[2371]ニカラグア運河について

会員番号5533 投稿日:2018/11/21 23:55

ニカラグア運河について、副島先生が本で触れられていたので、気になっておりました。昨年でしたか、地元にニカラグアからの民族音楽の演奏グループが来て、行ってみました。お決まりのように、演奏後の出口ではCDを売っていて、買ってみようかと、ついでに運河のことを聞いてみようと思いました。サインをしてもらった後、ところで、中国が作る運河はできましたか?と聞きました。そうしたら、今は止まっている、と言っていました。熱く語り出すと思ったのですが、そんかもんかな、という感じでした。
そして、最近、ニカラグアにいた人から話を聞く機会がありました。1979年からサンディニスタ革命で10年間の内戦を経て、しばらく民主政権(親米)でしたが、2007年から左派のオルテガ政権となりました。ベネズエラ、キューバと連携して、「反米」の姿勢を示しています。昨年のGDP成長率は4.9%で、結構いい数字でしたが、今年の4月から学生デモが起こり、今もくすぶっていて、経済は停滞のようです。仕掛けているのは、ばればれでしょうが、案の定、米国は経済制裁を決議するようです。
ニカラグア運河は、結構歴史は古くて、1889年に着工しましたが、パナマに移りました。それでも、1914年には運河の建設権を米国に付与しましたが、これも1970年に破棄されました。
ニカラグア政府にとっては、地峡の限られた資源と地勢の国で、運河の建設は悲願で、「反米の旗印」としても建設したいようです。2014年に着工式がありましたが、その後、パナマが中国と国交を回復したこともあり、本体工事は着手されていないのは事実のようです。中国は興味は持っているとのことです。
中央アジアのタジキスタンでは、長らく、ログンダムというダム堤が335メートルで世界でも有数の規模の水力発電ダム建設が悲願でした。そして、先週、1つのタービンの作動の式典がありました。実は、建設資金は、自ら債券を発行して市場から調達しています。中国やロシアが支援するかと見られましたが、つい最近まで水問題でもめていたので、中国は政治問題に関わるのは嫌がる「町人国家」ですので、避けているようです。
タジクの例を見れば、ニカラグア運河に中国が踏み切らないのも類推できます。それでも、ニカラグア政府は、「断念していない」ので、タジクに倣って、頑張ってほしいものです。