[2608]私は、ギックリ腰でつらい。でも金(きん)のことを書きます。

副島隆彦 投稿日:2020/07/30 10:14

副島隆彦です。今日は、2020年7月30日(木)です。

 金(きん)の値上がりのことで、何か書いて下さい、と私に要望がたくさん来ている。私は、このことで皆の期待を背負っているから、私が何か書くことが大事なのだろう。

 私は、天候不順の 長雨ですっかり意気消沈している。それと職業病である ギックリ腰の軽いやつをやって、それでなかなか腰痛が治らない。もう、いい年(とし)をしたジジイである自分の現実を見つめている。もうすぐ8月盛夏だというのに、
 断続的に雨が降り続いている。雨のため太陽の日照時間が少ないので、冷夏(れいか)で、米の不作が心配されている。 

鎌倉幕府3代将軍の 源実朝(みなもとのさねとも)の歌に、

  時により 過ぐれば 民(たみ)の嘆(なげ)きなり 
   八大竜王(はちだいりゅうおう) 雨(あめ)止(や)め給(たま)え
            
            ――金槐和歌集(きんかいわかしゅう)

がある。こういうのが、私の教養だ。

 私は、昨日、出版社から、今度出る 「狂人(きょうじん)日記 2020」(祥伝社新書、8月1日刊 )の見本(みほん)本が送られてきた。狂人日記 と書名でやるわけにはゆかない、という編集長と私の判断で、「日本は 戦争に連れて行かれる」と書名をした。狂人日記は、その横に小さく載っている。この本の宣伝を、すぐにするでしょう。

 その前に出た、西森(にしもり)マリーさん著の、「ディープ・ステイトの真実」(秀和システム)は、もの凄くいい本であり、今の日本に無くてはならない、最新の世界政治、アメリカ政治の動きの、最新の、超(ちょう)重要な全体像を示してくれている優れた本だ。

 だが、今の日本の読書人階級では、このアメリカ政治で起きている、大きな対立、抗争を理解して読み進めるだけの能力、知能のある人は、限られているようだ。日本の公務員の世界情報の収集係や、外信部の新聞記者たちや、若手政治学者たちには、垂涎(すいぜん)の的(まと)の貴重な本なのだ。 「副島さんが、もっと、解説してくれないと、とてもあんなに、アメリカの情報官僚のトップたちなのだろうけれど、名前がぞろぞろ出てきたら、私(たち)には、とても読み進められないよー」と いうのが、切実な反応だ。

 知能、学力、知識力には、人によりそれぞれ差があって、どうしても、ただの文科系の勉強秀才(あがり)でも、この「ディープ・ステイトの真実」を、ガツガツと独回することは無理なようだ。私、副島隆彦が、かみ砕いて、日本土人たちに向けて、さらに、別個のこの西森(にしもり)本の解説本を書かなければいけないだろう。

 「この人物は、CIAや、FBI長官もしたが、これこれ、これぐらいのワルで、これぐらいの謀略に加担した。この男は、このグループの人間だ」とか、私が、書いて、図表にして、分かり易く、浪花節(なにわぶし、演歌、えんか)言語で、解説して、解明してあげないと、日本人の脳には、入らないだろう。日本人は、世界基準から言ったら、知識水準が、相当に落ちている。理科系の技術屋と先端研究者たちだけが、何とか世界と肩を並べている。それで何とかなっている。

 私が、最近の金(きん)の動きのことを書かないと、喜ばない人たちがたくさんいる。このあとに新聞記事を2本だけ、あとあとの為(ため)に、貼り付けておく。

 金の国際値段が、急上昇を始めたのは、7月22日(月)からだった。
今は、1オンス(31.1グラム)で、1,940ドルぐらいだ。
2,000ドルまで行った、という説があるが、私が確認した分では、1,981ドル(27日)が、最高価格だ。それでも、2011年の最高値の1932ドル を抜いたので、「天井が開いた」とプロの投資家たちが騒いでいる。

 今は、1,940ドル台で、上がったり下がったりしている。「もう、1,900ドル台割れはないだろう」と、大方の人が言っている。さらには、「2,000ドル台突破はもうすぐだ」と、皆で囃(はや)し立てている。

