[192]エジプト人 女性タレントの FiFi(フィフィ)さんのブログの文章を転載します。

副島隆彦 投稿日:2011/02/19 06:31

副島隆彦です。 今日は、2011年2月19日です。

 今も続いているエジプトの国民民主革命 の進展を私は気にしています。 昨日18日も、カイロで、タハリール広場で100万人規模の集会が行われて、「ムバラク辞任を祝う国民集会」として成功したようです。ただし広場を包囲して要所に配置されている軍の戦車隊との緊張関係は続いているようだ。事態は、実際上の軍事政府(ミリタリー・ガヴァメント)の統治になっていて、憲法は停止( だから、これを戒厳令 marital law マーシャル・ラーという)されている。

 どうやら、昨年(2010年)の9月ぐらいに、ジュリアン・アサンジュ氏のウィキリークスが公開した米政府の外交文書で、アメリカ政府(国務省)が、ムバラク政権の腐敗をひどく貶(けな)していていることがエジプト側に分かって、ムバラクおよび軍のトップたちが、アメリカ政府に強く抗議して、それまでの信頼関係に大きな亀裂(ケンカ状態の突入)が入ってしまった、ということが、背景にあるようだ。ヒラリー国務長官がこの時期にひどく焦った表情をしていた。 彼女が受けた打撃が一番大きかったようだ。オバマを押し退(の)けて自分が次の大統領選挙に出る準備に相当の遅れが出た。

 エジプト国民は、これから先、今の軍事独裁政権(臨時だと言い訳している)から、どれほどの政治弾圧や 謀略が仕掛けられても、じっと我慢して、次の大統領選挙 と議会選挙で、整然と自分たちの代表を選ぶのだ、という覚悟のようである。 民衆暴動 と 激しい街頭闘争だけからは、新しい秩序は生まれない。無残に終わった20世紀のロシア革命 や中国革命などの世界歴史の教訓から、人類は、今、「国民の自覚による政治」という新しい思想を手に入れつつあるのだ、と、私は思う。 

 それは奇しくも、日本で小沢一郎という優れた政治家が、私たち国民に熱心に説いている新しい政治思想と同じであるように、私には思える。 要約すれば、「福祉の問題も、外交(軍事)の問題も、国内のあれこれの問題も資金(予算)のこともあるから簡単ではない。私たちが念願する小沢一郎政権が出来ても、それらはすぐに解決することはない。

(副島隆彦注記。ただし官僚支配 を打ち倒すことだけは、このことだけは、日本国民の決意で出来る。お金もかからない。彼らの特権を法律改正ですべて奪い取ればいい。それが公務員制度改革だ。これだけは出来るし、必ずしなければいけない。 ) 

 だから、国民の自覚で、新しい政治を選択して自分たちの真の代表に困難な諸課題の決断を任せる、という政治にならなければならない」 ということだ。これが小沢一郎からの私たちへの大切なメッセージだと思う。 

 期を同じくして、まさに 世界各国でそれぞれに新しい国民の自覚 というものが生まれつつあるようだ。これに期待することが私たちの次の世界への希望だ。 革命的な動乱の中から次の体制(秩序)が生まれて行くのだが、それは賢明な国民の自覚と判断によるものだ。どうせその次に来る我慢しなければ済まない諸現実は、現実として私たち国民が、受け入れて行かなければならない。

 それが小沢一郎政権 あるいは、その あとに続く 再度、2009年8月のマニフェスト(国民との約束)に戻る 清新な国民多数意思に基づく政権の姿だ。だから、目下、小沢一郎が余裕をもって実際に実行しつつある国民革命の次の段階に、私たちもさっさと到達しなければならないのだ。

 私が、今日、以下に転載する文は、エジプト人女性で日本で活躍する
FiFi(フィフィ)さんというタレントの文章です。 一読してすばらしい文章だと、誰もが思う。彼女の日本文は、西欧(西ヨーロッパ)の知識人が書く文章のレベルに達していて、たいへんバランス感覚があって、説得的で、かつ他者に寛容であり、読む人の胸を打つ。非常に頭のいい人だと思う。私たち日本人も、こういう穏(おだ)やかで芯の強い文章を書けるようになりたいものだ。

http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10799236364.html

 このFiFi さんの文は、ここの重たい掲示板に、2月10日ごろに私たちの会員が貼り付けてくれたURLから、私が辿(たど)って、そして、4本だけを ここに勝手に転載します。 FiFi さん、もし ご迷惑でしたらそのように連絡して来てください。すぐに削除します。 現下の祖国、エジプトでの国民革命の様子を、これほどに正確に、エジプト人自身の目から私たち日本人に、分かり易(やす)く伝えてくれている文は、他には見当たらない。

