[2490]株価の世界的な大暴落を受けて。

副島隆彦 投稿日:2020/03/10 11:13

副島隆彦です。 今日は、2020年3月10日(火)です。

 株式の暴落が、世界的に起きている。 昨日(9日)のNYの 終わり値は、2,013ドル暴落の、 23,706ドル にまで落ちた。 日本の東証(日経平均とも言う)は、1,050円暴落の、19,698円だ。 今日(10日)も、600円ぐらい下げている。 アジア諸国も、ヨーロッパ各国の株式市場も、8%から10%、軒並み、下落した。

1. 世界中、株が落ちている。 だが、もう、ここで、一応、下落は終わりだ。
今週は、このままグズグズ続く。 NY市場の当局が、市場が開いた直後からの、「投げ売り」に対して、2000ドルの下落のところで、サーキットブレイカー(株の取引停止、下落の阻止)を発動して、止めた。 それでも、2,013ドルの暴落で、終わった。株価の乱高下 (その主な原因は、ロボット取引で、CTAというマシーンの勝手な暴走だ)は時々起きるが、それも市場は、織り込んで行くだろう。

 (転載貼り付け始め)

「 NYダウ一時2000ドル超安 売買停止措置に  」

 2020/3/9 22:42  日経新聞 ニューヨーク=野村優子

3月9日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は急落して始まり、下げ幅は一時2000ドルを超えた。
 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で景気や企業業績の減速懸念が一段と高まるなか、原油価格の急落が売りに拍車をかけた。S&P500種株価指数が取引時間中に7%超下落し、すべての株式売買を一時中断する措置(サーキットブレーカー)が発動された。

 サーキットブレーカー制度は、2010年に米国株が瞬間的に1000ドル近く下げた『フラッシュクラッシュ』を防げなかったことをきっかけに改正され、13年に新ルールが適用された。現在の制度下で発動されたのは今回が初めて。3月8日のシカゴ市場で米株価指数先物は既に、発動の基準となる下落率5%を超え、サーキットブレーカーが発動された。

(転載貼り付け終わり)

2. 副島隆彦です。 だから、もう、あんまりこれ以上心配するな。どんなドラマも、みんなが血相を変えたところで、クライマックスは終わりだ。 アメリカ政府が、市場統制(マーケット・コントロール)をかけて、相場操縦(そうばそうじゅう)をするのだから、小口の個人投資家たちは、どうせ、売りそびれて、売り時を逃がして損をした(だけど、含み損だ)だろうが、また、我慢に、我慢の日を、過せばいい。  

 日本の財務省と日銀も、9日(昨日)、株価を買い支えるで合意したようだ。統制経済(コントロールド・エコンミー)そのものだ。その理由は、GPIFと 日銀FTF という国民のカネで、お上(おかみ、政府 )が、バクチをやっていて、株をつり上げている(あるいは、買い支えている)のだが、これに損が出るのを阻止しないと、自分たちの責任問題が、深刻に出る、からだ。

(転載貼り付け始め)

●「日銀の雨宮副総裁、ETF「日経平均1万8000円割れで簿価下回る」 参院財金委」
2019年3月12日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL12HHW_S9A310C1000000/

 日銀の雨宮正佳(あまみやまさよし)副総裁は12日の参院財政金融委員会で、上場投資信託(ETF)の買い入れについて、「日経平均株価が1万8000円程度を割り込むと、日銀の保有ETFの時価が簿価を下回る」と発言した。2018年9月末の数値を元に計算したという。共産党の大門実紀史(だいもんみきし)氏への答弁。
 (ここで、副島隆彦注記。この共産党の参議院議員の大門実紀史は、私、副島隆彦の本を実によく読んでいる人だ)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 西側諸国(ザ・ウエスト)の、自由主義体制の、資本主義の市場原理(マーケット・メカニズム)が、働いて、金融市場は動いている、などと、頭のてっぺんから信じているような、“とっちゃん坊や” たちは、大損をすることで、自分の脳天を叩かれて、それで、少しは目を覚ました方がいい。金融市場なんか、権力者=支配者=為政者 たちが、いいように操(あやつ)って、操作するものなのだ。

