[1624]ワールドカップ決勝戦を見ての感想、 と最新の世界問題

副島隆彦 投稿日:2014/07/14 12:09

副島隆彦です。 今日は、2014年7月14日(月)です。

 私は、さっきまでワールドカップ決勝戦をテレビで見ていて、いろいろ考えました。まとめて、色々書きます。

 まず、このサッカーの試合のことから。ドイツが勝ってしまった。がっかり。アルゼンチンのほうがずっと実力があったのに。アルゼンチンの選手たちの技術力の高さは、ひとりひとりが際(きわ)立っているように見えた。それに対して、ドイツは全員のっぽで身長192センチぐらいありそうなのが揃(そろ)っていた。

 ひとりだけ、ドイツ人選手なのに、チビがいたが、それが、主砲のクローゼからアレと思った時に替わった、ゲッツェ だった。こいつが、抜け目なくスルスルと、アルゼンチンの鉄壁の防御の目を掻(か)い潜(くぐ)って得点してしまった。 これでドイツの勝ちとなった。 

 集団戦の、ドイツ人らしい頭脳戦で勝った。それでも それほど、ずば抜けた選手はいない。ヨーロッパ白人サッカーでは、世界レベルのすごい人たちなのだろうが。

 シュバインシュタイガーというMF(ボランチか)が、顔面に血を流すぐらいの、激しい競り合いで、アルゼンチン・ボールの邪魔をした。ドイツの突撃隊のようなやつだ。フリードリッヒ大王の精鋭巨人軍(竹槍のノッポ部隊)だ。
アルゼンチンの防御の激しさもすばらしい。ガンガン頭をぶつけあって、転んで痛みに耐えても突撃してゆく。スライディング・タックルで相手を蹴(け)り転ばせる。

 アルゼンチンのFD(先鋒)のふたりのアグエロと、メッシは、あんなに背が低いのに、よく世界のサッカーの頂点にいるものだ。172センチぐらいしかないのではないか。英雄メッシのあの、飄々(ひょうひょう)とした、寸胴(ずんどう)で短足な感じで、よくもあんな長身のドイツ人たちの4人掛かりでの包囲網を何とも感じずに、ボールを運べるものだ。メッシは俳優のトム・クルーズに似ている。あまり感情を表に出さない、いつも上品に、上向きの顔で、ボーッとした感じもそっくりだ。

 メッシは、天才マラドーナの再来だと言われるが、なんだか、アルゼンチン人のサポーターサイドからすぐにブーイングが起きるから、国内では色々と言われているのだろう。それでも顔色一つ変えずにずっと試合をしている。自分は、国家を超えて、人類のレベルなんだ、という感じだ。まだ27歳だそうだ。

 それよりも、私が気に入ったのは、 いかにも原住民に血が入っているアエグロとマスケーラが、ものすごい突撃をするものだから、あの長身のドイツ人たちでも勝てなくて、ひっくり返って呻(うめ)いて痛そうにしている。スポーツ試合も偶(たま)に見ると面白い。

 世界レベルのプロ(ウ)pro  の選手たちだから、無理をして体をグキと痛めたら選手人生に響くから、あまり激しい競り合いはやらないはずなのに、決勝戦ともなると気迫で、ドスコイ勝負でぶつかり合う。殴り合い、蹴り合いの感じだ。

 さすがに世界レベルの試合となると、日本国内で、ころころ小さい日本人選手たちが走り回っているのとは違う。これが、私、副島隆彦が言う、world values ワールド・ヴァリューズだ。 日本ごときに国内の言論や、感覚や、基準では、世界は動かない。世界は、日本など全く相手にしていない。あと5年したら身長192センチクラスの中国人の選手たちがアジア大会でどんどん伸(の)して来るだろう。

 アルゼンチンのGK の ロメロがよく球を跳ね返していた。あの南米原住民の顔で、日本の無精髭を伸ばした、兄ちゃん、あんちゃんたちにもそっくりなのがいて面白かった。それに比べれば、ドイツのGKのノイヤーというのは嫌(いや)なヤツだ。メッシと並んで最優秀選手に成ったようだ。

 私は、3日前の、アルゼンチン・オランダ戦もたまたま見た。こっちのほうが面白かった。オランダのハリー・ロッベンが、何度かシュートを決めかかったのだが、アルゼンチンの防御DFチームとGKのロメロが強かった。この壁を崩せなかった。

