[1792]先の日曜日(5月31日)の私たちの定例会は盛会で終わりました。次の仕事に向かいます。

副島隆彦 投稿日:2015/06/03 08:39

副島隆彦です。  5月31日(日)の私たち学問道場の定例会(自力での講演会)は無事、終わりました。
正確な人数は分かりませんが、400人の会場が埋まっていました。座れない、という苦情もなくて良かった。

私は、合計5時間(午後7時15分まで)ずっと、ほとん喚(わめ)いていたので、さすがに、終わったあと、喉(のど)が枯れました。あまりないことだ。私は、立ったまま10時間でもずっと演説できる人間だ。生来の アギタトーレ(アジテーター)だから何ともない。 足腰がしっかりして、日頃の運動不足
を解消できて良かった。

私は、後半で、参加者の要望も会ったので、予定通り、アラビア人の男の服装(ディスダーシャ、にアガール )を着て演説をずっとやりました。 アラビア女性の黒一色の衣装であるアバーヤを、野田さんに着てもらって、披露しました。皆に、喜ばれました。 私は、このあと、アラビア人の勇壮な、軍人の踊りを、披露しようと思ったのですが、なんと、 刀(の代わりのアルミ製の物差し)が、床の舞台の隙間に落ちてしまって、踊れなくなりました。

初めからの演題であった、「副島隆彦が、思いっきり 現下の問題を洗いざらい話します」の通りにできた。気分は良い。危ないこともたくさん話しました。この講演録は、一ヶ月以内に、DVD2枚組に制作して販売しますから、お待ちください。

今のシリア・北イラクの 暴れ者集団の IS(アイエス、イスラム国)の仕組まれた突如の出現、と、丁度今から100年前の ” アラビアのロレンス ” の話しが、見事(みごと)に重なるのである。

イギリス人 トーマス・エドワード・ロレンス Thomas Edward Lawrence (1888-1935) が、1914年から22年まで、アラビア人(エジプトからイラクまですべてのアラブ人)の団結と独立のために彼らを助けて闘った。

イギリスの情報部将校(連絡将校、リエゾン・オフィサー)として、「砂漠の叛乱」を起こしたアラブ人の部族長(シャイク)たちの連合体である ハーシム家 を助けて、本気で戦った。 そして、最後は、イギリス政治の残酷さの犠牲になって、消されていった。私、副島隆彦は、アラビアのローレンスの 悲劇の人生に、自分の人生を重ねあわせる。

アラビア語を話す考古学者だった、弱冠26歳の若造であった、T.E.ロレンスは、第一次大戦の始まりで召集され、現地に派遣され中佐(カーネル)となって、ハーシム家の フセイン・イブン・アリー(ヒジャーズ王国、国王。メッカ太守)とその息子 ファイサル(シリア国王、イラク国王になった)、およびアブドッラー(現在のヨルダン国王は、その4世)たちを支援して、懸命に戦った。 そして、最後は、イギリス政府に裏切られて、用済みにされて捨てられていった。

ロレンス中佐は、ファイサル国王(シリア王、イラク王)の従者、通訳として、1919年1月からのベルサイユ会議(第一次大戦の 敗戦国ドイツを裁くための会議。オスマン・トルコはその同盟国として、解体された )に参加した。 英と 仏は、 ハーシム家と約束していた、「アラビア世界をひとつにまとまって独立させてやる」と約束していたのに、その約束を狡猾(こうかつ)に破った。 それで、両者の板挟みになった ロレンスは、行き場を失った。 あとは、本を書いて、後世(こうせい)に真実を書き残すしかない。 だから、1927,8年に、『知恵の七つの柱』(セブンピラーズ・オブ・ウイズダム)を書いた。その一部が、『砂漠の叛乱』として急いで出版された。大きな評判をとった。

だが、ロレンスは、自分の悲しい運命を、察知し、感づいていた。

パリ会議(ベルサイユ会議)あと、英と仏 のワルの帝国主義者たちは、いいようにアラブ人たちを騙して、自分たちのいいようにアラブ世界を分割した。シリアはフランスのものになった(1916年のサイクス=ピコ条約の英仏の密約どおり)。 このようにして今のアラブ世界がある。

