[216]福島第一原発は、すでに放棄されていて、30キロ圏は人影もないようだ。放射能が飛散しています。少しでも逃げてください。(報告4) 副島隆彦

副島隆彦 投稿日:2011/03/14 09:35

副島隆彦です。 今日は、2011年3月14日 (月) 午前9時です。

このネット通信が、使える限り、私は、学問道場の会員を大事だと思いますので、書き続けます。

緊急で書きますが、私に寄せられた会員たちからの情報文のメールの中で、以下の文が、 一番、おそろしい。 すでに、福島第一原発の一号機が、放棄されているようだ。あの、12日3時36分に起きた水蒸気爆発で、原子炉の 炉心の格納容器 自体 の爆発、すなわち 小さな核爆発を起きたのだろう。 それで、極めて強い放射性物質(放射能)が、あたり一帯に拡散を始めた。 この重大な事実を、日本政府は、国民に伝えようとしない。

そして、今の 恐ろしい事態になっている。 世界中が、日本の 福島原発の巨大な危機を、息をひそめて見守っている。私たち日本国民は、核汚染の 実験材料のモルモットにされている。「羊たちの沈黙」“サイレンス・オブ・ラム”で、静かに、声(死の悲鳴)も上げずに、殺されてゆく。 

西(関西)に逃げても、もう 無駄さ、という 事態にまで、最悪の事態では、突き進む。 東京では、すでに、非難をあきらめて、実質「外出禁止令」になった現実を受け止めて、冷静さと、 無力感で、「もういい.。何があっても、自宅で死ぬ」という気持ちになっている人たちが増えていると、私は、強く感じます。

以下の福島第一原発の 現地にまではいったカメラマンの 森住卓(もりずみたく)氏と、ジャーナリストの広河隆一(ひろかわりゅういち)氏の 報告文が、今は、一番、重要である。

(転載貼り付け始め)

ジャーナリストの森住卓さんからと、DAYS JAPANの広河隆一さんからの現場レポートも添付します。

DAYS_JAPAN  2011.03.13 17:13
 福島原発周辺は、現在のチェルノブイリ原発周辺よりも非常に高い放射線量であることが確認されました。1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発 周辺30キロメートルは、汚染が強いために 現在でも立ち入り禁止とされています。http://t.co/tjTayqf via Twitter for iPhone

皆さん 写真家の森住です。

いま福島第一原発の町 双葉町(ふたばちょう)の取材から帰ってきました。
双葉町役場 や 双葉厚生病院 はすさまじい放射線が出ていました。
チェルノブイリ事故の現場から二〇〇メートルのところより酷(ひど)い。測定器は振り
切れてしまった。 町はゴーストタウンになっている。

住民は慌てて逃げ出した様子だ。病院は玄関前にストレッチャーが斜めになったり、輸血用ビニールパイプが散乱していた。 住民は放射線が出ていることを知らず町に入って,布団や衣類を取りに戻る人もいた。

彼らに危険だから早く避難してと訴えた。 ちょうど、東電が3号炉のガスを放出したと発表した直後に 我々は双葉町に入っていった ことになる。 しかし、双葉町に入る道には検問もなく誰でも入ることが出来た。

森住卓フォトブログに写真をUPしました。

森住 卓
Takashi Morizumi

(転載貼付け終わり)

副島隆彦です。 このように現場からの真実の報告がありました。この 広河隆一氏と、森住卓氏のお二人のジャーナリストだけが、本物の報道人だ。 あとあと称賛されるべきです。 「調査なければ判断なし」、「情報なければ判断なし」 です。 私は、現場に入った人の、現場の近くまで行って、目撃した人のコトバだけが一番、重要で、貴重だといつも考えます。

 もう、日本は、完全に 超 異常事態です。1986年のチェルノブイリ原発事故 以上の 悲惨な 放射性物質の 大量の 広がりが起きています。

あの 福島第一原発 一号機 の 水素爆発が起きたとされる( 3月12日 午後3時36分) 、あれが、本当は、水蒸気爆発(炉心溶融=メルトダウンしたあとの
あとの 炉心の溶融(超合金の炉心の金属が熔(と)けること。おそらく 15000度ぐらいになるのでしょう。たったの2800度ではない)が、下の冷却水に触れて、それで、格納容器ごと吹き飛ぶ、危険極まりない、「水蒸気爆発」そのものだったでしょう。

枝野(えだの)官房長官は、5時45分の記者会見で、あの「爆発事象」を、「水素(すいそ)爆発」だとし、漏れている放射能の値が、1000μSV(マイクロシーベルト)/h(パーアウワ、毎時)が、70μSVまで、下がった、からお格納容器内の圧力が下がって、安全になった、安心してくださいという、恐るべき発表をした。彼は、あとあと裁判にかけられて死刑に処されるべきである。 多くの現場作業員が、あの 一号機の中で、作業をしていただろうか、おそらく、数百名が、あの爆発の際に、即死しただろう。