 延長戦のあとのPK戦で、プロウの技の冴えで、アルゼンチンが勝った。
アルゼンチンは、このあと、ワールドカップが終わったら、国家としてデフォールトしそうである。アルゼンチン政府が、一週間ぐらい前に、「或る国(アメリカ合衆国のこと)が、デフォールト(破産)の手続きを邪魔するので、我が国の再建策がうまく行かない」と、抗議していた。

 このワールドカップのあと、続々と、ブラジル(リオデジャネイロ)に世界の指導者たちが集まるようだ。 インドの新首相のモディも行く。すでにロシアのプーチンは、アルゼンチンのフェルナンデス(女、クリスティーヌ)大統領と会談して、「マルビナス島(英語名、フォークランド諸島)の領有権、帰属を巡り」合意していた。

 アルゼンチンの国家破産(銀行取引停止)の難問は、隣国の大国、ブラジルがどうせ救(たす)けなければ済まないのだ。 それでも、こうやってワールド・カップの最終日に合わせて世界の首脳が集まるということは、「皆で、助けよう」ということだろう。ただし、ここには、アメリカ合衆国がいない。もう中南米諸国(ラテンアメリカ)を資金面から救援する力が北アメリカにはない。

 私は、サッカーのこと(野球のことも)など何も知らないし試合も見ない。それでも、90年代には、たとえば、フランスの選手だったら、ロナウドたちのような物凄く強い、頑強そうな、しかし頭はハゲポッポで、厳(いか)つくて、北アフリカの 、マグレブ人(人種)と呼ばれる、北アフリカ黒人の血が混ざった選手たちのことを思い出す。

 あの頃のフランスは強かった。 まるでアルジェリア人(カルタゴ人、フェニキア、ムーア人、オセロのような黒人)ですか、という選手たちがいた。
ヨーロッパ純系白人(優先)主義は、そろそろやめた方がいい。どうせサッカー(英語では、わざとフットボールという)は世界の下層民衆、労働者階級のスポーツなのだから、人種融合(ゆうごう)主義(congregationalism コングリゲイショナリズム)がいい。

 それに対して、たとえば、クロアチアという旧ユーゴスラビア(スラビアとは、スロバニ(キ)アで、スラブ人という意味だ)の国のサッカー選手は、身長が全員190センチ以上で、紅毛碧眼(こうもうへきがん)つまり、金髪で青い目をしていて、自分たちが、ドイツ人(ゲルマン人)よりももっと北ゲルマン人の純系白人です、みたいな、チビコロの国がある。あそこは、今のウクライナ政府と同じで、「自分たちは、きれいな白人で、有色人種ではない」を強調する、イヤな国だ。

 私たち日本人は、東アジアの モンゴル・インディアン(インド人。インド人 Indianの本当の意味は、、白人ではない有色人種という意味である。このモンゴロイード(モンゴル種)インディアン=東洋人(オリエンタル・インド人)である。このことを、隠したり、誤魔化したりしてはならない。自分たちが、まるで、名誉白人である、などという奇妙な、劣等感(れっとうかん)の裏返しの、おかしな理屈は捨てるべきだ。

 反中国・嫌韓(けんかん)の人種差別を、同じ東アジア人種でありながら、盛んに扇動して、煽った本を書いた者たちは、私は、絶対に許さん。ずべて証拠として集めて、そのうち、この人種差別主義者(レイシスト)の、奇っ怪な扇動者(デマゴーグ)たちを徹底的に成敗(せいばい)してくれる。 

 世界民衆の、このワールドカップに見える、人種融合主義の、世界人類の団結を、日本国内の、中国への反感、中国が攻めてくるから防衛しなければ、の一点の国民の不安感を根拠、利点にして、荒れ狂う愚劣な言論活動との、正面からの闘いを私はする。桜井よしこ(台湾華僑の娘)、黄文雄(こうぶんゆう。亡命台湾人を名乗る反共主義者)、呉善花(オソンファ。韓国人のくせに反韓国を煽動する奇っ怪な女)、室谷克実(むろたにかつみ。「悪韓論(あっかんろん)」で韓国人は、劣等民族で、悪韓(あっかん)だと、呪詛する愚か者) たちとの、言論戦を私はする。