それでも、まだアラブ人たちのハーシム家を中心にした団結があったのに、そこへ、今度は、1924年に、横っ腹の リヤドから 暴力団的な 部族である、現サウド家の、アブドルアジズ・イブン・サウド が、メッカ(マッカ)に突撃してきた。そして、立派なアラブ世界の王(シャイク、エミール、さらにはカリフになれた)であるハーシム家の フセイン・イブン・アリー(もともとメッカ太守である) のヒジャーズ王国を崩壊させ、サウド家が奪い取った。

サウド家の アブドルアジズ( この息子たちが今も、順番にサウジの国王である。今年1月からサルマン国王。80歳)の背後に、世界最大のガワール油田(ペルシャ湾岸)の利権を握った、アメリカからの資金援助と軍事援助があった。

これで 全アラブ人の希望であった(オスマン・トルコ帝国からの)独立と団結、の 願いは、叩き潰された。 愚か者の英と仏の アホたちの背後から、抜け目なくアメリカが成長していたのだ。

ロックフェラー財閥 の巨大石油資本であうアラムコ=テキサコ=ソーカル=カルテックス(これらが今のシェブロン)が、サウド家のアブドルアジズ(リヤド太守)に、今のサウジアラビア(サウド家のアラビア)を作らせて、それで、アラブ人たちは、大きく分断されて団結を阻まれて、今の惨めなアラビア世界となった。 お調子者の、英と 仏は、自分たちが見下していたアメリカの世界帝国(=世界覇権国)としての 登場と隆盛(りゅうせい)にこの時、まだ気づいていない。

英と仏 が、惨めにアラブ世界から、撤退していったのは、このあと30年後の、1956年のスエズ動乱のときだ。英仏軍は共同で、スエズ運河の利権を死守しようとして、落下傘部隊(空挺団、パラトルーパーズ )を投下して、スエズを軍事制圧した。その時のエジプトは、アメリカが背後にいて支援していた(表面は、ソビエトの支援)ナセル大統領(軍事評議会によるクーデター)によるナセル革命の最中だった。

英と仏は、泣く泣く、惨めにエジプトから撤退していった。スエズ運河はエジプトによって国有化された。この ときに、世界の覇権ははっきりとアメリカに移っていた。 以後、ヨーロッパ全体も名実ともに、アメリカの属国の地域(リージョン)にはいった。

今のIS(アイエス) は、奇妙なことに、 ヨルダンの アカバ港 (紅海=レッド・シー=に面している)から石油を密輸出している。このことは世界のジャーナリストたちの公知だ。そして、まさしく この アカバ港から、トヨタ製のあのものすごい数の白のピックアップ・トラック( テキサス州のサンアントニオ工場製 ) を 陸揚げして、密かに、シリアにまで運んでいること。 IS への 軍事物資 と資金の支援も、今のサウジアラビアと、イスラエルと アメリカの軍事凶暴派であるネオコンとヒラリー派、CIAの特殊軍(スペシャル・フォーシズ)が、行っていることが分かる。

そして、まさしく、このアカバ港こそは、あの映画「アラビアのロレンス」(1962年制作)のハイライトになった、アカバの要塞 への背後の ネジド砂漠からの ラクダ部隊の ベドウィン(砂漠の民、部族の勇者たち)の奇襲部隊による、T.E.ロレンスたちの舞台だ。

このような真実の アラビア世界、中東、イスラム教徒たちの世界基準の研究を、急いで私たちはやらなければいけない。

表面だけの IS 研究などで満足してはいけない。 私たち学問道場は、「アジア人どうし、戦わず(戦争だけはしてはいけない)、アジア人よ団結せよ 」 の旗頭(はたがしら)を掲げていることで、 同時に、「アラブ人(アラビア人)よ、団結せよ。真の独立のために闘え 」 と唱えないわけにはゆかない。

こうなると、当然の帰結として、今の北イラク での、 ISの集団というのは、同じアラブ人どうし(スンニー派であれシーア派であれ)を、分断して、互いに戦わせようとする、 恐ろしい 政治謀略 によって創作されたものだ、とはっきりと分かる。  アラブ人どうしを争わせ、殺し合いをさせることで、得をするのは、誰か?  このことを、私たち日本人は、本気で自分の頭で考えなければいけない。

