[1539]日本の読書人階層の結集である伊藤律生誕百周年シンポジウムに行ってきた感想①

津谷侑太 投稿日:2014/03/04 20:48

津谷(つや)侑太(ゆうた)です。今日は、2014年3月4日です。

今日は岐阜県瑞浪(みずなみ)市で開かれた伊藤律(いとうりつ)シンポジウムに行った感想を書こうと思います。

伊藤律は日本共産党のナンバー2だった人物で野坂参三(のざかさんぞう)という悪い共産党指導者にはめられ、中国に送られて27年獄中にあった人物です。

そのあと、目も耳も不自由となりながらも、日本に送り返されてきました。

しかし、伊藤律が投獄されている間、日本では松本清張が『日本の黒い霧』
で伊藤を尾崎秀実(おざきほつみ)を特高警察に密告した特高のスパイだと告発していました。これに同調して尾崎秀樹(おざきほつき)という尾崎の異母弟(いぼてい)の評論家が伊藤はスパイであると書き続けました。

この事実を私は副島先生の『属国日本論』によって知りました。『属国日本論』では渡部富哉(わたべとみや)氏の『偽りの烙印 伊藤律スパイ説の崩壊』(五月書房、1993年刊)が紹介され、私はかねてより興味を持っていました。

そして最近(2010年)では尾崎を特高に売ったのは川合貞吉(かわいさだきち)という戦後評論家になった男だと判明しました。加藤哲郎教授がアメリカの公文書館に発見したそうです。

私は野坂参三、川合貞吉、尾崎秀樹らの共同謀議があって伊藤律への人格攻撃を仕組んだと見ています。

これは山本五十六への人格攻撃として阿川弘之が山本をほめるふりをしながらも、あったかどうかもわからない愛人スキャンダルを書いて、山本のイメージを悪くしたことと似ています。阿川は山本五十六の家族から名誉毀損で訴えられています。三村文男さんが阿川説に追随(ついずい)して、この愛人スキャンダルを本当のことのように書いてますが、私は異論がある。これはまたの機会に論文を書いて徹底検証します。

話を元に戻すと渡部富哉さんのサイトである、ちきゅう座で伊藤律の故郷である瑞浪市でシンポジウムが開かれることを知り、岐阜在住の私は行ってみることにしたわけです。それはなぜかというと有料の「今日のぼやき」で副島先生が以下のように述べていたからです。ナンバーは「978」 9月に行われた、『時代を見通す力』(PHP研究所)の発刊記念講演会の模様を再録しました。(1)ですね。

(引用開始)

だから若い人たちに助言したいのは、いろいろな文化人・知識人・学者の姿形(すがたかたち)を1回でいいから見ておいてください、ということです。それは後々、非常に役に立ちます。

(引用終了)

 私の頭には副島先生のこの文章が残っていました。渡部富哉さんという、体制派には入っていない八十四歳の高齢の言論人、昭和史研究家を一度見ておこうと思いました。

 長くなったので分割して続きはまた次回書いていきます。

津谷侑太拝