[2373]大事なことを書きます。 12月2日の定例会に集まってください。

副島隆彦 投稿日:2018/11/24 22:18

副島隆彦です。今日は、2018年11月24日です。

 まず、カルロス・ゴーン逮捕についてだが、どうも日本政府は、フランス政府(エマニュエル・マクロン政権)との連携で、やったのではないようだ。 

 フランス政府(マクロン大統領)が、日産と三菱自動車を ルノー(仏の国営企業)の傘下に入れて、フランスのものにしてしまおう、という策に出そうだったので、先制攻撃で、日本政府が、日産と、三菱自動車を取り戻した、ということのようだ。

 アメリカ(トランプ政権)に対しては、怖(こわ)くて、何も出来ないが、フランスぐらいには、これぐらいの荒療治を、日本もやるものだな、と、私は、冷ややかに見ている。

だが、あと一歩、その奥を考えると、国家(政府)の連携(れんけい)による、民間資本の大企業の創業者一族が、外国に逃がして管理している、family office ファミリー・オフィスでの、1000億円、2千億円(10億ドル、20億ドル)クラスの資金がある。これらを、政府の統制下に置こうという 各国の官僚たちの秘密会議での、共同の動きもあるだろう。「世界官僚同盟」(world Bureaucratic Union ワールド・ビューロクラティック・ユニオン)という。内密で、世界内務相会議や、世界警察長官会議、世界国税長官会議が開かれている。

 これは、「国家資本主義( state capitalism ステイト・キャピタリズム)」だ。 国家(政府)による、民間経済、産業資本への 統制(とうせい)の動きだ。 統制経済(とうせいけいざい。 コントロールド・エコノミー controlled economy )だ 。

さて、来週の頭に迫りました、12月2日(日)の、私たち学問道場の定例会に来て下さい。
まだ席はあります。 もうすぐ一杯になるでしょう。 

    第40回 副島隆彦を囲む会主催定例会

菅野完(すがのたもつ): 「なぜ安倍政権は倒れないのか(仮)」

副島隆彦: 「世界『帝国』衰亡史 ~ 世界の歴史は覇権国・属国理論でやはり見抜ける」

開催日 2018年12月02日(日曜日)
    開場  12:15  開演  13:00 終了  17:00

 参加費 会員4000円 / 非会員 5000円

会場 「連合会館 2F・大会議室」

アクセス 地下鉄最寄り駅
東京メトロ千代田線 「新御茶ノ水駅」 B3出口(徒歩0分)

・上記定例会へのお申込みはコチラから!↓

http://snsi-j.jp/kouen/kouen.html

※定例会の予定等についてのご質問は、囲む会(メールアドレス:snsi@mwb.biglobe.ne.jp、048-788-1837)へ、お問い合わせをお願い致します。「連合会館」へは、交通アクセスについてだけ、お問い合わせ下さい。

 副島隆彦です。私は、ずっと 「歴史再発掘(れきしさいはっくつ)」(ビジネス社刊) という本を書き上げることに、掛り切りになっていた。はっと気づいたら、1か月が経(た)っていた。なんとか、年内に出版したい。 

 この本 の第1章は、ハロルド・“キム”・フィルビー  Kim Philby
という、イギリスのエリート階級の、そして、MI6(エム・アイ・シッスク)の国家情報部員(インテリジェンス・オフィサー)、簡単に言えば、国家スパイになった、実在の男の話だ。


キム・フィルビー

 キム・フィルビーを、知らずして現代世界の、この100年間の世界政治の動きの真実を、知ることは出来ない。キム・フィルビー(1912-1988)を論じることは、私、副島隆彦にとって、どうしても、避けて通れない、私の人生の重要問題だった。

 キム・フィルビーは、22歳の、ケンブリッジ大学の学生の時(1934年6月)から、ソビエトの NKVD(エヌ・カー・ヴェー・デー、KGB の前身)のスパイ、agent エイジェント に なった男だ。 その生涯の複雑さは、もの凄いものだ。多くの世界的事件や戦争にこの男からの情報が関係している。

 私は、この紛(まぎ)れもなく、史上最大のスパイで、英米と、ソビエト・ロシアの二重スパイで有り続けた男の、真実の話を、ベン・マッキンタイアー(イギリスの The Times 紙の 長年の編集幹部)著 の “ A Spy Among Friends , 2014 “ 日本語訳は、「キム・フィルビー 」 (原書は、2014年刊。中央公論社から日本語訳 2015年刊) を、徹底的に読み続け、そして考え続けた。 
どうも中央公論社 というのは、世界の上あるいは奥 ( アバーヴ・ザ・ラー above the law
雲の上) の組織に日本から参加している出版社のようだ。

 この3年間(2015年の末から)、私は、この本の内容を、ずっと考えている。私にとっては、自分の脳が、すり切れる、と感じるほどの、恐ろしい本である。この本を読むことで、現代史(20世紀史) の100年間の、世界政治のすべての重要なことが、分かった。

 イアン・フレミング原作の「OO7」の第2作目の 「ロシアから愛を込めて」(1963) も、ジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」も、ヘミングウェイの 「誰がために鐘は鳴る」も、 

