[2333]GEは自ら白旗を挙げた

相田英男 投稿日:2018/08/02 21:26

続けて相田です。

最初に懺悔します。「ぼやき2057」に載せて頂いた、西村先生の書評についてですが、物理学者のハミルトンが生まれた国を、いきなりイギリスと書いてしまいました。正しくはアイルランドです。西村先生が本に書かれていますが、ハミルトンはダブリン大学の先生をずっと続けて、生涯を終えました。アイルランドから離れることなく、そこで、偉大な物理学の業績を残したことが、ハミルトンの名声を高めています。政治的には極めて危ない間違いですが、単純な私の勘違いです。他意は全くありません。申し訳ありません。

さて、以下もGEの投稿です。最近になりGEの敗北を決定付ける重要な報道が、アメリカでは続いています。記事の主題は、GEデジタルという事業部の、分割と身売りについてです。GEデジタルは、ガスタービンなどの発電インフラ設備をインターネットでつないで、情報をやりとりしてサービスの付加価値を高める目的で、作られました。所謂IOT(インターネット オブ シングス、物のインターネット化)という流れの一環です。世界のIOTの主導権を握るという意気込みで、イメルト前CEO が、金融ビジネス無きGEの収益の支柱として作った事業部が、GEデジタルでした。

しかしフラナリー現CEOは、そんなイメルトの思惑など、バッサリと切って捨てるつもりです。最早、先の事など考えてはいられないという雰囲気になっています。フラナリーは、株主に少しでも利益を還元して、怒りを鎮めるだけで精一杯のようです。

でもこうなると、GEには将来の稼ぎのネタの仕込みが、全く残っていません。これからは、単なるインフラ設備会社として、今ある商品を淡々と売ってゆくだけとなります。三菱重工や日立と何ら変わらない、単なるメーカーになる訳です。

「それでも、売り上げ規模は三菱重工の数倍あるから、まだいい」とか思われるかもしれません。が、株主からは相手にされないでしょう。結局GEは、今の株主達に出来るだけ持ち金を渡して、区切りの良いところで、昔のウェスティングハウスのように、会社をバラけさすのでしょう。その時は、東芝も一緒にまとめて再編成されると、私は思います。車谷会長は、そのために銀行から来たのですね。

(以下は記事タイトル)
BUSINESS NEWSJULY 31, 2018 / 3:18 AM / 3 DAYS AGO
“GE hires bankers to mull sale of digital assets: WSJ”
Reuters
リンクは貼ってませんので、タイトルから検索願います。

相田英男 拝