[2476]年末、年始に起きていたこと、を纏(まと)めて載せる。
副島隆彦です。今日は、2020年1月14日(火)です。
年末から、年明けにかけて、いくつか事件(国際問題)があった。私は、ニューズ記事を追いかけて採集しただけで、何も新しい情報や知識は無い。ニューズ報道された以上のことは、私にも分からない。
1. カルロス・ゴーンが、母国のレバノンに、脱出したこと(12月29,30日。31日に報道された。紅白歌合戦の始まり(7時半)の直前だった。
2.イラクで、イランの民兵(みんぺい、パラ・ミリタリー)組織の最高指導者(コッズ部隊の司令官、 スレイマニ が、アメリカ軍のドローン攻撃で、イラクのバグダッド空港のそばで、1月3日に、殺害された事件。
イラン国と、イラク国の区別をしっかり付けて、この事件を考える力のある日本人は、おそらく5%ぐらいだろう。 殺害された、スレイマニ司令官は、イラン人であり、外国であるイラクで死んだのだ。
3.金(きん)が、その影響で、1月6日(月)に、急上昇した。8日(水)が、ピークだった。1616.1ドル (日本円で、1グラム5700円)まで上がった。このあと、9日から落ちて、今は、1560ドルぐらいで推移してる。 何が起きていたのか?
以下に、急いで一枚だけ、金(きん)、ゴールド)価格の、1月6日から8日の高騰、そして、少し落ちて、今、1オンス(31グラム)1560ドルである、金のグラフを載せます。
4.英ヘンリー(ハリー)王子(サセックス公爵)とメイガン・ケリー王妃(アメリカ黒人)夫妻が、英王室から離脱する(王位継承権も放棄か) という、1月8日の、報道があった。
この事件については、私の ハリー、メイガン・ケリー妃の 元気な行動に対する、私、副島隆彦の独自の考えがある。これは、後日、書く。
黒人の母親(左)とメーガン
5.1月11日の台湾の総統(大統領)選挙で、民進党(みんしんとう)の蔡英文(さいえいぶん)が、再選された。このヤラセの謀略選挙のことは、私の最新刊の本「 全体主義(トータリタリアニズム)の中国が アメリカを打ち倒す ―ディストピアに向かう世界」(ビジネス社、12月21日刊)の中に、 去年の10月時点で、私が、予測、予言したことを書いた。
ここの下 ↓ の「2474 」番で、六城(ろくじょう)くんが、私が書いたとおりになったことを、載せてくれている。 興味のある人は、私のこの本を買って読んでください。
この本の著者である自分が、今、思うことは、この本には、本当に 大量の知識を詰め込んだ。あまりに、中国関係の 多くの最新の知識と 私の考えを載せたので、読者が、消化不良を起こさないか、心配になっている。
一冊の本に、あまりに多くの情報と知識を詰め込むと、懸命に読む読者に、却(かえ)って、多くの負担を書けてしまう。今は、私は、このことを心配している。それでも、この本は、自分で言うべきではないが、もの凄くよく出来た本だ。 読んだ人は、自分の頭が、ブラッシュアップ(洗い直される)感じになるだろう。 だから、この 5番のことは、以下には書かない。
それで、初めの 3つのことについてだけは、私は、急いで自分の考えを書かなければ、と、思っていたのだが、来客と、 それから、「経済学という・・・インチキ学問」本を、書き上げることで、精一杯で、今日まで、ここに、書けなかった。
冒頭で書いたとおり、私に特別の情報や、知識は無い。 期待されても、たいしたことは知らない。それでも、副島隆彦の独特の視点からの、この3つのことを、少し日が経(た)ってから書くことで、世界政治の裏側をチラリと覗(のぞ)くことは出来る。
だが、だらだらと書いていたら、この3つのことで、また、もの凄い文の量になるので、今日は、ここには、新聞記事を貼り付けることを中心にして、それに私の考えを、簡単に書き加えるだけにしておく。
2.の イランの民兵組織(国家の軍隊ではない。言ってみれば、私兵 の集団である)の司令官が、アメリカ軍のドローン(無人機)で攻撃されて、死んだ事件について。
まず、以下に基本的な記事を載せる。 その後の、イラン政府と国軍による、イラクの米軍基地への報復のロケット砲発射(1月7日) と、 そしてその翌日に起きた、テヘラン空港から飛び立ったウクライナ機の 、イランの革命防衛隊による地対空ミサイルの 誤射による、墜落の記事とかは、もう、載せない。どんどん事態が変化するので、とても間に合わない。私は、今、慌てている。