 自分の退職金や貯めた資金の、1千万円、2千万円の資金で、現物(げんぶつ)の株を、ちまちまとコツコツ買ってきた人たちは、また、我慢の日々を過せばいい。権力者たちが、なんとか、してくれるさ。あんたらのような、善人の苦労人たちを、政府は、無碍(むげ)にはしないよ。 ただし従来通りの、クツクツ人生だけどね。

3.私が、昨日、聞いたのは、ネット証券の 楽天証券 やSBI証券に、売り注文が殺到して、コンピュータがブレイクダウンして、取引の自主停止になった、そうだ。こういうのもヤラセだ。自分のポジションを投げ売り出来なかった者たちは、ロスカットされて、それで、証拠金(しょうこきん、担保で差し出したカネ)を取り上げられて、はい、おしまい。

 こういう阿鼻叫喚(あびきょうかん)の投げ売り相場の時にこそ、先物で売り(フューチャー・セリング)を仕掛けていた、人たちが、本物の博奕打ち(ギャンブラー)で、投資家の5%ぐらいいる。彼らが勝者だ。 あとの95%は、大手の大金融法人(機関投資家、インスチティチューショナル・インヴェスターズ)のファンド・マネージャー(資金運用部の者たち、こいつらは、ただのサラリーマンだ)を含めて、ギャーギャー泣き騒げば、いいのだ。

4.大事なことは、原油の動きだ。3月6日に、OPEC+(オペック・プラス、石油輸出国機構。プラスとは、ロシアのこと)の会議で、サウジとロシアが、原油の減産で、交渉決裂した。それで、9日に、現有価格が、1バーレル=27ドル(WTIで)まで、30%も暴落した。 これの裏側の真実は、サウジと、ロシア(プーチン)が、アメリカのシェール・ガス・石油 の開発業者たちを絞め殺そうして、裏で合意して、原油を暴落させたのだ。

 サウジにしてみれば、アメリカ国内の石油、天然ガスに、世界価格の決定の主導権を握らせるわけには、行かない。 だから、2014年の アメリカとの意地の張り合いの、価格支配戦争の再来だ。あの時は、サウジはアメリカに負けた。今度は、ロシアが、サウジに加勢する。

 原油が、1バーレル(158リットル)=20ドル を割るところまで、サウジは石油を大増産して、価格を下落させて、ギューギューに締め上げる。これで、生産コスト割れになる、北米(カナダを含む)世界市場で原油がだぶつくので、シェール業者たちを、皆殺しにしてやる、という堅い決意である。

 プーチンとサウジ(MbS 独裁者のムハンマド王太子) は、「原油価格は、20ドルでも、耐えられる」と考えてる。まさしく、「肉を斬らせて骨を切る」だ。

 原油が1バーレル=30ドル割れだと、これらのアメリカの山師(やまし)のベンチャー・キャピタリストどもが、続々と倒産する。 北米産の原油、ガス安で、資金繰りが付かなくなって、それで、バタバタ潰れて行く。これが、トランプには、本当に堪(こた)える。

 トランプは、自分自身が、この山師の、都市型歓楽街、高層ビルのデベロッパーで、這い上がった人間だ。高金利の、 まさしく、低信用(高リスク)債 = 低格付(ていかくづけ)のハイイールド債(さい)=ジャンク債(ゴミくず債券)という 危険で、高金利のバクチ資金(年率15%とか)を借りて、這い上がった人間だ。

 トランプ自身が、かつて若い頃の自分と全く同類の、このベンチャー・キャビタリスト(一攫千金狙い )だ。この者たちが、発行しているジャンク債(ボンド)が、債券市場で、殴り殺されて行くのを、トランプは、黙って見ているしかない。トリプルC とか、シングルB とかの、ゴミくず並の、低格付け危険債 の 債券市場が、利回りが急騰して、価格が暴騰する。投資家が誰も買わない。 

