[2433]丸山穂高議員のN国党入党について

田中進二郎 投稿日:2019/08/03 07:26

(↓の一柳洋氏の投稿文より引用開始)

選挙中、本掲示板でN国の街頭演説に副島さんが応援に立ったらなどとの記事もあったが、当選後の立花代表の行動を見ると、応援に立たたなくて本当に良かった。立っていれば信用を失うところでした。
 N国、立花氏は維新と同レベルか、それより酷いか?。ネトウヨ体質で、クズ議員拾いまくりのハチャメチャ状態。官邸が泳がせているのは、安倍との親和性が高いからなのでしょうか。

(引用終わり)
 
田中進二郎です。一柳氏はこのように、N国党の立花孝志氏が元・維新の会の丸山穂高(まるやま ほだか)衆院議員をN国党に入党させたことを、非難しています。が、立花孝志氏のこの「毒を以て毒を制す」戦略の意味を、おおかたのリベラル派、左翼は理解できないでしょう。

丸山穂高議員は今後、橋下徹(はしもと とおる)氏をはじめとする維新の会や、それとケンカしているように見せかけて本当はつるんでいる辻元清美(つじもと きよみ)議員たちに対する攻撃の急先鋒(きゅうせんぽう)になるでしょう。

7月21日の参議院選挙後、N国党の立花孝志党首は電撃的に、丸山議員と、元・「みんなの党」の渡辺喜美氏と会見。丸山議員はN国党に入党。渡辺喜美氏は入党はしませんでしたが、一つの会派となることを表明。会派名は「みんなの党」となった。N国党支持者たちは、『NHKを見んな!の党』になった、と面白がっています。

丸山議員のN国党入りについて、「立花はおかしい、維新以上の右翼だ」と思われる方は、↓の副島隆彦先生の文章(重たい掲示板 2413 6/25日付)をもう一度読み直された方がいいでしょう。

(以下引用します)

副島隆彦です。 私が、最近で、気になったのは、この事件だ。

(転載貼り付け始め)

〇「維新、丸山衆院議員を除名へ=北方領土「戦争奪還」発言」

2019年5月14日 時事通信

 日本維新の会の松井一郎(まついいちろう)代表(大阪市長)は、5月14日、ロシアに実効支配されている北方領土の「戦争による奪還」に言及した丸山穂高衆院議員(35)=大阪19区=を除名する意向を表明した。維新はこの後、国会内で臨時役員会を開き、丸山氏の処分を党紀委員会に諮る方針を決めた。党内外から丸山氏に議員辞職を求める声が上がった。

 松井氏は市役所で記者団の取材に応じ、丸山氏の発言について「国会議員として一線を越えた発言で、元島民、国民に不快な思いをさせた」と述べ、陳謝した。今後の対応に関し「一番厳しい処分になる。除名だ」と明言し、「議員辞職すべきだ」とも語った。

 丸山氏は経済産業省出身で当選3回。10日から北方領土の「ビザなし交流事業」に参加し、訪問先の国後島で元島民に対し「戦争で島を取り戻すことには賛成か」「戦争しないとどうしようもなくないですか」などと発言した。酒に酔っていたという。丸山氏は臨時役員会に先立ち離党届を提出した。

(貼り付けおわり)

 あとに載せる記事の、丸山穂高(まるやまほだか、35歳)という 日本維新の会を 除名された、「(これから)戦争(をして)で 島を(ロシアから)取り戻すことに(あなたは)賛成ですか」 「(ロシアと)戦争をしないと(日本は)どうしようもなくはないですか」 

 と、この5月11日に、“ 北方領土 (ロシアは、このコトバを認めない)”のひとつの国後島(くなしりとう)で、言ったことで騒ぎになった、あの若い議員のことだ。

 後ろに新聞記事を載せる。 私は、この丸山穂高、という 若い議員の 発言は、大きくは、「ロシアと日本を、絶対に、仲良くさせない。ヒビを入れることをせよ」というアメリカの国家情報部(CIA)と、その手先として動いている者たちが、計画して、ニューズ・メディアに載せたものだ、と思う。