一緒の画像(写真)は、貼り付け時に、飛んでしまって、消えてしまうだろう。
後日、復元できるものはします。
(転載貼り付け始め)
◯ 「トランプ氏「イランは身を引いている」 攻撃で死者出ず 」
2020年1/9(木) 【AFP=時事】
トランプ大統領の人形とイランのガセム・ソレイマニ司令官の写真
【翻訳編集】 AFPBB News
イランがイラクの米軍駐留基地をミサイルで攻撃したことを受けて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、ホワイトハウス(White House)で国民に向けて演説し、攻撃により米国人やイラク人の死者は出なかったと発表し、イランは「身を引いているようだ」と述べた。
トランプ氏は「わが国の兵士は全員無事であり、われわれの軍事基地における被害は最小限にとどまった。われらが偉大なる米軍は、何に対しても備えができている」と述べた。
また「イランは身を引いているようだ。これは全当事者にとって良いことであり、世界にとって非常に良いことだ。米国人やイラク人の命は失われなかった」と話した。トランプ氏は、イランに対して直ちに「厳しい追加制裁」を科すと表明したが、7日のミサイル攻撃に対する報復の可能性については言及しなかった。
専門家らはイランのミサイル攻撃について、同国のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官が米国の無人機攻撃によって殺害されたことに対する最初の本格的な対抗措置とみている。世界各国の首脳はそろって、この攻撃を非難した。
トランプ氏は、自身の経済政策により中東の石油への米国の依存度が低下し、中東での米政府の「戦略上の優先事項」が変わったと説明。「私はきょう、北大西洋条約機構(NATO)に対し、中東のプロセスへの関与を大幅に深めるよう要請する」と述べた。
また、世界の主要国に対し、米国に追従して2015年のイラン核合意から離脱するよう呼び掛けた。さらにイランに対しても直接の呼び掛けを行い、「米国は、平和を追求するすべての人々との和平を受け入れる用意がある」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News
◯「米副大統領 「イラン司令官が9.11テロ支援」事実ではないと指摘受ける 」
2019年1/5(日) 【AFP=時事】
マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領は3日、ツイッター(Twitter)に異例の連続投稿を行い、米国の攻撃で殺害されたイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官について、2001年9月11日の米同時多発攻撃の実行犯を支援していたと主張した。これに対し、米メディアは事実と異なると厳しく指摘した。
ペンス氏はツイートの中でソレイマニ司令官について、「米同時多発テロの実行犯12人のうち10人のアフガニスタンへの密入国を支援した」と述べた。
ツイッター上で同時テロの実行犯は12人ではなく19人だという批判の声が上がると、ケイティ・ウォルドマン(Katie Waldman)副大統領報道官は、ペンス氏が言及したのは「アフガニスタンを経由した」12人のことで、「うち10人がソレイマニ司令官の支援を受けた」と補足した。
しかし米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が指摘するように、米同時多発攻撃に関する独立調査委員会の585ページにわたる報告書に、当時既にコッズ部隊を率いていたソレイマニ司令官の名前はない。
この報告書は、「9月11日以前に(国際テロ組織)アルカイダ(Al-Qaeda)構成員のアフガニスタン入出国をイランが支援した有力な証拠がある」とする一方、「イランまたは(レバノンのイスラム教シーア派<Shiite>政党・武装組織)ヒズボラ(Hezbollah)が後に米同時多発攻撃となる事件の計画を把握していたとする証拠はない」と結論付けた。さらに、「イランを経由した当時、実行犯ら自身もその後の任務の具体的な内容について知らなかった可能性が高い」と指摘している。