 ジョン・ルカレの「寒い国から来たスパイ」も、 戦後の大作映画 「第3の男」(オーソン・ウエルズ、とグレアム・グリーン )も、 全部、ぜーんぶ、キム・フィルビーという恐るべき人物の、この男を主人公とする、実話の話、真実の話だったのだ。イアン・フレミングも、グレアム・グレアムグリーンは、キム・フィルビーの、戦争中の部下だった英国情報部員である。

英国のスパイ作家になった者たちのほとんどが、キム・フィルビーをまじかで見ていたことで、退役後、作家になっていった。 

 だから、映画「007(ダブル・オウ・セブン) 」に出てくる、ジェームズ・ボンドの上司の M I 6(エム・アイ・シックス、イギリスの国家情報機関の最高組織 )の長官である” M(エム)” とは、実在の スチュアート・メンジーズ Stewart Menzies  (1890-1968) MI6長官であった。 


スチュアート・メンジーズ

「M」とは、メンジーズ(ミンギスとも、日本では、訳され続けた)だったのだ。

 この男は、WW2(第2次大戦 1939.9-1945.8)の戦争中の6年間、なんと 1500回も、チャーチル首相と会って、ずっと報告している。1500回だ。1日に4回ぐらいだ。何を?

 それは、ドイツ国防軍の ウイルヘルム・カナーリス大将(Wilhelm Franz Canaris、1887-1945)、彼が、戦争中のドイツの 参謀本部の 一角を為している、ドイツ軍の 防諜(ぼうちょう)諜報(ちょうほう)活動の、頂点である、アプヴェーア Abwehr ドイツ国家情報部 の長官であった。


ウイルヘルム・カナーリス大将 、ドイツ国防軍防諜局(アップヴェーア)長官

 そして、このカナーリス長官が、イギリスのスパイであり、上記の、英MI6のメンジーズ長官に、ドイツ軍の動きを、すべて、逐一、知らせていたのである。カナーリスは、第一次大戦のときからのUボートの艦長で、秘密工作の情報将校で、マタハリとも恋愛関係にあった男だ。

 何としたことだろう。これが真実の現代世界史だ。だから、ヒトラーのナチス・ドイツは、初めから戦争に負ける運命にあった。 国家の中枢の情報長官を、敵に取られていたら、戦争には勝てない。ということは、日本の参謀本部(大本営)の軍事行動の決定で、ドイツ軍に送られたものは、すべて、英、米に、知られていたということだ。

 映画「第3の男」の真実のモデルである、キム・フィルビーと、同じ、ソビエトに逃れて、生き延びた、他の二重スパイたちのことは、もう、省略する が、キム・フィルビーの生涯最大の友人、同志だった、ニコラス・エリオット(1916-1994)は、最後まで、MI6の最高幹部として生き延びた。 
 このニコラス・エリオットの父は、イートン校の校長で、今のエリザベス女王を教育した、ご養育係だ。私たちのこの世界の、裏の裏の、上の上の、奥の奥 の 最高組織の 人々だ。それは、まさしく007の 最近作(2015年作)の、スペクター Spectre だ、としか、私には言いようがない。

 キム・フィルビーの父親、シンジャン・フィルビーは、インド(大英インド帝国)へ派遣の高級行政官だが、真実の顔は、まるで、「アラビアのロレンス」さながらの、アラブ人の原住民の衣装を着た写真があるとおりの、サウジアラビアのサウド家を、あやつったサウド家の中興の祖、イブン・サウドの顧問だ。

 もうひとり、ジュージ・アングルトン というアメリカ人がいて、この男が、実質の、米国OSS(オウ・エス・エス 対外情報局。CIAの 前身) の最高人材だったのだが、このアングルトンが、OSSから、キム・フィルビーに、訓練、教育を求めて、ロンドンのMI6にやって来た(1940年12月)。 このアングルトンも、激しく疑われ続けたが、最後まで、ワシントンDCのインテリジェンス・コミューニティで、生き延びた。  

各国のスパイ組織、は、その上の、さらに上の方が、互いにつながって連携している。使い捨てにされる、下級の情報部員や、NOC(エヌ・オウ・シー)や現地の情報提供者(インフォーマント) たちは、これでは、たまったものではない。

 どんなに、フィルビーが、最後の10年以上(1951年から)、イギリスの新聞や、英議会で、激しく疑われて調査されても、「証拠が出ない」と、彼らは、フィルビーを庇(かば)い続け、エリオットの調査、尋問の最中に、フィルビーは、1964年に、ベイルートから船で脱出して、黒海沿岸のオデッサに、逃げおうせて、ソビエトへの亡命に成功する。そして、死ぬまでモスクワで暮らした。 

  その前年の、1963年に、「ロシアから愛を込めて」の 「007」の作品が、公開されている。その内容に、私は、今頃になって驚愕(きょうがく)している。あれはすべて真実の世界政治の先取りだったのだ。あの映画に出た、イタリア女の女優ダニエラ・ビアンキ(、暗号解読機を持って、亡命を希望するロシアの女情報部員、タチアナ・ロマノヴァを演じた) の 美しさを、越えるボンド・ガールは、今に至るも出てこない。と、私が、書いたら、真に映画好き、映画通(つう)の人だけが、私、副島隆彦にひれ伏すだろう。


007ことジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)と、ソビエト情報局の情報員タチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)

 私は、3年前、自分が、家で盗難に遭って、悲しくて、エンエンと泣きながらも、私は、ずっと、この「キム・フォルビー」を読んで、徹底的に、その内容を調べ上げた。この世の、巨大な真実とは何か、を。

 私、副島隆彦が、ずば抜けた世界政治、世界政治思想(ポリティカル・ソート)の 理解者であり、この日本国では、頂点を突く政治知識人である、と、そろそろ分かっている人たちだけは、私が、今、書いていることの本当の重たさを、分かるだろう。 あとの低能たちは、ほっておく。

 私、副島隆彦だけが、この、東アジアの 哀れな国では、世界最高レベルの 政治思想理解を、している。 だから、私に敬意を払う人は、私が、今、書いていることに、本気になりなさい。

 そして、今度、年内には、なんとしてでも、出すこの「歴史再発掘」という本の 第2章は、「外相(がいしょう)松岡洋右(まつおかようすけ)論」だ。

 松岡洋右(まつおかようすけ)は、当時、日本人の頭脳としては、世界のトップに入っていた。

 この松岡洋右を、もの凄く信頼して、心底、信用して、WW2の直前まで、5年間、外相にして、自分の耳、口 のように使ったのは、昭和天皇 (裕仁、ヒロヒト)である。

 それと、近衛文麿(このえふみまろ)首相である。 近衛文麿は、藤原(ふじわら)摂関家(せっかんけ)の、筆頭である 近衛家(このえ)の当主で、だから、「氏の長者(うじのちょうじゃ)」である。

 だから、昭和天皇と、近衛文麿と、松岡洋右 の3人が、大きく、まんまと騙(だま)されて、策略に嵌(は)められて、引っ掛かったときに、日本国は戦争に突入させられた。

 英、米の 最高頭脳、最高 秘密結社 の人々は、ドイツと、イタリアと、日本を、枢軸国(すうじくこく。The Axis ジ・アクシス) という3国軍事同盟の ワル者、悪人(あくにん)の国に仕立てあげた。そして計画通りに戦争に突入させた。

 松岡が、三国同盟( 三国協商とも言った。トライ・アンタント)を作ったのだ。ただし、ドイツのリッベントロップ外相(この男もスパイだった)と協議した上での策だ。松岡は、三国軍事同盟が出来た(この時の駐ドイツ大使、大島浩は怪しい。東郷重徳は立派な外交官だ)、そのあと、イタリアに行きムッソリーニ会い、感激された。その足で、ドイツにヒトラーを訪ねて、ここでも大歓迎され、そのあと、そのまま、ただちにソビエトに向かって、スターリンに、会いに行った。そして、それこそ、抱きかかえられるように大事にされた。

松岡は、「アジアは、日本に任せてほしい。アジア一帯の イギリスの植民地は、日本が解放する(イギリスを撃滅する)」と、いうことで、彼ら独裁者たちすべてを、大(だい)感激させたのだ。

 これが、日、独、伊、の次に、ロシア(ソビエト)までを引き込んだ、「松岡の4国同盟案(戦略)」だ。

 これを、やられたら、英、米は、もう、負けである。ユーラシア大陸を、すべて、取られてしまう。 アメリカを封じ込めて動けなくさせておいて、イギリスさえ撃滅、敗北させれば、と、日、独、伊、ロシアは、自分たちの勝ちだ、と考えた。パリは、1940年の6月には、もう陥落していた。 ”花のパリ”、が、ドイツ軍のブリッツクリーグ(電撃作戦)で、占領されるようでは、ドイツの勝ちだな、

と、 昭和天皇以下、日本の指導者たちは、このとき、頭のてっぺんから、思い込んだ。これが、甘かった。 このわずか、3カ月あとの1940年9月に、日独伊の3国軍事同盟を締結(調印)している。

 松岡が、ムソリーニ、ヒトラー、スターリンに、続けざまに、会いに行ったのは、翌年の1941年4月である。 

 そして、スターリンと「日ソ中立(ちゅうりつ)条約」(互いに戦争をしない、不可侵の条約)を4月13日に結んだ。それから、松岡は、モスクワ駅まで、スターリンに見送られながら、シベリア鉄道で、ハルピンまで来て、そして、そこから、飛行機で立川の飛行場(立飛。たちひ。陸軍航空隊の基地。今は、米軍の横田基地 )まで帰ってきた(4月22日帰国)。近衛首相が出迎えた。

 ところが、その2カ月後。何と言うことか、独ソ戦(どくそせん)が、突如、始まった。

 ドイツ軍が、6月22日に、「バルバロッサ作戦」で、ポーランド国境から、ソビエト領内に、突然、侵攻したのだ。スターリンは、何も準備をしていなかった。慌てふためいた。この独ソ戦の、突如の、開始に、松岡も、青ざめた。

 それで、急いで近衛に合いゆき、そのあと、すぐに宮中に駆け込んで、陛下に謁見した。そして、昭和天皇に、松岡は、「 御上(おかみ)。ソビエトを直ちに、攻めましょう。それしかありません。アメリカと開戦は出来ません。してはなりません 」と、必死の奏上(そうじょう)をした。

