[2004]ヒラリーに、嫌々(いやいや)ながらNYで会った安部首相。

副島隆彦 投稿日:2016/09/21 07:00

副島隆彦です。今日は、2016年9月21日です。

 台風16号は、昨夜、名古屋のあたりから木曽山脈にぶつかって消えてしまった。温帯低気圧に変わったのだそうだ。嵐(あらし、大風)がなくなってただのじゃぶじゃぶ雨になっ
た。 台風は、日本列島を過ぎたあたりで、力がなくなって消えてしまうもののようだ。

 私は、3年前に、台湾に行った時に聞いたが、台湾や、フィリピンそれから、沖縄などは、台風が生まれたばっかりだから、物凄い風だそうだ。生まれたばっかりの台風の強大なエネルギーを、日本本土の人間たちは、知らない、らしい。台風は、日本まで来ると(あるいは、中国大陸に上陸すると) 一気に、力がなくなるものらしい。それでも、あの強さだ。

 自然との付き合いでは、とても人間は未(いま)だに勝てない。 自然(災害)をサイエンスの力で、制御しようとする試みはこれからも、じわじわと進んでゆくのだろう。

 台風(タイフーン)というのは、北米大陸の東岸では、これをハリケーンという。名前が違うだけで、まったく同じ現象だ。インド亜(あ)大陸の東岸にも熱帯性のモンスーンがある。きっとアフリカ大陸の東岸にもあるだろう。

 さて、以下に載せる記事は、日本時間で、昨日20日の午前7時ぐらいだろうから、ニューヨークでは、午後5時ぐらいだと思うが、安倍首相が、ニューヨークで、ヒラリーに会った、という。記事を読むと、「ヒラリーの方から要望があって」、「ヒラリーの方から、ホテルに会いに来た」 という形になっている。 中身なんか何もない。

 ヒラリーにしてみれば、「せめて、日本 (安倍政権) だけは、私を見捨てないで」という感じだ。 ヒラリーは、国際社会(=世界政治)では、もう誰からも相手にされていないのだ。それなのに、日本の安部晋三だけは、義理立てして、自分が所属する 世界ネオコン勢力の、弱々しい、今の代表である ヒラリーからの誘いが有れば、会わないわけにはゆかない。

 安倍たちは、日本国内は、自分たちのやりたい放題の、いつもの謀略政治で、圧倒的に強い。しかし、日本を一歩出たら、何の力も無い。貧乏な国にお金をばらまいて歩かないと、どこの大統領も相手にしてくれない。

 安倍晋三だって、いくら、アホでも、「次はトランプ大統領で決まり」(日本では私、副島隆彦がこの5月から使い始めた標語)だ、と分かっている。だから、なんとか次のトランプ政権との人脈作りのために、動き回らないと、いけないのだ。 

 それなのに、日本の首相はヒラリーと会ったそうだ、となったら、トランプ派の高官や、米財界人たちから、疑われる。日本は何を考えているのだ。世の中の動きが、何も分かっていないのか、と。

 次はトランプだ、と判断したら、トランプとNYで、会うのが筋(すじ)だ。それを、負け犬の老女(ろうじょ)のヒラリーと会う、会わざるを得ない、ということは、安倍政権にしてみれば、イヤなことなのだ。 第一、トランプ政権になったときに、東アジア政策の安全保障(=軍事、国防 )チームになるであろう 高官たちから、ものすごく嫌われる。

 もう、リチャード・アーミテージ(たこ坊主の、外国謀略の親玉)とマイケル・グリーンは、お払い箱だ。安部晋三の 助言者たちは、もうワシントンで失業するのだ。

 3月2日と、8月に、この二人は、それぞれ、100人、50人の、外交政策の専門家集団 (foreign policy experts フォーリン・ポリシー・エキスパート)として、オープン・レター (公開意見表明)に自分も参加して、「トランプ氏は大統領にふさわしくない。その能力が無い」と公然と叩いて、反旗を翻した。だからワシントン政治で、お払い箱だ。

 次の東アジア政策の主要な人物は、マイケル・フリン(中将。DIA=防衛情報研究所長官あがり)だ。こういうことを、私の「トランプ大統領」本(7月1日刊)で細かく、書いた。

