[1883]消費税の 追加上げ(10パーセントへ)は、もうない。
副島隆彦です。 今日は、2016年3月17日です。
以下の新聞記事を 読んでください。 これで、安倍首相が、「(今回は延期しますが。8%のままだ。)が、来年4月には、絶対に消費税を10%に上げます」 と、言ったのに、もう上げない、ということの 宣言文に等しい。
本当に、こういう 穢(きたな)い、みっともない手口を使う。ステグリッツという、コソコソと、新興国、途上国の肩を持つフリまでするワルの経済学者(ノーベル賞受賞)を日本に連れてきて、言わせる。
安倍晋三が、自分で言えばいいじゃないか。この臆病者めが。
(転載貼り付け始め)
「 「スティグリッツ氏「消費増税すべきでない」 国際経済分析会合」」
2016年3月16日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK16H26_W6A310C1000000/
政府は、3月16日午前、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を初めて開いた。講師として招いたノーベル経済学賞の受賞者 である
ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、世界経済は難局にあり「2016 年はより弱くなるだろう」との見解を示した。「現在のタイ ミングでは消費税を引き上げる時期ではない」とも述べ、来年4月の消費税率10%への引き上げを見送るよう提言した。
菅義偉官房長官は、3月16日午前の記者会見で「スティグリッツ氏から税制について、総需要を喚起するものではないとの観点から、消費税引き上げはい まのタイミングではないとの趣旨の発言があった」と説明した。
分析会合の終了後、安倍晋三首相とスティグリッツ氏のほか、首相の経済政策
のブレーンを務める浜田宏一、本田悦朗両内閣官房参与を交え意見交換 した。
スティグリッツ氏は首相官邸で記者団に「首相は(消費増税先送りを)恐らく、確実に検討するだろう」と述べた。
首相は分析会合の冒頭で「伊勢志摩サミットの議長の責任を果たすため、世界
の経済・金融情勢について率直な意見交換をしたい。アベノミクスに関 して
も、どしどし意見を頂きたい」とあいさつした。
スティグリッツ氏は分析会合で「世界経済は低迷している」との認識を表明。
「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要 だ」と
強調し、政府に財政出動を促した。
分析会合の座長には石原伸晃経済財政・再生相が就いた。林幹雄経済産業相や
加藤勝信一億総活躍相、菅氏や日銀の黒田東彦総裁が出席。本田、浜田 両氏も
陪席した。
分析会合は17日に米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授と元日銀副
総裁で日本経済研究センターの岩田一政理事長を招く。22日には ノーベル経済
学賞を受賞したポール・クルーグマン氏を呼ぶ。
首相はこれまでの国会答弁で増税の是非について「世界経済の収縮が起こって
いるか、専門的見地から分析し判断していかねばならない」と発言して いる。
首相周辺は「有識者が経済収縮のリスクを指摘するなら増税見送りの判断はあり
うる」と語る。
サミットまで継続的に開く予定で、5月の大型連休に安倍首相が欧州を歴訪す
る際にも外遊先で現地の経済学者らを招いた分析会合を開く方向で調整 している。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 この記事を読んだら分かるでしょう。 もう消費税の値上げは、ないんだよ。 「 「有識者が経済収縮のリスクを指摘するなら増税見送りの判断はありうる」と語る」などど、もったいぶった、思わせぶりなことを権力新聞記者たちと 一緒になって、おぜん立てをする。
太鼓持ちのスティグリッツ や、クルーグマンどころか、浜田宏一の爺さん、本田悦朗(ほんだえつろう。スイス公使にして外に出したのに)たち、茶坊主(ちゃぼうず)呼び戻して儀式をやっている。
経済学とか、理論経済学とか、アメリカ経済学とか、現代経済学 などという、学問が、もう滅んでいて、実際には何の役にも立たず、口ばっかり(数式の山のウソ)で、もう自分たちで、どうしていいか、分からなくなっている。そのことを正直に言えないで。
この現代の大僧正(だいそうじょう)、大司教(アーチビショップ)どもは、偉そうに、偉そうに、自分たちが何か、経済政策(国家を運営する経営手法)の魔法の杖(つえ)をもっていると思っている。偉そうに。 私、副島隆彦にはもうバレている。 お前たちは、このあとは、国家統制経済=金融抑圧(きんゆうよくあつ。ファイナンシャル・サプレッション)をやるしかないのだ。