 私は、このエジプト人女性タレントのFiFiさんが、エジプト・タロット占(うらな)いをするのを、テレビで一回だけちらと見たことがある。  

 彼女の以下の エジプト革命 への熱い共感の報告の文章に中でも、特にすばらしく、大変勉強になったと、私が自分で勝手に思った個所は、この文を、まず皆さんに読んでいただいてから、その後(あと、うしろ)に書きます。

(転載貼り付け始め)

エジプト人女性タレントのFiFiさん の ブログ から

http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10799236364.html

2011-02-13 01:00:25
4. エジプトの夜明け 明日への一歩

 そもそもエジプト人で天気予報を気にする人なんていない。日本だと「おはよう」の後の会話のネタに困ると今日の天気を話題にする。だってエジプトは毎日晴れなんだもん。

 だけどタハリールの映像を見てお気付きの通り今の季節は結構寒い。日本と同じ北半球に位置し、今はエジプトでも冬なのだ、こんな時になにを呑気なこといってんの?って、何が言いたいかというと、この革命が成功した要因には天候ってのも大きく関わったのではと思うわけですよ。だってそうでしょ? 日本でやってたら雨だの雪だので、二週間近くもテント張って居続けるなんて厳しいでしょう。

 あのタハリール広場をデモ隊で占拠し続けなければ革命は失敗に終わることをわかっていたし、その先に今まで以上の 制圧 が待っていることはわかっていた。タハリール広場を軍にあけわたしてしまうことは革命の失敗を意味するようなものだ。しかしながら軍が国民に危害を加えなかったのは、自国を守るための軍が国民に手出しはしないとゆう信頼関係からだけではない。

 エジプトの軍隊は 上層部を除いては徴兵制度で召集された若者によって構成されている。しかもその若者は 知識人であれば軍隊、満足に教育を受けてない者は警察 と振り分けられる。そのため軍隊の若者たちは、デモ隊の若者と同じく政治の仕組みを理解していて、その腐敗政治に不満を持つ若者の行動に共感していているわけで。立場が違えど同じ考えを持つ若者たちが国の命令で国民を抑え込めないことくらい政府もわかっていたのだろう。

 一方警察に課される任務は とにかく厳しく手加減なしに人々を取り締まること、無知であるがゆえにその命令を疑いもなく遂行してきたのだろうが、そのせいで警察は「政府の犬」と国民に揶揄されてきた。まぁ、エジプトはアメリカの犬だったわけだが。

 大統領辞任のアナウンスを新聞が掲載したことで我々エジプト人は革命の成功を確信した。今まで国民の側に立ち国民の求める政治記事が掲載されることなどなかったのだから。

 そして、人々は意外にも冷静だった。革命を祝う人々はお祭りムードの中にもこれからのエジプトを考え行動しようとゆう意志を忘れてはいなかった。 いまだかつてわたしはエジプトの人々が自らホウキを持ちゴミを片付ける姿を見たことがなかった。国民は自分達が政府を変えられない事でこの国の未来を諦めてきた。自分の国をきれいにする事にすら意欲を失っていて、恥かしながら観光の国でありながら街はゴミだらけ、エジプト人の誇りを取り戻せずにまさに埃まみれになっていたのだ。わたしは人々が街を綺麗にしようとゆう姿勢にこの国を自らの手で変えられるとゆう自信を得て、エジプトの未来に夢と希望を託していることを実感した。

 民主化支持の意思表示を見せエジプト国民に歩み寄ろうとする一方で、次なる政権でもなお、アメリカの国益を守ろうと企てるアメリカの矛盾はエジプト国民に見透かされていた。そもそもこの親米(しんべい。 副島隆彦注記。アメリカに親しみを覚えアメリカ側に着くという政治的な立場のこと)で私たちは長年苦しんできたのだから。彼らにそれを指揮する隙を与えなかった。