 政治問題は、私の専門のフィールドだ。私は、サッカーボールは上手に蹴(け)れないが、政治思想の球なら、三段突飛ケリの回し蹴りで、お前たちの脳天を、真後ろから当てて、前のめりにつんのめらせてみせる。それぐらいの特殊技は、持っている。 如何せん。政治思想、学問、知識の分野では、こんな東アジアの地域(リージョン、 region)では、とても世界選手権に出れないので、残念だ。

 アルゼンチンにも、ひとつだけ欠点があって、あのサッカー選手たちも、自分ことをスペイン系白人だと思い込んでいる点だ。だから、ひとりも黒人選手が居なかった。アルゼンチン人は自分の国をヨーロッパ白人の国だと強固に思い込んでる。

 私はアルゼンチン人の知識人(大学教授)とこのことで、15年前に大喧嘩(けんか)をしたことがある。アルゼンチンのパンパ(北米ならプレーリーの大平原)のインディオ=インディアンは、ほとんど全滅した。白人入植者たちによって撃ち殺されたりして駆逐された。それでも、南米諸国は、メキシコのメスチーゾ始めとして、ラティノスと呼ばれる混血人間たちだ。
 
 隣の大国、ブラジルは、今も貧乏だ、貧乏だ、と言われるが、目下、急激に、成長している。日本の1964年の東京オリンピックの頃のような高度成長経済の熱気の中にある。外国からの報道陣は、ブラジルはまだまだ貧民街(大都市の周囲の丘陵地帯の一面に掘っ立て小屋が立っている)が多いと、すぐに悪口の報道をするが、どんどんこれらの貧困遅滞も住宅の質が改善しつつある。 この成長経済の熱気を、ブラジルが南米全体を主導して起こしている。

 
 ブラジル人は、アフリカからの黒人奴隷とポルトガル白人と、それから原住民のインディオとの混血である。完全な融合民族である。だから強いのだ。これからの世界をひっぱってゆく国は、(中国とインドと共に)ブラジルである。映画「スターシップ・トルーパーズ」の原作のハインラインというブラジル人作家が、これからの世界が向かう政治思想(ポリティカル・ソート)として、ものすごく重要なのだ。

 ブラジル人こそは、融合人種のサイボーグ人間だ。ブラジルのサッカー選手たちをじっと見ていると、そのことがよく分かる。彼らは、あまりに、ひとりひとりは商業主義で、自分のためのお金を世界中のサッカーチームにそれぞれ所属して忙しいものだから、団結心がない。

 たとえばオペラ音楽(楽劇)の発祥のイタリアのオーケストラ(交響楽団)が早くに衰退して、個人技になってしまって、遅れてきたドイツ人やロシア人がすばらしいオーケストラの集団楽器演奏の花を咲かせたことと似ている。
 
 ブラジルに集まって、明日、あさって、14,15日で、「BRICS(ブリックス)開発銀行」の 話をする。 どこに、その事務局を置くかで、おそらく中国の上海に決まりだろうが(どうせ中国が半分の資金を出すから)、インドも欲しいと頑張るようだ。この「ブッリックス世界開発銀行」というのは、今のワシントンに有る、世界銀行(ワールドバンク)に取って替わるための、新世界銀行(ニュー・ワールドバンク)である。

 世界には、そんな動きがあるのか、と驚く人は、私、副島隆彦の本をまじめに読まない人だ。読め。これまでに何回も書いている。
 
 この世界銀行と兄弟組織の IMF(国際通貨基金)に相当する準備基金の国際組織も同時に作りつつある。 世界は、確実に変わりつつ有るのだ。日本国民は、つんぼ桟敷(さじき)に置かれて、言論やニューズが激しく国内で、規制、統制されていて、国民がバカになっているから、世界基準(これがワールド・ヴァリューズだ)での知識を持たせてもらえなくされている。

 「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿(みざる、さんえん)のお猿さんにされている。日本のバカ官僚のワルたちと、自民党のタカ派と、それをアメリカが背後から命令するからだ。

 安倍晋三の 右翼内閣(ザ・カルト・オブ・ヤスクニ集団) は、早く終わってしまえ。そして、それよりは少しだけはマシな石破茂(いしばしげる)のちっとは穏やかな世界言うことを少しは聞く、内閣(政府)にするべきだ。

 集団的自衛権(しゅうだんてきじえいけん)の容認の閣議決定(7月1日)というのは、東シナ海で軍事衝突(ぐんじしょうとつ。ミリタリー・コンフラグレイション。 まだ戦争ではない。)が起きることを想定して定めている有事法制で間に合うのに、それを、さらに踏み越えて、日本が軍事国家への道を、歩もうとすることである。

