[28]上海世界博覧会

よっちん 投稿日:2010/07/05 13:53

よっちんと申します。

「中国赤い資本主義は平和な帝国を目指す」、「あと5年で世界を中国が制覇する」などの副島先生の著書があり、世界から注目されている万国博覧会が、中国(上海)で開催されているので、どのような感じになっているのか、まずは行ってみました。

上海には、国際空港が2つあり、成田空港からでしたので浦東(プートン)国際空港に到着。{羽田のチャーター便は虹橋(ホンチャオ)国際空港}
やはり日本より暑く、梅雨に入っているのか蒸している、当然車は右側通行で、車と歩行者では車の方が優先との事。
車の信号は赤でも、常時右折が可能なので、歩行者用の信号が青で、横断歩道を渡っていても、車が左から容赦無く向かってくるので、注意が必要。
自転車(電動も以外と走っている)やバイク(これも電動あり)は、信号無視や逆走が当たり前の交通事情なのには、思わず目が?になるが、見慣れてくると、何とも感じなくなるから不思議なものだ。
13億とも15億人いるとも言われる、中華人民共和国側からしてみれば、多少車で轢かれて人口が減っても、全くと言っていいほど関係ないのかも知れない?。

万博会場の入場口は数箇所あるのですが、わたくしが選んだ場所は、直接会場に乗り入れ可能な、地下鉄13号線である。
地下鉄9号線、馬当路(ばとうろ)駅にて、地下鉄13号線へ乗り換えなのですが、一旦地上に出てから、万博の専用(間に合わせで造ったような広場)の入場口(X線と金属探知機によるチェック)を通過後に、万博の入場券(ここで実質入場)を改札に投入してチェックインとなる。

時間は夕方の5時、現地では夜間のチケットが販売されていて、ちょうど夜間の入場が5時で、それの入場組がゲートで並んで入場していたのであるが、わたくしが手にしていたチケットは、事前に日本にて購入していた1日券だったので、「係員に、この先この先?」と、指で指示され、全く並んでいない(この時間で1日券は事前購入者位だろう)所より入場する。
世博大道駅の改札は、万博の会場内にあるからからかフリーパスで、地上に出た所の交差点から遠くに、中国国家館が見える。

名古屋の愛知万博より、やはり、パビリオンは大きいし、規模からすると、2倍から3倍はありそうな感覚だ。
中国としては、40年前に、日本の大阪で開催された万博の記録を塗り替え(参加国や入場者数など)て、1位(一番)の称号を手に入れることが、至上命令(世界覇権国を目指す中国としては)になっているのでは、と感じられた。

さて、中国国家館は遠いので、ヨーロッパ方面のパビリオンに向かう。
天然の材料で造られた様に見える外装の建物(スペイン館)、とにかく大きい。
それと同時に並んでいる人の多さ!
それを見ただけでも、日本から、ここ、上海まできた価値があると感じた。

ところ所で、オシッコの臭い(子供などは我慢出来ずに、その辺にさせるのか、大人も漏らしているのか?)がするし、ゴミは散乱しているわ、日本人もマナーが悪くなったものだ、と思いきや、話す言葉を聞いていると日本語ではない(当たり前なのであるが)。
ザッと眺めた感覚からすると、九十数パーセント(99%位か)が中国の人で、たまに韓国や欧米系の人がいるな、という状況である。
日本人はどうかと言えば、日本語も耳にしたので、「あっ、日本人もいるな」という程度だ。