 この時、昭和天皇が、烈火のごとく怒って、「松岡。何と言うことを言うか。お前が、つい2カ月まえに、ソビエトのスターリンと、中立条約を結んできたばかりではないか」と。

 この時、日本の最高指導者の中に、分裂が生まれた。近衛とも分裂した。近衛が松岡を嫌いだした。松岡は、「自分は、絶対に外相を辞めない。私が、何とかしなければいけないのだ」と分かっていた。 だが、もう、御前会議(ごぜんかいぎ)やら、帝国国策遂行要項(ていこくこくさくすいこうようこう)やらで、着々と、対(たい)英米 の戦争の準備を、日本軍がしていた。

 日本の軍人や、外務省の中に、アメリカとつながっている、おかしな奇妙な連中がいた。 

 ”海軍3提督””の筆頭、米内光政(よないみつまさ)海軍大臣、 重光葵(しげみつまもる)前外相たちだ。陸軍と海軍の情報部(特務機関)を握っていた、服部卓四郎(はっとりたくしろう)と河辺虎四郎(かわべとらしろう)たちも、アメリカのスパイだ。
 
 だから、彼らの下にいた者たちが、アメリカの手先どもだ。戦争前から、そのように育てられていた。辻政信(つじまさのぶ)や、作戦部長の・・・やら、 戦後は、伊藤忠の会長になった瀬島龍三(せじまりゅうぞう)たちだ。 日本が、戦争に負けたはずだ。 政府の中枢に、敵のスパイたちがいたのだから。

 日本の敗戦は、初めから、このように、情報戦とスパイ戦争 によって、決着が付いていた。天皇と近衛と松岡の負け、である。 松岡の進言通り、あのときロシアを攻めていたら、日本は、いまのような、ワル者の国にされることはなかっただろう。

 松岡だけが、この時、「ああ、オレは、嵌(は)められた。大失策だ。何と言うことか。あいつらの策にまんまと、のせられた」と気づいた。英、米を、大きく、手玉にとって騙(だま)そうという大きな世界ゲームを、松岡は仕掛けたのだ。そして、まんまと騙し返された。英、米の方が、一枚、上手(うわて)だった。 だが、もう、この時には遅かった。松岡のその機転 の、天皇への奏上は、却下された。このあと、重臣(じゅうしん)、閣僚たちから、松岡は、ヒドく嫌われるようになった。天皇に嫌われたのだから。

 あのとき、昭和天皇が、あと、一踏み、踏み込んで、「そうか、松岡。そういうことか。それなら、私たちも奇策に転じよう」と決断するだけの、能力が無かった。関東軍特殊演習(関特演、かんとくえん。を70万人の兵力を、このあと、満州でやって、ロシアに示威したのだから。

 このことを、昭和天皇は、、ずっと、その後の、人生で後悔し、悔やみ続けだだろう。この時から、昭和天皇は、敗戦したあと、日本国の元首(げんしゅ。ソブリン)として、日本国憲法という、座敷牢(ざしきろう)に、自ら入って、ひたすら、日本国の安全を祈る、祭祀体(さいしたい)になった。

「日本は、何があっても、世界を敵に回してはいけない。危ないことはするな」と、周囲に、そして、自分の 子、孫たちに、厳しく戒め続けた。 それが、今の天皇夫妻に、そして、次の天皇夫妻に、そして、その子供の女帝になるべき人(愛子さま)にも、受け継がれている。

 こうして、すべては、初めの第1章の キム・フィルビー の 話につながる。

私、副島隆彦 が、今、書くことを、うーんとうめき声を上げながら、読む人たちへ。それだけの能力がある人たちへ。これが、大きな、現代史の 真実だ。 私の、今度出す、本を、読みなさい。
私が、今、書いたこと以外の、くだらない、日本国内の、政治評論や、戦争歴史ものを、この73年間
書き続け、載せ続けた、 文藝春秋 や、新潮社 や、中央公論 と、いうのは、全部、アメリカと、世界支配の上の上に、いいように使われた人たちだ。 

 来週、12月2日(日)に、開かれる 私たち学問道場の、定例会に、来れる人は来なさい。お茶の水の 連合(れんごう)会館です。昼ぐらいからだ。この、キム・フィルビーの本の、話は、あまり出来ないが、私が、大事なことを話します。

 副島隆彦です。それから、次に、以下の質問のメールが、私の本の読者から来ていたので、この質問は、重要なので、答えて起きました。この問題も、大事だから、よーく、考えなさい。

(転載貼り付け始め)

Subject: 「銀行消滅」 を You Tube AI朗読 で聞いた感想。
Date: Tue, 30 Oct 2018 11:46  
From: ******.ocn.ne.jp
To: snsi@mwb.biglobe.ne.jp

おはようございます。
 さて、本題のみ。 副島氏は、山口薫著「 公共貨幣」をご存知でしょうか?
小生、You Tubeのみで学んでおります。

金融システムについては、 以下の本も買っています。 天野統康 & 安部芳裕。
天野統康氏のYou Tube で学んでおります。参考になれば何よりです。以上。

愛媛、今治市在住 **** 拝。

2018年11月5日 
愛媛県今治市在住  ***さまへ
副島隆彦から

 メールをいただきました。
貴兄からの質問に、答えます。

 私は、この1年間に、貴兄が挙げている 山口薫(やまぐちかおる) 著 「公共貨幣 (パブリック・マネー)」(東洋経済新報社刊、2015年)を読み、ずっと、考えていました。 