 今は、「株式市場から、安全資産である米国債へ」、「リスクオンから、リスクオフへ」で、米国債(財務省証券、TB ティー・ビー)に逃げ込んでいる。だから米国債の10年ものが、0.5%にまで利回りが下がって、しっかりしている。

 だが、上述の、シェールのジャンク債とかが、下から、債券利回り(イールド、金利と同じ)を、上にグサッと突き上げてくる。債券価格が、下落する。そうなると、利回りが跳ね上がって、やがて、国債暴落になる。それが、財政危機(ファイナンシャル・クライシス)から、金融崩壊(ファイナンシャル・カタストロフィー)に繋(つな)がる。お札のジャブジャブ・マネーが、ハイパーインフレが起こして、世界恐慌に繋がる。

 為替(円ドルの相場)は、1ドル=101円まで行って、それから切り返した。この急激な円高・ドル急落のあとは、為替の先物市場でのバクチ相場が、終わって、このあと暫(しばら)くは、円安に戻す。
為替の100円割れは、「米、欧、日の 為替密約」に違反するからだ。

金(きん)は、さらに上昇して、1オ(ウ)ンス(31.1グラム)=1703ドル まで上がった。
日本円で、1グラム=5700円ぐらい(TOCOMの卸値。中値。小売りは、これに消費税分を500円足す。)まで行った。そのあと、また「アメリカ政府とゴールドマン・サックスによる、”金殺し”で、下げさせる。

 金(きん)は、ETF (SPGR スパイダー・ゴールド・シェアなどの、金(きん)先物。ところが、現物の金は、たったの3000トンしか準備していない。もう無い )を使って、アメリカ政府が、暴落させることが出来る。だが、ここが、もうすぐ壊れつつある。「金の現物(げんぶつ)に換えてくれ」と、客が要求しても、手持ちの金(きん)がない(笑い)。強制決済して、「カネで渡すから」と説得(実質、脅し)しているようだ。ホントに、もう、哀れな国だな、アメ(リカ)ちゃん。

5.ここで、副島隆彦から言っておくけどな。金融の専門家とか、マーケットのアナリストを名乗っている者たちよ。副島隆彦の真似をして、今度の株式の大暴落は、大恐慌への突入だ、とか、あんまり、扇情(せんじょう)、扇動(せんどう)的なコトバ遣いをするなよ。

 急に副島隆彦の真似をして、いい気になって、激しく何でも言えばいい、というものではない。慣れない言葉遣いは、怪我の元だ。
 お前たちは、本来、根本的に、体制派(たいせいは)であり、金融業界に巣喰って市場べったりで、生きて来たのだから、こんな危ないコトバは、使ってはいけないのだ。ハッと思い直せ。そうだろう? 「恐慌突入」とか、「大暴落で金融崩壊になる」などと、あんまり書くなよ。私、副島隆彦の専用の、これらのコトバを、勝手に、ドロボウするな。

 次の大暴落は、トランプが、11月3日に、大統領に再選されて、その年明けの1月か2月だ。そして、本当の、財政危機、金融崩壊、大恐慌突入は、トランプが、2期目を辞める、2024年、すなわち、あと、4年後だ。 

 こういう風に、スケジュールは、決まっているのだ。私、副島隆彦が、そのように、決めて、この数年、私の金融本に書き続けている通りだ。私の邪魔をするな、ドロボウをするな。ちゃんと、「副島隆彦というキチガイが、このように書いている」と、引用して、自分の意見とせよ。いいか、薄汚い業界人間たちよ。

