[3476]ブレトンウッズ3後の日本未来予想図

鈴木雄司 投稿日:2022/10/22 05:16

■ゴールドラッシュおきるか 深海に眠る金鉱脈(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2022/05/special/hydrothermal-chimney-gold/
東京から南へおよそ400キロ。伊豆諸島の青ヶ島周辺の海域で2015年、東京大学の研究チームが海底から熱水が噴き出す「熱水噴出孔」を発見しました。持ち帰った岩石を調べて研究者は信じられないような数値を目にします。それは「金」の濃度です。熱水噴出孔の周辺の岩石に含まれる「金」の濃度が平均で1トンあたり17グラム。世界の主要な金鉱山が1トンあたり3~5グラムなのに対してそれを大きく上回る値だったのです。

■奄美大島沖にて有望な海底熱水鉱床を新たに発見
―高品位の金・銀を含む亜鉛・鉛鉱床―(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_01_000151.html
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野 哲弘)は、2019年8月から10月にかけて実施した海洋鉱物資源調査によって、鹿児島県奄美大島沖にて新たな海底熱水鉱床を発見しました。採取した7試料を分析した結果、平均で銅1.52%、鉛11.07%、亜鉛16.37%、金32.5グラム/トン、銀8,322グラム/トンの品位が得られ、亜鉛・鉛を主体に、これまでにない高品位の金・銀を含む有望な鉱床となることが期待されます。

■茨城大研究チームらが五浦海岸に巨大油ガス田跡発見(水戸経済新聞)
https://mito.keizai.biz/headline/1552/
茨城大らの研究チームが7月、五浦海岸(北茨城市)周辺に約1650万年前に巨大ガス田に匹敵する大規模ガス田が存在していたことを解明したと発表した。現存する五浦海岸の炭酸塩コンクリーションを構成する炭酸塩の体積は少なくとも600万立方メートル(東京ドーム5個分)以上。炭酸塩を形成するのは海底湧出した天然ガスの一部に過ぎないことと、風化・侵食で消失していることを考慮すると、実際の天然ガス量は巨大ガス田(可採埋蔵量950億立方メートル以上のガス田)に匹敵するとしている。

■南関東ガス田 600年分の埋蔵量(関東天然瓦斯開発株式会社)
https://www.gasukai.co.jp/gas/index4.html
南関東ガス田は可採埋蔵量が3,685億m³にも達する、わが国最大の水溶性天然ガス田です。その中でも茂原地区は、(1)埋蔵量が豊富で、(2)鉱床の深度が浅く、(3)ガス水比(産出水量に対するガス量の容積比)が高い等、天然ガス開発に有利な条件を備えています。当社鉱区における天然ガス可採埋蔵量は、約1,000億m³。現在の年間生産量で計算すると約600年分にもなります。

■南鳥島のレアアース、世界需要の数百年分(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29216170Q8A410C1EA2000/
早稲田大学の高谷雄太郎講師と東京大学の加藤泰浩教授らの研究チームは、日本の最東端にある南鳥島(東京都)周辺の海底下にあるレアアース(希土類)の資源量が世界の消費量の数百年分に相当する1600万トン超に達することを明らかにした。詳細な資源量を明らかにしたのは初めて。レアアースを効率よく回収する技術も確立した。政府や民間企業と協力して採掘を検討する。

■種子島沖海底泥火山でメタンハイドレートを発見(こうべ大学)
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2022_01_18_01.html
神戸大学大学院海事科学研究科の井尻暁准教授、海洋底探査センターの大塚宏徳助教、琉球大学理学部の土岐知弘准教授、大学院生満留由来、高知大学総合科学系複合領域科学部門の村山雅史教授、大学院生瀬戸口亮眞、海洋研究開発機構の星野辰彦主任研究員、金沢大学理工学域の加藤萌(JSPS-PD)らが共同で行った琉球海溝北部の種子島沖海底泥火山の調査航海において、メタンハイドレートの採取に成功しました。

———-(本文はじまり)———-
世界の金融が実物資産を紙幣価値の裏付けにするブレトンウッズ3への移行ですが、先祖帰りの原点回帰と言えます。複数の実物資産で構成されるコモディティ・バスケット方式で紙幣発行量の上限にもある程度対応できます。それ自体は良いことですが、翻って我が国においては、通貨価値を担保すべき実物資産がないので暗鬱な気持ちにもなっていました。

ところが調べてみると、あるわ!あるわ!日本には手付かずの資源が埋もれているようです。上にリンクを貼っていますが、研究者でも信じられないような「金」の濃度を計測する熱水噴出孔が伊豆諸島の青ヶ島周辺にありました。

また奄美大島沖でも高品位の金・銀を含む有望な海底熱水鉱床が見つかっています。そして、南関東ガス田には、600年分の埋蔵量があるようです。おまけに、南鳥島のレアアースは、世界需要の数百年分と言われています。

これらが、安全に採掘できて実用化できれば、通貨価値を担保するには充分な資源量と言えましょう。これならブレトンウッズ3後でも、日本円は金色の輝きを放つ紙幣として世界に通用するでしょう。

また、メタネーションと言われる技術の進展にも注目が集まっています。脱炭素は所詮のところ、欧米の環境利権の道具ですが、仕方なく付き合う必要もあります。そこで、回収したCO2をリサイクルして都市ガスの主原料であるメタンを作る技術であるメタネーションの分野でも日本の技術力を活かして欲しいものです。

豊富な資源に価値を裏付けされた通貨と先端技術が揃えば、日本が再び世界の中心に躍り出る可能性も出てきます。

勿論、実用化までには、この類の話しに付き物であるコストなどの諸問題があることは承知していますが、今回はそれらについての議論は割愛させていただきました。

しかし、貴重な資源を採掘できても、やすやすとグローバリストに資源を売り渡してしまう売国政治家ばかりでは話しにもなりません。
プーチンは、「ロシアの資源はロシア人のものだ」と言ったとか・・・・それになぞらえて言うならば、「日本の資源は日本人のものだ」と声高らかに主張できる国家体制に変革しないといけません。

円安で日銀の異次元緩和が批判にさらされています。日銀と外国の巨大投機筋で売り買いのキャッチボールをしているのはプロレスと同じです。結局は、国富の海外流出に他なりません。

ETFなど購入しないで、実体経済に緩和マネーを投入すべきです。水道民営化もそうですが、老朽化したインフラにこそ緩和マネーを注入するべきです。水道民営化で貧乏人は水も飲めなくするのが目的かもしれませんが。そのようなことをすれば国内が不安定化するだけです。人間は、水なしには生きられません。水道代は必ず徴収できるので、時間は要するが必ず回収可能なインフラ投資です。

今こそ、国内資源の発掘は国策・国家プロジェクトで行うべきです。それこそ日本の100年先を見通した国家生き残りの戦略です。

諸問題はあるものの、エネルギーが国内に全くないわけではないので、極限状態になったら日本国内に眠るの資源を上手く活用さぜるを得ません。

コストを下げる技術は後追いでも問題ありません。しかし、その先には日本の輝かしい未来が待っていることを願って書かせていただきました。