[1381]開発”ムラ”というシロアリ

高橋 郷 投稿日:2013/09/19 01:28

会員の高橋郷です。
副島先生には、出会う度に怒られている未熟者です。
以下、掲載させていただきます。

「白アリ」。公費で生活をしている公務員を称して、そう形容される。
しかし、そう称されるべき業界は他に存在する。
それは、ほかならぬ”ODA” 政府開発援助業界だ。
 財政縮小に伴い、国庫負担のODA額も減少しているが、それでもまだ6000億円近い予算が組まれている。そしてそこに、白アリのごとく群がる、開発“ムラ”業界が存在する。
 彼らは、いわゆる“開発コンサル”として、インフラや設計関係を中心に活動を展開する。その数や種類は、数百に及ぶ。その多くは、JVとよばれる合同企業体の形態をとり、外務省から委託を受けたJICA(国際協力機構)によって管理されている開発案件に入札してくる。
合同企業体といえば、聞こえがいいが、要は同じ甘いみつを吸うための巨大な談合集団に他ならない。一度この”ムラ“社会への参入を許された会社は、仲間として認められ、共にODAの甘い蜜を吸いながら年月を過ごしていく。
 だが、その内実は、NGOら非営利活動団体が少ない原資のなかで、必死に行う草の根の援助活動とは大きく異なる。
 調査業務と称しては、国際線のビジネスクラスででかけ、現地では、途上国とはいえ、シェラトンなどの、高級ホテルでの生活が待っている。
 これらは全て、途上国支援のための政府の国庫で賄われている。
 そして、こういった業務を精査するJICAの積算室。ここの年配の職員も民間出身、いわば同じ“開発ムラ”の出身者によって占められ、同じ“ムラ”の仲間が、甘い蜜をすうのをサポートする。
 知り合いのゼネコン関係者はいう。
 「国内の入札業務で勝負するのはばかだ。同じ土建でも、国際分野ではずっと楽に、極上の待遇で公共入札を手にすることができる」と。
 私もNGOとして、震災支援、アフリカ開発支援を行ってきているので、この現実にはあきれてものがいえない。いつも思う。「なぜ、ODAは、現地の視線にたった、本当の草の根の国際協力の私たちを応援してくれないのだろう」と。
 JICAの現地職員はいう。「JICAは、日本政府を代表しています。NGOはNon Government、なのだから、勝手にやってください。」と。
 
 そのシロアリがたかる“開発ムラ”で、近年、目覚ましい業績(利益)を上げている、山下設計(本社:日本橋)がある。最近では、スー・チー女史が春に来日したばかりだが、民主化の進展が著しいミャンマー案件を中心に入札を勝ち得ている。
 この会社は、評判もよろしく、最近では今年(2013年)の7月に佐賀県で、贈収賄事件を引き起こしたばかり。「県、山下設計を指名停止処分 大町町贈収賄」
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2506120.article.html
その仕事のやり方は目を覆うばかりにひどい。国際業務部の木村孝明部長は、現地の状況をろくに調査もせずに、現地の大使館のせいにして、「(ミャンマー大使館)松尾参事官の意を踏まえ、ミャンマー側への懲罰的意味、自助努力の促進も含めた案です。」と関係者にメールを流し、現地の人々の思いを踏みにじった案を平気で押しつけてくる。しかも、他の開発関係者には罵詈雑言をあびせ、どうでも良い個所を何度も直させては(しかも一回ごとにコメント内容が矛盾している)、「時間が無駄になり、かっとしています。」などと、メールをよこし恫喝をしてくる。
 これは、同じく国際事業部の部長、長岡嶺男氏が、自分の子飼いの横山元晴氏を使ってやってくる手口である。 このような、小人のやるような、暴力団まがいのことを行い、自分たちを権力者だと錯覚している、国際事業部の面々、が、国の基幹である外交をわが物顔に闊歩し、ODAという甘い蜜をすっている実態を許していいのだろうか。
 業者の中には、公文書偽造まがいのことをして、開発案件を手にするところさえある。
 おごれるものは久しからず。ODAに群がる開発“ムラ”の現実が暴かれる日がくることを願います。

高橋拝