 今までだって人々は貧しかった。5兆円 以上とも言われるムバラクの資産。国民を裏切り続けてまで作ったへそくりはアメリカからのご褒美。国民はその恩恵を受けることなんてなかった。

 今回のデモでエジプトの経済はさらにダメージを受けたのだろうが、我々国民は慣れっこだ! それよりも、食うに困る人々もいるこのエジプトでムバラクの策略になびくことなく目の前のパンより明日の自由のために人々が一丸となって訴え続けたことにエジプト人としての誇りを感じる。少数のムバラク派と名乗る者達 が現れたもののその信念の無い行動は力を生むことはなかった。(ムバラク支持派の正体)

 エジプトはエジプト国民によって歴史を変えることに成功した。我々はそれに至るまで三千人の負傷者、三百人にも及ぶ死者という犠牲を払ったことを決して忘れない。

 命と引き換えに政府に立ち向かった彼らはその歓喜の瞬間を目にすることなく亡くなった。彼らの雄姿をわたし達はあのタハリール広場で称え続けるだろう。革命の余波はさらにその勢いを弱めることなくアラブ全域に広がろうとしている。

 何よりガザの人々(副島隆彦注記。パレスチナ人たちで、ガザ・ストリップと呼ばれる地中海岸の細長い地区に住む )がエジプトの革命を祝福している映像を目にして止めどなく涙が溢れ出た。 アラブの裏切り行為とも言われる平和条約の下で、私たちは同じアラブの民が虐殺して(されて)いる姿を目の当たりにしながらもムバラク政権下でそれになす術が無かった。それはどれだけでも私たちのプライドを傷つけてきた。

 実体なき和平の上に存在する大国のための平和条約 など誰が望んだだろうか? エジプトはパレスチナを見捨てていないことを彼らは信じていてくれた。本当の平和はそんな名ばかりなものなんかじゃない、パレスチナに明るい未来が来る日は容易ではないが、私達は彼らのためにその一歩を歩み出したんだ。待っていて欲しい。

 記事を読んでくださっている皆様へ。応援や祝福の多くのメッセージ、胸が熱くなるばかりです。心から感謝しています。次の記事でその想いなどをまとめさせて頂きます。

2011-02-05 03:10:21
3. エジプトの夜明け?国民の想い

 エジプトにイスラム政権が誕生することへの懸念とか、ムバラク退陣後の新政権の樹立についてだとか、そもそもなんでアメリカが口を出すんでしょう。確かにエジプトは中東に置いて重要な役割として位置付けられてたから分かりますが、コメントするまでならまだしも、なぜ今後のエジプトの新政権樹立にアメリカが関わろうとするの? 関わるどころか今まで通り主導していこうとしてますからね。エジプト国民が何に対して怒っているのかぐらいわかってるはずでしょ、変革を求めてるんですよ。

 チェンジですよ、チェンジ! オバマ大統領があれだけ選挙の際に繰り返した『CHANGE』なんです。エジプトが変わっちゃうと不都合ですか? 表向きには国民を応援しているように見せていますが、もしそれが真意なら今までのようにエジプトの政治に口をはさむべきでは無いはずです。エジプト国民はエジプト人のためのエジプトをつくりたいのですから。

 イランはイスラム政権ですが目立って反政府運動がおきてはいませんし、最近のアラブ各国での世論調査でも ムスリム同胞団 に対する支持は80%を超えています。本当に危険な集団であればこれだけの支持が得られるでしょうか?

 そもそもテロリストがいなくなって一番困ってしまうのはアメリカなのではないでしょうか? テロ撲滅の名目で戦争や攻撃を正当化出来たし、国内の武器産業も潤った。エネルギー有り余るアラブの若者たちを不自由な中に閉じ込めて彼等の主張も虐げ、テロリストを産むような構図をあえて作り上げ、テロの連鎖を引き起こしてきたのはアメリカ自身ではないでしょうか? むしろ中東が丸く収まってしまうことのほうが問題なのでは?