ペンス氏は3日の一連のツイートの中で、ソレイマニ司令官が中東の広範囲で実施したとされる「最悪の残虐行為」をいくつか例示した。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権からはペンス氏以外からも、ソレイマニ司令官殺害を正当化する声が出ている。米国務省は、「ガセム・ソレイマニは、イラクで米軍人少なくとも603人を殺害し、数千人に障害を負わせた責任がある」とツイート。2003~11年にイラクで死亡した米軍人の17%は、ソレイマニ司令官率いるコッズ部隊に殺害された可能性があるとしている。【翻訳編集】
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・サイバー攻撃?ホルムズ海峡封鎖?米による司令官殺害 イラン報復の選択肢
・【解説】米のイラン司令官殺害 前例なき作戦が生む疑問
・トランプ氏、米国人攻撃なら「52カ所に報復」イラン司令官殺害で懸念広がる
・イラクの米大使館付近にロケット弾 親イラン組織が報復警告
・・・・米国の空爆により、ソレイマニ氏だけでなく、イラク人であり、対IS(「イスラム国」)の掃討戦で戦った民兵連合(PMF)の副司令官であったアブ・マフディ・ムハンディス氏まで殺害した。IS掃討戦は熾烈を極め、PMFの民兵も多数が死亡・負傷している。そのリーダーの殺害が怒りを買った。
◯ 「イラン革命防衛隊幹部 「米ミサイルと誤認」 ウクライナ機撃墜 」
2020/1/12 日経新聞
1月9日、犠牲者の追悼式に参加した際のハジザデ司令官(右)=イラン政府提供・AP
【ドバイ=木寺もも子】イランの首都テヘラン近郊で起きたウクライナ国際航空の旅客機墜落で、誤射を認めたイラン革命防衛隊の幹部が11日、国営テレビを通じて経緯を説明した。防空システムの操作員が旅客機を米軍の巡航ミサイルと誤認し、許可を得ないまま短距離ミサイルを発射したという。革命防衛隊の責任を全面的に認め、報告を受けた際は「死んだ方がましだと思った」などと語った。
会見した革命防衛隊の航空部隊を率いるハジザデ司令官は、墜落の起きた8日には誤射を把握し、上層部に報告していたと明らかにした。イランは11日朝に声明を公表するまで墜落は機体のトラブルが原因だと主張し、誤射の可能性を指摘する欧米などに対し「真っ赤なウソだ」などと反発していた。
ハジザデ氏の説明によると、8日午前2時ごろにイラクの米軍駐留拠点2カ所を空爆したイラン側は「全面戦争」に備えて警戒を高めていた。同日午前6時ごろ、ウクライナ機を米軍のミサイルと誤認した防空システムの操作員は、通信が途絶していたため司令部と連絡が取れずに発射を決断した。決断には10秒ほどの時間しかなかったという。
革命防衛隊は米国との軍事的緊張が落ち着くまでイラン国内で民間機の運航を差し止めるよう求めていたが、認められなかったとも明らかにした。ウクライナ外務省によると、ウクライナ機の墜落でイラン人82人を含む乗員・乗客176人全員が死亡した。
◯「イラン大統領「深くおわび」 ウクライナ機撃墜認める 」
2020/1/11 日経新聞
撃墜されたウクライナ国際航空の旅客機の一部=ウクライナ大統領報道室提供・ロイター
【ドバイ=木寺もも子】イランは11日、8日に首都テヘラン近郊で墜落したウクライナ国際航空の旅客機について、イラン軍がミサイルを誤射して撃墜したと認めた。人的ミスによる撃墜で、故意ではなかったとしている。旅客機側の技術的なトラブルだったとする当初の主張は撤回し、犠牲者や遺族らに謝罪した。
イランメディアによると、イラン革命防衛隊幹部は11日、革命防衛隊の重要施設付近を航行するウクライナ機を防空システムの操作者が巡航ミサイルと誤認し、上官の許可を得ずにミサイルを発射したと説明した。
ロウハニ大統領はツイッターで「イランは悲惨な過ちを深く悔やんでいる」と遺憾の意を表明した。ザリフ外相も「米国の冒険主義で高まった緊張の中でのミス」と投稿し、根本の原因は米国にあると主張した。
米国などはウクライナ機の墜落原因がイラン軍の誤射だった可能性が高いと指摘していたが、イランは「真っ赤なウソだ」と反発していた。ウクライナ機は8日午前6時ごろ、テヘラン近郊の国際空港を離陸した直後に墜落した。同日午前2時ごろに革命防衛隊はイラクの米軍駐留拠点2カ所を弾道ミサイルで空爆しており、米軍の反撃への警戒を高めていた。
