[1766]ボッティチェリとロレンツォ・ディ・メディチをテーマにした展覧会をやっています

アルルの男・ヒロシ 投稿日:2015/03/20 19:06

副島先生の『隠されたヨーロッパの血の歴史:ミケランジェロとメディチ家の裏側』(KKベストセラーズ刊)にも登場してきた、画家ボッティチェルリ(ボッティチェリ)の作品を一同に集めた展覧会が渋谷の東急文化村のミュージアムで開催されています。

この展覧会のプレス向けの内覧会に行くことが出来ました。この展覧会は知り合いの出版関係者から「まるで副島隆彦のミケランジェロとメディチ家の歴史そのままのテーマの美術展をやる」ということを教えてもらったものです。ただ、企画自体は前にイタリアで企画された「Money and Beuty. Botticelli and the Renaussance in Florence」(2011)を元に一部を日本向けに企画されたものだということですが、副島本で紹介されている、フィレンツェの「両替商と妻」の絵画(の同時代のフランドル作家による模写)やメディチ家に代わってフィレンツェを支配した修道士サヴォナローラの処刑の絵画も展示されていました。


パンフレットから(「両替商と妻」のレイメルスヴァーレという画家による模写)

この展覧会では交易を元に発展したフィレンツェのメディチ家を始めとする金融業者の栄華を象徴する、フィオリーノ金貨という金貨の展示や、当時富裕層の家に飾ることがブームになっていた「聖母子像」を工房で大量に描いていた(だから絵画だけではなく額が立派、写真参照)ボッティチェリの軌跡や、ロレンツォ・ディ・メディチと親友関係にあったボッティチェリの生涯と、そしてメディチ家批判を行ってフィレンツェに神権政治を敷いた、ジローラモ・サヴォナローラの登場など、『隠されたヨーロッパの血の歴史』を読んでいると、ああなるほどと非常にわかりやすい展示になっていました。この展示会は13世紀から16世紀の欧州金融史をヨーロッパの学芸員が理解している形で的確に描いていた、世界水準の理解で描いています。メディチ家のロレンツォが絵の中に描かれている作品もいくつかありました。


豪勢な額に入れて飾られた様々な「聖母子像」の絵

この展示会を見ると、当時のフィレンツェのパトロンであるメディチ家による栄華とともにボッティチェリを始めとするルネサンス芸術家が活動できたのだ、とか、大富豪の家に飾る「聖母子像」の絵画を生産する「工房」でボッティチェリが芸を磨いていったのだということが『隠されたヨーロッパの血の歴史』には更によく分かる形になっています。

開催内容は、詳しくはこちらで確認してください。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_botticelli/exhibition.html

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