[1959]Re : 守谷健ニさんのご論考について

会員番号3260 投稿日:2016/07/29 00:09

はじめまして、会員番号3260と申します。

アメリカに家族と移住して約10年が経過しました。
日本語を母国語にしない人たちに自営業で日本語を教えています。
いまの生徒の大半は中国語が母国語の女性たちです。
ただ残念ながら、
まだこの仕事だけで家族を養えるレベルには至っておりません。

副島先生の著作は10冊以上、購入させていただいております。

最初に購入したのはたしか、
「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」でした。

副島先生には失礼ながらウィキペディアをざっと参照したところ、
その他に私の手元にある本はたとえば

「日本の秘密」
「戦争経済(ウォー・エコノミー)に突入する日本」
「帝国の逆襲 金とドル最後の闘い」
「思想劇画 属国日本史 幕末編」
「英文法の謎を解く」
「続・英文法の謎を解く」
「隠された歴史 そもそも仏教とは何ものか?」
「『個人備蓄の時代 自衛自活の”要塞”を築け!」
「原発事故、放射能、ケンカ対談」
「次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた」
「副島隆彦の今こそ金を買う 世界恐慌を生き抜く!」

などだと思います。

さて私がここで書きたいのは、
守谷健ニさんのご論考についての感想です。

非常に勉強なり、説得力があると思います。
そして、たいへん有意義なお取り組みだと思っています。

以前、いちどだけ個人メールをさし上げたことがあるはずですが、
たいへん興味深く拝見しております。
最初の回からすべて通読させております。

守谷さんは最近のご論考なかで以下のように書かれていらっしゃいます。

《以下、引用はじめ》

日本の歴史学では、四世紀には大和王朝の日本統一は完了していた。
天皇の万世一系は侵すことの出来ない神聖な真実である。と云う事が絶対のドグマ(教義)です。

《引用おわり》

私もまさに守谷さんのおっしゃるその通りだと思います。

そして、その病根がかなり深いことを実感します。
それは日本人だけではなくて、日本について興味のある諸外国の方にさえもです。ここが問題があると思います。

ここではその一例をご報告さしあげます。
この夏、あるアイビー大学院生に、集中的に日本語の個人教師をしている経験からです。

その生徒は中国とその周辺アジア大陸史を専門として研究しており、大学院から論文作成のための助成金を受け取っています。
その助成金が私への支払いになります。

彼女の母国語はマンダリンです。
大学院の担当教授は英語を母国語にしていながら、
日本語と中国語の文献を読みこなす方だそうです。

そして論文作成のためには、
せめて基礎的な日本語力が必要ということで
以前からお付き合いのあるその生徒から、僕に話がありました。

大学院教授からの指示が
「日本語文献をベースとして読んだ上で、中国史を英語で仕上げるように」とのことだからです。

彼女の日本語力はまだまだ本当に初心者クラスですが、
中国語の古い文献を読みこなす能力があるので、
漢字を追いかけるだけでそれなりに日本語の文献を理解できるのです。

現代中国でも、さすがに裕福な家庭の人たちは簡体字だけを勉強するのではないと実感しました。過去に源氏物語を読んだことがあるほか、いまでも日本の推理小説を読んだり、家族で拉麺をたべに行ったりする日本通です。

私達は5月末から、週に4日程度、1回あたり2時間
いま約20本ほどの日本語文献を読んでいるところです。
戦前のものもあれば戦後のものもありますが、検索してみると権威と実績のある大学教授たちの書いた文献です。
彼女に、ユーラシア、中国の歴史約700年分(隋、唐、宋、遼、元などとその周辺諸国)の文献を読む手ほどきをしています。

そして私がたいへん驚いたのは、
そんな、北はシベリアから西はアラビア半島や欧州まで
中国本土はもちろん、東南アジア、南味などユーラシア大陸のさまざまな王朝や民族の盛衰、同化、逃亡などについて
理解している彼女でさえも、
「日本は万世一系ですね」と真顔で信じ込んでいるのです。

もちろんやむを得ない点もあります。

なぜなら、彼女が私と一緒に読んでいる日本語のさまざまな文献の筆者たち自身が、
ユーラシアのさまざまな民族の違いを詳細に分析しているにもかかわらず、
倭国や大和王朝の性格の違いなどについてだけは
まったく無頓着な視点を持っているように見えるからです。

私はこの両者のような関係が今後とも続くことは、とって良くないことだと思います。
その意味で、守谷さんのご論考は素晴らしいと思います。

長くなりました。

今後とも副島先生はじめ、守屋さんやみなさんのご論考で勉強させていただく所存です。

ありがとうございました。