 私は、山口薫 氏が、詳しく説明し、推進している、 
政府マネー = 国家マネー = 公共(パブリック)マネー = 中央銀行の
廃止、そして 政府(財務省) への統合 = 政府だけが通貨(カレンシー、マネー)を発行できる。必要なだけ、どれだけでも発行できる。

 という、 この金融制度の 根本的な、改革案 を、 私、 副島隆彦は 強く否定します。 貴兄が、推進している、 政府マネー (通貨、紙幣を発行するのは、政府だけにせよ。

中央銀行の通貨発行権を奪い取り、廃止せよ。中央銀行を政府に吸収せよ) 理論は、根本的に 間違っています。

 貴兄が書く、 「 天野統康(あまのもとやす) & 安部芳裕(あべよしひろ) 」という人物たちは、大間違いの言論人 です。 何でもかんでも、ロスチャイルド財閥が悪で、米ロックフェラー財閥でさえ、その 手先、子分だというような、愚か極まりない憎しみ言論を、 ずっと書いています。  私は、ずっと、不愉快なまま、遠くから彼らの言論を見ていました。真剣に読むほどの本ではありません。

 ナポレオンを打ち破った(1815年。彼は、一代限りだったが、本物のヨーロッパ皇帝だった)あとに、大英帝国の時代が来た。それを金融面で、ロスチャイルド財閥が、支配したのは、真実だ。悪いこともたくさんした。中国へのアヘン戦争とかだ。だが、その力も、丁度、100年後の、1914年(第1次大戦の勃発。米では、FRB設立の翌年)から、新興国のアメリカ合衆国が、世界覇権を奪い取った。

 このあとの100年間は、石油の力で、新興国アメリカのロックフェラー財閥が、世界を支配した。そして、それが、また、100年経って、中国に、覇権が移りつつある(おそらく、2024年だろう)。 このように、100年ずつ、で、世界史を考えれば済むことだ。

 山口薫(やまぐちかおる)氏は、真面目な日本人学者で、名門カリフォルニア大学バークレイ校に留学して、一所懸命に、ジョージ・アカロフ (ジャネット・イエレン前FRB議長 の夫) や、ケネス・アロー(ラリー・サマーズはその甥)ら、ノーベル経済学賞の受賞者の、ニュー・ケインジアン の 教授たちの授業を、6年ぐらい受講し続け、そのあと、シカゴ学派 を勉強した人だ。 

 山口薫は、苦節40年の 経済学者で、真面目な人で、アメリカ経済学を本当によく勉強した人だ。 だが、 彼の行き着いた果てが、 政府マネーを発行して、不況から脱出するべきだ」理論であり、「必要なだけ、どれだけでも、政府が、資金を、必要な 部門、産業界 に、マネーを供給するようにできればいい」 という 国家統制的な手法を、賛美している。

 そうすれば、不況(デフレ経済)から脱出できる、という、マネタリスト(シカゴ学派の中でも、一番、悪質な連中。お札を刷って市中に流せば、不況から脱出できる) そのものだ。 

 このように 大きな制度変更 ( 中央銀行の廃止、政府への統合)をせよ、 という。 貴兄もこの考えに従っているようだ。

 だが、中央銀行(セントラル・バング)というものの、歴史的な役割と、存在意義を、このマネタリストと公共貨幣(パブリック・マネー)論者たちは、分かっていない。

 中央銀行 とは、 イギリスで、発達した、「通貨を発行する権限を持つ者(エクスチェカー the exchequer )」だ。 このエクスチェカー(通貨発行の権限を持つ役人)は、チャンセラー( the chancellor 大蔵大臣、蔵相」とは、役割が分かれている。

 フィナンス finance ファイナンス (王の蔵。王さまの資金倉)を預かるのが、ファイナンサー(財務大臣、蔵相)で、 これが、チャンセラーだ。
アメリカ合衆国では、 トレジャリー( treasury )を 国庫、国家の蔵として、使う。

 エクスチェカーは、金融市場の要求に応じて、市場の法則、流れに従いながら、マネーの量を調節し、インフレを起こさないように、物価を安定させる。この考えが、そのまま、 「日銀法 1条」である。日本銀行の存在理由だ。  

 中央銀行は、インフレを起こさせないことを任務とする。 国王(政府。と チャンセラー)が、いいように、お札(紙幣)を発行して、ジャブジャブと市場で勝手に使う、あるいは、他国との戦争をする資金を作ることを、禁止し、戒めるために、中央銀行(エクスチェカー。通貨発行人)は、作られた。 

 だから、中央銀行は、デフレを退治したり、デフレ(不況)から、回復する仕事は、出来ない。 それは、政府の仕事だ。 そのように、 「デフレから脱出するために、日銀を使うことは出来ません」と、白川正方 前 日銀総裁も言った

