[1557]八方美人のアメリカに注意すべきだ
アメリカは、中国が主催する国際観艦式に自国の艦艇を派遣しないことを決めた。アメリカは、中国が、日本の海上自衛隊を、中国が主催する国際観艦式に招待しないので、同盟国の連帯のために派遣しないことを決めた、と言っている。
一方で、安倍首相が靖国神社に参拝した際には、日本の態度に「深い失望」を表明している。これは、日本にとってはソッポを向かれたも同然である。だから、頭の弱い日本の安倍側近たちは突然の仕打ちに怒り、アメリカを罵ったのである。
さて、アメリカが真に意図するところはなんであるか。それを、以下のポップス歌謡になぞらえて考えてみる。
「けんかをやめて」、という竹内まりやの作詞・作曲した歌がある。竹内まりやとは、昔は自分自身がアイドル(シンガー・ソングライターと言っているが)であり、その後は色々なアイドルに曲を提供した女性作詞作曲家である。彼女は、クリスマスの歌で有名な山下達郎という歌手の奥さんでもある。
さて、この曲も、河合奈保子というアイドルのために作った曲であるが、竹内まりやが彼女自身でも歌っている。
「けんかをやめて 二人を止めて 私のために争わないで もうこれ以上」
という歌い出しで始まるこの曲は、一人の女をめぐって、殴り合う男二人の前で、女が戸惑っているという構図である。この女は、上にあるように、「けんかをやめてほしい」と言いながら、実は全くケンカをやめてほしいと思っていない。
ケンカをやめさせたいなら、2人とも相手にせずに、自分が立ち去るべきである。または、どちらか一方を選んで愛を語らうべきである。相手にされなかったほうの男は、ひどく落ち込むだろうが、少なくとも暴力のケンカはその時点でおわる。勝負がついたからだ。
歌が進むと、女は「揺れる乙女心」で「どちらともうまくやっていけると、思っていた」とのたまう。そして、そのあとで「ふたりの心をもてあそんで楽しんでいた」と独白する。そのあとで、「ボーイフレンドの数を競う仲間がいて、自慢したかった」と、男たちは単なる遊びのコマでしかないことにまで言及する。
「けんかをやめて」と言い、「二人をとめて」と「さらに別の男」に頼んでいるのがこの女である。きっと、つぎにこの曲の主人公である女が狙うのは、ケンカの仲裁にはいった、この第三の男である。
この女にとって、「男たちが自分のために争う」ことはこの上ないステータスであり、自尊心を十分に満足させる事である。
要するに、アメリカは「日中の心をもてあそんで楽しんでいる」のである。そして、究極的には「日中が殴り合いになる」ことを望んでいるとしか言いようがない。だから、アメリカは日和見的に日中の双方にいい顔をしたり、冷たくしたりして「どちらともうまくやっていける」ふりをしているのだ。
アメリカも、歌の主人公の女も、「わかってやっている」のである。どういう事をすれば、この馬鹿な男たちが自分に服従し、お互いに憎しみあい、最後には殴り合うのか、わかっているのである。そして、「けんかをやめて」と言えば、自分はあくまでも悪くない立場にいられるのである。もちろん、自分の自尊心は十分に満たされた上で、だ。
私たちは、このような女をめぐって、隣にいる男と殴りあうほうがよいのか、それとも、こんな悪い女は相手にせず、隣にいる男と酒でも飲みに行ったほうが良いのか、よく考えるべきである。
なぜなら、この女は、結局は「殴り合いをするような男は野蛮だ」と言うだろうし、我々は初めから「彼女にとっての本命候補」ではないのだから。