周辺で被爆していることが確認された(病院に担ぎ込まれて、隠せなくなった)190人の他に、である。 おそらく、あのとき、最強の自衛隊の 核防護隊(かくぼうごたい)の隊員 100名ぐらいも、死んでいる。消防の特殊部隊も、それから、東電の現場の作業員の主要な技術者たちも死んでいる。 死体をどのようにして搬出したかも、分からない。

私、副島隆彦は、今となっては「推測で書くな。事実を確認しないで書くな」という、自分自身に対する、自戒も振り捨てる。 私は、日本国民に真実を伝えることだけが、そして、早く、早く、伝えることだけが、自分の責務だ。 私は、12日の6時には、「もう危ない。逃げてください」と書き始めた自分を信じている。 学問道場の会員たちは、私の言うことを聞いて、できるだけ、西、関西方面に逃げてください。

もう、福島第一原発、そして、第二原発 そして、 女川原発 も 危ないのです。
日本国が、始まって以来の 最大の、存亡の危機が起きているのです。

救援で駆け付けた 米空母ロナルド・レーガン号も、三陸沖をすでに 昨夜は離れただろう。巡洋艦クラスから飛び立った部隊が、壊滅した気仙沼市の救援に向かったが、途中で
昨夜、引き返したようだ。 自分たちが、核汚染(放射能汚染)される前に逃げるに決まっている。30万人の被災者たちは、このあと、細々と救援が続いた後、見殺しにされるだろう。 自衛隊の10万人(今、警察と合わせて5万人)が、さらに動員される、というが、なかなか現地に向かわないのではないか。核防護服が無い、とか、なんとか理由をつけて。

もういい。私は、もう、決めた。はっきり書きます。最悪の、最悪は、炉心爆発=核爆発 です。きのこ雲が、上がるかもしれない。広島、長崎 の 原爆(アトミック・ボム)の破裂と同じ、核爆発(ニュークレア・エクスプロージョン)です。 

そして、昨日(13日)昼から公然と、言われ始めた、3号機まで が 危なくなってきた。 こっちは、プルサーマル燃料と言う もっと危険な 物質を 最近から、使い始めていたらしい。 これだと、冷却液を上からかけて、泡状(フォーム)にして、放射能の広がりを防ぐ、というのも効かない。 おそろしい事態です。

そして、福島第二原発と 女川原発も危なくなりつつあるようだ。女川は、仙台市に近い。 今度の 大地震の 震源地が、その東側の 海溝の淵にある。
 
さて、東京の様子です。 東京(首都圏)で、3月14日  朝から JR通勤電車 が、ほとんど運転停止しました。 新幹線だけは動かすようです。東海道線さえも止まりました。 私鉄の各線も 申し訳程度で都心への短い距離だけを運行するようだ。 それと東京電力が、午前6時から、停電 を始めたようだ。 東京電力のテリトリー(経営圏)を「グループ」に分けて、一日 3時間ずつの停電を実施する「予定」と、NHKで昨晩から盛んに放送しているが、どのようになるのかは不明です。
 
 私、副島隆彦が、今、唯一、自分を支えている思想は、それは、若い人たちを守らなければ、ということです。若い人たちだけは、西に逃がして、放射能の汚染から脱出させなければ、ということです。 成長が止まった、30歳から上の大人は、あとあと、甲状腺異常や、 白血病になる率は少ないです。 10代の若い子供たちだけは、出来るだけ早く、西に、関西に疎開させなければならない。 若い日本人たちを救わなければ。今、私を支えている思想は、たったそれだけです。

(転載開始)

****さまへ

副島隆彦から 2011年3月14日 朝5時 

メールをありがとうございます。
 私は、今、**** にいます。 今日から、停電が始まります。 それと、車の ガソリンが、どんどん無くなっている。 スタンドが 供給しなくなっている。 今日(14日)の 朝 8時半になったら、車で 下におりてみようと思います。 もう どれだけのことができるか、自分でも分かりません。

電力と ガソリンを 奪われたら、 私でも もう無力です。昨晩は、東京のことばかり考えていました。そうしたら自分の足元まで、 危なくなってきました。 それでも、 私は、もう 爺さん だから、 じっとしてここにいます。 ただし、 放射能汚染が、強度に広がってきたら、西に移動するでしょう。しかし、自動車も奪われたら、もうどうにもできません。私は、事故を起こした 原発のあ る福島に向かってひとり、 死出の旅に出ようかとも思います。

 私は、しまった、自分でも こんなに 甘かった。 ここまで、ひどいことになっていたのだ。 枝野の あの テレビ会見 発表の 悪魔の 大嘘のコトバに、私だけは、だまされないと思って書いてきました。 みなを振り切って、あれが、 核爆発(炉心の格納容器の爆発)、水蒸気爆発 だったのだ、 と もっと騒いで、書くべきでした。

