[3262]岸田ショック

佐藤義孝 投稿日:2021/10/08 06:17

 昨日やっと反発しましたが、岸田政権誕生前後で日経平均が急落しました。8月末からの急上昇で一時は3万円回復しましたが、結局いってこいになりました。早速、「岸田ショック」と呼ばれてます。

(引用始め)
「岸田ショック」? 東証、12年ぶりに8営業日連続で下落
https://mainichi.jp/articles/20211006/k00/00m/020/307000c

 「ご祝儀相場」はどこに――? 岸田文雄首相が自民党総裁に選出されて以降、株価下落が加速している。日経平均株価は、8営業日連続で下落。岸田氏が総裁に選出された9月29日からの下げ幅は2000円を超えており、市場では「岸田ショック」との声も出ている。

 6日の日経平均株価の終値は、前日比293円25銭安の2万7528円87銭。大幅下落した5日と合わせると、岸田政権発足後わずか2日で900円超下げたことになる。8営業日続落は2009年7月以来、12年ぶりだ。
(引用終わり)

 一部では、金融所得課税の影響もあるのではと言われてます。

(引用始め)
金融所得課税見直し「選択肢の一つ」 首相が検討明言
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04BN60U1A001C2000000/

岸田文雄首相は4日の記者会見で、金融所得課税の見直しを検討する意向を示した。「選択肢の一つとして(自民党総裁選で)挙げさせてもらった」と述べた。一律20%の税率を引き上げて税収を増やし、中間層や低所得者に配分することなどを検討する。「新しい資本主義実現会議」を新設し、議論を進める考えを示した。
(引用終わり)

 私は当初、岸田政権の影響というよりは、日経平均が短期間で急激に上昇し過ぎた事、米政治の影響受けて米株が軟調なこと、中国の不動産問題、中国の祝日による日本市場でのヘッジ売り、半導体、エネルギー価格高騰やインフレ懸念、コスト高による企業業績懸念、日経平均銘柄入れ替えによるEPSの切り下げなど複合的な影響の方が大きいと思ってました。

 ただ、日経平均が8日続落した9月28日から10月6日までの期間をみると、日経が9%下落していて、他国の指数と比べて突出した下落率なので、やっぱり「岸田ショック」なのかなと思うようになりました。

 冒頭の記事の通り8日以上の続落は09年以来の12年ぶりで当時は麻生政権が支持率低下に苦しんでました。9日続落した直後、麻生政権が解散し選挙を経て鳩山政権が誕生しました。

 今回は、菅政権が退陣し岸田新政権が誕生したことにより内閣支持率は回復しましたが、各社の調査をみると、支持率は社によって幅はありますがどの社も高くありません。

(引用始め)
「まさか岸田政権の支持率がこんなに低いとは…」世論を甘くみていた自民党の大誤算
https://president.jp/articles/-/50696?page=1

発足直後の岸田政権に早くも逆風が吹き始めている。報道各社の世論調査で岸田内閣の支持率が思いのほか低いのだ。政権発足直後の「ご祝儀相場」のまま衆院選に突入して圧勝する短期決戦シナリオを描いていた自民党。「こんなはずでは」のささやきも漏れ始めた。

岸田政権発足に合わせて報道各社が行った調査結果をまとめておこう。

共同通信社が支持率55.7%、不支持率23.7%
朝日新聞が支持率45%、不支持率20%
毎日新聞が支持率49%、不支持率40%
読売新聞が支持率56%、不支持率27%
日経新聞が支持率59%、不支持率25%
(中略)
一連の数字の「幅」に関しては今後、精緻に検証する必要があろうが、各社のデータで一致する点がある。岸田内閣の支持が、想定より低いということだ。自民党内の予測では「岸田内閣の支持は6割程度だろう」との見方が強かった。

菅内閣の末期には3割ギリギリの支持率にあえいでいたのと比べると、岸田内閣の支持率は、相当回復している。しかし、内閣発足時の数値としては低い。例えば共同通信の調査で比較すると支持率の55.7%は、2001年の小泉純一郎氏以降、10人の首相の中で2番目に低い。最も低かったのは08年に就任した麻生太郎氏の48.6%である。

麻生氏は1年後の衆院選で大敗して政権から転落した。そう考えると岸田内閣はかなり危険水域からの発進といえるのだ。この傾向は、各社の調査とも似た状況となっており、「小泉氏以降2番目に低い」「麻生内閣、福田康夫内閣に次いで3番目に低い」というデータが並んでいる。
(引用終わり)

 発射台がここまで低いと当選回数が少ない与党議員ほど、選挙に不安を持つと思います。

 株式市場も選挙への不透明感で中々買いが入り難い状況だと思います。通常なら選挙は株高要因なのでどこかで反発局面は来ると思いますが、10月は米株のボラティリティが高く、政治への不透明感があり上値が重い展開になるのではと思っています。