 集団的自衛権を、政府(内閣の閣議で決める)が、歴代の法制局長官たちの政府の見解としてきた、「国際社会=国連憲章では、集団的自衛権(国連憲章51条)は、認めている。しかし、その行使の容認は、日本国憲法が許さない。その自衛権の行使は、憲法の規定を越えるから違憲である、とする。

 この法務省官僚たちの歴代の答弁を、政権政治家たちの集まりである政府=内閣の意思として、今回、はっきりと、「官僚決定が 政府見解=政府の意思 を名乗るな」として、ひっくり返したものだ。そのための手続きを、自分たち安倍政権(自民党政府)は、この度(たび)、はっきりと決議しました。

 従って、これまでの歴代内閣法制局長官(東大法学部出の法務省官僚の集まり)が守ってきた(先例拘束として)ことを破棄したものだ。
 
 だから、私、副島隆彦は、ここでは、「憲法改正の手続きをしっかり取るべきで、それをしないで、解釈で憲法を変える(解釈改憲、かいしゃくかいけん。憲法が、軍事衝突の準備までしていい、と解釈すること)は許されない」と、答弁した、公明党=創価学会の勢力の考えだと、それでは次の手続きとして、憲法改正を議論しましょう、という、ふうに、相手の思う壺に入るので、そういう態度と、思考はしない、相手の手(策略)に乗らない、という一歩引いた態度を、私、副島隆彦は取っている。

 実は、この集団的安全保障の行使の容認の問題は、フィリピンが中心だ。フィリピンのベニグノ・“ノイノイ”・アキノ大統領を中心にして東アジアの海洋での中国を封じ込めるためのアメリカ政府(オバマ政権)の意思決定に基づくものだ。

 フィリピン海軍が、中国海軍とぶつかる(軍事衝突。戦争=ウォーフェア warfare =ではない。その2歩手前)ことを想定して、アメリカを総大将とする、鶴翼(かくよく)の構えのうち、その右翼 を、日本、韓国、台湾に堅めさせ、左翼を、ベトナム、マレーシア、インドネシアに堅めさせようとする、アメリカの 東アジア版の、 NATO(ネイトー、北大西洋条約機構)の構築の動きである。だが、そんなにうまくはゆかない。東アジアの華僑の勢力が、親中国政府で動くから、この中国包囲網を突き崩して来る。

 実は、今の世界の政治の焦点の中心は、誰あろう、インドネシアである。 

 インドネシアの政治が世界の中心だ。 先週の7月9日に、大統領選挙があった。それで、ジョコウィ(ジョコ・ウイウイ)という清潔で国民思いの立派な人物(オバマとそっくり)が、45%の得票(投票率72%?)をして当選したようなのだ。

 ところが、いかにも悪人顔の、プラボウォという軍人あがりのワルが、その選挙結果を認めない、と騒いでいる。 このインドネシアの戦後政治の長い悲劇を、多くのインドネシア人を虐殺してきた、元戒厳令司令官=首都戦略軍司令官とかいう恐ろしい経歴のプラボウォに表れる、インドネシア国軍、右翼たちが、どうも、クーデターを掛けて、軍事国家になりそうな気配である。それでインドネシアが緊張状態にある。

  人口2.4億人のインドネシア(天然資源がものすごく豊富)はBRICSに続く、準経済成長大国であり、トルコ(人口9千万人)やナイジェリア(アフリカでは。1人口.4億人)や、ブラジル(2億人)と共に目下、激しく成長している国である。

 このインドネシアの政治が安定して、成長経済が続けば、世界がこの辺りを中心に発展する。 もし、ジョコウィが大統領に就任できず、暗黒の軍事国家への後戻りが有るようだと、インドネシアは、再び歴史の闇の中に隠れてしまう。私が、デヴィ・スカルノ夫人と対談して、かつ彼女の回想録(自伝)を読んで分かった、「インドネシアの戦後政治の悲惨」の重要性については、ぼやきの会員ページに載せた。
 
 インドネシア政治映画の、最近の衝撃の名作である、「アクト・オブ・キリング」を見たら、インドネシア人が、1965年の9.30事件(以降の2年間)で、200万人ぐらいが、多くが針金で首を絞め殺されて河に捨てられた、そして、その多くをインドネシア国軍がおいない、その裏からアメリカのCIAが指揮した(そして、スハルト政権という傀儡政権が出来た)ことが、よくわかった。