私は、この4月に、中東、イラン、アブダビ、ドバイに 調査旅行に行けて本当によかった。 そこから800キロメートル先の、サウジの首都リヤドにまでは、行けなかったのが残念(今は、旅行者は入国禁止)だった。だが、アブダビでも多くのサウジ人たちの姿は見たから、それで我慢する。私は、一(いち)を聞いたら十(じゅう)が分かり、(一(ひとつ)を見たら百(ひゃく)が分かる人間だ。 そして、こうして 現代のアラブ、中東世界についての、大きな理解を、急いで私は作ることが出来た。それらを、これからどんどん公表する。

私の講演の前に、まず石井利明(いしいとしあき)君が、『福澤諭吉 とフリーメイソン=ユニテリアン教会(という当時の欧米の優れた最高級知識人たち から学んだこと)』という講演をしました。

このままでは、日本は、イギリス(大英帝国)によって思うように従属国にされてしまう、と早くも1873年(明治6年)には、鋭く気付いた福澤諭吉(当時、38歳)は、1883年(明治16年)から、息子一太郎(いちたろう)の提言もあって、アメリカの東部ボストンのハーヴァード大学から、優秀な
4人の ユニテリアン派宣教師でありながらハーヴァード大学の神学者、化学者である学者たちを招聘(しょうへい)する計画を実行した。

「我が、慶應大学を、東洋のハーヴァード大学にせん(する)」という高い方針を実行した。アーサー・メイ・ナップ教授ら、当時のハーヴァード大学の気鋭の若手学者たちを招いた。そして、学生たちに、当時、世界最先端、最高級の授業をして、世界に追いつこうとした。

そして、福澤は、なんと腹の底から嫌っていた、当時の日本国の最高権力者であった 伊藤博文(いとうはくぶん、初代、内閣総理大臣)と 組んで、同感しあって、「このままでは日本はイギリスの思うように操られる。それを避けるには、隆盛する新興大国である アメリカこそは、自分たちの手本であり、彼らのユニテリアン(という 近代学問=サイエンス=を教えることを堂々とやった) キリスト教プロテスタントの一派ではありながら合理的精神に満ちた、すぐれた学者たちから、学ぼうとした。  さすがに大きなワルではあるが伊藤博文もタダの馬鹿ではない。

尊皇攘夷(そんのうじょうい)思想の後(あと)を継いで日本国の反体制運動の火柱となった 自由民権運動(じゆうみんけんうんどう)の限界を始めの始めから、福澤諭吉は、はっきりと分かっていた。だからずっと冷ややかに見ていた。 だから、ここで当時の日本の最高の頭脳は、福澤と、伊藤博文( 1909年に、ロシアと協調しようとして、ハルビン駅頭で、山県有朋 の陸軍銃殺隊に狙撃され死亡 )だった。

ユニテリアン教会の建物は、全国どこでも、その裏部屋がフリーメイソンの
秘密の会合と儀式をする場所になっている。そのひとつが、長崎のグラバー邸に残っている。軽井沢や 日光中禅寺湖のほとりの外国人館の中にもあった。

1890年代まで、世界最高の優れた頭脳の欧米白人たちは、ユニテリアン=フリーメイソンの会員だった。ところが、20世紀(1900年代)に入って、勃興したアメリカ石油帝国の財界人達によって、このフリーメイソンは、内部から乗っ取られて、その頂点から、腐り果てていったようだ。

そして、今、囁(ささや)かれている 世界を背後から人事、人材、資金力、軍事力であやつる 巨大な非公式の 秘密組織になった。 これらの 大きな秘密を、ひとつひとつ、掘り当てながら、 石井利明くんと、私の他の弟子たちの頑張りが今も続いている。

たとえば、勝海舟( かつかいしゅう、江戸の小者、中間(ちゅうげん)階級の
出で、火消し衆=今の暴力団=の元締めの家柄。腰抜けの旗本たちは、刀が抜けなくなっていた )は、 幕府(とりわけ大久保一翁)が、 1830年代の 、優れた蘭学者(洋学者)たちの中に、潜り込ませて、スパイとして働くように用意周到に育てられた 策略の人間だった。 だから、渡辺崋山(わたなべかざん)、高野長英(たかのちょうえい)たち、優れた蘭学者たちが、1830年代に(1839年、蛮社の獄=ばんしゃのごく=)殺されていった。

江戸幕府が倒れたあと、没落した旧幕臣たちから、「勝(かつ)のやつめ。自分だけ良い思いをしやがって」と怨嗟(えんさ)と呪いの声が上がっていた。榎本威陽(えのもとたけあき)は、さらに勝海舟の子分であった。