ウクライナ外務省によると、墜落ではイラン人82人、カナダ人63人を含む乗員・乗客計176人全員が死亡した。ウクライナのゼレンスキー大統領は11日の声明で「イランに完全に罪を認めることを求める」と公式の謝罪や補償を要求した。カナダのトルドー首相もイラン当局に事故調査への全面協力を求めた。
3日に米軍がイラクへ無人機攻撃を行い、イランの革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害して以降、米・イラン間の緊張は極限まで高まっていた。イランが8日に米軍拠点を空爆した後は、報復の連鎖で全面戦争に発展することも懸念されていた。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。私は、6年前?、イランの首都テヘランに行った。そして、テヘラン市の南側にあった、旧アメリカ大使館のまわりを写真を撮っていたら、イランの革命防衛隊(レヴォルーショナリー・ガード)が、中から出てきて、拘束された。編集長と2人だった。40分間ぐらいの拘束で済んだ。この時の、自分の体験が、貴重だった。今は、多くのことは書けない。
イランの革命防衛隊は、どうも、イラン国民から嫌われている。 民兵組織(パラミリタリー paramilitary )は、国家の正式の軍事力ではなくて、勝手に組織された、軍隊である。それが、勝手な行動を取ると、国民からは、民間の大きな暴力団組織のようになる。だから、このことが、イラン国内そして、シリア、イラク、レバノンなどで、大きな問題になっている。 今日は、もう、詳しいことはこれ以上、書けない。
副島隆彦です。以下の、1.のカルロス・ゴーン氏の国外脱出、レバノン到着のことの記事を載せる。 今日は、もう この事件のことは、私は書かない。日本の司法制度に、大きな欠陥があることが、重要だ。これが、世界中に露呈した。
伊東 乾(いとうけん)氏の文章が、大変、優れていたので、以下に載せる。
ここに出てくる、「・・・刑法の團藤重光(だんどうしげみつ)先生とご一緒するようになり、2005年以降は秘書役のような形でお手伝いもさせていただいたき、日本の「矯正施設」のもつ様々な問題を基礎的なレベルから認識するようになりました。 共著「反骨のコツ」を上梓させていただいた・・・」
の、団藤重光(だんどうしげみつ)という、東大教授で、日本の刑法学の権威だった学者が、偉かった。
この事実を、数十年前に、大学の法学部を出た人たちは、知っている。弁護士たちも知っている。だけど、それ以外の分野の人たちは、知らない。私、副島隆彦が、何とか、刑法学、刑事訴訟法学の 団藤理論、団藤学説の素晴らしさをを、今に復活させなければいけない。そうしないと、もう、どんな日本の法律家も、もの書きになっている弁護士も、やらないのだ。
実は、カルロス・ゴーン外国逃走事件は、世界権力者、支配者層の人間たち (政府高官 や巨大企業のオーナーや経営者たち)が、ここでは問題にしている。 私たち、日本の一般庶民階級の人間には、今の、日本の司法、検察、裁判所の、江戸時代並みの、お白洲評定(ひょうじょう)のヒドさは、目に見えないようになっている。
日本の政治家(国会議員と 政権閣僚)たちでさえ、日本の検察庁は、捕まえる権限を、持っている。このことが、世界基準(ワールド・ヴァリューズ)からは、どれだけ、異常なことか、日本国民には、知られていない。
デモクラシー(民主政体)によって、国民の代表として選挙で選ばれた者たちを、「オレたち、刑事法を執行する者たちが、正義の裁きをしてやる」などと、検察官たちが、政治家を逮捕できる国は、近代国家ではない。犯罪の捜査権(そうさけん)と、被疑者の逮捕権(たいほけん。逮捕令状、アレスト・ワラント は裁判官が出す)は、警察にある。検察官にはない。
それが、ヨーロッパで発達した近代国家(モダーン・ステイト)だ。検察庁や特捜(とくそう)が、逮捕権、犯罪捜査権を持っていてはいけない。 だから、おかしな今の日本の司法制度(アメリカが敗戦直後に、特捜を作った)を、世界基準に合わせて改正しないといけない。検察庁から、捜査権、逮捕権を、奪い取らなければいけない。 検察官(プロウセキュウター。米国なら、ディストリクト・アトーネイ、地方検事)が持つのは、国家の代理人として、犯罪被疑者を、刑事裁判に起訴(インダイトメント indictment )する権限だ。