人気のスイス館も、外から眺めるだけで、そのお隣のフランス館も、スペイン館と同様に長蛇の列!列!列。
全く、並ぶ気にさえなりません。
ところが、反対側のドイツ館には人が並んでいません!
今日は休みなのだろうか?、もしかして、本日の営業は終了いたしました?という事か、解らずに歩いていると、何を話しているのか理解できない、中国語の場内アナウンスが放送されたと同時に、駆け足で走り始めるではありませんか、その集団の流れに乗って向かった先は、何と、ドイツ館の入場口に列を成して並び始めている姿が!
ここからは、先を競うようにダッシュ(遠慮していたら負け)です。
有名になった中国の割り込みも、目の前で目撃出来て感激、警備員(警官)が必死で静止する光景は、日本では見ることが出来ない、と勝手に楽しんでいる自分がそこにいた。
50m走(駆け足)を数十本こなした様なものであるというのが、適切な表現ではないかも知れないが、4~50本位としてみても、距離にしてみれば、2km以上は、歩いたり走ったりした計算になる。
割り込みも、以外と強引ではなく、間隔が開いたら入られる、というような割り込みの仕方であったので、筆者もそういう場面が幾つかあったので、割り込みの体験をしてみたが、悪い事をしているという意識にはならない(周りも、悪い事をしているという意識が芽生えないのだろう)不思議な感覚であった。
偶々(たまたま)運良く、1時間以内にクリア(入場)出来たが、そうで無かったらと思うとゾッとする。
あの状況で数時間並ばされ続けたら、大人でもトイレ(思わず、大人用の紙おむつを着用して、並ぶ覚悟も必要かもと)の不安が頭を過ぎるほどの混雑(混乱もあり)ぶりだ。

ドイツ館かあ、と思いながら、パビリオンに入る。
青色の光のトンネルがお出迎え、エスカレーターで上に上がって行く。
物つくりのドイツ、というイメージを彷彿させるような、仕掛けや展示方法,さらには創造力や発想力など、思った以上に、自分の中のドイツに対する印象が格段に良くなってゆくし、演出方法も、好感の持てるものであった。
メインは、一番最後の所にあり、上から吊り下げられていて、そこにいる人の声に反応して光方が変化し、動く球体のアトラクションなのですが、わたくしの心温まったものは、そのアトラクションの前にある、ドイツ的カラオケ?。
音符と文字(ドイツ語?英語?)が映っているモニターを見ながら、マイクに向かって歌ってみたが、数行で挫折。
それを見ていた、クルー(crew)のお姉さんが「リクエスト」と一言。
ん、リクエスト?、まあ歌ってみようか、と思いつつ、下手糞(へたくそ)なカラオケ?を披露したのが、良い思い出となった。

この場所に居られた女性の係員の人に感謝したい。どんな感じの所なのか、「ドイツに行って見たい!」、という気持ちになったのですから。
あ、「ありがとう」のひと言を言い忘れてきてしまった。

(レコードチャイナより転載貼り付け開始)

ドイツ館が見せつけた中国との「格の違い」創造力で大きくリード―中国紙

http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=43192&type=6&p=1&s=no#t

2010年6月23日、中国紙・中国青年報は、上海万博のドイツ館と中国館を比較し、「創造力の違いは歴然だ」と論じた。中国は国内総生産(GDP)や輸出額でドイツを追い抜いたが、「格の違い」をまざまざと見せつけられたというものだ。

記事は、ドイツ館の創造力の素晴らしさについて、どこかのパビリオンのように巨大スクリーンや文化財などで安易に来場者の気を引こうとしていない、パビリオン全体がロマンチックで神秘的な空間になっていると絶賛。「世界の工場」に過ぎない中国とは100年の差があると言っても過言ではないと指摘した。「製造」は設備や設計図をそろえて作業員を配置すればできることだが、「創造」には長い間の積み重ねが必要。スローガンを叫んだり政策で優遇したりするだけではかなわない。

創造力豊かな中国人を育てたければ、現在の詰め込み式の教育方法を変え、創造力のある人材を尊重する雰囲気作りをする必要がある。ドイツには教授から熟練工まで、その道のプロを尊敬する風潮があるが、中国は権力にひれ伏し、金もうけに貪欲な社会。金と権力への執着は知識や労働に対する共感や尊重をはるかに上回り、パクリや偽造の流行でさらに創造力を奪っていく。

記事は、上海万博で見せつけられた格の違いを中国人は認識すべきだとした上で、中国とドイツの間には「製造」と「創造」という大きな隔たりが横たわっていると指摘した。(翻訳・編集/NN)

(転載貼り付け終わり)