幕府海軍の頭(かしら)、総裁(そうさい)として、8隻の当時、世界レベルの最新鋭の洋式軍艦を持っていたのに、 薩長(さっちょう)の討伐軍(=官軍)が、箱根山を越えて、東海道を進軍して来たときに、小田原あたりの海から、艦砲射撃をすれば、薩長軍など、崩壊させることが出来たのだ。 ところが榎本は一発も艦砲を発射していない。

このことも、石井くん他、私も入って、12人で書いた、『フリーメイソン=ユニテリアン教会 が明治日本を作った』(成甲書房、2014年4月刊) に書いた。 この本は、本当に大事で重要な本です。 みんなに真剣に読んで欲しい。 いろいろ 今からでも暴(えば)き立てるべき歴史の真実が この 本に 山ほど書かれています。

内容の紹介

福澤諭吉
新島襄
榎本武揚
板垣退助
森鴎外
新渡戸稲造
山尾庸三
西 周
尾崎行雄
後藤新平
津田梅子

これが偉人たちの真実の姿だ! 世界最大の秘密結社フリーメイソンは幕末・明治の日本にどれほど強い影響を与えたか幕末・維新の指導者、そして明治の元勲たちの中にフリーメイソンの思想がどのようにびっしりと入り込んだか
正確な歴史史料で解明する日本の真実

<目次>

[はじめに]‐副島隆彦
[第1章]福澤諭吉は日本の自立自尊のためにフリーメイソンリーと共に闘った‐石井利明
[第2章]新島襄‐ユニテリアン思想の日本への導入者‐副島隆彦
[第3章]オランダ軍人にあやつられた榎本武揚‐長井大輔
[第4章]日本人初のフリーメイソン・西周の隠された青春‐田中進二郎
[第5章]自由民権運動の父・板垣退助はフリーメイソンだった‐津谷侑太
[第6章]「憲政の神様」尾崎行雄のもう一つの顔‐古村治彦
[第7章]西周が従兄弟叔父である森鴎外‐六城雅敦
[第8章]ジャーディン=マセソン商会が育てた日本工学の父・山尾庸三‐下條竜夫
[第9章]日本初・国際“超”高級官僚としての新渡戸稲造‐吉田祐二
[第10章]後藤新平は「日本のセシル・ローズ」である‐中田安彦
[第11章]正しく評価されてこなかった津田梅子‐足助友子
[附章]「フリーメイソンリー」「ユニテリアン」「理神論」ブリタニカ大百科事典の項目翻訳‐鴨川光(翻訳)

[おわりに]‐副島隆彦

副島隆彦です。 私は、このあと、今週末の日曜日(6月7日)に、今も 戦争死んだ者たちの怨霊が、その海に漂っていると私は思った(先週行ったときに)、横須賀市で、「軍港 横須賀 150年の歴史の真実 」 を講演します。 今日のボヤキの方に、案内があります。

さて、以下に、さらに、載せるのは、私が、ネット上で今朝、拾った、自分自身がこの重たい掲示板に4年前に書いた 文章である。  私は、今も腹に据えかねる。怒っている。  この4年前の私、副島隆彦の文を読んで、すべての人が、よーく考えなさい。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

「 副島隆彦の学問道場 重たい掲示板 」 から 転載

重たい掲示板[754] 私の本たちのこと。小沢裁判のこと。
それから、高田純(たかだじゅん)氏の本から「福島では誰一人として甲状腺がん にはならないと予測できる」 を載せる。

投稿者:副島隆彦
投稿日:2011-10-19 10:47:16

副島隆彦です。 今日は、2011年10月18日です。

私は、9月末に 中国の内モンゴル(内蒙古)に調査旅行に行って、いろいろと収穫がありました。帰国して、講演会などの用事をこなして、それから、4冊の本に取り掛かりました。

数日まえに、ようやく 私たちの立派な指導者である小沢一郎への政治弾圧である 陸山会事件の裁判のことを書きあげました。これは、すぐに、今日のぼやきの 会員ページに載せます。お待ちください。

私が書いていた4冊のうちの一冊は、もうすぐ刊行されます。 私と弟子たちの 第6論文集 である 「放射能のタブー」(KKベストセラーズ刊)です。 来週にも発売になるでしょう。