 いつも中東のどこかに火種を抱えていて、その危うさで世界中の人々の恐怖心を煽ってきたじゃないですか。こんな簡単に世界が情報交換できるご時世に湾岸戦争やイラク戦争でやってきたような情報戦術でコントロールできると思ってるんですか。携帯からでも、その国の現状を、真実を誰でもが簡単に世界中に配信できる時代なんですよ。 大相撲の八百長もそうですが、今までならうまく隠せていたものが、そうゆうわけにはいかなくなるんですよ。Wikiリークスだってそう、賢いハッカー達がいくらでもネットワークに入り込んでヤバいネタ掴(つか)んでは嘘を暴きますから。

 ところで、ムバラク支持派は外国人ジャーナリストを襲撃したり、無理な情報操作を試みたり、イメージを悪くするだけの動きをみせて、ムバラク自身最後のあがきのように大統領の座に粘り続けるのはなぜでしょう? これはあくまでわたし個人の見かたですが、自分の資産を整理するのに手こずっていてそれまでの時間稼ぎなのではと思うのです。ここは驚くところですよ! ムバラク一族の総資産は3~5兆円とも言われています。億じゃないですよ 兆です。

 今政権が変われば腐敗政治でせっせとこしらえた資産は新政府によって差し押さえられかねませんよね? そりゃあイメージもへったくれもないですよ! 何としてでもそれを整理したいんでしょうね。それだけの資産を整理するのにはやはり9月までかかるってことだったのかなぁ~と思うわけですよ。

 連日ニュースの中で映し出される風景はタハリール広場のまさにデモの様子なので、エジプトにいる人々は大丈夫なのかと心配されてる方も多いでしょう。大手のスーパーは営業していませんが個人商店は営業していますし、なにしろこれは戦争でも無いので経済封鎖や攻撃を受けて街が破壊しているなどとゆう状況ではありません。ですから目的が達成できるまではデモが衰退して行くとゆうことも考えにくいです。ネットと電話が復旧し人々は平常の生活を取り戻そうとはしていますが、役所がらみは再開してませんので仕事も滞っています。その為なす術も無い人々で、例えば喫茶店などが混み合っているそうです。

 今後は誰が政権を握ると思いますか? なんて尋ねられるけど、今のところその候補が現れないのではと思ってますよ。タイミング的には今出ない方がいいです。今出ても人々は冷静にその人物がふさわしいのか判断出来ませんよ。人々はこの長年のあいだ行われてきた見せかけ選挙ではなく、真っ当な選挙の下自分達の指導者を選びたいと思っています。また、今誰かに出てきてもらうと反政府運動が複雑化します。
 
 エジプト国民が今求めているのは、国民の信頼を失ったリーダーとその腐敗した政権を倒すこと。国民対政府!このシンプルな図式を下手に複雑にすることはそこに邪魔が入る隙を与えかねないですからね。今の状態で訴えるのが良いでしょう。

 私は今日もブログに自分の思いを綴りましたが、今までならタレントという立場からもハッキリと明言することをためらっていたと思います。はじめに投稿した『~新たな一頁へ』は今後の仕事の心配もしつつ言葉を選んで打っていました。

 でも、今はもう迷わない! →どこかで聞いたことあるフレーズ。読んでくださってるみなさんがわたしに勇気をくれました。 私は命と引きかえに、そのリスクをかえりみず母国の為に、またアラブの為に、叫び続ける彼らの為にもあきらめないと決めました。彼らの起こす革命を世界中が注目しているんです。彼らのメッセージをわたしが日本で伝えていきたい。それがわたしのできること。

 今の時代、1人の人間が社会に影響を与える事だってできるんです。ほら、その証拠にこのブログを多くの人が読んでくれている。そして、みなさんは自国の為に何を想いますか?日本の未来の為に今なにが出来ますか?