 中央銀行は、株式会社であって、民間部門に存在する、奇妙な銀行だ。この考えは、人類にとって、大事な考えだ。 16世紀、17世紀、18世紀 の ヨーロッパの お金(マネー)市場の現実から生まれたものだ。 「(実)社会 (=現実の世界) と 国家(という上部構造。観念、幻想 としての 権力機構 ) の 間(あいだ)を取り持つ 」 、両者を媒介する 媒介項 (パラメーター、中間項 )として、必然的に存在するものだ。

 それ以外の帝国である、、中東のイスラム帝国のカリフやスルタンも、中国の 皇帝 たちも、実は、自分自身が、金貸し業 を、 王の蔵( これが、フィナンス、ファイナンス) を使ってやっていた。 そうしないと財宝を蓄えることが出来ない。帝国を守るための戦争が出来ない。

 日本の 足利幕府 の 実力者、日野富子(ひのとみこ。将軍足利義政の妻)も、自分が、応仁の乱で、対立する 両勢力の初期大名たち に、金貸し業をやっていた。 どうも、 日本の 朝廷も金貸し業を、背後 でやっている。寺社もやっている。 

 愛宕山( あたごやま。吉田神道)信仰は、うらない、まじないで稼いだ、 修験道の道場のように、思われている。が、本当は、無尽(むじん)と言う仕組みで、、京都の商人、事業者たちへの 金貸しの融通の 手法だった。だから、吉田兼倶(よしだかねとも)が、吉田神道を立てて、伊勢神道の白川家を追い詰めて、全国の神社、2万社ぐらいを握った。 

 寺と神社の真実の顔は、占(うらない=近(きん)未来予測、と呪(まじな)い、災難から逃げる策を教えること、で、ご飯を食べ続けたのだ。そうしないと、人々が進んで、おカネを包んでくれない。

 神社も、お寺の、裏で、金貸し業をやっていた、ということだ。それだけ、町衆、商人に、資金の需要があったのだ。戦国大名たちも同じだ。

 戦国大名 (山賊、海賊系以外は)の真実は、 油売り、土倉(どそう、つちくら)、ロウソク売り、などの金貸し業から這い上がった者たちだ。そうしないと、500人と かの 自分の手兵、用心棒、武装兵 たちを、自分の周りに、常駐させることは出来ない。

歴史学者や、 歴史作家というのは、 こういう 泥臭い、人間世界の真実を知らない愚か者の”知識人” たちだ。 **さん。 私、副島隆彦は、そういうのを、全部、叩(たた)き潰したいのだ。泥臭い、お金、銭 の話抜きで、人類の歴史の 真実を語ってはならない。

 いいですか。 政府マネー、あるいは、公共(パブリック)マネーだけにすると、 これは、 これこそが、 フィアット・マネー fiat money 不換(ふかん)紙幣になってしまう。

 正金(しょうきん)=金(きん、ゴールド)に、交換できない、 ただの紙切れマネー だ。

 政府、国家だけが、マネーを発行できる、という ということにすると、それは、国家の暴走 を 生む。 国家体制 が、まさしく、国家資本主義(ステイト・キャピタリズム)か、国家社会主義(ステイト・ソシアリズム)=だ。 これは、そのまま、 まさしく ファッシズム となる。 もう、どうにもならなくなる。

(ここに、あとで、今年、スイス国で、行われた、 この 「政府マネーだけせよ」の 国民投票(レファレンダム)が、否決された、記事を、載せます)

**さん。あなたの 脳は、騙されているのだ。 不換紙幣(フィアット・マネー)の勉強をしなさい。

 シカゴ学派の シカゴ大学 は、すべて  ロックフェラー1世の資金で、作られた、アメリカで、一番、あまたの良い、生来の保守派の 青年たちが入学し、そして、卒業すると、ハーヴァード大学(ニュー・ケインジアン)の教授たちになってゆく。

 シカゴ大学は、アメリカの保守思想の 総本山、権化、牙城の 大学だ。私、副島隆彦 の アメリカ政治思想 研究の本を読みなさい。私は、アメリカの政治思想の派閥を、 14の 流派に分けて、分析した、 「 政界覇権国 アメリカを動かす 政治家と 知識人たち」 ( 講談社+α文庫 、2000年刊) 英語版のタイトルは、 “ Modern American Political Intellectuals “ です。

私、副島隆彦 に、質問をしてきて、「自分は、馬鹿では無い。本当の 本読
みだ。真実を知りたいのだ」と、自負するのなら。 いい加減な、生き方は、やめなさい!

 私は、怒っている。 ようやく、次の本で、 山口薫という哀れ極まりない、
日本では迫害に遭った、かわいそうな、3流経済学者で、終わった男の、その必死の叫びを、 私は、受止めることは出来ます。

 私が書いた、もう一冊 「迫り来る大暴落 と 戦争刺激経済」(徳間書店、今年4 月刊)の、第4章だけで、いいから、必ず読みなさい。そこが、理論編になっています。 そして、私に、また、メールしてきてください。

 私は、山口薫 が、 アーヴィング・フィッシャー を最大級に持ち上げている。フィッシャーは、貨幣数量説=かへいすうりょうせつ=の 生みの親だ。 マネタリストというアメリカ経済学の大きな一派の大家だ。

