[1917]地震と火山爆発は同じ6
会員番号2953の澤田正典です.今日は平成28年5月1日です.
長い説明が続き,御迷惑をおかけしております.どうか御寛容頂けますと有難く存じます.
(私自身,まさか地震活動や火山活動のメカニズムを解明することが,これほど広範な専門領域に踏み込むことにつながるとは,当初,予想していませんでした.)
前回までに,大気電流によって気象現象が駆動されるメカニズムについて部分的に述べました.(のちほど,集中豪雨,竜巻,つむじ風,台風も含めて,そこに電気力が関わっていることを述べたいと思います.気象兵器の原理は単純なものです.)
大気電流は,地表面や海面から電離層へと向かうマイナスの電荷の移動(電子の移動)ですが,地球全体で常に休み無く流れ続ける大気電流によって,次第に地殻や海からは電子が大気中へと抜けてしまいます.また電離層内部のプラスの電荷も,次第に大気電流によって中和されて消えてしまいます.その抜けてしまった電子と,消えてしまったプラスの電荷は,太陽風によって常に地球に供給されています.
太陽風は,水素原子が電子と陽子にバラバラになって地球に飛んでくるものです.その存在比や個数や速度や密度は常に変動しています.(全体的に見ると,どうやら陽子よりも電子のほうが,たくさん地球まで届いているようです.)
電子と陽子は,電気的な力,電荷の大きさとしては,符号が異なりますが同じ大きさを持っています.ところが質量は全く異なり,陽子は電子よりも1,836倍も重い粒子です.太陽から高速で地球まで飛来してくる電子と陽子のそれぞれに対して,同じ電磁気学的な力が加えられたとき,質量の軽い電子は,より簡単に,その運動方向が変化してしまいます.
地球は天体として磁場を持っています.この磁場に太陽風が衝突すると,太陽風の成分である電子と陽子は電磁気学的な力を受けます.このとき,質量の差によってふるいにかけられて,電子は地球磁場の磁力線につかまって,螺旋運動しながら地球の北極と南極(正確には磁北と磁南)の大気上空に進みます.その後,電離層,成層圏,対流圏を経て,電子は極域の地殻からマントル層へと吸収されていると考えられます.丁度,それを効率よく行いうる,安定した強い大気の運動が,極域の成層圏と対流圏には存在するようです.
陽子は質量が大きい分だけ電子よりも直進性が強いので,電子と同じように地球磁場から力を受けてブレーキをかけられつつも,おそらく,ほとんどの陽子は地球大気上空に,ほぼまっすぐ到達しているはずです.その供給量は低緯度帯である赤道周辺の上空が最大となり,緯度が高くなるほどに少なくなると考察しています.
地球天体レベルでの大きな電流が,大体ここまでに述べた経路に近い形で存在する可能性はあります.すると,地殻内部において上下方向に電位差が存在し,それによって地殻内部で地下水が電気分解されている可能性も導かれます.
(少し話が横にそれますが,海水も電気分解されているはずです.メタンハイドレードは海水の電気分解によって発生した水素ガスによって,海底に堆積した有機物が還元されて炭化水素になったものでしょう.また還元されたときに酸素が深海に放出され,それが深海の生態系に関わっている可能性もあります.)
多種の元素で構成される地殻の内部において,もしも常温核融合の現象が発生しうる条件が一通り揃っていて,酸素ガスと水素ガスが地殻内部に蓄積されるメカニズムも存在するとなりますと,地震爆発説は弾性反発説と比較して,次第に有利となります.
澤田正典 拝