[1962]浅川京華氏の文章に共感

赤石修一 投稿日:2016/08/02 14:44

 会員番号5367赤石修一です。
自分も女が人間の原型であることは、渡辺淳一氏の小説で薄々気づいてはいたのですが。
 福岡伸一氏の「できそこないの男たち」を読んだ時は、副島さんの本を読んだ時と同じような、ショックを受けました。
「引用はじめ」
 他人から見ると実にしょうもないものをチマチマ集めている人がいる。男性に多い。なぜだろうか。福岡ハカセの仮説
は次のようなものだ。生物の世界、はじめに雌があった。雌が生命の基本仕様。メスは誰の力も借りずに自分の
子孫を増やすことができた。いわゆる単為生殖。今でもアリマキ(別名アブラムシ。ただしゴキブリとは違います)の
ような昆虫はそうやって増殖する能力を保持している。だからものすごい速度でどんどん増える。同じ個体に由来する
同じ遺伝子を持った子孫、つまりクローンである。
 この仕組みは効率が良いが、一つだけ不利な点がある。環境が良好なうちは良いが、環境が激変した時、生き残りう
るような個体間の多様性を生み出せない、ということである。
 そこで雄が作られた。雌を作りかえることによって。雄の役割は、クローンとクローンの間を橋渡しすること
である。もうちょっとありていにいうと、ママの遺伝子を別のメスに届けるメッセンジャーボーイ。これによって遺伝
子がシャフリングされ、多様性が作り出せるようになった。だから以降、多くの生物は、単為生殖から有性生殖に生存
戦略を切り替えた。アリマキは器用な生物で、良い季節の間だけは単為生殖で増え、寒くなり始めると雄をつくって
有性生殖をする。
 このように雄は、本来、雌の使い走りだったのだ。しかし雌は欲張りなので、そのうちに単に遺伝子を別の雌に届けるだけでなく、帰り道、食料や水を取ってこさせたり、棲家を作らせたり、あるいは花でも摘んでこいとい
う具合に雄を便利に使い始めた。そうしないと交尾させてもらえなくなった。おみやげがないと怒られるようになった。
そこで雄たちは汲々とするようになり、ちょっと余分に獲物があったような時には、それを帰路のどこかに貯め、
隠すことを覚えた。あるいは、雄どうしで交換したり、貸借りするようになった。
 これが契約を作り、経済を生み、社会を作り出した。モノ集めの起源も実にここにあったのではないだろうか。
                          男がモノを集める理由(生命と記憶のパラドクス 、文集文庫)
「引用終わり」

「できそこないの男たち」を凝縮したような文章だったので、
貼り付けました。本質を鋭く解き明かす文章には、感動があります。
副島隆彦先生の経済の本を初めて読んだ時に、経済の本は最新版が命と疑わず信じていたことが、植え付けられた記憶なのか・・・・涙が溢れてどうしょうもなかったことを想い出しました。
最近よく来る変なメール、読む気にもなりません。