[227]原発事故~最悪の事態を想定した対策を

横澤 投稿日:2011/03/14 23:33

 今回の大地震と大津波による災害の報道には言うべき言葉もないほど心が痛みます。これは日本全国の人々同じだと思います。救助された人々の映像を見ますと、お年寄りがずいぶんと目立ちますが、誤解を恐れずに言います。私のような、すでに子孫を残すという人としての役割を終えた年代よりも、子どもたち、妊婦、今子育てをしている働き盛りの若者たちに、一人でも多く生き延びてほしいと願ってやみません。
 さて、大津波によって生活基盤のすべてを失った人たちには、この後なんとか頑張ってほしいと思いますし、私も最大限寄付などします。そして必ず復興できると思います。
 しかし、地震と津波は天災であり復興できたとしても、原発事故はその周辺が再び住める土地になるのか疑問です。そして原発事故の処理に、生命を賭けてあたっている技術者、協力企業の技術者や自衛隊や消防などの関係者には、心より敬意と感謝を表します。皆さんこそが真の英雄だと思います。
 それに反し、東京の安全な場所にいる「当事者」の発表には本当に腹が立ちます。なぜなら、彼らは「想定外」とか「安全なレベル」、「ぜんぜん大したことはない」を繰り返すばかりで、肝心な情報は何一つ発表していないからです。「安全なレベル」ならば、なぜ各モニターポイントの放射能測定値をグラフにして公表しないのでしょうか。なぜ原子炉の現在の映像を公表しないのでしょう。外側の建屋だけが吹き飛んだだけで、たいした問題でないならすべてを公表するべきです。負傷した自社や協力企業の社員、かけつけた自衛隊員のけがの詳細を公表すべきです。
 「想定外」の事態などという言い訳はまったく成り立ちません。なぜなら20~30年前から原発反対運動を真剣に取り組んできた我々にとっては、まさしく想定内であり、だからこそ真剣に勉強し取り組んできたのです。この地震大国日本において、活断層の上にもどんどん原発を設置してきた、電力資本と自民党政権はきちがいじみていました。格納容器と建屋はいくら頑丈にしても、地震による電源損傷とか、津波のさいの冷却水の供給不能とかはどうするのかなどです。そして、「とうとうチェルノブイリが日本にも来てしまったか」と暗澹たる思いです。
 管首相が元「市民活動家」を標榜するなら、少なくても広瀬隆氏の『東京に原発を』くらいは読んでいると思います。多くの民主党議員たちもです。(そうでないなら、モグリ市民運動家、エセ左翼です)私も国民の大多数も、今や君ら政府、官僚、大手マスコミにはいささかの期待は抱いておりませんが、君らがこの大災害を起死回生のチャンスと思うなら、増税を考える前に即刻次のことをするべきです。
①各モニタリングポイントの放射能測定値はじめ率直にデータを公表する。もちろん、福島第一原発の負傷者の正確な人数と被曝線量等のデータも。
②半径50キロ、風向きにより100キロ(福島市、いわき市、郡山市、風向きにより仙台市まで~スリーマイル島およびチェルノブイリの教訓による)の人々を避難させること
③これらの子どもたちに即刻ヨード剤を与えること。(ただしこれは万全ではない。なぜなら空気と同じ放射性物質ヨー素131に先回りして、ヨー素が甲状腺に入って後からくるヨー素131をブロックするというものであるから、定期的に与えなければならないと思う。効き目は疑問だが、大人たちは後回しでも成長期にある子どもたちが優先)
④そして国内のすべての原発の即刻運転停止。とりわけ女川、柏崎、東海、浜岡。
 これらのことを、電力業界、通産官僚、原子力××委員会などの抵抗を押し切って断固として行うことこそが、民主党政権にとって今や真価が問われているのです。首相および官房長官の会見は、私には残念ながらこの大災害の責任を東京電力に押しつけ、政権延命の材料にしようとする意図が透けて見えるようでしかたありません。
 私の提案をすべて実行すれば、もちろん日本中大パニックになり、株価暴落インフレ大不況その他諸々の事態が想定されます。しかし、そのことを口先や手先の操作でごまかすのではなく、真実を国民に明らかにし、この国難をみんなで乗り切ることの先頭に立つ覚悟を決めるべきではないでしょうか。
 ついでに、首都圏の輪番停電をするなら、まずNHK、教育とBS123同じ放送しているのを一つにし、民放も2つくらいに順番にするといい。