[2958]「中国の世界支配は進む」を読みました
副島先生の新刊を読みました。感じたことを書きます。
1 「盗むべきものは全て盗んだ」(48ページ)
1年くらい前に、サイバーセキュリティの専門家の人が次のように話していました。「日本へのサイバー攻撃には中国からが多かったが、最近減ってきた。日本を攻撃しても得るものがなくなったというのが理由らしい。」元請け-下請け関係が逆転した、というのは、近藤大介氏が書いていたでしょうか。
2 「東南アジア諸国からも今の日本は経済大国と思われなくなってきている」(52ページ)
最近、大統領の年次教書演説が中央アジアのタジキスタン、キルギスでありました。両国ともに、外交上重視する国として、ロシア、中国はあっても、「日本」には触れられませんでした。日本は、民間投資では、中国に一桁どころか、2桁、3桁の差がついているので、発奮する気も起こらないのが実態です。。。
3 「一体、中国で何が起きていたのか、正確に研究した学者が日本にはほとんどいない。」(78ページ)
2007年に中国から中央党校(中国共産党の高級幹部養成機関)の一行が来て、お供したことがあります。昼食時には、神戸港の貨物取扱量の話が出て、どのくらいなんだと聞かれました。とにかく自国と比べて少ないので、むしろ驚いていました。いつのまにか、日本人より身なりよくなってもいます。
4 「中国の最前線を習得する日本人の知識人がいない。」(112ページ)
私は、以前から旧満州に興味があるので、いつか行ってみたいと思っています。中国語にも興味があり、中国語スクールの中国の人からは、是非やりましょう、と言われています。そうしたところ、ITと中国語に通じた方の体験談を先日聞きました。実感があって面白かったです。以下のYouTubeです。その方は、最後の方で「中国では、日本語と英語ができるIT技術者が多くなってきて、もう日本人の出る幕はない。」と言っていました。中国語スクールでも、現地に何年か滞在して割とできる受講生でも「中国語を趣味で学ぶのはいいけど、レベル的には、日本語のできる中国人には敵わない。」と言っていました。私もそうだと思います。
5 「彼らはユーラシア大陸の方へどんどん向かっていくのだ。」(177ページ)
中央アジア、そしてさらに西のコーカサスに投融資する銀行や中国企業は、多くは新疆ウイグルからです。地理風土が近いので、慣れているのでしょう。融資も莫大で、当然返済の余裕がなければ、「いいですよ」といいつつも、中国の人は商売人ですから、いただくものはしっかりいただきます。こうして、中央アジアでは、金を含む金属鉱山の採掘権を得ていきます。
私は、中央アジアの中国の人とロシア語で話すことがありましたが、漢字で名前を書いた時の彼らの顔に浮かぶ喜びの表情はなんとも言えません。「なんでも聞いてくれよ」と友のように話をしたことを覚えています。いろいろ学び合えることは多いと思います。