外に出ると、周りは夕闇に包まれ始め、パビリオン群のライトアップなどで、昼間とは違った雰囲気になりつつあった。

おや、フランス館の人の流れに動きがある。
入れるかもと思い、並んでみたら、20分程度で入れた、超嬉しい。(愛知万博の時は、30分位待った)
フランス館は、シトロエン(PSAプジョー)のフラグシップモデル(Flagship Model)であろう、ガンメタリック色の高級車がお出迎えです。
エレベーターで上まで行き、そこから、昔のパリの映像などを見て回りながら下ってくる、というような流れのパビリオンである。
ガラス越しに、フランス料理を作っているのが見れる場所があるのだが、まるで、厨房までアート(art)。要するに美術作品にまでレヴェルを高めて、演出が出来るセンスの良さは流石だ。
目玉は、ロダンの「青銅時代」銅像や、セザンヌの「女とコーヒーポット」、ボナールの「化粧室」、ゴッホの「アルルのダンスホール」、ミレーの「晩鐘」、マネの「バルコニー」、ゴーギャンの「ミール(バナナ)」など、オルセー美術館から提供(貸し出し)されている、美術作品のようだ。
中庭は、フランス式の庭園になっており、ゆとりのある設計になっていた。
そして、外観は、最先端技術である、繊維コンクリートが使われて、圧迫感が感じられない、開放感溢れるパビリオンだった。

(上海万博公式ホームページより転載開始)

http://jp.expo2010.cn/a/20100321/000004.htm
外観:

「感性の都市」のデザインはシンプルで、地面から離れたような感じがあり、フランス風の庭園・水の美しさが際立っている。デザイナーはバランスあるデザイン理念で、フランス的なイメージと魅力を表した。科学技術によって、省エネ・持続可能などの分野において上海万博のテーマ「より良い都市、より良い生活」を示した。  

ハイライト:

1.すべての建築が水面に浮かび、外側は繊維コンクリートからなるネットで支えられている。

2.キャラクター 可愛い小猫のLéonはもう7歳になった。いつも元気いっぱいで、時には笑わせるようなこともする。来館者は、Léonとリアタイムの交流ができる。

3.名画 フランスの画家・ミレーの『晩鐘』、マネーの『バルコニー』、ヴァン・ゴッホの『アルルのダンス・ホール』、セザンヌの『Woman with Coffee Pot』とオーギュスト・ロダンの『青銅時代』などパリ・オルセー美術館の7点のフランス国家収蔵品が展示される。

4.香水  L’eau de Par fum Pavillon France・「フランス館」という名の香水。フランスの味をなじませる精粋、意義の深いスペシャルな香りが、フランス館と名付けられたのは、そのイメージが上海万博フランス館だからだ。香水のパッケージには、フランス館の独特な網状構造が見え、ロマンチックなフランスの感じを作り上げている。香水の主な香りは、上海市の市花である白玉蘭の香りである。「フランス館」香水は、女性用のPavillon Franceと男性用のPavillon France (for Men)に分けられ、新鮮、上品でセクシーな香りが特徴だ。

5.レストラン・「第六感」  地中海の特徴を基にして、フランスの高級シェフのJacques & Laurent Pourcel氏が料理を作り、ゲストにフランスらしいグルメを提供する。Jacques & Laurent Pourcel氏の創作の霊感は、フランス南部のもので、大陸と海洋のグルメをカバーし、コントラストの組み合わせがそのハイライトだ。

6.フランスのロマンチックな結婚披露宴 ロマンチックなフランス館内の特別なフランス庭園で、トゥール市長が介添えとなり、一生の縁を結ぶ披露宴を開催する。

7.パリについての映画 パリについての映画は立体的で真実なパリを展示する。

(転載貼り付けおわり)

喉が渇く。
給水所があり、水が飲める様になっているが、ペットボトルを売っていたので、価格を確認。
水が3元、ジュースが15元(レートは、1元は約13円でしたが、両替時には、手数料がかかるので約15円)。
迷った末、水を購入したのだが、温(ぬる)くて不味(まず)い。
冷えている、と期待していたのであるが失敗(このよな所でも、日本と違うな、というのを実感)。
給水所の水を、ペットボトルに入れて売っているのでは?、というような代物だった。