 下の方に載せる ロイターの記事に、「悪(あく)の権化(ごんげ)」のゴールドマン・サックスが、「2,300ドルまで上がるだろう」と予測を立てた。この囃子(はやし)に、載せられて、多くの日本人までが、「それ、金だ。金を買いだ、買いだ」と、急に、金を買い始めた。欧州でもこの動きが出ている。フランスやドイツのテレビ報道もあった。

 ところが、アメリカでは、もう、おそらく、金の現物(げんぶつ)、地金(じがね)、ingot インゴットは、買えなくなっている。アメリカの小金持ち、小(しょう)資産家たちは、どこで、どのように入手しているか。このことについては、私はすでに何回か書いた。

 このままゆくと、アメリカ政府(財務省)は、「金の取引停止」をするだろう。もう、FRB(その下部の、実務をやる、ニューヨーク連銀)も、金(きん)の準備(リザーブ)を無くしていて、市場に出すものがない。アメリカ帝国の終わりが近づいている。それでも虚勢を張って、アメリカは、このあとも、
何ことも無いかのように、金融市場を、平穏そうに続けて行く。

 金(きん)ETF(先物) 、すなわち、スパイダー・ゴールドシェア市場で、「どうしても、金の現物に交換してくれ。差金(さきん)での強制決済はいやだ」と、わめく、投資家たちを、密かに押え付けて、あるいは、脅迫して、「そういう物騒なことを言うと、お前の会社ごと叩き潰すぞ」と、恐ろしい圧迫を掛けているだろう。そういうことは、世界の表面には出ない。

 NYの金融市場というのは、荒っぽいユダヤ人たちが動かしているが、それをさらに上から押え付けるだけの強力な組織と仕掛け(仕組み)があるのだろう。

 もう、金(きん)は、世界中で、買えなくなっている。それでも、まだ全国の金の小売業者や、代理店では、長い付き合いのある顧客(こきゃく)たちにだけ、販売しているようだ。反対に売りに来る者たちもいるので、それを回している、ということもある。

 田中貴金属、徳力(とくりき)、石福(いしふく)の、3大大手(おおて)小売業者では、もう、お店に並んでも、「一見(いちげん)さんには売りません」とは言わないだろうが、売り渡す客の選別が始まっている。

 今頃になって、これらの大手に詰めかけても遅い。それなら、それ以外の小口の金(きん)業者の所に行ってみる、ということで、人それぞれの努力をしているようだ。

 商品先物業者(しょうひんさきものぎょうしゃ)と呼ばれる、TOCOM(トコム)は、すでに、日本取引所(JPX)大坂 (OSE) に経営を吸収され移管した。今、このTOCOM(東京商品取引所)の価格を見てみたら、 2021年6月限月(げんげつ)、すなわち、一年先の期限の価格で、 6,654円 (1グラム、7月30日)だった。

 これに、消費税と手数料をザッと500円足すから、、小売りは、7,200円/グラムぐらいだ。100グラムの金の板で、1枚で72万円だ。1キロのバー(板)なら、720万円だ。 
 為替(ドル円相場、今は1ドル105円台)の動きで、少し変わるが、27日の値段で、小売り(田中貴金属)で、7,354円というのが有った。

 このように100gの板(金の延べ板)で72万円ぐらいにまで高くなっている。これが、「すぐに1グラム1万円になるだろう(だから、1枚100万円)」と皆で、言い合っている。1キロバーなら、1千万円だ。10年前に、300万円ぐらいで買った人が多い。私、副島隆彦の本を、20年前から、読んでいる人たちは、1キロ120万円で買っている人たちがいる。

 それに対して、私の本も読まず、性懲りも無く、いろんな金融投資で、失敗してきた人間たちほど、こういう相場の急上昇で、急に騒いでいる。

 私は、堅実に自分の資産を守って、増やす人たち相手に、金融本を書き、金融セミナーを開いてきた。だから、今度の、金の急騰(きゅうとう)にも、一喜一憂しない。今頃になって、金を買おう、いや、もう買ったよ、というよう軽薄な手合いは、あまり相手にしたくない。