  この血塗られたインドネシア国軍の、暴力団そのもののワルさを、もし、日本の右翼勢力が、それと自分たちは、同じぐらいの暴力団体質の人間で、座るときには、足を開いて座る、という生来の右翼、暴力団人間だと、自民党の幹部になっている者たちまでが、自覚するようだと、日本の政治も血塗られた裏側を持っている、ということになる。

 インドネシアやインドは、サッカーが強くなることはないだろうが、このインド系の肌が褐色で浅黒い人たちは、そのまま、地球をぐるりと回って、おそらくブラジルや、コロンビアや、パラグアイ、エクアドル、ベネズエラ、ペルーなどの、混血有色人種と全く共通の世界感覚を持っている。このことが重要だ。

 インドネシア人は、インド人の一種である。そして、500年間(それこそ、日本の平戸にポルトガル人たちが1540年頃に出現したのと同じ時だ)の残酷な支配をした、ポルトガルそのあとオランダの支配を受けて、その間に、確かにオランダ人と混血している。

 それは、アルゼンチンに、スペイン系だけでなく、貧乏な食い詰めのドイツ人やイタリア人が入植して混血している事実に現れている。その他に、ナチス・ドイツの将校だった者たちも大量に、バチカンの手引で、南米過酷に逃亡して生きた。 

 だから、オランダ人が確実に微(かす)かに混血しているインドネシア人は、世界性としても、ブラジル人や、北アフリカ人(マグレブ人。セム系。南イタリア人もアラブ人との混血だ)と、世界共通の感覚を、今、持っているのだ。彼らの方が日本人よりも、政治センスや、世界共通の感覚を持っている。このことを分かることは重要だ。

今の日本人は、70年代までの高度成長経済で豊かになったものだから、どうしても、思い上がっている。だから、「私たち日本人は肌の白い白人と同じ、先進国で、奇麗な国で、優秀な名誉白人種なのよ」 と、密かに思ってる。

 それで、今も世界中にいる、白人たちの中の、ヨーロッパ白人優越主義者=人種差別主義者 ( これには、「プロウ・ホワイト・オーストラリアン」=白豪=はくごう=主義のオーストラリアを含む。ところが今のオーストラリアは国民の12%が中国系にいつの間にかなっている。)は、批判されるべきだ、ということになる。

 世界は、今、確実に、そのように、西洋白人種(コーカソイード)と黒人種とインド人種の混ざった サイボーグのような褐色の人種の世界になりつつ有るのだ。そのことが、ワールドカップを観ていたら、実によく分かった。

 こんな、日本のような、衰退国家にしがみついて、私の弟子たちの一部でさえ、自給1300円のコンビニ店員であるような、おそろしい停滞(ていたい)国家で、インフラだけは異常に整備され、公務員というふざけた人種(何だかんだで1千万人いる)だけが、「自分の生活は大丈夫」のような、ひねくれ者の国に生きていると、本当に、自分の感覚のほうが、おかしくなる。

 世界は、BRICSの 貧乏人口大国を中心に、どんどん伸び上がっている。どこの貧乏国も、指導者がしっかりしていれば、成長経済を地で行っている。
 
 中国は、地価が暴落しているから、もうすぐ、崩壊する(暴動が各地で起きる)と、書き続ける、バカな耄碌(もうろく)ジジイの長谷川慶太郎を筆頭に、今年、2014年が、「中国崩壊論」 が、賞味期限の切れる、最後の年だと、思い知るがいい。今年中に中国が崩壊しなかったら、こつらの負けだ。

ところが、こいつらは、生来、ズルい性格をした、悪い人間たちだから、また、別のコトバを考えついて、「中国悪漢(あっかん)論」とかでも書いて、自分たちの予測のハズレを糊塗(こと。ウソで塗り固める)するのだろう。中国は崩壊などしない。まずまず元気で、日本など無視して、どんどん太平洋に出張ってくるよ。

 どうするんだ。その時。本当に、中国と 戦って、戦争をする気があるのか、お前たちは。アホめが。そのくせ、「そのとき、果たして、アメリカが助けに来てくれるだろうか 」などど、いつまでも、自己疑問文の、「昔の左翼リベラル派の十八番(おはこ)だった、自己宛(あ)て疑問文を、書き続けて、取り澄(す)まして生きているがいい。他に考えることもないし、中国、北朝鮮、韓国を貶(けな)すこと、見下げること、脅威に感じること以外に、自分のうまくゆかない人生の捌(は)け口は無いのだから。心底、バカなやつら。 

