[2406]庶民感覚の経済の話をさせてください。
最近の話しです。地元の某地方銀行にて、普通預金の口座を開設しようとしたところ、行員は「普通預金にはほとんど利息がつきません、今お得な投資商品があります、年利8パーセントの商品です」と話しはじまました。
いや私は普通預金の口座を開設したいのですと言いますと、おとなしそうな行員がいきなり形相が変わりまして以下のような話をまくしたて始めました。
「お客さん普通預金には利息がほとんどつかないのですよ、私が勧めている商品には、なんと8パーセントの利息がつく商品なのですよ」私はここ言いました。
「私は普通預金の口座を開設するために来たのですよ」そう言いますと、行員はいきなり切れまして「お客さんあなたは特殊な考えの持ち主ではないですか」と。すぐに私はこの勧められた金融商品が危ないものとわかりましたので、すぐさま断りなんとか普通預金の口座を作りました。
以下の感想を持ちました。
1. マイナス金利の影響もあり地方銀行が相当追い詰められているなと。
2. 普通預金の口座を維持することが銀行にとって重荷になってると実感しました。今後銀行のもつ社会的な役割とはなにか。
3. 行員の勧めた8パーセントの商品とはいったいなんなのかです。もちろん行員の説明は聞きませんでした。この商品に対するヒントは、副島先生の近著「絶望の金融市場」に書かれていることそのものではないかと考えます。ハイリスク・ハイリターン商品を銀行の窓口にてすぐに勧められるという今の庶民生活の実態を知っておく必要がありそうです。
現在の主流派経済学をマネタリストといわれているようです。
偉い経済学の先生の学説を一経済学部出身者が疑問を呈するのもおこがましいのですが、是非庶民感覚として疑問を呈したいと考えております。
マネタリストの先生によりますと、「経済の好況不況の問題は、すぐれて貨幣の供給量の問題である。不況を好況にするには貨幣の供給量をふやさなくてはならない。」「日銀が貨幣を多量に市中銀行に供給することにより好況となる。」このような主張ではないかと存じます。
私の以前からの最大の疑問は、たとえば市中銀行にじゃぶじゃぶマネーが日銀より供給されたとします。ところが、市中銀行に供給されたマネーを一般庶民にどのような仕組みで渡されるのかを明確に言っていないと考えます。新進気鋭のマネタリストの先生の本も読みましたが、その点があきらかではありません。ではなぜ明確ではないのだろうか。
私は、このような金融緩和という手法を使うのではなく、ダイレクトに、国民に1か月10万円なり配れば景気はよくなると考えておりました。副島先生の先ほど紹介しました「絶望の金融市場」に書かれていますが、アメリカにてこのような主張をする経済学者と政治家が出始めているようです。ステフアニー・ケルトン教授とオカシォ=コルテス議員のようです。
先ほどの話に戻りますが、金融緩和されたじゃぶじゃぶマネーが一体どのよな使い道になっているのか。金融緩和のマネーの行き先の一つは不動産投機であることは間違いないでしょう。これについて相当有力な証言となる本を最近購入しました。朝日新聞出版 藤田知也著「やってはいけない不動産投資」です。この著書は是非お読みいただければと思います。
スルガ銀行問題などそれにかかわる深い闇をよく書かれていると思います。不動産投資に関して法律違反が横行している実態を知っておく必要がありそうです。
この著書にあるように、脱法行為、不正行為又は経済犯罪行為が横行した社会で、まともな資本主義を営めるのか。すでに営むことそのものができなくなっているのか。
このことを考えるヒントとしても、前述した二つの書物をお勧めいたします。