2つもパビリオンが見れると、欲が出てくる。
夜の8時も過ぎると、人込み(本当に人ゴミに見えた)で溢れかえっていた、スペイン館もすぐに入れそうだ(10分程で入場)。
壁伝いに海の映像の演出。
展示物を横目で見ながら、足早に駆け抜けると、そこには、バカでかい、赤ん坊の動くオブジェ(objet)があり、それを写真に収めて退場です。
このパビリオンは、藤で編んだかごをイメージした巨大な建造物(面と線の使い方が非常に匠で上手い)には、圧巻の一言。
上海万博の公式ホームページによると、色がそれぞれ違う8524枚の藤の板は、鋼管とガラスからなる最先端の技術で作られた構造で覆われており、陽光が、藤の隙間を通って、展示館の内部を照らし、観光客に、夢のような幻像をもたらすようなのですが、生憎(あいにく)夜の為、確認出来ませんでした。

(上海万博公式ホームページより転載開始)

http://jp.expo2010.cn/a/20100327/000010.htm
 テーマ:世代を超えて生活する都市

 デザインチーム:Benedetta Tagliabue

 ハイライト:大きな藤の籠

(転載貼り付けおわり)

さて、次はベルギー・EU館。
ゴディバ(Godiva Chocolatier)のチョコレートが配布される、と放映されていた所なので思わず入館。
太陽電池でゆらゆら動く、お花の飾り物が目に付く、風力発電のミニチュアなどの模型など、グリーンエネルギー(緑のビジネス)を意識していますよ、というアクションを見せつつ、さり気なくベルギーの宝飾品やチョコレート産業の、歴史や技術も披露して展示されているような、パビリオンであった。
最後に、海宝(ハイパオ)君を模(かたど)ったチョコレートを、写真に撮って退場。

(上海万博公式ホームページより転載開始)

http://jp.expo2010.cn/a/20100326/000019.htm

ベルギー館のテーマ:運動と連動
 デザインチーム:JV Realys(AOSグループ)

 EU館のテーマ:インテリジェントヨーロッパ

 ハイライト:脳細胞

(転載貼り付けおわり)

時間は9時近く。
せっかくここまで来たのだから、思い切って、メインパビリオンの中国国家館を目指す。
15分位歩いただろうか、人が入っているということは、まだ開館(中国省区市共同館)している(中国国家館の方は、予約が必要らしい)。

各省毎に、展示スペースが設けられており、豊かな省~貧しい省、都会の省~田舎の省、というように、様々な民族が混在している様子が映し出されていて、中国という国は、このような民族の集合体なのである。というのが、筆者が受けた感想であった。

(上海万博公式ホームページより転載開始)

http://jp.expo2010.cn/a/20100504/000032.htm

中国省区市共同館は平らな台の形態により中国国家館を囲んで造られており、真ん中から昇り、一層ずつ積み上げる中国国家館と一体になっています。中国省区市共同館には31の省・自治区・直轄市が展示されています。上海万博のテーマである「より良い都市、より良い生活」に基づき、各省区市はさまざまな視点からテーマを表現し、各自治体の特色を生かした文化や都市の姿や将来の良い都市生活への憧憬を展示しています。

(転載貼り付けおわり)

時間は9時45分。ガイドブックによると、地下鉄の営業時間が10時半頃までとの事なので、駆け足で駆け巡った、というのが本当に正直なところである。
帰りはメインゲートより退場し、地下鉄7号線に乗って宿泊先のホテルに向かうのであった。
時間にして、約4時間半。こうして上海万博の旅は終わりを告げた。

「雑感」

今、上海では、森ビル(上海環球金融中心、492m)の近くで632mの高さの建物を、2014年の完成を目指して建設中である。
中国は、上海を2020年を目標に、金融の中心にする計画をしていて、やる気満々の元気あるエリアのようだ。

日本の本土からは、距離にすると、沖縄や台湾と同じく位の位置関係という近さから、このまま上海が発展し続ければ、何れ、日本も台湾のように、中国の一部のようにすらなってしまう可能性もあるのでは、と錯覚すら覚えた、上海万博探訪旅行であった。

よっちん拝