 こんな貧乏たれ、の衰退国家の日本など尻目(しりめ)にして、ブラジル人、インドネシア人、アルジェリア人 のような南米褐色混血人種を中心にして、世界は進んでゆく。 日本の若い人は、元気な人は、自分のうつ病を治したかったら、外国に出稼ぎで出ることを本気で考えるべきだ。

 ただし間違っても、アメリカ合衆国や、イギリスのような、これまでの世界覇権国(世界帝国)にだけは、どうせ、ビジネス・チャンスなど、何も残っていないから、行かないように。エリート大学留学も、アメリカの人騙(だま)しの一種の、学校屋(がっこうや)という商売だから、だまされたらいけない。

 ワールドカップ決勝戦の会場には、ドイツのメルケル首相(この女が、今や、ヨーロッパの団結の女帝だ)も来ていて、ジルマ・ルセフ大統領の横に居た。メルケルは、天然ガスのロシア経由での輸入の話もあるので、プーチンと真剣に話し合って、アメリカの言うことなど聞かないで、ヨーロッパの生き残りを賭ける。 もう、アメリカの軍事力も限界だと、よく分かっている。

 ブラジルの大統領のジルマ・ルセフは、苦労の多い自分の大統領の職を必死で続けている。この女も、ブラジル解放運動の左翼ゲリラ上がりで2年間、刑務所に居た女だから根性があるだろう。ドイツが勝った瞬間で、さすがにメルケルの様子をカメラが写した。

 世界向けの報道だ。ワールドカップの最中は、世界中で、ゲリラたちや、中東のならず者の武装集団たち(ジハーディスト。サウジアラビアやCIA、イスラエルのモサドの資金で雇われている)でも、サッカーの試合を見ているだろう。 インターネットの中継でも見れるだろう。だから、私も見た。

 今日からブラジルに世界各国の指導者たちが集まって会議を開く。これは、アメリカ主導ではない。ヨーロッパの没落、衰退、気取り屋白人国家どもの主催でもない。浅黒い肌をした、有色人種たちの主導する世界会議だ。これからの世界は、こうやって、決まってゆく。 

 だから、2016年のオリンピックまでは、急激に成長する新興国を助けるために、またブラジルが主催国だ。ところが、その次の2020年は、日本(東京)にやらせろ、このままでは、日本が危ない。先進国の一角が、アジアで崩れるのは、まずい、という高所(こうしょ)からの戦略判断で、日本にオリンピックをやらせることにしたのだ。 

 貧乏国に追いつかれて、自分たちが貧乏に転落しそうになっている 先進国同盟からの反撃だ。だが、成長の止まった国に、高層ビルや、道路、橋のインフラを整備するだけで、日本に成長経済が戻るのか。おそらく無理だ。狙いは、せめて、東京の、それも中心地の海側のところだけでも、外国への玄関として、カネをつぎ込んで、立派そうにしろ、ということだ。

 日本の地方と田舎は、もう、草ぼうぼうで見捨てられている。全国、すべての地方都市が、シャッター通りのガラガラだ。商店街の店は閉まったまま、二階で老人夫婦が寝ているのだろう。この商店主階級の 100万人を、これから、破産させて、消してしまおうというのが、竹中(パソナカ)平蔵の、「300万社の中小企業の廃業率を10%に上げて、100万社を消そう」という「国家復興戦略」である。 こんな干からびた商店主たちでも、法人で会社の代表取締役社長なのである。すべては、騙しだ。

 サッカーも、「民衆にはパンとサーカスを与えよ。そして、上手に騙せ」の一種だから、私は、生来、こういうスポーツ競技は好きではない。それでも、世界民衆が、そこに集まって、ワオワオワオとやっているのだから、その 各国の下層民衆の顔を見るのはいいことだろうと、テレビを深夜に見ていた。私も、元気を出さねば。

 ここからあとは、私が、弟子たちと苦労して出版しました、 7月1日発売の『 フリーメイソン =ユニテリアン教会 が 明治日本を動かした 』( 成甲書房 刊)の宣伝をします。

