[2010]「トランプが勝った」マイケル・ムーア監督が断言 アメリカ大統領選・テレビ討論
副島隆彦です。 今日は、2016年10月1日です。 ああ、もう10月か。
中秋だ。
私は、人間の思考変更、思考転換、ある人の考えがあるときに、がらがらと変わること、思想転向( conversion 、コンヴァージョン、recantation リカンテイション、turn-over ターンオウヴァー)改心、改宗、回心、の研究者であり、綿密な観察者である。
私は、人々が、微妙に、自分の考えを 変更させてゆく途中を、いつもじっと見つめている。私は、自分のまわりにいる人間たちを、モニターリング monitoring する。 私から、実験材料にされ、観察されているのだとも気づかないで、私のまわりの人間たちは、複雑なおのれ(自分)の 揺れ動く、考え、意見、感情を吐露する。
まず、1.自分の限られた範囲からの、情報と知識と、事前からの刷り込み(インプリンティング)に従って、自分の意見を形成する。
2.自分の生活に密接に関係しない、他人事(ひとごと、たにんごと)であれば、嘲笑(ちょうしょう)するか、どうでもいいことだから、鼻で嗤(わら)って、冷酷な判断をする。「この女優も有名人(ベッキーとか )も、これでおしまいだな」(ところが、ベッキーは悪役として復活する。皆の気になる存在として )、 「こいつ(プロの運動選手)も、(能力で)これぐらいが限度だったんだ」とか、「この政治家もやられちゃったよ」 と。
3.自分の情報、知識の収集は、実に限られた範囲だから、そのあと、自分の思考( thinking ability スイインキング・アビリティ) を使って、少しだけ、思考の積み上げをする。 これは、分析(analysis アナリシス)である。
4.ここで、自分の判定 判断 が生まれる。 この判断(judge ジャッジ)は、出来るだけ客観的であり、周囲の人間たちと調和の取れたものでなければいけない。そうしないと、まわりとの1.の意見、考えに、齟齬(そご)、食い違い、意見の対立が生まれて、自分の生活に小さな波風(なみかぜ)が立つ。
それを、普通の人は嫌う。
5.自分の判断、判定は、やがて「やっぱりそうだ」という 信念(belief 、ビリーフ)にまで自然に高まる。
この5.の信念が、 6.確信( confidence 、コンフィデンス、assurance 、アシュランス )まで高まると、政治場面では、党派的になる。これには、強い感情)(feelings フィーリングズ)が加わる。
このあとは、7.信仰(faifh フェイス )、宗教的な信念(religious belief レリジャス・ビリーフ)の段階に入ってゆく。 信仰、宗教の領域にまで入ると、もう、簡単には引き返せない。
1.の情報、知識の収集の段階から、随分と遠いところに来てしまう。あるいは、意識的に、相当の高みにまで到達する。 このあと、その人は、一体、どういう人生を送ることになるのか。
私、副島隆彦は、ずっとこういうことを、毎日、考えて生きてきた人間だ。私の専門(proper プロパー)のひとつは、人間観察(学)である。人間(人類、人 ひと、 human species ヒューマン・スピーシーズ、mankind 、マンカインド )という 奇妙な生き物への 冷ややかな観察に終始する。
ただし、この場合、この愚か極(きわ)まりない人間という、共同幻想(きょうどうげんそう)に支配されている、集団生活をする 生き物に、自分が含まれる。このことを私は十分に自覚している。 自分(おのれ)もまた、自分自身の実験材料であり、冷酷な観察の対象である。 ただし自己愛( 種の保存の欲求)があるから 自己破壊には簡単には至らない。自己破壊まで至ると、8.狂気、狂信 の問題が出てくる。
ニーチェという思想家が、この問題をずっと考えた。
人間の思考は、どんな人にとっても、ぐるぐると円環(えんかん)して、1.から8.までを毎回、毎回たどっている。それを無自覚に、一瞬のうちにやっているか、自覚して、ゆっくりと 緻密な自己観察(省察、しょうさつ)、自己分析、自己解剖としてやるかの違いだけだ。 後者を、優れた人間という。
だから、大切なことは、対象の問題を、じっと考えることだ。 自分自身の思考、判断 を、自分自身で、まるで、外側から観察するように、何回も何回も反芻(はんすう)することだ。私は、街を歩いている自分を、そとがわに、外側に、「あ、あそこに自分が歩いている」と、最近、見えるようになった。 これは、1.から8.のうちの、どこかでの思考作用だろう。 「私たちは、永遠に何度も、何度も 今、を繰り返す」。
副島隆彦 記
(転載貼り付け始め)
「 「トランプが勝った」マイケル・ムーア監督が断言 アメリカ大統領選・テレビ討論 」
The Huffington Post ハフィントンポスト紙 執筆者: Ron Dicker
投稿日: 2016年09月29日
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/29/michael-moore_n_12242176.html
「我々は負けた」。9月26日に行われた共和党候補ドナルド・トランプと民主党候補ヒラリー・クリントンのテレビ討論終了後に、リベラル派のドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアがツイートした。
トランプを大統領にさせたくないムーアなのに、トランプがクリントンに勝ったと発言している。「もう終わりだ」と投稿したムーアのツイートは、メディアでも波紋を呼んでいる。
もう終わりだ。エゴイスト、人種差別主義者、ナルシスト、嘘つきのトランプが「勝利した」。我々は負けた。トランプの支持率は上昇するだろう。ヒラリーは真実を語った。何が悪いんだ?
ムーアは、勝利したと思ってお祭りムードになっているクリントンのサポーターに対し、アメリカンフットボールになぞらえた警告を鳴らした。
満足気なヒラリー派は、まだ50ヤード地点にいるのにエンドゾーンで踊るようなダンスをしている。エンドゾーンまでボールを持ち込まないと、トランプが勝って好き勝手にやらかすぞ!
ムーアは、ハフポストUS版に投稿したブログですでにトランプ勝利を予想している。しかし、トランプが大統領選を闘う上で重要な勝利を収めたとするムーアの最新の発言は、左派、右派どちらのメディアでもニュースとして取り上げられた。
ムーアは26日、クリントンのパフォーマンスを称賛し、「絶妙なユーモアセンスがある」と強調した。ムーアはしかし、クリントンの熱烈なファンたちにも、クリントン勝利のために何か個人的に行動したかを問いかけた。「そうでなければ、クリントンは負けだ」、とムーアはツイートした。
大事な話 : そこの君、クリントン勝利のために今日何かしたか? そうでなければ、クリントンは負けだ。勝ったと思って、安心していい気になっていたなら、クリントンは負けだ。
もちろん、ムーアの予想が外れたこともある。2012年、共和党候補ミット・ロムニーが大統領のバラク・オバマに勝てると予想していた。
ハフポストUS版編注 : ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた、嘘ばかりつき、極度に外国人を嫌い、人種差別主義者、ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦 記