そのあとのことは、この10月11日には、全国で発売される「(入院しても)ヒラリーは逮捕、投獄される」本(光文社刊)に書いた。 たった3週間の 突貫工事=緊急出版で、この「副島隆彦のヒラリー予言本」を書いた。この3ヶ月の間に大量の情報をアメリカから入手して必死で分析して書いた。そのために、かなり体に無理が出た。が、もう元気になった。私の次の予言 が当たるか、乞うご期待だ。

 だから、安倍晋三たちは、世界から見たら、ただの“お上(のぼ)りさん”の“田舎者”だ。田舎者(いなかもの)は、なぜ、田舎者であるか。 私、副島隆彦は、10年前に、九州の福岡で講演したときに言った。「なぜ、田舎者は田舎者であるか。 それはですね。田舎に住んでいるからです」と。 

 ただし、私はそのあと、急いで付言(ふげん、付け足し)して、「私も九州の出身です。九州から東京に出て苦労しました。なぜなら、何の伝手(つて)も、守ってくれる人たちも、所属する集団もなかったから。自力で這い上がるしかなかった。だから、私が田舎者をただ、軽蔑する、ということはありません」と。 
 日本国政府は、アメリカから命令で、「アメリカ研究( American studies 、アメリカン・スタディーズ)をさせて貰(もら)えないのだ。ウソだと思うだろうが、本当だ。日本には、現在のアメリカを、最先端の世界基準での研究をしている者はいない。外務省の中にもいない。だから、アメリカの政治世界の本当のところを、誰も何にも知らないのだ。

 だから、首相が ニューヨークとワシントンに行くと、世界の田舎者(かっぺ)だから、何にも知らない。どうしていいか、分からなくて右往左往する。 「誰か、本当にアメリカの政治の動きを知っている日本人はいないのか。ヒラリーはどうもダメじゃないか。トランプが勝つじゃないか」と、補佐官たちが大慌てだ。だから、彼らは、私、副島隆彦の本を読むしかないのだ。 それが、今の日本の 国際政治であり、外交の実態だ。哀れなものだ。 

 日本でも「アメリカ学」 や、「日米外交史」をやっている学者たちがいて、日本の主要な大学に必ず居ることになっている。が、実際にはいない。暗愚(あんぐ)の人間たちだけだ。もし、いるのなら、私、副島隆彦の仕事がなぜ必要なのか。

 誰も本当のアメリカ政治分析、アメリカ国内の政治勢力、政治思想 の動向調査を、全くやってないから、出来ない、から、その穴を埋めるために、仕方なく、私がやっている。  これが現実だ。  副島隆彦 記 

(転載貼り付け始め)

●「 首相、ヒラリー・クリントン氏と会談 日米同盟の重要性確認 」

2016/9/20  日経新聞、ニューヨーク
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H08_Q6A920C1EAF000/

 訪米中の安倍晋三首相は19日午後(日本時間20日朝)、米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン前国務長官とニューヨーク市内で会談した。首相は「安全保障環境が厳しさを増し、日米同盟の重要性は高まっている。さらに強化したい」と指摘。日本側によると、クリントン氏は「日米関係は地域、世界の平和や繁栄にとって重要だ」と応じた。

 環太平洋経済連携協定(TPP)を巡っても意見を交わした。会談後の日本側の説明によると「それぞれの基本的な立場を述べた」という。首相が早期承認をめざしているのに対し、クリントン氏はTPPに反対の立場をとっており、こうした姿勢を示し合ったとみられる。
 
 北朝鮮の核実験や中国による海洋進出問題などでも意見交換した。ニューヨークで起きた爆破事件を巡り、首相は「犠牲者が出たことにお見舞い申し上げる」と伝え、クリントン氏は「直面する脅威への取り組みを強化しなければいけない」と語った。

 会談はクリントン氏側が申し入れた。クリントン氏が大統領選に勝利した場合に備え、関係を深める狙いがあるとみられる。両氏は2014年9月にも国連総会を利用し、女性関連イベントで対談した。クリントン氏は内閣改造などで積極的な女性起用をしている首相を「有言実行の人だ」と評価していた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦 記