[3479]正義と悪の狭間の戯言

鈴木雄司 投稿日:2022/11/01 22:32

87歳で年収2億円、授かった子供は100人…渋沢栄一が規格外の傑物だと語られるワケ
https://president.jp/articles/-/56162?page=1

10月26日に、副島先生から「習近平たち中国共産党が持つ、悪(あく)の部分を、肯定する」との投稿がありましたので、思うところを書いてみたいと思います。

以前、会社の上司と飲みに行ったときの事です。上司が酔いながら、子供時代に見たアニメ「デビルマン」の歌詞を口ずさんでいました。俗に言うアニソンですが、その歌詞の一部である「悪魔の力身につけた正義のヒーロー デビルマン デビルマン」の部分は私の記憶に残り、妙に引っかかるものがありました。

歌詞を理解するならば、「悪人と同等以上の悪いことができなければ善人にもなれない」とも解釈できますし、「正義のためには、悪人と同じ能力が必要」とも解釈できます。つまり、正義は悪を内包していると言えます。

新円切替で渋沢栄一がクローズアップされています。
渋沢栄一は、妻2人に妾が沢山いて子供を100人以上授かったと言われています。現代ならば、とんでもない不倫男として週刊誌からバッシングを受けるはずです。今ならば、渋沢栄一は急遽謝罪会見を開いて、1万円札の座を辞退しないといけません。
くだらない冗談はこの位にしておいて、当時の金持ちは妾や隠し子がいても当然であった時代背景があります。

そのように考えるならば、正義と悪の判断基準も実に曖昧で絶対性がないと言えます。ならば、正義や悪には相対的なものしかないことになります。

歴史は英単語でhietoryですが、語源は「his story」(彼の物語)と聞きました。これも意訳すると、「歴史とは、戦争で勝利した彼の物語」と解釈できそうです。そうであるがゆえに、江戸幕府が悪かったから明治維新が起きたと、戦争で勝利した彼らの物語で歴史が書き換えられるのも当然です。そして、戦後は戦争で勝利した米国のストーリーで日本史が書き換えらるのも、ある意味では自然な流れです。

現在は、世界を支配してきた旧勢力を打倒するために、ロシアと中国が戦っている構図です。当然、戦争に勝利した側の物語で今後の世界史は書き換えられるでしょう。

旧勢力を悪とするならば、新しい世界秩序を構築すべくロシアと中国は悪の限りを尽くして戦うはずです。

「正義のために、悪の限りを尽くして戦う」
一見すると、矛盾命題のようですが、これこそ究極の「清濁併せ呑む」と言えます。この矛盾こそが、人間の歴史を紡いできた事実が凝縮されているように思えるのは、果たして私だけでしょうか?