この本は、8月に、福島第一原発から20キロの検問所の近くの都路町(みやこじまち) にある 学問道場の復興活動本部で合宿をやって、皆が発表したものをまとめたものです。私を含めて16人が執筆しました。今日のぼやきの広報でもすぐに宣伝するでしょう。乞うご期待。

あとの一冊の恒例の「副島隆彦の金融・経済本」 ( 祥伝社 刊) もようやく峠を越して、書き終わりそうです。これは何とか11月の中旬には刊行したい。

それから、私の「中国研究本の 4 」を出します。それから、「阿弥陀如来(あみだにょらい)・観音菩薩(かんのんぼさつ)・弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは何者か。

この女たちは、一体どこから来たのか。仏陀(ブッダ。ゴータマ・シッダルダー。お釈迦さま)とは、別人だろう。この女たちの出自を調べる」 という 内容の「副島隆彦の歴史研究本 の 3」 をPHP研究所から出します。 何とか年内にこれだけは仕事をします。

都路(みやこじ)の活動本部を、弟子たちと現地の支援者たちだけに責(まか)せておくわけにはゆきません。 私が行って、あのあたりに、  宗教研究家の中矢伸一(なかやしんいち)氏らとも協力して、「健康ランド」とか、「低線量(ていせんりょう。微量の意味)の放射線は人体に良い影響を与える」ことの証明としての

「ホテル 放射能」 を建設しようかと、考え始めています。 また、私たちの 愚かな 「放射能コワイ、コワイ」派の敵どもが、私のこの 「ホテル 放射能」 ( 「ホテル・カリフォルニア」ではありません、「アトミック カフェ」でもありません)の話に飛びついて、ギャーギャー騒ぐでしょう。

本当に、この愚か者たちは、自分の脳に張り付いた 放射能恐怖症で、生来の臆病さ と、ものごとを冷静に考えて判断する能力がないから、救いようのない者たちだと、思います。

私たち学問道場が、3月の原発事故の直後から、これほど頑張って、現地に入って活動を続け、冷徹な客観報道をして、「これぐらいの超微量(ちょうびりょう)の放射線量は 人間の体に害を与えない」と 書き続けた。のに、 それでもまだ、説得されないで、今も、バカな恐怖症言論を撒(ま)き散らしている。

私が、5月3日に、郡山で対談して一冊の本 「原発事故、放射能、ケンカ対談」(幻冬舎、2011年6月末刊) の 対論相手の 武田邦彦(たけだくにひこ)という男は、本当に、どうしようもない男だ。 先日も、 東京・世田谷で、(愚かな騒ぎだった)、放射性物質が見つかった」のバカ騒ぎもひどかった。

真実は、 たったの 2.7 マイクロシーベルト毎時(パーアウア per hour )のラジウム入りの塗料か何かだった。それを 武田は、「2・7ミリシーベールの高濃度の」と、書き続け、 つい最近、こそこそと それを、「2・7マイクロシーベルト」に書き変えたそうだ。 証拠は挙(あ)がっている。

武田邦彦をは、これを同じことを、これまでに数回やっている。 こんな男が、科学者とか、原子力の専門家とかを名乗れるはずがないのだ。 そのうち、 彼は、各方面の専門家たちから厳しい批判を浴びて、消えていなくなるだろう。  私も、そろそろ、この男の 扇動言論と、確信犯としての犯罪者体質が、 腹(はら)に据(す)えかねるようになってきた。

武田も、私、副島隆彦に怒っていて、「副島さんは、(何回も原発のそばまで行ったから) 癌で死ぬんだから、ほっておけばいいんだよ」と 編集者たちに言っているそうだ。 武田も、それから、その追随者たちも、私が、問い詰めたら、「10万人ぐらいが福島で、放射能のせいで死ぬのだ」 と 堅く信じ込んでいる。

福島県の人口は丁度200万人だから、その5%ぐらいが死ぬのだと、思い込んでいる。かなかな口には出さないが、私が、きびしく問い詰めたら、そのように一様に、白状する。これには私が驚く。 10万人の福島県人が5年後、10年後に死ぬ、そして、おそらくそのうちの多くは、子供たちだと、この 馬鹿たちは、信じ込んでいる。 これは恐るべきことだと、私は、呆(あき)れかえる。 人間と言うのは、ここまで愚かになれるものか、と、その近年で、最大の 思想ドラマを見せてもらっている。

