[3293]先月の投稿について

佐藤義孝 投稿日:2021/11/21 17:54

 先月の私の投稿は色々と誤解を招く投稿だったと反省しています。特に月収1000元で暮らす貧困層と書いたのは不正確でした。実際の農村部の一年間の世帯収入は手取りで、約88万円でした。

(引用始め)
年収は低くても生活しやすい?中国と日本、収入の違い
https://news.allabout.co.jp/articles/o/29576/

2021年5月19日、中国国家統計局が2020年の中国の平均収入を発表しました。それによると、都市部非私営企業(国有企業、株式会社、外商投資企業などを含む)の年収は97,379元(約167万円)、都市部私営企業の年収は57,727元(約99万円)でした。

農村部の収入について5月の発表では記載がなかったので、中国国家統計局が1月18日に発表したデータをみてみましょう。それによると、農村部の2020年の1人当たりの1年の可処分所得(手取り)が17,131元(約29万円)となっています。

この1人当たりの1年の可処分所得には、労働者ではない高齢者や子どもも含まれているため、1世帯3人とすると家族の可処分所得(手取り)は17,131元×3人=51,393元(約88万円)/年。一般的な感覚として、農村部の1世帯の手取りは5~6万元(約86万~103万円)といわれているので、妥当な数字です。
(引用終わり)

 私が先月引用した東京新聞の記事にも六億人は子どもや高齢者など非労働人口も含むとみられると書いてあったので、私も実際の収入はもう少し多いんだろうなと思ってましたが、きちんと調べるべきでした。

 また貧困層は、貯金も無いだろうと勝手な憶測を書いてしまいましたが、実際のところ過去は農村部でも貯蓄率は高かったです。

(引用始め)
中国における株価下落の経済への影響 ~過剰貯蓄と繰り返される投資ブーム~
https://www.bk.mufg.jp/report/ecomon2015/monthly_rb0120150724.pdf
(引用終わり)

 2015年7月24日の三菱東京UFJ銀行のレポートによると、2000年前後には農村の貯蓄率は都市部を上回る水準まで上昇したがその後は頭打ちになり、足元住宅等への支出増加を背景に15%まで急低下したと書いてありました。
 
 15年のレポートなので、今も高いのかわかりませんが、貧困層は貯金出来ないというのは私の思い込みでした。新聞には一般的に中国人の貯蓄率が高いという記事が度々出てくるので貯蓄率が高いという話は知っていましたが、調べもせず貧困層は貯金もないと書いてしまったのは軽率でした。

 また中国は若者の貯蓄率も高いそうです。

(引用始め)
中国の若者の貯蓄率が3年連続で新記録、老後に2750万円必要の可能性―中国メディア
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_884319/

中国の若者世代の1カ月当たりの貯蓄率が上昇を続け、毎月の貯蓄額は平均1624元(約2万8700円)になった。これは10月27日に米金融サービスのフィデリティが発表した「2021年中国老後の見通し調査報告」で明らかになった内容だ。澎湃新聞が伝えた。
(引用終わり)

 貯蓄率の高さは結婚資金だったり将来への不安を反映してる面もあると思いますが、しっかりしてるなと思います。一方で、中国人の貯蓄率が高いのは安心して投資できる金融商品が不足してる面があるそうです。

(引用始め)
日外協セミナー柯隆氏「 新たなグローバルサプライチェーンの再編」2021年10月7日開催
https://www.youtube.com/watch?v=ATmAggtXpYw
(引用終わり)

 (38分36秒頃から)東京財団政策研究所・主席研究員の柯隆さんによると多くの人が株は怖くて投資しない、一部の中国人はゴールドを買うが置いておく場所がなく中々難しいそうです。だから不動産投資に資金が向かった面があると仰ってました。

 最後になりますが、11月18日放送の日経cnbcにパルナッソスの宮島さんが登場されてました。宮島さんは再度中国の不動産事情について話されてましたが、政府が恒大や広州富力から廉価で不動産を買い上げ平均年収140万円の都市部労働者が月々数万円で割安な家賃で借りられるようにして共同富裕を目指すと語ってました。

 先月、自分で中国人の平均年収を調べたりすれば、誤解したり何度も訂正する必要が無かったはずなので、本当に反省しています。