 この本は、掛け値なしに、すばらしい本ですから、買って読んで下さい。損はさせません。これまでに、副島隆彦の本を読んで、「この人は、本当のことを書いている。世界基準での真実を書いて日本国内に伝える人のようだ」と、分かっている人は、必ず、買って読んでください。自分の日々の生活で忙しいでしょうが、時間をなんとか作って、読んで下さい。

 しっかり読んだら必ず、ビックリします。大きな真実に気づきます。それを、一作、一作を、私の弟子たちが、気合を込めて、書きました。この本は、日本の知識人、読者人層の、必読の書となって、これから長く、読まれてゆくでしょう。なぜなら、幕末、維新、明治時代になってからの、日本の国の作り方についての、一番、重要な、これまで秘密にされてきた事実が、これでもか、これでもか、というぐらいに、書き連ねられ、発見されているからです。

 私、副島隆彦が、もっと、解説して、皆さんの 理解の呼び水、誘引となるように書こうと思うのですが、今日は、ワールドカップ(世界サッカー試合)のことを中心に書きましたので、またの機会にします。 会員ページの方にも、すぐれた論文を、どんどん発表しています。  

 会員で更新をしていない人は、この機会に、更新して、読んで下さい。 日本で一番 優れた知識、思想、学問の習得は、今の時代は、このような、ネット上の私塾(しじゅく)でしか、真実の勉強は出来なくなっています。 既成(きせい)の威張り腐った、制度や、教育集団になどは、もう何の新味も新奇さもないでしょう。

 私たちの学問道場が、日本で最先端の政治思想、知識、学問を追究している集団です。このことを再発見していただく為にも、 前掲した 『フリーメイソン=ユニテリアン教会が 明治日本を動かした』をお読み下さい。 

 以下に転載するのは、 先ほど、私に届きました、編集者の吉野勝美(よしのかつみ)氏のこの本への高い評価と読書感想です。

(転載貼り付け始め)

『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』
の読後感

吉野勝美 筆

 本書(『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』)の副島先生の長文の「はじめに」に、すべてが言い尽されていると思いました。

 欧米の本当の近代史は、「無神論(むしんろん)」と「理神論(りしんろん)」の間に横たわる長きにわたる知識人たちの葛藤(かっとう)であること。ローマ・カトリック教団そのものが諸悪の根源であり、それと戦ったフリーメイソン=ユニテリアンたち との抗争が、日本の近代史にも反映しているということがよくわかりました。

 初期の社会主義運動が、フリーメイソン会館から起こったという事実も驚きです。 佐藤優氏の帰依しているカルヴァン派の背景もよくわかりました。また、クエーカー教 とユニテリアン教会の密接な関係もよくわかりました。

 これまで今イチ、わからなかったクエーカー教徒である新渡戸稲造(にとべいなぞう)の人生の謎も吉田祐二(よしだゆうじ)氏の優れた論考でよくわかりました。

 さて、本書中でもっとも白眉な論考は、石井利明(いしいとしあき)氏の「福澤諭吉論」だと思います。私もこれまで、福澤諭吉にフリーメイソンの匂いを感じていて、その生き方に疑問を抱いていたのです。このたびの優れた石井利明氏の論考で、その疑いが一掃されました。

 福澤諭吉は、明治維新当時の日本が、イギリス帝国からの属国支配から免れるために、アーサー・メイ・ナップ他のユニテリアンのハーバード大学の優れた教授たちを、慶応義塾に招き活用していたのですね。これを読んで、私も福澤諭吉への評価を変えました。

 次に興味深かったのは、田中進二郎(たなかしんじろう)氏の「西周(にしあまね)」論です。資料の少ない分野を、田中進二郎氏はよく分析され推論されたと思います。幕府が開いた蛮書調所(ばんしょしらべしょ)に関わっていた西周が、その後のオランダ留学中に、ユニテリアン人脈を通してデモクラシーを学んだという発見は極めて重要です。

 西周とグラバーとの関係も一歩突っ込んで推論されています。「万国公法(ばんこくこうほう)」が、それまでの熱狂的な尊王攘夷派の思想を大きく変えて、開国派に変えていったという叙述も優れています。また、西周(にしあまね)と山本覚馬(やまもとかくま)との関係も初めて知りました。副島先生が、逸早く才能を発見された田中進二郎氏のこれからの軌跡が楽しみです。

