[1370]1344大川さん大変遅くなりました
中野剛志「反・自由貿易論」と「TPP亡国論」(こちらは間違って別の本を買ってしまいました)はお勧めいただいた後、すぐ読み終わっていたのですが、投稿が大幅に遅れてしまいすいませんでした。
結論から言うと、TPP加盟は全体として日本の国益に反し、アメリカのやりたい放題になる恐れが非常に高いと思います。ぼくの勉強不足かも知れませんが、モノづくりを忘れたアメリカにもはや国際競争力のあるメーカーはほとんどないように思えます。アメリカの狙いはズバリごり押しによる金融・保険、知財、政府調達分野への参入とそれに伴う裁判や紛争でもぎ取る魂胆の賠償金・和解金でしょう。
オバマさんはお膝元のデトロイト市の破綻、国内景気不振により支持者から相当突き上げを喰らっているのでしょう。年内に性急に妥結する必要性は少なくとも日本側にはありません。全く余裕がなくかなり追い詰められているのはアメリカの方です。
中川八洋「TPP反対が国を滅ぼす」は農業分野には当てはまると思いますが、日本全体のことを考えると必ずしも賛成できません。反共精神のあまり、後半は感情的論調です。
自由貿易か保護貿易かという問題はどちらか一方だけが常に正しいとは限らないと思います。その時の自国の国内事情や世界情勢によって使い分けるのが現実的です。少なくとも貿易のために古来からの慣習・法律・言語を他国の介入によって変更を強制されてはいけないし、それこそ本末転倒です。多国籍企業は資本力にものを言わせていくらでも国境をやすやすと越えられても、一般庶民はそうはいきません。経済はボーダレスになっても、政治的にはますますボーダフルになってきているのは、民族・宗教的に相容れない国がいつまでも敵対をやめなかったり、小国がどんどん分離独立していく様からも明らかです。
とにかく、今回は大川さんのおかげでいい勉強になりました。