「検察官が起訴する」の、「起訴する」 indict 「インダイト」という英語ぐらいは、何とか、皆、覚えて下さい。日本人の知識力は、もの凄く、落ちていてひどいものだ。知識人層でも、この「インダイトメント」「起訴」という英語を知らない。私たちは、英語のコトバで、なんとか世界と繋がる、ということに、もっと本気にならないといけない。
この、検察官に捜査権、逮捕権を与えてはいけない、ことの重要性を、分かっている日本人は、メディア関係者を含めて、今も少ない。 今回は、カルロス・ゴーン氏が、必死の思いで、「こんな国にいたら、自分は、殺される」と感じて、国外脱出したことで、世界中に、このことの真実が、明らかになった。それで騒がれているのである。
ただし、今回は、above the law (アバーヴ・ザ・ラー)と言って、” 雲の上” の、特権階級の人たち、すなわち、世界基準での、権力者、支配者たちと、日本の司法、国家制度のぶつかり合いとして、ようやく露呈した。日本国の司法制度と、互角に争えるのは、世界の権力者、支配層の人間たちだ。そして、それを取り上げる外国メディアだ。
そうでないと、日本国内の、私たち日本人の 平民(へいみん)たちが、どれだけ、このことで騒いでも、あまり力を持たない。法務省の官僚(この中に、検察官たちがいる。そして、裁判官たちまでも、自分たちの 子分のように扱う)たちは、自分たちが、もの凄く、頭のいい、東大法学部を出て、刑事司法執行官(ラー・エンフォースメント・オフィサー law enforcement officers )になった偉い人間だ、と、勝手に思い込んでいる。 うしろに、アメリカの力が、働いている。
だから、政治家(国民の代表)でも、大企業の幹部どもでも、「自分たちが、捕まえて、正義の刃(やいば)で、裁いてやる」と、大きな勘違いをしている。 世界基準からは、とんでもない、夜郎自大(やろうじだい)なのだ。 このことに、今も、この司法官僚どもは、自覚がない。 自民党の、馬鹿な政治家、大臣たちを、いいように操(あやつ)って、振り付け発言をさせておけば、それでいい、と思っている。 そろそろ、この司法官僚どもを、世界基準に合わせるべく、凹(へこ)ますために、法律改正(司法制度の改正)を始めないと、いけない。
巨大企業の経営幹部たちや、外国の政治家や、外国の王族の人間たちが、「日本のような、野蛮で、前近代(プレモダーン)の国に行くのは、危険だ。自分たちが、どんな目に遭うか、分かったものではない。もし犯罪容疑で捕まったら、真っ裸にされて、ヒドい辱(はずかし)めを受けるらしい。恐ろしい国だ」と、問題にしている。このことが、今回、露呈した。
元(もと)検察官(ヤメ検)の郷原信郎(ごうはらのぶお)氏が、以下のリンク先で、正確に、詳しく書いている。
(転載貼り付け始め)
◯ 「 パンツの中まで調べられたゴーン氏が選んだ治外法権 国際社会が「脱日本」を正義と見做す可能性 」
2020.1.7(火) 伊東 乾 JPpress
レバノンの首都ベイルートにあるカルロス・ゴーン氏の自宅 (画像)
カルロス・ゴーン氏の所在が2019年12月30日、レバノンのベイルートで確認された、という報道で、日本国内はゴーン一色のお正月を迎えているようです。
実際、本稿の校正時点でも「ゴーン容疑者の不法な脱出」「トルコの航空会社が刑事告訴」といった日本語の記事ばかりが目立ちます。
「ゴーンは悪い。悪い奴が法を破って悪いことをした」というPRが大半と見えます。しかし国際的にみれば「よくて5分」議論は2分、というのが過不足ないところと思います。
トルコの航空会社が不法利用を提訴(https://www.reuters.com/article/us-nissan-ghosn/security-camera-shows-ghosn-leaving-tokyo-home-alone-before-his-escape-nhk-idUSKBN1Z208D)もロイター電ですが、テレグラフ紙(https://www.telegraph.co.uk/business/2019/12/31/japans-tough-justice-means-carlos-ghosn-right-flee/)には映画「大脱走」などで知られるアンチヒーロー、スティーヴ・マクィーンの名を挙げつつ、ゴーンは「正義」から逃亡したのではなく、日本の不正な司法から脱出したと擁護、日本語でも、数は少ないながらオリンパス長年の粉飾決済を告発して解任されたマイケル・ウッドフォード元社長による痛烈な司法批判(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020010200374&g=int)など、大本営発表式の一律報道と正反対の主張が確認できると思います。