 それから、六城雅敦(ろくじょうつねまさ)氏の「森鷗外」論が秀逸でした。私もかねがね森鷗外という文学者にあまり親しみを感じませんでした。その理由が、この論考を読んで納得できました。鷗外はダブル・スタンダードの人物だったのですね。 

 大叔父である西周から幼児から習いながらも、西を嫌った鷗外は、ユニテリアンからの影響も多く、ニーチェ思想に通暁していた。軍医としての鷗外は、東大医学部閥の悪習に染まり、「脚気(かっけ)伝染病説」に固執し、念願だった爵位獲得に失敗した。自分の出世のためには、山縣有朋(やまがたありとも)に追随するなど、鷗外の意外な世俗的な一面を知って、実に出色(しゅっしょく)の論考でした。

 あまり世間には知られていない“長州ファイブ”の一人、「山尾庸三(やまおようぞう)」という「日本工学の父」になった技術者についての、下條竜夫(げじょうたつお)氏の論考も秀逸でした。 

 合理的なクリスチャンである、プリーストリーというスコットランド人の神学者の存在と、ユニテリアン思想の関係についての指摘は実に鋭いと思いました。マセソン社の便宜でイギリス留学をし、造船技術を学び取り、「日本の工学の父」と尊称された山尾庸三の足跡がよくわかりました。

 下條氏の略歴を見ると、早稲田大学理工学部卒とあり、チューリッヒ大学にも学び、理学博士とのこと。このような優れた異分野の人材までが参加されている「学問道場」の裾野の広さを感じました。

 その他、いつもながらの安定した論述をされている中田安彦(なかたやすひこ)氏の「後藤新平(ごとうしんぺい)」論、古村治彦氏の「尾崎行雄(おざきゆきお)」論、紅一点でありながら、同性ならではのユニークな女性論「津田梅子(つだうめこ)」論を展開されている足助友子(あすけゆうこ)さんの鋭い分析力と着眼点に感心しました。 

 津田梅子の、これまで言われて来た“つだつだしい女性 ”というイメージから、「愛と献身に生きる」素晴らしい女性像というイメージに転換させられました。

 最後に、付章 として設けられた鴨川光(かもがわひろし)氏による、項目の翻訳文も勉強になりました。本書の重要なキーワードになっている「フリーメイソン」と「ユニテリアン」などの正しい語義がこれではっきりとわかりました。
その他も一読して傑出していると分かる論考がありましたが、言及は今回はこれで終わらせていただきます。

学問道場(SNSI副島国家戦略研究所)各位のますますのご研鑽とご健康をお祈り申し上げます。

平成26年(2014年)7月13日

吉野勝美

副島隆彦先生

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。このようなありがたい書評をいただきました。皆さんも、ご自分の読書眼力で、この本を読み破って、自分はこの点に鋭く気付いた、などのご意見や感想を、ここの重たい掲示板に、投稿でお寄せ下さい。 

 自分なりの研究もしている、という人は、私、副島隆彦宛てに、書いてきて下さい。 私は、急いで、能力のある若い人間たちを育てなければいけないのです。それが私、副島隆彦の人生に残された任務であり使命です。

 さて、最後の最後にお知らせです。 来週の末 (7月26日、土曜日)に開かれます、私の金融セミナーへのお誘いです。

 経営者や小金持ちの人で、金融や経済の先読みのことで、私、副島隆彦の最新の考えを直(じか)に聞きたいという人、および、自分は親の財産を相続するのだが、相続税や贈与税の強化で、不安を感じている若い人たちも、ご参加下さい。以下の概要ですので、要領に従ってお申し込み下さい。まだ席に空があるそうです。

 学問道場の定例会である 講演会は、10月末に開催する予定です。詳細が決まりましたら、お知らせしますので、お待ちください。

副島隆彦拝

(講演会のお知らせ)

「 副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 」 第8回

*日時:2014年7月26日(土)
*会場:ヤクルトホール 東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル

開場・受付:10:00~ 
第1部:11:00~12:30 休 憩 :12:30~14:00
第2部:14:00~15:30 休 憩 :15:30~16:00
第3部:16:00~17:30(終了予定)

*受講料:15,000円(税込み)
*主催:ブレイントラスト企画(成甲書房内)

第8回金融セミナーへご参加を希望されます場合は、
お電話 03-3292-8401
FAX 050-3156-3040
メール seminar@seikoshobo.co.jp   
で、お申し込みください。
 

副島隆彦拝