 だいたい、私の最近刊の「もうすぐ 世界恐慌」(徳間書店、5月1日刊)さえ買って読まないような人間が、この学問道場サイトに、卑しい根性で、寄って来て、副島隆彦の情報を、「盗んでやれ、エヘヘ」という本当に、見下げ果てる頭の悪さで、金融投資をやっている。

だいたい、こういう人たちは、一冊の本を、きちんと読み通す、という我慢強さと、その能力が無い。他のバカ評論家たちの本は、どうでもいいから。私、副島隆彦の本を、一冊、きちんと買って読みなさい。私は、決して、訳(わけ)の分からない難(むずか)しいことは書きませんから。 

 この徳間の金融本の 帯(おび)に、はっきりと、「もう金(きん)が買えなくなる。急いで金(きん)を買いなさい」と、大きく書いているでしょう。この5月中に、私、副島隆彦の言うことを、しっかり聞いて、それに従って、行動した人までが、金(きん)投資で儲(もう)かった人たちだ。

 他の人たちのことは、私は、知らん。勝手に生きていなさい。私の知ったことではない。何回、大損をしてもまだ懲りない、下手な(すなわち生来(せいらい)才能のない)投資家は、そろそろ、自分の才能の無さを認めて、もう、これ以上の危ない博奕(ばくち)はやめなさい。

 それでも、あまり資金力の無い人たちに、この私の連(つ)れない書き方では、可哀想なので、助言します。何とか、純金のコインを1枚、まず、買いなさい。金のコイン(金貨)なら、まだ買えるだろう。金貨(1オンス。31グラム)は、今、田中貴金属でも(まだ買えればの話だが)24万3千円ぐらいだ。 
 それに対して、純金は、20万5千円ぐらいだ。ということは、コインは、3万8千円のプレミアムというか、ディスカウントだが、その分だけ、買うときに高い。簡単に言うと、金の地金の2割増し、だ。 それでもいいから、金貨を買いなさい。

 アメリカの小金持ちたちは、皆、金貨を、たくさん買い集めている。カナダや、メキシコに行って買って帰ってくる。カナダのメープルリーフ金貨や、オーストリアのウイーンハーモニー金貨だ。オーストラリアのナゲット金貨、カンガルー金貨もある。アメリカ造幣局の、イーグル金貨は、よっぽどのことがないと市場に出てこない。貴重品だ。

 日本人も金貨で収蔵するべきだ。金貨なら、海外に持ち出すときに、税関で、ぐずぐず言われない。財布の中に5枚ぐらい入れて、他のおカネと混ぜておけばいい。

 金貨1枚(1オンス、ounce )は、この間まで18万円ぐらいだった。それが、もう24万円だ。このままずっと持っていれば、やがて、100万円(1万ドル)になるだろう。

 私は、先の本で、「今、金(きん)は、1,600ドル/オンス だから、これが、6倍の1万ドルになるだろう」と書いた。「それは、いつですか、先生」と、今は、私にしがみつくように聞かないで下さい。じっと保(も)っていなさい。そうなるから。だから、1オンス金貨でいいから、それを、コツコツと、あちこちで買いなさい。それが、一番、堅実な、金投資だ。 

 銀(ぎん)が、金に連れて上がり始めた。この前まで、1グラム70円ちょっとだった。それが、7月28日に、96円までなっていた。そのあと、1回、急落したが、また戻った。銀ももうすぐ1グラム100円になるだろう。1キロで10万円だ。金に較べたら、もう100分の1の値段にまで落ちている。昔は、40分の1ぐらいだったのに。銀は、錆びない(変色はする)いい金属だ。硬貨(貨幣)に使える。ただし世界的に銀は余っている。

 プラチナは、すっかり値下がりして、今は、金の丁度半値の、3300円/グラムぐらいだ。昔は金よりも高かった。トヨタが、20年前に排ガスの新技術でプラチナを触媒(カタリスト)として使わなくてよくしたので、それでプラチナは下落した。暫(しばら)く、このまま金の半値のままだろう。

 金(きん)は、私が、ずっと書いて来て、講演会とかでも強調してきたとおり、これから、まだまだ上がる。1オンス3,000ドル台に、来年にはなるだろう。それぐらい急激な上昇をする。それは、米ドルが来年になったらもっと下落するからだ。ドルの信用は、世界的に、どんどん落ちて行く。トランプが、11月4日の大統領選挙で再選されて。

