[273]ECCS(緊急の炉心冷却装置)の電源回復、冷却ポンプが作動することが一番、重要だろう。

副島隆彦 投稿日:2011/03/18 08:04

副島隆彦です。 今は、2011年3月18日 午前7時です。

私は、都心で国会議員たちを説得して、現地視察をすることを強く勧めています。国会議員たちでないと、福島県境の 東北縦貫道の警察の制止線を越えられない。

すべてのメディアが、ここでストップさせられているようです。警察の通行許可がなければ30キロ圏と、幹線道路は、通行止めになっている。海岸線の方の、常磐自動車道 (勿来なこその関)から行けるのか、分かりません。防衛省が、防護服を貸してくれるかにかかっています。簡単なものと鉛入りの重量のものとが有るそうです。

 政治家たちが動かない、ということになったら、私は、自分と弟子だけで、現地に向かって、出来る限り福島第一の現場の近くまで行きます。

 日本国民が、民族の存亡を賭けて、見守っているは、今日の 自衛隊の 3号機の使用済み核燃料プールへの 水の注入次第でしょう。うまくゆけば高濃度の放射能の拡散は防げるでしょう。 

 それよりももっと、一番、大事なことは、ECCS(イーシーシーエス、緊急の炉心冷却装置)を復旧させることです。これで、津波で、壊れて流れた電源の復旧が出来れば、そしてポンプがうまく動き出せば、炉心を冷やす水(ウォーターサイクル)が、確保できる。そうすれば、なんとか危機は、脱出できるでしょう。 本当は、何よりも早く、11日の津波の直後の時点で、このECCSの復旧を目指すべきだったのです。

 私は、少し古い(4日前の 13日の文)ですが、やはり、武田邦彦(たけだくにひこ)氏の、以下の文を、一番、信頼します。武田先生は、本当に優れた学者です。 私、副島隆彦も、核分裂はまだ起きていない。従って、再臨界(さいりんかい)による、メルトダウン後の 水蒸気爆発は、なんとか阻止できるのではないか、と考えます。

(転載貼り付け始め)

中部大学の武田邦彦(たけだくにひこ)教授のHPから

原発 緊急情報(2)

2011年3月13日

http://takedanet.com/2011/03/post_deb3.html
(略)
 まず第1に重要なのは、福島の原子力発電所が「核分裂反応」が止まっているかどうかということです。
 もし核分裂反応が止まっていなければ極めて危険で、避難する地域も20キロとか10キロというのではなく、福島県全体というような範囲です。

 もしも核分裂反応が止まっていれば、炉の中に残っている放射性物質の熱だけが出ているわけですから、これは自然になくなってしまうということを意 味しています。政府や原子力保安院からはまだ核分裂反応が停止しているかどうかについての説明がありません。もっとも肝心なことが発表されていないのです。

 普通に考えると核分裂反応は止まっていると考えられますが、地震が起こって緊急に挿入する制御棒(せいぎょぼう)が入ったのか、それが心配です。核分裂反応が少しでも継続しているとすると、炉内の水が少なくなっていくと核分裂反応が進んでチェルノブイリのようなことになるからです。

 繰り返しますが、政府はまず制御棒が順調に入り核分裂反応が止まっているのかを発表すべきです。しかし、今の政府にそれを要求しても無理でしょうから、わたくしが推察するところ、「核分裂反応は停止している」ように見えます。ただわたくしは テレビの報道を見て推定をしているだけなので、できれば政府が直接的に核分裂反応が停止していることを発表するのが一番いいと思います。

政府の発表は遅れるようでしたら、東京電力自体が核分裂反応について詳細に説明をしたほうがいいでしょう(データの発表が良い)。
・・・・・・・・・仮に核分裂反応が停止しているとすると、後はそれほど難しいことありません。残っている放射性物質が過熱の原因になりますがそれは徐々に少なく なっていきます。放射性物質で強い熱を出すものは半減期の短いものですが、半減期の短いものは1日もたつと減っていきます。従って少しずつ待っていればだんだん安 全になっていくということを示しています。

