[2560]コロナショックドクトリン
会員番号(1855)のもうです。医療掲示板に時々投稿させていただいてました。新型コロナ感染症について関わった医師としての論考を述べたいと思います。まず新型コロナ感染症で人類滅亡はありません。感染力は強く、実際世界でどれだけの方が既に感染したかは解りません。感染した方の中で一部が発症して、発症すると8割は軽症、1-2割の方が中等症から重症になります。高齢者や慢性疾患の合併症があると重症化するリスクがあり、一部急速に重症化する例は人工呼吸器が必要になる程の呼吸不全に数日で進展します。そこまで行くと助かる確率は現状低いです。明らかにされた統計からも亡くなる方は80歳代中心、70代以上の方が多いです。コロナ以外の市中肺炎では、これら高齢者は人工呼吸器など使うことなく可能な範囲で治療をして治癒能力がなければ「お看取り」になる場合が殆どで年間13万人がそのように亡くなっているのですからコロナも通常の肺炎と同じ対応をすれば人工呼吸器が不足することもICUが足りなくなる事もありません。新型コロナは広い意味で悪性の風邪に過ぎません。
権威ある雑誌New England Journal of Medicine3月号でLiらは2019年12月7日に武漢海鮮市場に関係のないコロナ感染初発例が確認されていて、12月初めには武漢で既に流行っていたことを示唆しています。そもそも普通の肺炎患者から何故「新しい感染症」が発見されたか、は記されている様にpneumonia of unknown etiology surveillance mechanismという調査基準があって、たまたまSARS研究のメッカである武漢でクラスター発生があったから発見できたのだろうと思います。新しい感染症が発見されてからウイルス特定と遺伝子解析発表までの中国CDCの対応は迅速で「大した物だ」と思います。Covid-19遺伝子変異の解析を科学的に行ったロンドン大学による最近の報告では2019年秋以降、世界で既にこの感染症が流行っていた(但し発生も最近である)との推測があり、日本の例から遺伝子変異解析をした報告でも昨年から流行っていたとされます。昨年暮に日本でも若い人を中心にインフルエンザ陰性の1週間続く高熱と気管支炎症状のやや重い風邪が流行し、開業医、病院の救急外来を賑わせましたが、私はこれが症状の軽いS型の新型コロナの流行であったと考えています。
この事は新型コロナが武漢発祥である疑惑を否定するものではありませんが、昨年から流行っていた感染症を「新しい感染症という定義発表」と「PCRで診断できる様になった」事が今年だからと言って「人類が滅びるような感染症」ではないのに慌てて「今年になって都市封鎖」という世界経済を大混乱に陥れる無意味な対策を取った責任は免れるものではありません。結局封鎖をしなかったスウエーデンと同じ結果であることはメディアを含めてどうしても認めたがりません。
怖いぞ、怖いぞ、死ぬぞ、次はもっと酷い感染爆発があるぞ、と科学的根拠を示さずに脅し続ける「コロナショックドクトリン」を続ける理由はそこにありそうです。今ワクチン開発が話題になっていますが、人間で成功例がない「DNA/RNAワクチン」をこの機に乗じて大々的に売り出して、世界中の人に「コロナ前に戻れる」ことを餌にほぼ強制的に接種することを目論んでいる様です。新型コロナウイルスに対する適切な中和抗体(感染力をなくす抗体)は現在発見されていません。中国で開発中という不活化ワクチンならまだ合理的とも思いますが、どこの部分の抗体を作るか不明なまま「効果的な免疫反応がある」程度でこれらの長期的安全性が未確認のワクチンを打って、実際には不顕性感染で集団免疫ができたのに「これで新型コロナに適切に対応した」というオチにもってゆく責任逃れをしたいということでしょうか。コンピュータからワクチンに宗旨替えしたビル・ゲイツ氏も大喜びと思います。
コロナショックドクトリンの行方を会員の皆様は覚めた目で見極めていただきたいと思います。