[3166]不公平な選挙制度に『風穴』を明ける立花孝志の衝撃の戦略(3)

片岡裕晴 投稿日:2021/06/22 23:54

(2021年6月22日投稿)

 この文章は[3152]不公平な選挙制度に『風穴』を明ける立花孝志の衝撃の戦略(2)の続きです。

◆みんなが『諸派党構想』に集まる合理的理由◆

 国政選挙に立候補する時、国政政党(現在9つある)から立候補する場合に比べて、政治団体または無所属で立候補する場合の差別的ともいえる「公職選挙法」上の待遇の差についてはすでに詳しく述べた。

その差別の由来は既得権益者というべき(古い)国政政党が自らの地位を守るための新規参入を阻む意志の現れであることをここで、もう一度強調しておきたい。

立花孝志が『諸派党構想』を立ち上げた主な理由はこの差別をなくすことにあると言ってよい。

自らが作り上げた国政政党『古い政党から国民を守る党』を上部構造と定義し、これを多くの政治団体に開放し、その傘下に『諸派党構想』に賛同する政治団体がほとんど何の拘束も無く、自由意志によって参加できるのである。

参加した政治団体は単独で国政選挙に出馬する場合に被る数々の制約や不利益から免れ、他の大政党と同じ条件で選挙を戦うことが出来る。→ → →【みんなが諸派党構想に集まる合理的理由その①】

ここで再び『強調』したいことは、「公職選挙法」が国政政党以外の立候補者に科す(悪意ある)『差別』を『諸派党構想』は破壊する威力があるということである。

次に、国政選挙で獲得した票はその獲得票数に応じて「政党助成法」により、それぞれの国政政党に国庫から政党助成金が交付される。しかし、国政政党以外の候補者はその利益から排除されていることは、すでに述べた通りである。

ところが、『諸派党構想』では『古い政党から国民を守る党』から出馬すれば、獲得票数の多少にかかわらず、全ての候補者に票数に応じた政党助成金が分配される。(現時点の情報では男性候補者の場合は、その30%を党本部の経費に、残りの70%が政治団体に分配(寄付)される。女性候補者の場合は(社会的要請である)女性議員を増やす為に100%が政治団体に分配(寄付)される)→ → →【みんなが諸派党構想に集まる合理的理由その②】

◆すべては『NHKをぶっ壊す!』為に◆

 立花孝志の政治主張は極めてシンプルである。即ち『NHKをぶっ壊す』(=NHKのスクランブル化)に尽きる。その目的は①NHKの集金委託業者による極めて悪質な被害をゼロにすることであり、②受信料不払いでNHKから訴えられる年間700人(NHKは年間700人に見せしめともいうべき裁判を起こしている)の裁判のほとんどを引き受け、裁判資料の作成、裁判費用、滞納した受信料の肩代わりをすることにある。

今から16年前の2005年に週刊文春でNHKの不正を内部告発し、退職後フリージャーナリストとして活動を始める。2011年にYouTubeの動画でNHK問題を訴え始め、翌年には『立花孝志ひとり放送局』、政治団体『NHK受信料不払い党』を立ち上げ、すでに16年間に渡りNHKの被害者を守る活動を続けている。

最初はたった一人でNHKの被害者を守る活動を始め、初期にはその全ての活動費を自費で賄っていた。そのうち立花の心意気に共感する協力者、YouTube動画を通しての支援者からの寄付金によりNHKの被害者を守る活動を続けている。

2019年に公党となってからはこれらに掛かる費用は政党助成金(現在年間1億5千万円)によって賄われている。集金人の被害者に対応するコールセンターの運営費+年間700人の裁判費用等で一億円が必要である(立花孝志の動画説明による)。

そして、政党助成金を得て、活動を維持するためには有権者の2%の支持が必要である。しかし、NHK問題のワンイッシューでは、2%の維持が難しいかもしれない。

ここに、立花孝志が『諸派党構想』を立ち上げたもう一つの理由がある。

2011年にYouTubeによる動画配信を始めて以来、立花は自分の携帯電話の番号を公開している。それは公党の党首となった現在も続いている。なかにはイタズラ電話や夜中に酔っ払いの絡み電話も含まれるが、多くは日常の生きていく上での悩み事に集約される。(NHK問題は勿論であるが、いじめ問題、誹謗中傷の問題、不登校の悩み、動物愛護の問題、生活保護・・・等々)

これらの『諸問題』はワンイッシュー政党『NHKから国民を守る党』の範疇を越えている。

そこでワンイッシュー問題を専門に扱う政党をたくさん集めればいいのではないだろうかという発想に行きつく。

そして、ここにロングテールの概念(一つ一つのイッシューの需要は少なくても、ワンイッシューの種類が増えれば綜合した数字は大きくなる)が成立する。

立花孝志の顔を見るのも嫌だという人以外は『諸派党構想』に集まる必然的な理由がある。そして、NHK問題だけでは2%の維持が心配な立花孝志にとって、『諸派党構想』が実現すれば2%以上の支持者の獲得は楽勝である。

これは『みんな』が得をする話ではないだろうか?

◆新宿駅頭における立花孝志の『諸派党宣言』◆

 2021年6月5日午後、新宿駅西口広場において『つばさの党』(黒川敦彦党首)の主催による集会が行われた。この集会は『つばさの党』が『諸派党構想』に参加するかどうかの最終決定を公開の場で、つばさの党支持者に問う集会であり、立花孝志は弁士の一人として招待された。

『つばさの党』は2019年の参議院選挙で『オリーブの木』として参戦し、その後党名を『つばさの党』に変更している。

約2時間の集会には300人の聴衆が集まり、飛び入りも含めて多数の演説が行われた後、黒川が支持者に向かい『つばさの党』の『諸派党構想』に参加の是非を問い、支持者からの多数の拍手で参加が了承された。

つばさの党主催街頭演説会における立花孝志の『諸派党宣言』(約14分)
        ↓↓↓↓
  https://www.youtube.com/watch?v=uUEC6UucZbs

◆政界の風雲児・立花孝志◆

 この秋行われる衆議院選挙そして来年の参議院選挙で立花孝志は政界に『嵐』を起こすだろう。

  (次回につづく)