2011-02-03 13:23:34
2. エジプトの夜明け?ムバラク支持派の正体

(何卒、今回の記事も携帯で打って投稿してますので読み辛いとは思いますが、ご了承ください。)

 なぜ今頃になってムバラク支持派がメディアへのアピールを始めたのか。
ムバラクはこの長きにわたる独裁政権において今まで副大統領とゆうポジショニングを設けてこなかった。これはムバラクの前のサダト大統領(これまた親米政権)が 軍のクーデターによって射殺されたのだが、副大統領を含めた幹部の陰謀によるのではないかとの見方があり、自分も同じように暗殺されることをおそれてきたから。

 それが今回のデモを受けて1月29日、突然スレイマンという人物を側近として副大統領に任命した。このスレイマンという人物は何を隠そうエジプトの秘密警察を束ねる内務省長官でCIAとの繋がりも深い、もうお気付きだとは思いますが、そう、デモが開始され一週間以上も経つこの時期になぜ、突然ムバラク支持派が現れた謎がとけますよね? しかもこの数日アメリカとスレイマンが電話でやりとりもしているこのタイミングに。日本のメディアでも触れていますが、ムバラク支持派の人が秘密警察のIDを所持しているとの情報がありますが、つじつまが合うわけですよ。

 ムバラク反対派が100万人越えでデモしている中にだれが好きこのんで突っ込んできますか? はぁ、本当にエジプトの政治は腐敗している。自分の支持なんてものは金で買えると信じてるんですよ。まぁ、実際これまで賄賂で回してきた行政ですから。それがこんな時に露骨にでちゃうと、世界にその汚職の仕組みを見せているようで情けないですよね。

 なんだか ムバラク支持派の持っている真新しい垂れ幕やプラカードは個人が作ったとは思えないクオリティだったし、何よりムバラクの写真うつりが良すぎだし。本人がチョイスしちゃってんのかなと思わせるほどで。

 blogを読んでたくさんのコメント頂きました。これだけの反響をみると、いかに日本の情報が人々のニーズに沿っていないのか、また、みなさんが世界情勢を知りたいという気持ちが強いのかを感じるわけです。頭ごなしにこの国の人は国際政治なんて関心ないなんて決めつけて、低俗な話題を垂れ流しにしているメディアは、それ自体がいずれ国益に何らかのダメージを与えかねないという事を自覚して頂きたい。

 今日本人が求めているのは、国内だけの問題では無いはず、海外の動きもみて、自分達の今後を見極めて行きたいのだと思う。

2011-02-03 00:50:03
1. エジプトの夜明け?新たな一頁へ

 エジプトもいよいよ始まりましたね。どうしてこのタイミングで って、その最大の引き金となったのはチュニジアのジャスミン革命の成功でしょうね。
 エジプトはアラブのリーダー的存在なんだとゆう自覚が強いですからね、チュニジアに出来て、自分達にできないなんていうのはプライドが許さないでしょう。そもそも、Wikiリークスによるチュニジア上層部の贅沢三昧の暮らしぶり暴露がきっかけで起こったこのジャスミン革命、革命に至るまでにtwitterやFacebookでデモの呼びかけが行われるなんて、皮肉ですよね、エジプト革命も同じですが、アメリカで生まれたソーシャルネットワークを駆使して、結局 親米政権を打倒しようとアラブの人々が団結したのですから。

 でも、まぁ起こるべくしておきた革命なんですよね。だいたい三十年も政権を握ってる大統領がいる事自体が不自然なんですから。物心ついた時からずっとムバラクでしたよ。しかも、街の一角に掲げられた大統領の写真はたぶん就任当時の物から変わってないと思う。83歳の割に若く見えるのは何度となく繰り返された整形と、下からのライティングのおかげかとおもう。

 そもそも、日本でまともにアラブを解説してくれるような報道は今までも少ない、そしてこの場に及んでも、アラブの情勢をうまく伝えられる報道機関が無い訳で。アラブについて研究してる人は少なく無いはずなのにね、なんで、なんにでも解説するような人にコメントさせてんの? 信用できる情報ではないですよ。

 私の母が日本で国際政治の博士号を取ってまして、わたしも少なからず母の影響をうけて育ちましたので躊躇する事なく言わせていただきますけど、そもそもこの革命、エジプトの民主化運動なんて言葉で軽く繰られても、それでは深いところは読めませんよ。

 エジプトは他のアラブ諸国に比べたらただ一点を除いては不自由なく生活している国ですからね。はっきりいいましょう、ムバラクは確かに長年政権を握ってきたので独裁政権です。しかし、それはアメリカの作った親米政権による独裁であるわけで、国民はその親米による独裁に憤慨しているのです。