 貨幣の流通速度(りゅうつうそくど)理論を創った学者。不況時には、政府が、おカネを刷って、市場に、必要なだけ供給すれば良い。そうすれば、不況から脱出できる理論を作った人。 マネタリストの権化(ごんげ)そのものだ。 

 そして、フィッシャーは、1929年の大恐慌で、自分の 株式投資資産をすべて吹き飛ばした。このあと、可哀想(かわいそう)にと、他の教授たちからの、お恵み金で、生活した。

そして、人生に最後に、山口薫が、力説するとおりの、「シカゴ・プラン」という金融政策を提言した。

 人生の最後で、フーヴァー大統領に、「大統領。おカネを必要なだけ、刷って、市場に供給してください。そうすれば、大不況=グレイト・デプレッション=から、脱出できます」 という、 半分正しい。

 日本の、蔵相・高橋是清は、これをやって、昭和恐慌から、昭和8年=1933年=に脱出できた。正しかった。彼は、本当に、優れていた。しかし、日本の軍部の反乱、という策略を作られて、本当は、アメリカに殺された。高橋は、ロスチャイルド家の薫陶を受けた日本の指導者だ。 

 フィッシャー  は、政府が、不換紙幣 を発行紙しさえすれば不況から脱出できる、と 考えた、底なしの愚かさの故に、大間違いだ。

 この フィッシャー を継いだのが、ミルトン・フリードマンだ。この男が、マネタリストそのもので、この男が、どれぐらいの極(ごく)悪人か。 本気で、考えて、分かりなさい。

 このマネタリストの政策を、日本政府も、この10年、アメリカに追随して、やり続けた。それが、「インフレーション・ターゲティング理論」で、略称、「インタゲ」で、正式には、「インフレ目標値(もくひょうち)政策」という。 日本では、伊藤隆俊(いとうたかとし)という御用(ごよう)学者が、安倍政権 の理論的支柱となり、推進者となった。

 あの、イエール大学から帰って来た、ボケ爺さんではない。伊藤隆俊 は、「合理的期待形成(ごうりてききたいけいせい)仮説の学派」で、ロバート・ルーカスの 子分だ。コンピュータと共に、勃興した、「この確立微分方程式の束で、経済の未来予測は出来る。景気の管理は出来る」と言い続けて、それで、大失敗した。

この「合理的に予測(期待)は、形成できる学派」は、リーマン・ショック(2008年)のショックと共に、消滅した。リーマン・ショックが起きたあと、伊藤は、慌てて、東大から逃げて、NYのコロンビア大学に、今も、匿(かくま)われている。グレン・ハバードという極悪人の学者によって。竹中平蔵の親分も、こいつだ。 

 これらの動き、全体を、私、副島隆彦は、冷酷に追いかけて、自分の本にずっと書いてきた。 彼らは、私がやってきた、このことがコワイだろう。

 やはり、ケインズが、天才なのだ。 カール・マルクス と同格の、大天才だ。

 人類は、1920年来から、 サープラス( 余剰生産。作りすぎ。すべてが余る)の段階に突入した 。作っても売れない、在庫の山、だけでなく、生産設備そののもの 過剰、余剰。そして、 最後には、人間(労働者 )そのものが、余ってしまった。

 人間の余剰(これもサープラス) が、恒常化した。 人間を、1回の戦争で、400万人とか、大量に 償却(しょうきゃく。デプリシエイション)= 焼却(しょうきゃく) 処分に するしかない、 という 時代に、 人類は、突入した。ケインズは、誰よりも早く、このことを見抜いた。そして、「雇用、利子、貨幣の一般理論」(1936刊)を書いた。

 ケインズが、どれぐらい、天才であるかを、分からないような人間が、経済学を、言うな。

 その前の、 カール・マルクス の 貨幣(マネー、ゲルド)論 、資本(ダス・カピタール)の諸変態(メタモルフォーシズ)の 研究が凄かった。それが「資本論」(第一巻、初版、1864年刊)だ。

 マルクスの、サープラス・ヴァリュー( surplus value 、剰余価値)の研究も、余剰(サープラス)を研究したのだ。このことの、大天才ぶりを、私たちは、150年後の今、噛みしめるべきなのだ。あとは、凡人たちだ。

 もうひとりのシカゴ学派の大物学者の フリードリヒ・ハイエクは、 ロックフェラー2世の家計教師として、シカゴ大に雇われてきた。ナチス・ドイツからの亡命者だ。ハイエクは、 マネートは何かの研究(金融論)の経済学を、やっていて 「あ、これは、危ないなあ」と、気づいて、経済学そのものをやめた。 
 そして、ハイエクは、以後、死ぬまでの30年間は、自生的秩序(じせいてきちつじょ。スポンテイニアス・オーダー)などの、 穏(おだ)やかな、根本保守の、保守思想の研究に向かった。 

 ハイエクは、これ以上、マネー(貨幣)の研究をすると、危険だ、と気づいたのだ。 ハイエクは、自分の弟子だと、吹聴した、ミルトン・フリードマンを、「君は、私の弟子ではない」と叱っている。