 東京電力はホウ素の注入を始めたようです。このことは東京電力が「お金より安全」を採ったということでとても良いことでした。つまり、ホウ素を原子炉に入れるということは、福島の原子力発電所をあきらめるという意味があり、東京電力の幹部は原子力発電所を運転する事の経 済性よりも、付近住民のことを考えていると思います。従って、その点では国民は東京電力の対応を評価するべきだとわたくしは思っています。

・・・・・・・・・放射線・・・原子力発電所から漏れている放射性は協会でだいたい1ミリシーベルトから0.1ミリぐらいとされています。放射線としてはわずかな量なので、このくらいの変化が生じても別段、問題はありません。記者会見では変化が問題になっていますが、それは放射線と 健康の関係を知らないからです。

人間が放射線によって障害を受ける最低の放射線は200ミリシーベルト付近ですから。現在の200倍ぐらいに相当しますので、人間に直接的に影響 が及ぶということはありません。さらに放射線で死ぬということを考えますと、1シーベルとぐらいですから、その点ではまだ1000倍程度の余裕があります。ちなみに、4シーベル トぐらいになると半分ぐらいの人が放射線で死にます。

 現在の状態では、原子力発電所の横に1時間ぐらいいても大丈夫でしょう。・・・・・・・・・それでも心配な人は福島の原子力発電所付近の風向きをに注目すべきです。10キロとか20キロという避難地域はあまり意味がありません。まずは風向きだけです。それは、放射性物質というのが気体だったりもしくはミスト といって非常に細かい粒子なので、すべてが風で運ばれると考えて構いません。

(転載貼り付け始め)

副島隆彦です。 以上のように、武田説では、核分裂反応 は止まっている、 それが、1、2,3の全てでか? は、私も分かりません。 が、決死隊となっている 給水の自衛隊と、東電の320人の社員たちの、鉄塔からの電源の確保でしょう。これが、いまくゆけば、ECCSが動いて、そして冷却水がうまく流れる。 

 放射能漏れの程度は、まだ、直接に重大ということはないだろう。私は、現場に近いところまで行きますが、無謀なことはしません。自分の手持ちのガイガー・カウンターで、100ミリシーベルト毎時(100mSv/h )が出たら、その場所から、引き返します。

 何が起きるかは分かりませんが、私は、津波に向かって、黒煙を激しく上げながら、エンジン全開で、津波に、真正面から、直角に 立ち向かっていって、うまく、乗り切った、漁船の映像を、見ました。逃げるだけではだめです。 正面から、ぶつかっていって、活路を見つける、という考えがいつも正しいと思って生きてきました。

 最後に、炉心がある程度冷えて、核分裂が無い、と分かったら、今以上の放射能の漏れを、拡散を 防ぐ作業になります。放射能を漏れを 石棺(せきかん)で、どんどん、上から、ヘリコプターとかで、鉛や鉄やコンクリートで、チェルノブイリの時にやったように埋めるのでしょう。 私は、その時に、私たちの 普通の国民の、決死隊が出て行く時だろうと、思っています。

 従って、応募してきた皆さん、もうしばらく待機していてください。 私たちは、同族の者たちを救けるための 日本国民としての責務を果たすだけです。 福島第一原発の現場にいる 東電の社員、作業員、そして、自衛隊、消防の人たちの、決死の活動に深い敬意を表します。 

女川(おながわ)原発は、無事、冷却停止しているそうです。福島第二も、大丈夫でしょう。 静岡の御前崎(おまえざき)の 浜岡(はまおか)原発が、もし、このあと東海地震が起きたら非常に危険です。それでも、中部電力が必死の態勢を敷いているだろう。

今も地獄の淵にある 日本国 に 幸運あれ。  副島隆彦拝