もう 市場経済の、自由主義経済体制の、自由世界のと、偉そうなことは本心では、言えないのだ。万策(ばんさく)尽き果てたはずなのだ。ロシアや中国と、やっていることに何の差があるのか。本当のところは。国家統制経済、そののもに、どんどんなりつつある。
前の消費税「値上げ」は、相当に日本経済に堪(こた)えた。がらがらと景気がさらに崩れた。 それでもう上げられなくなった。
消費税というのは、何のことだか今も、日本国民は分かっていない。私、副島隆彦の金融本を読んでいる人たちは、少しは分かっている。その正体は、「「売上税(うりあげぜい)」で、「取引税(とりひきぜい)」だ、と。取引き、すなわちお金の動きがあったら、すべてそこに税金を掛ける、という税金だ。
所得税(しょとくぜい)への2回目の、上乗せした再所得(税)課税だ。
ところが、こう書いてもほとんどに人は分からない。日本では、経済学者たちも税法学者たちも分かってうないだろう、と私が書くと、まさかそんな、と思うだろう。
いいですか。それなら 給与、サラリーには、なぜ、消費税が掛からないのか、誰も、言えない。給与所得も所得税だ。 本当なら、給与(月給)に、掛けるべきなのだ。それをやらないのは、 それをやったら、自分たち公務員(その上級の連中が官僚) も、安(やす)月給の給与所得者だから、公務員どもが、干上がってしまうので、だから、やらないのだ。 まさか、そんな、と思うでしょうが。そういうことだ。
このことは、インカム・タックス( income tax ,所得課税)というものの本性に関わることだ。本当は、税金というものは、所得(儲けから経費=損金 を引いたもの)に対してしか課税できない。
それでは、なぜ、定期預金の 金利(インタレスト)やら、株のもうけ金にまで2割(20%)の税金を掛けるのか、というと、これは、キャピタル・ゲイン(資本課税 capital gain tax ) 。
不動産(土地、住宅)を売った時にかかる税金も キャピタル・ゲイン・タッスクだ。 この税金は、すでに一回、所得税で取っている、 残りの資金(資産)への課税だから、二重課税、二回課税だから違法だ、という考え(学説)がある。
20%以上 (資本主義の牙城、アメリカでも25%が限度だ )の 高い、資本課税をやると、資本主義(カピタリスムス、capitalism)の体制が壊れる、という考えがある。 何のために、自由主義経済=市場経済=デモクラシー体制 をやっているのか、分からなくなる、という 根源的な議論である。
消費税 が、一般国民に関係ない、ように見える( お店で買い物をするときだけ。切実に、イヤだなあ、と思う。あれは商品の値上げと同じだ、と感じる )。ところが、私のような自営業者扱いされる 物書き、言論人(権力者・公務員からは、著述業と呼ばれる)でも、原稿料という売り上げに、ガバガバ税金を掛けてくる。だから、200万円とかを、納税申告したときに、最後の手元に残った金から、持ってゆく。
どれだけ、会社経営を 赤字法人 にしても、売上税だから、経営者の最後の手元のお金に、2千万円とかを課税する。取ってゆく。だから、それで、景気が悪くなるのだ。 消費税の恐ろしさを、普通の人たちは、分からないようにしている。
だから、8%が10%になっても、どうということはない、という、感じなる。それでも、主婦たちは、その2%の「値上げ」に怒る。前に消費税を3%上げたために、日本経済が打撃を受けて、景気の悪さに如実に表れた。だから、権力者たちは震えて、もう上げられない、と思考転換(転向)をした。
勘定奉行である財務省官僚たちだけが、「またしても俺たちだけが、ダマされて裏切られた」と感じる。だが、もう アメリカと安倍政権に逆らうことが出来ない。天下り先を紹介してくれなくなったら、自分の老後が貧乏だ、と。こういう 逆らうのはやめよう・・・・。こういう仕組みで動いているのです。
税金というのは、究極では、空気税、水税、(だから、環境税 と言い出しているでしょう) ・・・・最後には、しあわせ税、愛情税(笑)、生きている喜び税、人間税、命税(いのちぜい、身代金だ)、初夜税(領主と坊主たちが取った) と、なんでも掛けられる・・・・・と権力者、支配者たちは思う。必要なら、なんにでも掛けようとする。面白いでしょう。
だから、これからの、日本政府の課題 は、金持ち層への、キャピタル・ゲイン課税である、財産税だ。 「取れるところからしか、取れない」の必死な形相になってきた。 土地・アパート財産や、現金、預金などの金融資産へのへの課税は、所得税(インカム・タックス)ではない。キャピタル・ゲイン課税である。
何となく、税金というものの恐ろしさが、これで 分かったでしょう。
副島隆彦拝