 この丸山発言を、国会で、国会議員たちが、「国会議員としての一線を越した発言として」議員辞職勧告決議(野党) か、譴責(けんせき)決議( 自民党) にしようとした。そして、最後は、なんと、糾弾(きゅうだん)決議という、これまで、聞いたこともない、左翼的な(笑い)コトバで、おしまいにした(6月6日 決議)。  私は、ここで、ふっと、考えた。まだ、この程度の国なのだな、と。

 国会議員たちは、一様に、当惑した。安倍晋三首相も当惑した。野党のリベラル派の人たちも、困惑した。 所属する 日本維新の会の何の役職なのか知らない、創業者、党首(代表)だったの男、すなわち、 偽善者の 橋下徹(はしもととおる)が、即座に、「維新から、除名すべきだ」と 決断して公言した。

 私は、これは、おかしい、と、強く思った。 日本維新の会だから、この丸山発言ぐらいは、平気でしているし、みんな、このように、「ロシアとは、また、戦争をして、今度こそ、勝って、それで本邦領土を取り戻す、ということも考えるべきだ」ぐらいのことを、当然の主張として、政治言論としても、言うべきなのだ。 

 日本の、反共(はんきょう)保守の男たちだったら(女でも、生来、右翼っぽいのがいるから同じ)、これぐらいのことは、日常で、たまに、ぽつりとつぶやいたり、酒の席で、言い合っていることだ。 自民党を支えている、右翼、保守のオヤジたちだったら、みんな、腹の中で、思っていることだ。

 ただし「日本が 戦争をしたって、今のロスケ(ロシア)には、勝てないよー。プーチンは、強そうだからなー」と、言い合うだろう。だから、現実味(げんじつみ)が無いから、だから、言ってはならない、タブー(禁忌)の発言だ、しかも、それを、議員が言ってはいけない、ということになるのか。

 この丸山穂高(まるやまほだか。経歴は、経産官僚上がりのエリートだ) という 若い 政治(家)生命は、これで断たれるのか。 私は、そんなことをするべきではない、と判断する。国会議員たちが、自分たちで、自分たちの首を絞めるようなことをしてはいけない。 

 丸山議員は、「私は、議員を辞職しない。私を除名した維新の会に対して、私は、おおいに不満がある」 と言う態度だ。 私は、この丸山議員の態度が、正しい、と 思う。自由に何でも発言させるべきだ。そして、大きな討論、議論の輪を作るべきなのだ。

「言論の自由」 「思想、表現の自由」 ( 憲法21条) を、日本人は、あまりにも粗末に扱っているのだ。 こういう 丸山議員の発言があったときにこそ、私たちは、真剣に、言論の自由、思想、表現の自由を考えるべきだ。

 だから、この問題は、ただ単に、言論の自由、思想・表現の自由の問題 なのではなくて、それを通り越して、国家体制そのもの に関わる問題なのだ。それをイミューニティ immunity 「国家の免疫(めんえき)」の 問題という。 

 この イミューニティ「国家の免疫」の重要性を、法学部出(で)で、弁護士上がりの国会議員たちなら、知っているだろうか。いや、どうも、彼らでもきちんとは知らないようだ。ヨーロッパ政治思想の伝来、接ぎ木 として存在するのだ、と知らない。だから、今の日本では、おそらく、最高の政治思想研究家である私が、教えるしかない。

 イミューン immune というのは、1。伝染病、ウイルスや有毒から、体を守る機能 
 2.外敵から攻撃を受けることのない防壁、防御策 のことだ。 イミューニティ(防疫、防御)とは、 ヨーロッパの中世の都市国家で、共和政(リパブリーク)である自分たちの国の、指導者、トップの3人(オリガーキー oligarchy 寡頭 という)を、絶対に守る、防御する、という制度思想として生まれた考えだ。 自分たちの指導者を、何が何でも、内憂外患(ないゆうがいかん)から守らなければいけない。 