私は、この手の馬鹿たちと付き合わなければいけないので、不愉快きわまりないことが多い。私の一番の友人で、長年の親友である、「ちょっとインテリの、それなりの知識人」である者までが、この コワイコワイ派である。私が、いくら説得しても、私の言うことを聞かない。 「でも、やっぱり危ないんだよ。副島。分からないことが多いから」と言っている。

この者にして、この程度の思考力しかかなったか、馬鹿はほっておくしかない。と私は、がっかりして、相手の顔を見つめている。 これは、私が生きてきた間に起きた、もしかしたら、最大の笑劇(ファルス、人間喜劇)なのだろう。
私は、これまでもずっと書いたが、まだ何度でも書く。 福島では、誰も死なない。こん微量の放射能のせいで、発病して死ぬ者はひとりもいない。そのように断言します。

それは、福島の現地に行けば分かることだ。放射能コワイコワイの臆病者たちは、とにかく、自分のお金と時間をかけて、福島の現地に行きなさいそして、通りすがりの住民たちと話しなさい。そうすれば、考えが変わる。「なーんだ。何もないんだ。放射能は目に見えないからコワイなどと信じ込んでいた、自分がアホだったんだ」と気づくだろう。 意地でも現地の真実に気づきたくない者でも、どうせ、時間がたてば、気づく。

それでも、意地でも自分の思考転換、思想転向(コンヴァージョン、リキャンテイション、マチュア・アップ)をしたくなくて、強がりと、居直りと、愚かに扇動された自分に気づいても、恥ずかしいものだから、なんやかやと、言い訳をして、自分自身に向かってウソをついて、自分で自分をごまかす、ということをするのだろう。

私、副島隆彦は、この 思想転向 の専門の研究学者なのです。分かりますか。私の本当の専門(プロパー proper 固有)は、この思想転向の問題だ。 私の主著であるアメリカ現代政治思想研究 の本は、そういうことの集大成である。 私の本をこれまで、何冊も読んだ人には分かることだ。このことが分からないのから、副島隆彦の熱心な読者だったのに、とか、言うな。絶対に言うな。

原発の大事故を起こした東電の経営陣への厳しい責任追及と、爆発事故で漏れた(放出された)放射線の人体への影響の問題は、別である。 このふたつをきちんと薫別を付けなければならない。 福島県の幹部公務員たちは、かならず、この「東電の責任と、放射線の人体への被害問題は別です」と、毎回、毎回、必ず言う。

私は、福島県庁のこの態度が正しいと、判断している。私も、この立場だからだ。

東電の経営陣と政府の原子力委員、安全委員の歴代のトップたちは、存命であれば、絶対に、今からでも 逮捕されて刑事裁判にかけられて日本国民によって処罰されるべきだ。

一番、悪いのは、原子力委員会委員長を長年やった、この業界のドンで、今は、三菱総合研究所の理事長になっている 小宮山宏(こみやまひろし)だ。今も東電の監査役である。私、副島隆彦は、この男だけは絶対に、許さない、と堅く決めている。

この 小宮山宏の、事故後の居直りと、悪辣な態度と、新聞にまで、今も「エコと次世代エネルギーを推進」などと大きな顔をして出てくるのを見ていると、本当に、私は怒り心頭に発する。

武田邦彦が、「私は、9億円を東電からもらった」と、私との対談本で、はっきりとしゃべった。 武田程度の小物の、下っ端の 原子力委員・安全委員でも、9億円なのだから、小宮山とか鈴木篤之(すずきあつゆき)、斑目(まだらめ)らは、100億円ぐらいは 当然、貰(もら)っているだろう。どうして、誰もこのことを、糾弾しないのだ。腐り果ててるのか、お前たちの頭は。

武田は、原子力委員・安全委員の専門委員を10年間やった。と自分で私に話した。 そして、恐るべきことに、この6月からまた、安全委員会の専門委員に、武田は、復帰している。 だから、ここには政治謀略の臭いがある。 武田のような、「温厚で、柔らかい物腰の人間」を上手に裏から、上から、操(あやつ)っている人間たちがいる、ということを示している。おそらくそういうことだろう。

放射能(放射線量)の人体への影響の 専門家は、放射線医学者たちである。それと、放射線防護学を名乗る学者たちである。 それ以外の、原子力工学や、原子炉技術者や、核物理学の学者たちは、放射能の人体への影響の問題の専門家ではない。