楽器の箱に隠れて「パーティ会場を抜け出した」あるいは「そのまま出国」など、いまだ情報が錯綜している報道を元旦のベルリンで耳にしながら、筆者は率直に「やはり・・・」という思いとともに、国際世論が「どちら」に味方するか、が気になっています。
例えば私たちは「北朝鮮」から脱出してきた人たちを、命がけで不当な権力に背を向けた英雄のように捉えることがあります。
ベルリンでは、冷戦時代に「ベルリンの壁」を突破して自由な西側世界に脱出してきた人たちは、事実「英雄」でもありました。これと同じように、今回のカルロス・ゴーン氏「日本脱出」・・・「脱北」同様に短縮するなら「脱日」とでも呼ぶべきでしょうか・・・を、国際世論が「正義の行動」と捉えれば、日本国にとっては大変なダメージになるでしょう。
日本という国は、まともな法治が成立せず、官憲の横暴がまかり通るとんでもない「ならずもの国家である」というのが、とりわけコンプライアンス関係者を中心に、ゴーン氏のメインメッセージとして国際社会に受け入れられ始めていますし、日本国内でも郷原信郎弁護士(https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20200101-00157363/)を筆頭に、明確な根拠に基づいた批判がなされています。
あえて言えば、カルロス・ゴーン氏は日本の司法制度を見限った。 こんな未開で野蛮なところに置かれていたら、どんな目に逢うか知れたものではない。現地民の掟などにはとても従っていられない、という「治外法権」を自ら宣言して、彼は父祖の地、レバノンに降り立って世界に向かって正面から情報を発信している。
日本国内で「ソンタク」の何のと、微温な表現に世論が慣れているような場合では、すでにないところまで、事態は発展しています。日本は直接のやり取りができないレバノンに、ICPO(国際刑事警察機構)はゴーン氏の身柄引き渡しを求めましたが、1月2日、アルベール・セルハン・レバノン暫定法相はこれを否定。日本での裁判は実質的に開廷が至難となっています。そもそもそのような司法案件として、きちんと物事は成立していたのか??
基本的人権のない国
実際、レバノンに到着したゴーン氏は「私は有罪が前提とされ、差別が蔓延し、基本的な人権が無視されている不正な日本の司法制度の人質ではなくなります」と、日本の司法制度を全面的に「不正」と断じ、公式な情報発信をスタートさせています。
「私は正義から逃げたわけではありません。不公正と政治的迫害から逃れたのです」という発言は、日本から脱出したカルロス・ゴーン氏のものか、北朝鮮から脱出した脱北者のステートメントか、文言だけでは判断がつかないでしょう。(もちろん、ゴーン氏の発言にほかなりません)
さらに、「私は不公正と政治的迫害から逃れました。ようやくメディアと自由にコミュニケーションができるようになりました。来週から始めるのを楽しみにしています」と言います。
日本はいったん刑事事件の容疑者、あるいは被告人となると、あらかじめ有罪が前提とされ、無実を主張しようとしても自由な社会発信「すら」できないという事実を表明、国際社会には「ゴーン氏の主張こそ妥当」と見る向きも決して少なくないことが予想されます。
「人質司法」と日本の「罪人観」
一連の「ゴーン事件」は2018年11月19日、東京地検特捜部によって日産のカルロス・ゴーン元会長が逮捕されたことでスタートしました。日本と欧州を往復する私の耳に強く聞こえてきたのは、先進国としては常軌を逸した司法手続きの「不当さ」への疑問が大半でした。
事実、各国から矢の批判が相次ぎ2019年2月には衆院予算委員会で法務大臣が、例によっての「問題ない」式の答弁もしており、私に身近な欧州の関係者からはただただ呆れられていました。4回に及ぶ無理筋の「再逮捕」と、108日にも及ぶ「拘留」は、それだけ取り上げても極めて「異例」ないし「異常」な「人質司法」の実態が、広く国際社会に知られることとなりました。