 それはなぜ独裁政権である同じアラブの隣国リビアではこの時期に革命が起きないかとゆう理由が物語っています。要するに民主化を求めているならリビアでも同じように革命が起こっておかしくないですよね? つまりこれは民主化運動とは違うんです。親米政権にウンザリなんです。リビアはちなみに反米政権です。

 エジプトは対外的に良い面をしていますが、本当に外国人ばかりが優遇されていて、国民は虫けらのように扱う国です。極端な話、外国人の方が仕事に就きやすくてエジプト人はあぶれてる なんてこと、ほんとに過言ではないくらい。わたしもいく度となく大使館で不快な思いをしています。大使館に働いている外国人スタッフは高い給料をもらっていながらエジプトのために積極的に働いてもいない、それを嗜めると、エジプト人スタッフが外国人をかばい、同じ国民をバカにする。

 エジプトの政府の態度がまさにそれ。そんな事があたりまえの国だったんです。だからそれに不満を持ち度々旅行客を狙ったテロも起きたんです。エジプト政府に、海外ではなく、国民に目を向けて欲しい、または今の外国に媚び売る政権にダメージを与えるためにテロが起きていたわけです。

 今回のムバラク政権後、はたして誰がリーダーになるのか、いちばんかたずをのんで見守っているのがアメリカでしょう。けど、なんてたって、デモを抑え込んでしまったら各国の民主化を進めよと非難し攻撃をしてきたこれまでの姿勢に矛盾がおきますから、ヒヤヒヤしながらも民衆を支持するなんて心にもない態度しちゃって。その見返りに反米政権が誕生しようもんならどうしましょうと心配で仕方ないでしょうね。

 野党であるムスリム同胞団の事が度々メディアで紹介される際に、この同胞団を過激派とイコールに誤解して解説する人がいますが、ちゃんと勉強した上で話をしていただきたい。それに足元すくわれて知識の無さが誇張されてしまいますよ。日本語でもアラブの政治の本を読めば書いてあるが、ムスリム同胞団は孤児院や病院などを設立し古くから民衆をサポートしてきた団体、組織であって、過激派とは全く異なる。むしろムスリム同胞団をアルカイダ などのように扱って世界にその誤解を広めたのはアメリカ。その方がアメリカに取って都合がよかったから。

 イスラムはテロだ、アルカイダ などとゆう単純かつ幼稚な思想をメディアを駆使して無知な人間に植え付けたことで、アラブの立場を窮地に追いやり、中東での立ち振る舞いを世界に納得させてきたんだから。 まぁ、でもそんなアメリカのパワーバランスももう崩れてきているわけで、その証拠にいまアラブの火薬庫から次々に噴煙が上がっているにもかかわらずそれを消火できずにいる。わたしはまさに世界地図が描き変えられる瞬間を目にしているようで身震いの連続なわけだが。

 今まさにミダン・タハリール(解放の広場)で100万人にも及ぶ民衆が新たな歴史の一頁を塗り替えようとしている。わたしはこの人々を見るとき、わたしの生まれる前ではあるが、かつて記録映像で見たナーセルの死を悼む群衆と重なった。あの時と目的は違えど、エジプト国民が一つになった事がどれだけの重みを持つのか、今この時代に、これだけの人間が情報を遮断されてもなを一つになれる事がどれほどの意味を持つのか、世界中に問いかけているようでならない。

 最後にエジプトに旅行にきたにも関わらず観光もできる状態ではなく、さらにはホテルに缶詰、空港で足止めとなった方々には大変心を痛めています。帰国されたあるご婦人が、『またしばらくして落ち着いたらエジプトに行きたいです』と空港でインタビューに応えてらっしゃいました。その言葉はエジプトにとってどれだけの勇気と励ましであるでしょう。感謝の気持ちで涙がこぼれました。

 エジプトを愛して下さる方々のためにもエジプトは生まれ変わって自らの力で立ち上がりもう一度みんなが訪れたい国にならなきゃなと思うわけです。エジプトを愛して下さる日本の皆さんほんとに有難うございます。