 自分たちが信頼する 都市国家の指導者たちは、外敵からの攻撃を受けやすい。かつ、内部にも政敵を抱えている。だいたい、「カネと女」のスキャンダル、醜聞 の攻撃である。

だから、自分たちの共和国の指導者に対して、仕掛けられるであろう 攻撃に対して、予(あらかじ)め、始めから、奇妙な攻撃に遭いそうになったときのために、このトップの3人に対しては、「議員の不逮捕特権(ふたいほとっけん)」(日本国憲法では50条) と、「政治家の発言の 無答責(むとうせき)、発言の無責任。絶対に罪に問われない。自由に発言できる」(51条)を定めている。  

 議員は、 国会の中であろうと、自分の演説会であろうと、自由に、自分の政治思想と政策を語ることが出来る。 そして、そのことで、警察や 司法職員によって、逮捕されたり、辱めを受けることはない。 この制度思想が、イミューニティ immunity である。国家の免疫、防御の 思想だ。

 今回の丸山議員の発言は、まず、言論の自由であり、かつ、さらに国会議員として、この「議員の無答責=むとうせき=、発言の責任を問われない 」仕組み、で守られている。この条文そのものだ。  このイミューニティ「国家の免疫」が、日本国憲法に入っていることを、日本人は、甘く、軽く見ている。 警察や 検察庁(行政官)ども が、国会議員を逮捕する、などということが、気軽に出来る国であっては、いけないのだ。

 国会議員の資格を剥奪できるのは、次の選挙で、その議員を、落選させることの出来る国民だけだ。ちょっとぐらいの不品行や、限度を超えた発言であろうと、国民の審判に寄らなければいけないのだ。 

 この イミューニティ「免疫(めんえき)」の条文が、日本国憲法にしっかり、入っていることの重大性を、私たち日本国民は、もっと、真剣に考えなければいけない。 

だから、今、孤立無援になっている 丸山穂高議員を、私は、応援する。そういう国民は、密かに、たくさんいる。本当に頭のいい人間なら、私と同じように考える。あるいは、違和感を覚える。それは、 決して、反共(はんきょう)右翼の、おかしな安倍晋三支持派の、連中だけでなく、本当の本物のリベラル派の人間だったら、「この議員に、もっと、自由に 発言させればいい」と 考えるはずだ。

日本政府のロシア政府との交渉に、この丸山発言は、差し障(さわ)るから、いけない、などど、何を、知ったかぶりのことを言うか。そういう愚か者が、実にたくさんいる。頭が悪いのだ。頭が悪い人間を、のさばらせたらいけない。  

 丸山は、偽善者で、鉄面皮(てつめんぴ)で、二重人格で、生来のウソつき人間である 橋下徹 に 刃向かって、もっと、もっと、こいつに、挑み掛かってゆくべきだ。 「あなたは、私と同じ感じ方をして、同じ考えを持っている人間のはずだ。正直に、言って下さい 」と、 掴(つか)み掛かって行けばいい。それを、見ている、私たち国民にとって、本当に、いい勉強になる。

そういうことを許すと、日本がさらに右傾化して、戦争国家になって行く、などと、馬鹿な考えをするな。その、自分の足りない知恵、おつむ、知能 で。

 この4月に、私が、佐藤優(さとうまさる)と出した対談本「激変する世界を先読みする」(日本文芸社刊)の中で。私は、佐藤優を庇(かば)った。だから、

 「 (歯舞、色丹の)2島 さえ返って来ない、事態になったのは、アメリカのCIAの手先だった、末次一郎(すえつぐいちろう)という、裏のある 男が、表面だけは、沖縄返還の時も、好々爺(こうこうや)の、実に、温厚そうな振る舞いをして、蠢(うごめ)いた。この謀略人間の、末次一郎が、今の、
「旧島民の会」 という、善良さの頂点を突いた、奇妙な組織を作っている。丸山は、この組織の中にいる、本物の 謀略人間に、計画的に、刺されたのだ。

(引用終わり)
田中進二郎拝