やっとその状態が解消した直後の2019年4月4日、さらに極めつけの「再逮捕」となった経緯は、国際的に「日本の検察は正気か?大丈夫か?」という、通常とやや異なる心配もって受け止められるところまで進んでしまった感がありました。
ちなみにウエブで「人質司法」の英語を調べると、「Hitojiti Shiho」 という「英単語」が見つかるでしょう。「人質」と「司法」をバラバラに英訳して「hostage justice」として検索すると、トップにBBCのゴーン事件報道(https://www.bbc.com/news/world-asia-47113189)、続いて上記昨年4月の「ゴーン再逮捕」時の報道(https://www.japantimes.co.jp/news/2019/04/17/national/crime-legal/examining-carlos-ghosn-japans-system-hostage-justice/#.Xg86qW5uJjo)が出てきます。
これは、おかみが「お縄」にした「とがにん」は、拷問でも何でも方法を選ばず「自白」させ、自白したものは有罪だ、ということで、目をつけた容疑者は必ず「有罪ありき」で犯罪人と確定する、21世紀の国際社会では極めてユニークな日本独自のシステムであることを意味します。要するに「人質司法」という現象は、世界に類例の少ない、極めて「日本的」な“伝統”ないし土俗の風習であることが、客観的に理解できるかと思います。
この折は、郷原信郎弁護士もリアルタイムで指摘している通り(https://mainichi.jp/articles/20190405/mog/00m/040/012000c)、何とか「自白」を引き出して、ゴーン氏を「落そう」とした検察側の、最後の「暴発」でありました。事実、東京地裁は4月25日に保釈を決定しますが、なりふり構わぬ日本検察の「手法」は、国際社会に明確に印象づけられることとなりました。
ここに至るゴーン事件の詳細については、すでに多くの報道もなされており、改めてここで繰り返すことは避け、より本質的と思う点を掘り下げてみたいと思います。それは日本列島に特有の「罪人」に対する感覚にほかなりません。日本社会には「推定無罪」という発想が、ホンネの部分に存在していません。誤認逮捕であろうと、冤罪事件であろうと、「いちど捕まったものは犯人、罪人」という見方が本質的に定着しています。
国際社会を見渡せば、容疑者段階では実名を報道しないケースも少なくありません。しかし、日本では一度「逮捕」されると、仮に誤認逮捕で、無罪が確定して「前科」なしでも「前歴」がつきます。それが露わになると、就職その他に著しい困難があるのが日本社会の現実です。翻ってフランスでは、大統領を務めた二コラ・サルコジは故カダフィ大佐からのリビア・ゲート献金問題で2度も身柄を拘束されていますが、昨年10月は「即位正殿の儀」にフランスを代表して参列しています。
外事の局面における日本社会のへっぴり腰には定評があるゆえんです。ところが、ゴーン事件に関しては最初から検察発表がそのまま喧伝され、ゴーン氏側が無罪の情報発信を試みると「再逮捕」といったプロセスを、国際社会、特にフランスは今回の経緯ではっきり認識するところとなってしまいました。
こうした日本の「罪人観」は、ゴーン氏のレバノン会見でも明確に指摘されている通り、日本社会の「差別」と極めて深く結びつく、根の深いものにほかなりません。
江戸時代以前「士農工商」の常民の<埒外>に置かれた人々が様々に差別を受けたことは21世紀の日本社会でもそれなりに知られています。
しかし、主要な「被差別」の対象が「犯罪者」と、その犯罪者を取り締まったり、処罰を執行する「刑吏」に大別されることなどに始まる、具体的な差別の詳細はほとんど理解されていないのが実情の一つ。
また、刑事司法の対象となった者が、刑期などを終えて以降も、就職など通常の社会復帰が困難であること。平たく言えば、前科のある人間を雇う会社は2020年の日本でも極めて例外的で、その背景には、犯罪の「嫌疑」がかかっただけでも常民の埒外に置くという、昨日今日の話ではない「日本特有のメンタリティ」が、濃厚に影響している可能性が考えられます。
さらに、こうした伏流水のような差別意識は、いまだ容疑段階にある収監者に対するありとあらゆる処遇に通底していることを、2018~19年にかけて、ゴーン氏自身が骨身に沁みて痛感したであろうことが、全く想像に難くありません。
パンツの中まで改められる?