 私たちの世代( 50代から上) は、もういい。 諦めがつく。 しかし、いまの 30代から下の日本国民を守らなければならない。そうしないと、この国を 復興できない。 
私は、この考えを、今後の自分の 大危機の際の 思想 の 土台・基本 にしています。 **さん。貴女も お元気で。 副島隆彦拝 

Sent: Sunday, March 13, 2011 8:26 PM
To: 副島隆彦
Cc: ***********

副島先生
****です。(携帯電話のメールから)
すごい地震でした。自宅と職場はぐちゃぐちゃですが怪我もなくやっています。
福島県では津波を受けた海沿いを除いて、極端に大きな被害はないようです。
しかし、原発の問題は今後予断を許しません。あまりにお粗末な対応だと思います。

勤務先の***高校も 原発関係避難場所 に指定されました。明日からは、支援業務に就きます。 原発からは50km以上は離れていますが、他人事ではありません。自分が怪我をしないように働きます。 ****

From: 副島隆彦
Sent: Sunday, March 13, 2011 9:20 PM
To: ***************

****君へ   副島隆彦から
 ご自分の 安否の連絡の メールをありがとう。
君は、まさしく 今の悲劇の中心地の 福島県 の 中通り の ***高校 の 教員ですから、
大変な 危険のさ中に、今も生きています。 君の無事を祈ります。 しかも、公務員ですから 職場と 現地を 離れることは出来ないでしょう。 離れても生活が成り立ちませんから、 諦めて 郡山 にいるしかないでしょう。 このあと どんなひどい 原発事故になっても、 そこにいるしかない。

**君。 私たちが知り合って、もう20年です。 私たちが生きている 間に 日本に こんなことが起きるとは、 本当に 驚きの中に私は、呆然としています。 戦争に突入する よりも こわいことになってしまいました。 人の世には、こういう 恐ろしい大参事と言うものがあるのです。

思想家 を自認してきた、自分の 予想を超える 巨大に 異様な現実です。 呆然とします。
現実というのは、これほどに 人間(人類)と言う愚かな生き物の 運命を はるかに超えて、 荒々しく襲い掛かってくるものです。

私は、もう自分の 命は惜しくない。 ただ、若い人たちの 命の ことを考えると、本当に
悲しい。無念でならない。若い人たちが可哀想でならない。私は、ひとりで泣き崩れています。 彼らが、出来るだけ放射能の汚染の被害に遭いませんように、と天に祈るしかない。

人間は、本当に無力な生き物です。 やっぱり原発 は やるべきではなかった。 私は、10代の高校中退の 17歳の頃から、全国各地の 原発反対闘争(女川にも行きました。四国の伊方=いかた=原発にも行きました) の 現地闘争本部での集会とかを、ぶらぶらと回っていた人間です。 そしてあれは、まだ少年であった私には、ただの 時代のファッション、熱病 でした。 そして、大人になって、次第に 保守化して、この強固な政治思想を持つ私でさえ、 現実と取引しながらいい加減な人間になって、「物わかり良くなって」、 そして、 原発を嫌がりながらも、 現実肯定派の、 「電力が必要だから」という くだらない 思想に 、私も 半分以上 負けてしまっていました。反省することしきりです。自分の過ちを、今、天に向かって、謝罪し、悔いているところです。

 思想家としての 自分の 慙愧に満ちて、口惜しく、深く 反省すべきことです。私もまた、日本国民殺しに消極的に加担してしまいました。  やっぱり、 人間や民族に 天罰と言うのはあるのです。 私は、日本民族(日本国民)が、この60年間、自分たちだけ、戦争に行かずに済み、戦場になることもなく、この66年間を、のほほんと 生きて、かなり、 慇懃無礼(いんぎんぶれい)な国民になり尽くしていた。悲惨な目に遭っている国々対して、おもいやりのない他国・ 他民族の苦しみに 鈍感な、傲慢な 国民(民族)になってしまっていたことに、 本当に、 天( 神さまでもいい) が、天罰を食らわしてきたと、 考えざるを得ません。 それも 次々と 原発が、 炉心溶融(ろしんようゆう、メルトダウン)による凶悪な放射性物質の散らばり、という 恐ろしい 罰を加えてきています。これから、数百万人、いや、1千万人を超える日本人が死ぬことになるでしょう。 こんな、おそろしい 罰を、 私たちは受けることになってしまいました。 私は、今、ひとりで、恐れ おののいています。 なんと、かわいそうなことになってしまった民族なのだ。 そして 子供たち、若者たちが、 不憫(ふびん)でならない。

なんという 悲劇 と 慟哭 を、 私は、自分が生きている 間に、こうして、味合わなければならなくなったことか。 私は、今の今もまだ、 これから襲い来る 本当の 恐ろしさをまだ、自覚していないこの民族 の 前途を思うと、 本当に、 全身が震えます。

**君。 なんとか、生き延びてください。 そして、互いに 元気で再開できますように。
君の 幸運を祈ります。    副島隆彦拝

(転載終了)

 副島隆彦拝