[305]2通のメールが届きました

高岡亮一 投稿日:2011/03/21 12:12

昨日からこれまで2通のメールをいただきました。
1通目への返信は、大内なんでかなさん([301]Re)へのお答えにもなるかもしれません。
2通目は、深刻に受けとめました。重要な情報と思います。

1.123さんから

「副島先生は勘違いされています。安心なんかまだできません。」という題のメールで、「副島先生は単位を良く理解されていません勘違いです武田邦彦先生の見解を見てくださいhttp://takedanet.com/ 」とあった。

次のような返信を差し上げました。

(転載はじめ)

メールありがとうございます。

<私は、この原発事故地から、8キロの地点で、自分のガイガー・カウンターで計測して、放射能の線量(せんりょう)が、わずか、15マイクロシーベルト毎時(15mSv/h) であることを、自分の目で目視し、確認しました。>

<「原発の近くまでは、ものすごく危険だから行かないよ」と、誰でもが言うことを、彼も初めは言っていました。それを、少しずつ説得して、原発の事故現場の近くまで接近できたのは、やはり所持したガイガー・カウンターがあったからです。車を走らせながら、試標(サンプル)となっている、これも持参したラジウム鉱石で、「ほら、このように、健康浴場のラジウム温泉のラジウムでも、80マイクロシーベルト毎時( 80mSv/h) ぐらいの数値が出ているでしょう。>

たしかに「ミリ」と「マイクロ」の混同があります。ここは「μ」とすべきを「m」にしてしまったのではないでしょうか。

また、8キロ地点15マイクロシーベルト毎時は、131.4ミリシーベルト/年間になりますね。

<学問道場の、会員のみなさん、喜んで下さい。もうこれ以上の放射能の飛散は、ありません。微量の放射能の拡散には、私たちは、健康のまま、耐えて行けます。全国の空に広がっている、こんな微量の2~10マイクルシーベルト毎時(2~10μSv/h)の 放射能なんか、私たちは、がぶがぶ食べて、慣れきってゆけばいい。いちいち、微量の放射能の飛散になど、もう、私たちは、怯(おび)えてはいけない。 私は、自分の体で現地まで到達し、このことを確信しました。>

「2~10マイクルシーベルト毎時」は、「17~87.6ミリシ―ベルト/年間」です。

私も重掲板で知って、武田邦彦先生のブログをずっと見てきました。
武田先生によると、「一般人が年間に被爆しても大丈夫な量は1ミリシーベルト」「放射線の作業者は年間で50ミリシーベルトの放射線暴露が認められています」(原発緊急情報(14)http://takedanet.com/2011/03/14_9fe6.html)とのこと。「17~87.6ミリシ―ベルト/年間」は放射線作業者の基準の2倍以内です。

<副島隆彦は、弟子の石井君と、19日、早朝から、動き出して、死ぬ覚悟で、福島第一原発を目指しました。 放射線量(ほうしゃせんりょう)250ミリシーベルト毎時( 250mSv/h)までは、突き進む、と私は密かに決めていました。>

この覚悟からすると、15マイクロシーベルトはごく小さい数字に思われたのでしょう。

計算等に間違いがありましたらご指摘願います。

(転載おわり)

2.副島学問道場のファンさんから

(転載はじめ)

高岡 様

突然のメールをお許しください。
いつも副島学問道場を読ませていただいている者です。
副島先生がHPに、福島原発に関して楽観的なことを書かれていることに
不安を感じています。

物理学者の槌田敦先生(原発のプロ中のプロ)が、福島原発における作業に対し、
緊急提言をされていますので、ご紹介させていただきます。

槌田先生によると、海水の注入は全くの逆効果になるそうです。絶対に
してはいけないことだそうです。
なぜなら、海水を入れ続けるうちに、炉に塩がたまってしまい、水が循環しなく
なってしまうからだそうです。それと使用済み核燃料プールを急激に水で
冷やすと、崩壊してしまい、再臨界を起こすそうです。メルトダウンはしないけれど、
結果的に、メルトダウンしたときと同じくらい大変な事態を招くそうです。

東電と政府は、そんなことさえ知らない無知な人が作業にあったっていることは恐ろしい
とのことです。米国はたぶんこのことを知っていながら、しらんふりして、放水を協力
しているのではないか、とのことです。

チェルノブイリのように、鉛を投下し、その後に、液体窒素で冷やすと解決するとのことですが、
いろいろな知恵を、槌田先生は、原子力安全保安員に緊急提言したそうですが、
反原発学者の言うことは無視だそうです。

このままだと、無知は東電と政府によって、最悪の事態に突入するかもしれません。

槌田先生の詳しい見解はこちらです。非常に信用できます。
http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-1e2e.html

副島先生は原発のことに関しては、専門家ほどはくわしくないと思います。

槌田先生の見解を紹介させていただきました。

突然の失礼をお許しください。

返信は不要です。

副島学問道場のファンより

(転載おわり)

槌田敦氏講演メモ(「ふじふじのフィルター」)
から転載します。
http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-1e2e.html

(転載はじめ)

ようするに原子炉の運転をよく知らない人たちが運転していることになりますから、これは、東京電力の原子炉運転の免許を取り上げなきゃいけませんね。情けない限りですよ。何にも知らなかったんだなって。

で、一番知らないのは何か。海水をぶち込んだことです。こんなことをさせるだなんて、これは、保安院も一緒になってしていることですから、東京電力だけの責任ということではないんですけれども、原子炉の中に海水ぶち込んでどうなるか考えたことあるのか。ただ、水入れて冷やすってことしかないから、手近な海水を使った。

だけども、そんなものを使うとどういうことになるか。炉心で水が蒸気になります。炉心に残るものがあります。塩です。どんどん塩が残ってしまう。そしたら、そこ水が流れなくなる。ますます持ってとんでもないことをしてくれた。こんなことを日本の原子力の人がやってたということは、これはどうしようもない。

  (中略)

【どうやって解決するか】

チェルノブイリ原発事故の時の経験をそのまま使えばいい。

何したか。天井に穴があいていた。ソ連の原発の場合は。その穴から鉛を落とした。で、燃料を鉛で包んでやった。もちろん鉛は、300度ちょっとで溶けるから、いったんは溶けて、そして、燃料を包んで、徐々に冷えていってということになる。そして、チェルノブイリの原発事故は終息に向かうことになる。

その時に鉛で包んだ上に冷やすのに、液体窒素で冷やしました。液体窒素が水よりずっと効率がいいわけです。それをそっくり頂ければいいだけじゃないの。

向こうは全くやる気がなさそうですね。

【反原発の言うことなど聞く気がない保安院】

16日付で保安院長寺崎さんに手紙を出したが、そこに書いておきました。何の返事もありません。要するに、反原発の奴のいうことなんか聞くもんか。これは、実は、おとといでしたかたんぽぽ舎で集まりがあった時に、槌田さんなぜそれを向こうに言わないかって、そんなこと言ったって採用なんてしてくれないよって言ったけれども、やっぱり言うだけ言うのは義務かなと思って、手紙は16日には出しました。だけども無視ですね。ということになると、水ぶっかける。海水をぶっかけることばかりこれからやることになります。 

(転載おわり)

政府、保安院、東電、関係する諸々の方々、正しいことを言う勇気、正しいことをする勇気、己れへの諸々のこだわりをひとまずは棚に上げ、虚心坦懐この国難に対処し得るかどうかが問われています。お願いします。祈る気持ちです。

高岡亮一拝