆく。私が、前の方に書いた通りだ。

 私たちは、今、ウクライナ戦争(実際には、米欧 対 ロシアの戦争)が起きている現実の世界を包む、不安な空気の中で生きている。

 それでも、それでも、だ。 私たちは日本人として、世界に向かって、大きな指針を示さなければいけない。
 日本は、露と中 (ロシアと中国)帝国 に 付くことなく。かと言って、アメリカ帝国 の忠実な家来、子分(すなわち属国)を今のまま続けることもなく。

 アメリカが密かに置いている核兵器を、日本から撤去させて。 そろそろアメリカの支配から、身を振りほどいて、私たちの日本国 は、世界に向かって、今、私たちが持っている、この 平和憲法(憲法9条。戦力不保持。交戦権の否定。そして戦争そのものの放棄 )という明文を振りかざして、

 「世界戦争に向かっている、2つの勢力に向かって、言います。日本は、先に、もう戦争をしないと決めました。だから、どちらの勢力にも付きません。日本は中立国です。ですから、どうか、東京で和平交渉(わへいこうしょう。ピース・トークス peace talks )の為の、話し合いをして下さい。何十回でもしてください。核戦争で、人類を滅ぼしてはいけない 」 という 声を上げるべきだ。 

 それが、私たち日本人に 課されている、世界に向かって日本が貢献できる、これからの日本の、唯一の 大きな仕事だ。 私、副島隆彦は、今、真剣にこのように考えています。

 副島隆彦拝