 現在、エジプトには母と妹が里帰りしています。母はこの歴史的な瞬間の経緯をエジプトで見守りたいという事なので予定を変更してしばらく日本には戻らないそうです、といっても、空港がパンクしてますし。ネットはまだ遮断されていますがようやく携帯も繋がり通話状態は良くないですがなんとか連絡が取れるようになりました。一日も早くエジプトに平穏な日々が戻るよう遠い日本から願うばかりです。これ以上人々の血が流れることがありませんように。

http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10799236364.html

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 皆さんも、一読してお分かりでしょう。このエジプト人女性タレント女性FiFi は本当に頭がいい人だ。私は、彼女の文から、たくさんのことを学んだ。

 日本のテレビ局は、彼女に エジプトの国民革命のことを話させるべきなのだ。それが出来ない、ということは、私たちのこの日本国は、強い言論統制、報道管制、思想統制、国民への生活統制が行われている国だ、ということである。

私は、上記の FiFi さんの文から、自分が一番、感動した個所を抜き出して、以下に貼り付けるだけにします。これ以上、余計なことを書く必要はありません。 

副島隆彦拝

(1)「 いまだかつてわたしはエジプトの人々が自らホウキを持ちゴミを片付ける姿を見たことがなかった。国民は自分達が政府を変えられない事でこの国の未来を諦めてきた。自分の国をきれいにする事にすら意欲を失っていて、恥かしながら観光の国でありながら街はゴミだらけ、エジプト人の誇りを取り戻せずにまさに埃まみれになっていたのだ。わたしは人々が街を綺麗にしようとゆう姿勢にこの国を自らの手で変えられるとゆう自信を得て、エジプトの未来に夢と希望を託していることを実感した。」

(2) 「 今後は誰が政権を握ると思いますか? なんて尋ねられるけど、今のところその候補が現れないのではと思ってますよ。タイミング的には今出ない方がいいです。今出ても人々は冷静にその人物がふさわしいのか判断出来ませんよ。人々はこの長年のあいだ行われてきた見せかけ選挙ではなく、真っ当な選挙の下自分達の指導者を選びたいと思っています。また、今誰かに出てきてもらうと反政府運動が複雑化します。」

(3) 「 私は今日もブログに自分の思いを綴りましたが、今までならタレントという立場からもハッキリと明言することをためらっていたと思います。はじめに投稿した『?新たな一頁へ』は今後の仕事の心配もしつつ言葉を選んで打っていました。 

 でも、今はもう迷わない! →どこかで聞いたことあるフレーズ。読んでくださってるみなさんがわたしに勇気をくれました。 私は命と引きかえに、そのリスクをかえりみず母国の為に、またアラブの為に、叫び続ける彼らの為にもあきらめないと決めました。彼らの起こす革命を世界中が注目しているんです。彼らのメッセージをわたしが日本で伝えていきたい。それがわたしのできること。」

(4) 「 野党である ムスリム同胞団 の事が度々メディアで紹介される際に、この同胞団を過激派とイコールに誤解して解説する人がいますが、ちゃんと勉強した上で話をしていただきたい。それに足元すくわれて知識の無さが誇張されてしまいますよ。日本語でもアラブの政治の本を読めば書いてあるが、ムスリム同胞団は孤児院や病院などを設立し古くから民衆をサポートしてきた団体、組織であって、過激派とは全く異なる。むしろムスリム同胞団をアルカイダ などのように扱って世界にその誤解を広めたのはアメリカ。その方がアメリカに取って都合がよかったから。」

(5) 「 最後にエジプトに旅行にきたにも関わらず観光もできる状態ではなく、さらにはホテルに缶詰、空港で足止めとなった方々には大変心を痛めています。帰国されたあるご婦人が、『またしばらくして落ち着いたらエジプトに行きたいです』と空港でインタビューに応えてらっしゃいました。その言葉はエジプトにとってどれだけの勇気と励ましであるでしょう。感謝の気持ちで涙がこぼれました。

 エジプトを愛して下さる方々のためにもエジプトは生まれ変わって自らの力で立ち上がりもう一度みんなが訪れたい国にならなきゃなと思うわけです。エジプトを愛して下さる日本の皆さんほんとに有難うございます。」

引用 終わり。  副島隆彦拝