[3135]五輪中止騒動を古典で読み解く+金融

末席の新参者 投稿日:2021/05/13 20:13

首相が五輪開催を主張していることで物議を醸しています。学問道場ではコロナウイルスの存在自体の有無が論点の一つになっていますが、本件では関係ないものとして話しを進めます。
医療崩壊寸前の報道が正しいなら、五輪中止とするのが常識的に正しい判断かと思います。利権絡みとしても一国の長が五輪開催にこだわるのは理解に苦しむはずです。
マキャベリの君主論によれば、「目的達成のためには手段を選ぶな」とありますす。これは常識的・道徳的・宗教的に正しいことでも、政治的には必ずしも正しいとは限らないと解釈されたりもします。
推測するに、五輪はどうなっても日本は大赤字で終わることは確実になったと考えます。それならば赤字を少しでも少なくする止血措置しか選択肢はありません。1年延期の末に中止することが赤字最大化のシナリオであれば、日本がIOCに払う莫大な違約金を免責してもらうのが最善策になります。
それゆえに、五輪開催を唱えることは常識的には間違っていても、政治的には正しいことになり、まさに君主論を地で行く展開となっていると思います。あとは、IOC側からの中止宣言を待ち望んでいるように思えますが、副島先生の指摘通り属国の首長が損する運命かもしれませんが・・・。
先日も国の債務が1230兆円超の報道がありました。既に今後はなにかと理由をつけて五輪の赤字は増税で穴埋めする算段に入っているのかもしれません。

さて、金融では日経平均が連日大きく下げており、副島先生指摘の暴落はたまたセルインザメイ(株は5月に売れ)の相場格言の様相を呈しています。

(参考記事)
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/30509?page=2

上記によると国内株式の需給において日銀と外国人の存在が大きく、安値・高値をつけるのは外国人の影響が大きいとの指摘があります。
金融緩和を続けても実体経済が上向かないなら、「緩和マネーはどこに消えた?」となります。
大型株を大量売買しているのが外資系ファンドをはじめとする外国人であって日銀との売買で利益を得ているなら、これは国富の流出であり、日本はますます貧しくなるだけです。国内の機関投資家が利益を得ていてもトリクルダウンがないのであれば富める者がますます富む格差社会を加速させていることになります。

そもそも日銀のETF買いは既発の有価証券を購入しているにすぎません。簡単に言えば株式の所有者がAさんからBさんに変わるだけで企業にお金は入ってきません。企業にお金が入ってくるのは第三者割当などの増資等で新規に株式発行したときです。それならば緩和を続けても景気が良くならないのは仕方のないことです。せいぜい国が株価対策してくれているようなものです。