 そのあと、年が明けた、1月か2月に、NYの株価の、大暴落が起きる。今度の大暴落は、これまでのものよりもキツいだろう。このように副島隆彦は、ずっと予言している。それでも、トランプが、何とか、事態を収拾する。トランプは、ボロボロになる名で、努力してアメリカ経済とアメリカの国力(こくりょく)を維持する。

 ディープ・ステイト(ムーニー、世界反共同盟、ヒラリー派)の愚劣な連中を叩きのめしながら、最後のアメリカ帝国を維持してゆく。
だから、2024年までは、このままだ。そして、世界恐慌(ワールド・デプレッション)が起きる。 副島隆彦記

(転載貼り付け始め)

◯ 「 米ゴールドマン、金価格の12カ月見通しを2300ドルに引き上げ 」

2020年7月28日 ロイター
https://jp.reuters.com/article/commodities-research-goldmansachs-idJPKCN24T23T

 米金融大手ゴールドマン・サックス(GS.N)は28日、金価格の12カ月見通しを1トロイオンス=2300ドルに引き上げた。安全資産である金にとって好環境が続くほか、米実質金利が一段と低下する見方が追い風になるという。

ゴールドマンによると、金価格の急騰は米連邦準備理事会(FRB)が政治的緊張を考慮してインフレバイアスにシフトする可能性があるとの見方や新型コロナウイルス感染が拡大するという予想で引き起こされているという。

金現物XAU=は年初来で27%上昇。安全資産への買いが増加しているためで、28日には1980.57ドルと最高値を更新した。

 ゴールドマンは「各国政府がそれぞれの不換通貨を切り下げ、実質金利を過去最低水準に押し下げている現在のような環境下では特に、金は最後の投資先になるとの見方を長らく主張してきた」と指摘。基軸通貨としてのドルを巡る懸念が表面化し始めているとした。

 また「経済回復に向けインフレ懸念が引き続き高まっており、ドルが構造的に弱体化する中で金の上場投資信託(ETF)にヘッジ資金が引き続き流入していることから、金はファンドマネジャーによってドルヘッジとして利用されていると見ている」とした。

 銀価格も3・6・12カ月見通しを1トロイオンス=30ドルに引き上げた。「金価格の上昇と太陽エネルギーを中心とする産業需要の改善見込み」が背景という。

◯ 「 金の国際価格、最高値突破 2011年以来9年ぶり 」

2020/7/27  日経新聞  

 金の国際価格が過去最高値を更新した。国際指標のニューヨーク金先物は27日の時間外取引で一時1トロイオンス1938ドルまで上昇。2011年9月6日に付けた史上最高値の1トロイオンス1923ドルを約9年ぶりに上回った。

 新型コロナウイルスの感染再拡大による経済悪化懸念に加え、米中対立深刻化など地政学リスクも加わり、投資家の金買いに弾みが付いた。

 NY先物と並ぶ金の国際指標であるロンドンの現物の金の取引価格も27日、一時1トロイオンス1943ドルと、11年に付けた最高値を更新した。金は年初来の上昇率が3割程度に達し、直近で上昇が加速している。

 背景には、新型コロナ感染拡大に伴う各国の金融緩和拡大で、世界中で金利がほぼ消失したことがある。米国では物価と比較した金利水準である実質金利が過去最低となり、これを背景にドル安も進行。ドルの代わりに保有される「代替通貨」の性質を持つ金に資金を移す動きが強まった。

緩和によるカネ余りで、短期的な値上がり益を狙う投機マネーも金に流入しやすくなっている。

・ 金の国際価格、1900ドル突破 最高値に迫る (2020/7/24 )
・ 金の現物 内外で騰勢 国際価格は約9年ぶり (2020/7/21 )
ロンドンの金現物価格、1800ドル台に上昇 約9年ぶり高値 (2020/7/9 )
・ NY金約9年ぶり高値 感染拡大を懸念 (2020/7/8 )
・ NY金1800ドル超 8年8カ月ぶり高値 感染再拡大を懸念 (2020/7/1 1)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