あえて他の記事が触れないような点から検討するなら、ゴーン氏は「パンツの中まで改められた」可能性があると私は考えます。仮にゴーン氏が、西欧先進国の司法制度を前提とする常識を持っていた場合、日本の拘置所や留置場、刑務所などでの「容疑者」に対する取り扱いは、人間としての最低限の品位を認めない、いわば常民の埒外である「罪人」への差別に満ちたものと映ったこと、これは間違いないと思います。
具体的には施設によって詳細は異なると思いますが、東京地検特捜部によって逮捕され、小菅の東京拘置所に収監されたゴーン氏は、まず写真撮影と指紋採取など、拒否することができない手続きを踏まされたことでしょう。次いで、入所に当たっては身体検査を受けたはずで、ここでは「自殺の予防と収監者の安全確保のため」などとして、衣服はすべて改められ、ほぼ半裸の状況で「口の中」も改められる。
さらにはパンツの中までチェックされるといった境遇にゴーン氏が直面した可能性があると。これは彼が収監されたと聞いた直後、反射的に感じました。私には「オウム真理教事件」に関連して、1999年から2018年までまる19年間、東京拘置所に定期的に通い続けた長い年月があります。その内聞の、正確なところは分かりませんが、入所者がどのようなプロセスを経るか、については二人称から直接、様々な消息を聞いてきました。
またオウム裁判進捗の過程で、刑法の團藤重光(だんどうしげみつ)先生とご一緒するようになり、2005年以降は秘書役のような形でお手伝いもさせていただき、日本の「矯正施設」のもつ様々な問題を基礎的なレベルから認識するようになりました。 共著「反骨のコツ」を上梓させていただく頃には、大まかにこの種の問題が発生したとき、團藤先生ならどのようにおっしゃるか、見当はつくようになっていました。
そこで、語り下ろしを校正してメディアに発表する原稿のドラフトなども書かせていただくようになった。そうした観点から見て、あくまで私の文責で記しますが、ゴーン事件での日本司法、とりわけ日本検察の失態は「人間の主体性を軽んじ、文化としての法治をないがしろにする、とんでもないこと」と、團藤先生なら、まず間違いなくおっしゃったように思います。
実際、留置場や拘置所では「容疑者」に「観念」させるべく、自尊心を踏みにじるような行為を意図的に行わせるケースが少なくない。というか非常に多いといった詳細は、佐藤優さんを筆頭に、実際に「矯正施設」の現実を知る方々が、あちこちに記していると思います。
日本では、明治41(1908)年に「世界で初めて」作られたとうい「監獄法」が2006年まで残存していました。
これが「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=417AC0000000050)に改められた時期、私は團藤先生のお手伝いをしていましたので、改正されたといっても精神風土を含め、明治41年以来の慣習を引きずっている日本の現実、例えば「代用監獄」の問題(https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/detention/haishi.html)などを知るようになりました。
ゴーン氏が容疑者として、あるいは被告人としてどのような局面に遭遇したか、その詳細はいまだ細かく報じられていませんが、一切読むことのできない日本語の書類/調書に署名を求められて拒否、といった経緯を漏れ聞くにつけ、国際社会では全く通用しない代物であったことは、察するに難くありません。
フランスでは保険加入などでも身体検査は素っ裸で徹底している、といった話も耳にしましたし、ゴーン氏の軍歴などを確認していませんが、素っ裸で検査を受けることそのものへのナイーブなアレルギーは少なかったかもしれません。
しかし「完全武装解除」を意味する素っ裸の状態のまま、口の中を改めるに始まって、佐藤優さんが体験されたような「人間としてのプライドをへし折る」ような真似をさせられていたとしたら、「・・・こんなとんでもない野蛮な国のルールに付き合っていたら、とんでもないことにさせられてしまう・・・」と心を決して、全く不思議ではない。
事実そのような意味内容をベイルートからの第一声からゴーン氏は発し続けています。
国内では「保釈の取り消し」「15億円没収」その他、様々な報道がなされているのに加え「この問題は大したことではない」式の識者のコメントも目にしましたが、ポジショントークというべきでしょう。
日本の刑法もまた。幾多の改正を経たとはいえ、大枠は明治40年、1907年に定められた「法律第45号」が、113年を経ていまだに現行法として有効です。
1945年以降の欧州の観点からは、あり得ない非人間的な内容が、いまだ多々残されているのも、團藤先生、また欧州出身のカトリック神父で法律学者であったホセ・ヨンパルト先生から伺ってきました。
「ゴーン出国問題」はおよそ軽く考えてよい問題ではなく、取り扱いを誤ると、国際社会から日本の法治の信用を完全に失いかねない極めて危険な、デリケートな問題であるのは間違いありません。事態の進展を見つつ、多くの報道と異なる角度から、引き続き検討したいと思います。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。私は、慌てています。もう、これ以上たくさんのことを、ここに載せることは出来ません。後日を期します。今年も宜(よろ)しく。
副島隆彦拝