 だから、トランプと、ラリー・カドローと、カール・アイカーンが、3人でまた、9月から10月にかけてNY株を上げるだろう。そうしないと、トランプ再選のシナリオが崩れる。日本のバカ・オリンピックなんか、「半分、中止」で、日本人だけで、ちんまりとやればいい。どうせ、外国人は来ないよ。 

 初めから、どうでもいいような、景気づけだけのための、東京の中心地だけを、着飾らせるための、愚劣なスポーツお笑い人間プラス土建屋たちの、オリンピックなのだから。人より、早く走ったり、球を蹴れるのが、どうして、生来、動物さんのようなだけで、何が、そんなに凄いことなのか。いい加減にしろ。バカ・スポーツ人間ども。

6.私は、中国の武漢(ウーハン)に、現地の現場を、自分で見に行く。行けるとなったらすぐに行く。 何が、こんな、インフルエンザの新種に過ぎない。収まるよ。 こんなもの、アメリカが作って、撒いたんだろ(笑)。みんな、腹の底では、そう思っているくせに。誰も言わない。証拠がないから、か。そのうちどんどん出てくるよ。私は、一番乗りで、そう書いたからな。

 今は、日本人は、北京、上海にさえ、飛行機で入ることも出来ない(渡航制限)。だが、そのうち都市封鎖(lock down ロック・ダウン。内側からのロック・アップや、ロックアウトとは違う)も解除されるだろうから(人間は、動いて、生きてゆかなければいけないから)、そのとき、一番乗りで、武漢に入るよ。編集長と2人で。 

 そして、現地の現場を、見て回って、それで、探偵、金田一耕助(きんだいちこうすけ)のように、「うーん、ここか。例の食肉市場、あるいは鮮魚市場は」と言いながら、回ってくる。現地の現場に、行かないで、遠くの方から、ウソ情報をかき集めて、あれこれ言っているのは、全部ダメだ。

7.調べたら、ドイツ銀行が、3月6日に、株価が、6.66ユーロに急落していた。その前は、10.18
ユーロだった。9日には、さらに5.99ユーロに下がった。最安値は、昨8月の5.82ユーロだった。 いよいよ、「ドイツ銀行 破綻」だ。やれやれ、これで、ようやく、予言者(プレディクター)副島隆彦の信用が戻る。ちなみに、予言者は、預言者(プロウフェト。神の言葉を人々に伝える)とは、違います。

 最後に。新型コロナウイルスの拡がりのことで、今も、「セミナーを開催するのですか?」と、多くの問い合わせが来ている。 何があっても、何が起きようが、3月15日は、予定通り、開催します。「催し物を中止せよ」という政府命令の類(たぐい)は、ありません。騒ぎは、日本国内では治まってきている。各県に、1人とか2人とか、感染者が出ている、という報道が続いているだけだ。

 前にも書いたが、不必要で、過剰な心配に対して、それを疑う、という生き方こそは、優れた人間のすることだ。 思考力の少ない人間は、私、副島隆彦の 真の読者ではない。こういう時にこそ、人間は集まらなくてはいけない。そこに時代の最先端があります。

 あと少し、席が空いています。当日払いでも いいそう、なので、「行ってみようかな」と思う人は来て下さい。その前に、必ず予約申し込みだけしてください。詳細は以下の通りです。

副島隆彦が、目下の、急を要する、世界の経済、金融、そして、政治の動きを、徹底的に、分かり易く、ガンガン、元気よく話します。

 我こそは、本当の投資家で有り、思慮深く、「あ、待てよ。そうではないのではないか」と、慎重の上にも慎重になって、それでこそ、自分の財産を守ることのできる知恵者である、と思う人は、集まって下さい。損はさせません。
 
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「副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第19回」

*会場:イイノホール&カンファレンスセンター 東京都千代田区内幸町2-1-1
*日時:2020年3月15日(日) 
 開場・受付/11:00~ 終了/17:30 (予定)
*受講料:15,000円(税込)/指定席
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申し込みはコチラ → https://kokucheese.com/event/index/592106/
 
副島隆彦拝