 **さん。もうひとつ、教えておきます。 銀行( 中央銀行を含む)というものが、本性(ネイチャー)として持つ、信用創造(しんようそうぞう)という能力を、奪い取ってはいけない。

 銀行は、おカネを貸し付けるだけで、貨幣を創造してしまう。さらに預金も集まって、どんどん どれだけでも、マネーを生み出せる。この信用創造(credit creation クレジット・クリエイション)は、人類にとって大事なものだ。 勃興する 新興の 成長国家は、この信用創造 機能で、ドッカーン、バッカーン、ボコボボと 豊かになってゆく。 この30年間の中国を見てご覧なさい。

ケインズの 経済政策としての、乗数効果(じょうすうこうか。マルチプライヤー・エフェクト)の理論も、この銀行が本来的に持つ、信用創造(クレジット・クリエイション)の能力 大きくを利用したものだ。 

 この「信用創造」 に 対して、それと似ているが、 人為的、人工的、である、「マネー創造」(マネー・クリエイション money creation )は、絶対に、やっていはいけないのだ。

  それを、今は、この インタゲ( インフレ目標値政策)で、日本も、アメリカも、ヨーロッパもやっている。シカゴ学派そのままの、ボロ真似の 愚か極まりない、政策だ。 

 これに、なんと、今のハーヴァード大学の 学者たちが、支持した。そして、推進している。

 ハーヴァード大学は、本来、ケインズ学派なのに、ケインズ思想を裏切って、裏切り者の群れとなった(その支店のカリフォルニア大学系も)。それが、前述した、 ニューケインジアンたちだ。

 今のハーヴァード大学(隣の敷地のMITも)は、このニュー・ケインジアンのたまり場だ。 本当は、ケインズの裏切り者の集団だ。 彼らは、シカゴ学派に、負けて、屈服した。今やシカゴ学派の亜種(あしゅ)に、成り果てた。
ポール・クルーグマンも、スティグリッツも、ジョージ・アカロフも、ケネス・アローも、みんな、彼らは、、ケインズ思想の裏切り者たちだ。

 却(かえ)って、同じハーヴァード大学内でも、ケネス・ロゴフ と カーメン・ラインハート女史のふたりの学者の方が、正直者で、今は、元気なようだ。 
 このふたりは、何と、「もう、アメリカ理論経済学は、死んだのよ。もう、どうやっても、国家の経済政策(アケノミック・ポリシー)は、うまくいかない。私たち、理論経済学者は、全員、敗北した。だから、あとはもう、政府主導で得、統制経済(コントロールド・エコノミー)をやるしかないわね」 と、 彼女は、言い放った。 ついに、アメリカ経済学は、死んだのだ。

 だから、これからは、統制経済、計画経済、あんなに嫌(きら)われた、ロシアや、中国のような、国家プランニングによる、国家主導経済になってゆく。

アメリカ政府だって、真実は、今も、インタゲ = インフレ目標値政策 から、脱出、離脱、出来ないで、もがき苦しんでいる。

 分かりますか? この 大きな構図を。 私、副島隆彦の金融本を、真剣に、本気で、読む力が無いひとが多い。

 今は、アメリカも、ヨーロッパも、日本も、 この先進国3兄弟、“だんご3兄弟”は、ジャブジャブ・マネーと言って、 財務省が発行した国債(ナショナル・ボンド)を、中央銀行は、どれだけでも、“直接引き受け” (に等しい) して、いくらでも、おカネ、マネーを政府が、調達している。それで、足りない分の 国家予算を穴埋めしている。

 それは、違法行為であり、マーストリヒト条約(=EU憲法)違反だ、と、ヨーロッパ人の指導者たちは、知っている。自分たちが、違法な、やってはいけないことを、現にやっている、と知っている。だから、もう、ECB(ヨーロッパ中央銀行)のマリオ・ドラギ総裁は、この5年ぐらい、全く、記者会見に出てこなくなったではないか。

 アメリカのパウエル FRB議長の、あの険しい、顔つき(この人は、善人だ)と、日銀黒田(この人も、元は善人だ)の、苦しそうな顔つきを、見ていれば、分かることだ。

 だから、山口薫たちが、言っていることは、さらに、このマネタリストの、シカゴ学派とニューケインジアンの相乗り、野合の、インタゲ(インフレ目標値政策。「インフレ率2%になるまで、中央銀行が、資金を出し続ける」)を、推し進めて、尻馬に乗って、遂には、「えーい。中央銀行を、廃止してしまえ。もう、要らないよ」 という、ファシズムの、理論だ。

 ちがうのかですか? 私、副島隆彦が、書いていることが、分かる人から上が、真に頭がいい人だ。 

 私、副島隆彦は、上記のことを、今月初めに発売された、「トランプ暴落 前夜)」(祥伝社刊)の、最終章(第6章) に書こうと思った。だが、もう、へばってしまった。 「もう、無理だ。書かない。疲れ果てた。つぎの本でやります」 と、私が、放り投げた。 「もう、これ以上、難(むずか)しいことを、一冊の本に書くと、読者が、疲れてしまう。もう、これぐらいでいいでしょう」と、私は言った。

 編集長は困り果てた。だが、私、副島隆彦の脳が、 別の本の、「日本人が知らない 真実の 世界史」(日本文芸社 刊) を書いて出した(10月27日刊)ときに、疲れ果てた。だから、私の次の金融本で、私は、上記のことを書くでしょう。

副島隆彦拝