[2477]副島先生の最新作『全体主義の中国がアメリカを打ち倒す』を読んでの感想
昨年12月に、副島先生の最新作『全体主義の中国がアメリカを打ち倒す』が出版された。昨年12月に早々に購入して一読した。今度ゆっくりと再度読み直してみたい。いつも副島先生の本を読むと面白いので一気に読み込むのであるが、今回ばかりは途中で気が若干重くなり、読むのを一旦中止した後、7日後に一気に最後まで読み切った。
今回の先生の著作『全体主義の中国がアメリカを打ち倒す』は、終わりの見えない米中貿易摩擦 米中貿易戦争のさなかに書かれた力作である。現代中国の光と影の部分が容赦なく描かれている。
気が重くさせられたのがこの「影」の部分であろう。やはり「全体主義、監視社会、監視カメラ」このキーワードだ。大きな言い方になるが、人類の行きつく先はこれなのかと考えると、数々の人類の英知とはいったいなんだったのだろうかと。現代技術文明の前にはすべてが無力かと。私あたりが民主主義とか全体主義とか大きな問題をここで書いても意味がない。先生に語ってもらうしかない。さてこの監視カメラについての私の経験をのべさせてもらう。
仕事の関係でよく新宿にゆく。約20年以上前には新宿には監視カメラはほとんどなかったと思う。私の記憶によるとこの20年前ぐらいから急にいたるところに監視カメラが街頭に備えつけられたと感じた。監視カメラがここにもあるここにもあるという感じであった。今にして思うのであるが、新宿歌舞伎町において確か17、18年前に雑居ビルの火災があり、数人の死者が出た。その火災のすぐ後に新宿警察と消防署の共同主催による防災イベントに、仕事の関係で参加したことを思い出した。
確かあの雑居ビル火災から急激に新宿に防犯カメラが設置されたと思う。これもひとつもショックドクトリか。今では、新宿は監視カメラだらけとなっている。では自分の住んでいる東京郊外の町の監視カメラの状況はどうかと気になったので昨年12月31日に商店街を見回してみた。いつもはまったく気にかかっていなかったのだが、監視カメラが約15メートルに1か所ずつ設置してあるのには驚いた。監視カメラ設置と書いてある。今までまったく気が付かなかった。このように意識しないとまったくわからないが、わが国でもすでに監視カメラだらけになっており、国民は常に監視されているのだろう。中国だけの話ではなく、全世界そうなってゆくと思う。
ところでこの監視カメラだらけの日本において、治安という面ではどうだったかだ。あくまでも私の見方だが、ひったくりと強引な呼び込みや違法駐車、明らかに反社会勢力と思える輩の活動または痴漢行為が、監視カメラの設置している場所において減ったと思う。当たり前の話だが、日本の支配層がそれだけを目的で監視カメラを設置してわけではない。監視カメラがなくても無事に治安が安定している社会が一番よい。しかし監視カメラだらけの社会を一概に監獄国家とは考えにくいと私は思う。皆様はどうお考えでしょうか。
昨年12月に出版された 和田清著『中国はなぜ成長し、どこに向かうか、そして日本は?』(発行 (株)クロスメディア・パブリッシング 発売 (株)インプレス)を是非 ご購入頂きお読みいただきたいと思います。
和田清氏という名前は知らなかったのですが、書店に置いてあったので購入してみました。約30年間中国で事業をしている実業家ですが、あまたいる反中国言論人にとっては厳しい内容ではありますが、実際に中国で30年間 実業家として実務を見てきた和田氏の言葉には重みがあると思います。
反中のジャーナリスト又は著述家は現地中国を直接 長期にわたり取材し自分の目で見て確かめそしてなるべく公平な立場で取材しているのか。逆に言えば、現地を直接 長期にわたり取材していない場合には、安易に公式に語ってはいけない。
私は中国の肩をもつつもりはまったくない。しかし今の言論界の主流派が特定の国に対して非礼すぎないであろうか。和田氏の著書を読んでつくづく感じた。
(終わり)