専門家でもない、 1.武田邦彦 と 2.広瀬隆 3.小出裕章(こいでひろあき) と4.児玉龍彦 の 放射能コワイコワイの国民扇動者 4人組 を、私は、これからもずっと糾弾し続ける。 彼らの言論のおかしさと、愚劣さと、低劣さが、満天下に認められ、大きく敗北する時まで、ずっと、私の方も言論で闘いつづける。

だから、私の同志は、放射医学者たちである。その代表は、やはり、 山下俊一(やましたしゅんいち)長崎大学教授 (現在は、福島県立医大副学長も兼任している) である。

山下教授らに、バッシングの嵐を浴びせた者たちは、今から、2年後、5年後に、一体、自分たちがいかに愚か者で、思考力がない人間であるかを、分かるときが必ず来る。その時に、ずるい逃げ方をするな。口を拭(ぬぐ)って、「私は、そんなことは言わなかったよ」と言うな。 今のうちから、自分が、この4月から10月までに書いたものをしっかりと保存しておくように。 私もそうする。

彼ら 4人組の言論 (彼らの本は、ベストセラーの1位になった) に追随(ついずい)する者たち は、今のうちから、しっかりと、自分の内心、内面に向かって、自分の立場を何度でもはっきりさせて、それを文章に書いて残しておいてほしい。

すべてが明らかになるときが、数年後には来る。 その時まで、 自分の態度を変えずに、奇妙な変節をしないで、態度を一貫させてほしい。 コロコロ態度を変えるのは、人間としておかしいのだ、と自分にも言い聞かせて欲しい。

さて、以下に載せるのは、放射線医学者であり、就中(なかんずく)、放射線防護学(ほうしゃせんぼうごがく)の専攻学者である 高田純(たかだじゅん) 札幌医科大学教授の最近の 文である。 ネットから私が拾ってきたものだ。

高田純教授が最近、出版した 『福島 嘘と真実』 (高田純著、医療科学社)の中の一部の抜粋だと思います。 以下の文の中に、高田純は、はっきりと、「 今回の放射性ヨウ素量が原因で、福島では誰一人として甲状腺がんにはならないと予測できる」 と書いている。引用する。

(引用始め)

これらの値は、チェルノブイリ事故被災者の値の1万分の1から1000分の1である。かの地、ウクライナ、ベラルーシ、ロシア3カ国の被災者700万人の最大甲状腺線量は50グレイ(=50シーベルト)。その後数年から、総数で当時の4800人の子供たちに甲状腺がんが発生した。

(副島隆彦注記。チェルノブイリ事故から)  20年後の世界保健機関の調査報告である。 このリスクが線量に比例すると考えれば、今回の放射性ヨウ素量が原因で、福島では誰一人として甲状腺がん にはならないと予測できる。

(引用終わり)

副島隆彦です。 このように、 福島で放射能にせいで癌になる ( 放射能による癌は甲状腺がんだけである) 人はひとりも出ない、という 専門医学者の 高田純の 表明を 私は尊重する。

専門家の言うことに、耳を傾けて、それに従うしかない。専門家でもなく、長年の研究もないくせに、放射能の人体への影響について、素人と同じくせに、偉そうに発言する者たちを、私たちは、厳しく排撃しなければならない。

放射線医学者たちのほとんど( 中に、数人、変なのかいるらしい) が、「これぐらいの微量の放射線量では発病しません」と口を揃(そろ)えて言っているのに、彼らのことを、 「御用学者だ」と、レッテル貼り ( labeling レイベリング)する 激しいバッシングの嵐が、この 4月、5月、6月、7月に あった。

この動きに少しでも加担した者たち、全員を、私は、見つけ出し次第、あるいは、私の目の前に現れ次第、言論の力で厳しく、問い糺(ただ)し、説得する。一般人だろうか誰だろうが容赦しない。 私が、「ケンカ対談」本で、武田邦彦にやったのと同じ、それの進化した形で、問い詰める。

このおかしな、放射能コワイコワイの 現状 はまだまだ続くのだろう。私は、我慢して愚か者のすべてを説得し続ける。

副島隆彦拝

(以下は、『福島 嘘と真実』(高田純著、医療科学社)からの 一部の 転載である)  (以下、略)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